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四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
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Posted by ブクログ
なんだなんだ?!今までに体験したことのない読後。正直すっごいモヤモヤする終わり方で、スッキリを求める私は少し気がかりなんだけど。こんなにもフワッとしてるのに今最高に気持ちい。なんだろうまるで長い長い夢を見ていたような、遠い世界に行っていたような、。この本じゃなきゃ味わえない。地に足がついてない、。き...続きを読むっとこの本じゃないと味わえない。(面白かったではなく)楽しかった‼️‼️なんか色々調べたい気持ちするけどこの余韻に浸って自分だけのものにしたい、そんな気分。
「タフな精神力と母親からの愛、引き継いできた者たちの記憶を力に、一方的な力によって引き受けざるを得なかった強烈な悪意を断ち切る。」 物語を一言で形容するとこんなところでしょうか。 「世界で一番タフな少年になる」というのは大きく出たなと思っていましたが、カフカ君は実際めちゃくちゃタフですよね。自分...続きを読むが15歳の時って何してたかなって考えると赤面してしまいます。 物語は主にカフカ君とナカタさんの視点で語られてますが、カフカ君は今を生きる若者、ナカタさんは悪意を受け止めされられた存在、という具合で読めますよね。 私自身、村上作品は何冊か読んできました。その中で、ただ健気に生きている人に強烈な悪意がやってきて、それを次世代が断ち切る、みたいな流れがあり、今回もその流れを引き継いでいます。 そのパターンを覚えている人にとっては読みやすくも、主人公が15歳のちょっと大人ぶった少年がということもあり、読者が過去の自分と重ね合わせながら読むことができる、厚みのある作品になっていたなと思います。 もし自分に子どもができたり、自分が打ちのめされて苦しんでいたりした時には、また本著に触れることになるだろうなという気がしています。 そして昨今は世界のみならず、日本でも様々な種類の問題がとりただされていますよね。その問題に向き合うことも大切です。一方でそういった情報を浴びることで、特定の人々への偏った考えやイメージが顕在化している傾向はあるように感じます。 ただそこで踏みとどまって、絶対的な悪意やそれを扇動する者には屈しない。そんなタフさを持った人間になる必要が、私たちにはあるのではないでしょうか。 そんな面白くも、この波乱ある人生を生き抜く勇気を与えてくれる、そんな小説でした。ぜひご一読を
上巻はストーリー性に頭が追いつかないで終わった。こんなこと実際に起こるわけがないから、どういう心持ちで捉えて読み進めればいいから分からず、だからこそ先が気になり下巻もどんどん読み進めたが、どこかのタイミングで自分が納得、理解できる展開にシフトするはずと思っていたものの、見事に裏切られそのままの世界観...続きを読むで終了。多分、作者が伝えたかったことの大半に気付かず、感じられず、読み終わった自信がある。 カフカ少年とナカタさんは特に何かを象徴した存在として描かれているのだろう、大島さんも佐伯さんも大島兄も哲学的なお話が好きなのね、でも何を伝えたいのか瞬間的には感じ取れないし意味不明だなとハテナ??が頭に沢山わいている状態で、自己分析をわかりやすく語ってくれる星野青年が特に良かった。 この小説は時間をかけてじっくり感じながら読むべき本だったなぁ。
面白かった。未回収が多すぎてどうだったんだろう、なにが正解なのだろうがすごく残るけど、それもまた一興。星野くんとナカタさん、いいコンビだったなあ
初の村上春樹 カフカとナカタさんの2人の物語が交互に展開されていて、カフカサイドは抽象的で読みにくい。反対にナカタさんサイドは読みやすいなぐらいで読んでた。 でも読み終わって、この2人の対比がすごくおもしろいことに気づけた。 ラストに向けてどんどん伏線回収されると思ってたからそこは少しモヤモヤした...続きを読む笑 でもこんな長編小説を読んだのも初めてで、読み終えた達成感もあるし物語もおもしろかった。 佐伯さん あなたに私のことを覚えていてほしいの。あなたさえ私のことを覚えていてくれれば、ほかのすべての人に忘れられたってかまわない 大島さん 僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける。大事な機会や可能性や、取りかえしのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。 この2人素敵だった
さて、読み終えた。単行本で読んだ、村上春樹の、私にとって最初の長編小説だった。改めて文庫本で読んだ。うん、よかった。また、しばらく間をあけて、読もう。いや、どうせ、読むことになるだろう。
耳を澄ませるんだ。はまぐりのように注意深く。 注意深い生き物のメタファーとして、はまぐりを選ぶ村上春樹が最高に大好きだ。自分だったら、せいぜいウサギかフェネックくらいの捻りのないのが限界だと思う。絶対に思いつかないけど、理解できるメタファーを大量に用いるから、どんどん世界に引き摺り込まれてくんだと...続きを読む思う。
〇誰もが恋をすることによって、自分自身の欠けた一部を探しているものだからさ。(149p) 〇「ホシノさん」 「なんだい?」(167p) 〇君は彼女をゆるさなくちゃいけない。(中略)それが君にとっての唯一の救いになる。(378p) 〇あなたに私のことを覚えていてほしいの。あなたさえ私のことを覚え...続きを読むていてくれれば、ほかのすべての人に忘れられたってかまわない(467p) 〇つまりある意味ではナカタさんの一部は、俺っちの中でこれからも生きつづけるってことだからね。(502p) 〇やがて君は眠る。そして目覚めたとき、君は新しい世界の一部になっている。(528p) ★印象的な言葉が多すぎて、抜き書きが多くなってしまった。 ★下巻はなんと言っても、ホシノ青年が大活躍する。ナカタさんとホシノ青年のやり取りはまるで落語のようで楽しい。ホシノ青年は全てを受け入れる。度量が大きい。大島さんもそうだ。全ての質問に正面から答える。さくらもそう。この世界には度量の大きい人しかいない。
もし、自分が普通の人間だったなら。 この作品は、人生で一度は考えてしまう命題を受け止める深い器そのものなのだと思う。 心が大きく迷った時、きっとこの本に戻ってくる。 そう思えるだけのしなやかさと強さ、哀しみが混じり合う名作。
傑作中の傑作 傑作中の傑作、壮大な物語のラスト45章からは、川端康成の雪国のようなノーベル文学賞ものの、強烈な共感を呼ぶ。村上春樹の世界と自分たちの世界が深く共振する感覚を覚える。 タフな15歳の少年の物語は、幾多の展開をした後、確固たる一つの束となってここに終結する。
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海辺のカフカ(新潮文庫)
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