あらすじ
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
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Posted by ブクログ
本当に面白い小説だった。最初から独特の世界観が感じられて物語にぐいぐい引き込まれた。村上春樹の長編を読むのは初めてだったが、この人特有の比喩表現とか物語の展開が自分の好みにすごくあっているんだと思う。いろいろな意味深な表現や出来事がたくさん出てきすぎていて、すべての意味を理解するのはとても難しいと思うが、この物語は人間が心の隙間を埋めて自分を認められるようになるまでの過程を描いているのではないかと思う。さくらと佐伯さんはカフカの実の姉、母ではないとは思うが、カフカはそう自分の中で認められるような根拠を探し求めているように思えた。そうすることで呪いを受け、解放されることができるからだ。また、カフカが体を鍛えているのも何かに役立てるためではなく自分のことを認める根拠を作るためなのではないかと思う。最後の森の場面も彼の心のなかでの出来事ではないだろうか。そうやって、周りの人々やものを自分の中で「メタファー」にすることで、心の満たされない部分を埋めていく、そういう話だと解釈した。だから、この世界は客観的に存在しているものだけれど、同時に自分の心の中で再構築する主観的なものでもある。
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この下巻を読むと、上巻はいかに大掛かりな仕掛けを体にくくりつけて、それを起動させるかをただ書き連ねた様なものに思える。そしてこの下巻で物語は大きく立ち上がり始める。
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わかったようなわかんなかったような、でもどこか美しいと思える作品であった。
曖昧な点は曖昧なこととして受け入れ、それはそれで面白い、美しいと感じられるかどうかだと思う。
単なる「正解」ではなく、「想像力」や「解釈」、つまりは考え続けることの大切さを伝えたかったのかな、と私は思った。
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余韻が長く残る小説だった。
物語を追うというより、言葉に浸り、想像する時間を過ごした感覚に近い。
登場人物の中ではナカタさんが特に印象的で、不思議さと同時に、どこか静かな安心感を与えてくれる存在だった。
Posted by ブクログ
良すぎるー、、、主人公がまだ中学生なのがすごい。長いけど、すらすら読めた。ナカタさんと星野青年が好きだなあ。みんなそれぞれ少し悲しくて寂しくて交差していく感じが切ない。
謎な部分も多いけど夢を見ている時みたいな納得感があって特に疑問は抱かなかった。
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村上春樹さん 新潮社2005年3月発行
長編小説 下
20年前の作品
再読してもどんどん引き込まれていく
そして、小説の中に出ている作品が読みたくなる
Posted by ブクログ
巧妙に伏線回収してくれる作品も気持ち良いけれど、読後に残る感情が多いのは海辺のカフカのような作品だと思う。何をどう解釈し、整理すれば良いのか困惑してしまう。
自分の一部をひどく損なってしまった人たちが、それぞれが抱えるものに向き合い、そして何とか受け入れていく。佐伯さんは恋人を失い、恋人との未来を失い、ナカタさんは文字と知能、秀才としての未来を失った。カフカ少年は母と姉を失い、家族と過ごす温かさのようなものを失った。
極めて大切なものを失ってしまい、もう二度と取り返しようがない時、どうすれば良いのか。何もできない気がする。そんなことを考えさせられる。
ただ、最後のホシノさんの「ナカタさんの一部は、俺っちの中で生き続ける」という台詞に救われた。失ったけど、失うまでは確かにそこにあったという“しるし”が沢山ある事に気づく。万年筆や絵画にCD、短い鉛筆やマグカップ。それらを見るだけで佐伯さんや大島さんを思い出せるし、猫や石や神社やKFCを見ればホシノさんはナカタさんを思い出す。
自分の中でその人はずっと生きていて、自分も誰かの中でずっと生きている。それを知っていれれば、少しはタフに生きれそう。
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大公トリオ聴きながら読んだ
どうやったらこんな話思いつくんだろう
言葉にならない気持ちとか、頭のなかにあるまとまりのない空想とメタファーが物語になっていて感動した
全ての登場人物が謎を残してて、愛おしくて離れがたい気持ちで読み終えました
交わされる会話が哲学的で楽しい
ホシノくんの世界の見え方が、ナカタさんに影響されて変わっていくのも圧巻
なにもないところで、毎日規則正しい生活を送りながら一日中本読んだり、映画観たりな日々を少しでもおくってみたいなー「大人は判ってくれない」、気になってから観てみよう
「誰もが恋をすることによって、自分自身の欠けた一部を探しているものだからさ。だから恋をしている相手について考えると、多少の差こそあれ、いつも哀しい気持ちになる。ずっと昔に失われてしまった懐かしい部屋に足を踏み入れたような気持ちになる。当然のことだ。」
「君は今、とても素晴らしいものごとの中にいる。こんな素晴らしいことはこの先もう二度とめぐってこないかもしれない。それくらい素晴らしいことだ。それなのに今そこにある素晴らしさを、君はじゅうぶんに理解することができない。そのもどかしさが君を絶望的にさせる。」
「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのはことばにはできないものだから。」
「それで、ことばで説明しても正しく伝わらないものは、全く説明しないのがいちばんいい。たとえ自分に対してもだ。」
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なんだなんだ?!今までに体験したことのない読後。正直すっごいモヤモヤする終わり方で、スッキリを求める私は少し気がかりなんだけど。こんなにもフワッとしてるのに今最高に気持ちい。なんだろうまるで長い長い夢を見ていたような、遠い世界に行っていたような、。この本じゃなきゃ味わえない。地に足がついてない、。きっとこの本じゃないと味わえない。(面白かったではなく)楽しかった‼️‼️なんか色々調べたい気持ちするけどこの余韻に浸って自分だけのものにしたい、そんな気分。
Posted by ブクログ
傑作中の傑作 傑作中の傑作、壮大な物語のラスト45章からは、川端康成の雪国のようなノーベル文学賞ものの、強烈な共感を呼ぶ。村上春樹の世界と自分たちの世界が深く共振する感覚を覚える。
タフな15歳の少年の物語は、幾多の展開をした後、確固たる一つの束となってここに終結する。
Posted by ブクログ
面白すぎる。筆者が伝えたいテーマがこれでもかと詰まっている。この作品ではメタファーという言葉が度々出てきて、様々な登場人物がメタファーとして登場しており、海辺のカフカの絵は田村カフカにとって大島さんのメタファーとなるのではないか。
やっぱり
長編小説がいいですね?
村上春樹さんは。。。
何がって聞かれると
やっぱり雰囲気でしょうか?
丁度四国に縁があるので
高知は本当に遠い。
次は、世界の終わりとねじまき鳥に挑戦します
村上ラヂオがますます完読出来ない困
漂う匂いや空腹
村上さんの作品は、本筋宇トーリーもそうだが、
日常を書いた部分でのコーヒーや料理など、読んでるときにないしは読み終わった後に、
無性に熱いコーヒーを飲みたくなる。ウイスキーやビールが欲しくなる。急に料理したりスパゲティが食べたくなるなど、別の意味でも罪作りな作品。本作も買って良かった
Posted by ブクログ
大島さんとカフカの会話がとても良かった。カフカの問いに対して大島さんがくれる答えがいつも味わい深く心に刺さって好きだった。
特に下巻は、今の自分の精神状態と相まって心に残ったフレーズが多くあった。
綴られている言葉と自分とを繋げてどこまでも考えたり感じたりできる物語だと思った。
「君の外にあるものは、君の内にあるものの投影であり、君の内にあるものは、君の外にあるものの投影だ。だからしばしば君は、君の外にある迷宮に足を踏み入れることによって、君自身の内にセットされた迷宮に足を踏み入れることになる。」
「そうだな、君がやらなくちゃならないのは、たぶん君の中にある恐怖と怒りを乗り越えていくことだ。
そこに明るい光を入れ、君の心の冷えた部分を溶かしていくことだ。
今からでもまだ遅くはない。今からならまだ君はほんとうに自分を取り戻すことができる。」
カフカが母や姉(と自分の中で仮説立てたり感じたりしている人たち)と交わってしまうことは気持ち悪く感じたけれど、その逃れられない呪いみたいなものには少し共感した。
逃れたいと思っているのに逃れられないこと。呪いのプログラムをすべて終えてしまって、「そのあとは誰かの思惑の中に巻きこまれた誰かとしてではなく、まったくの君自身として生きて」いきたいというところも。
それでも呪いに呪われたままでいるのではなく、恐怖や怒りを乗り越えて冷えた部分を溶かすようにと励ましてくれる人や言葉が多くある物語だったことに救われた。
あと上巻ですごく好きな文章がある。ナカタさんとミミがウナギについて考える場面。
「それから二人はめいめいにウナギについて沈思黙考した。二人のあいだに、ウナギについて深く考えるだけの時間が流れた。」
カフカが神社で目を覚ました時にあたりを囲んでいた灌木についての描写もすごいなあと思った。
「僕の手は、いじめられた動物の心みたいに硬くねじくれた灌木の枝にしか触れない。」
いろんな文章を引用したくなってしまう作品。
なによりも言葉に力のある物語だった。
Posted by ブクログ
主人公が15歳だから、あんまりハマれないんじゃないかって思ってたけどすんなり読めた
ナカタパートは星野くん含め楽しくてリズムが心地よかった
あたしの人生にもあらゆる仮説があるけど
許せないことを許せるようになりたい
Posted by ブクログ
完読!
結果,
様々な問題は残っているものの
なぜか,
スッキリ感が湧いたのは1Q84と違うところ。
15歳の割には
あまりにもしっかりしすぎているカフカ。
まぁまぁ,読書家ならそんな感じかしら。
人との出会いで
そのあとに触れる音や本,全てに対する見方が変わる。
この中で一番成長したのは間違いなく星野さんでしょう
印象深い作品でした。
Posted by ブクログ
思春期の少年が成長するための出来事にしては、ヘビーすぎる…
母と姉についてはハッキリしない感じだったけど、読み返したりしていろいろ想像を掻き立てられるのでそれはそれでいいのかも
Posted by ブクログ
読み手の数だけ、何を伝えたかったか、ひとつひとつの出来事が何を意味していたかが別れる物語だと感じた。
出来事の伏線が全て回収されていくのではないので、結局あれはなんだったのだろうと考えさせられた。
Posted by ブクログ
むずかしい言葉がたくさん。考えさせられる言い回しがたくさん。何度も同じところを戻っては進み、読んだ。だけど間違いなく読む価値のある本だった。
スマホひとつで何でもわかる、思考する必要すらなくなってしまったこの時代に、考えることのおもしろさを教えてくれている本だと感じる。
いつか全ての言葉の意味がわかったらいいな。
Posted by ブクログ
好きな村上春樹ワールドだった
ナカタさんの小学校時代の先生が見た夢がどう関係してたのか、ホシノさんのその後、カーネルサンダーズの招待、など解決していないナゾはたくさんあるのに、読み終わった時なぜか伏線回収されたようなスッキリ感と読み応えのある作品。
ナカタさんのように、物事を偏見なく受け入れられるような人間になりたい。
カフカくんもさくらさんも大島さんもホシノさんも、みんな幸せに生きてほしい。
Posted by ブクログ
読み応えはあるが、読後感が爽やか
やはりナカタパートは読んでて楽しい
ホシノもオオシマもオオシマ兄も、幸せになってくれ〜
ナカタ、違う世界でたくさん読んでほしいな
初村上春樹、よかった
Posted by ブクログ
海辺のカフカ下巻。全体を通して物語がどこに進んでいるのかが上手く掴めず腑に落ちない部分もあるが、終わり方も含めて、長旅から帰ってきたような満足感がありました。ナカタや佐伯さんの死は何を意味しているのか考える余白がありそうです。
Posted by ブクログ
二つの視点から描かれていた物語が、やがて一つに重なっていくところが面白い
田村カフカくんとナカタさんどちらも移動が多くアクション的な観点からも楽しむことができた。ファンタジーな要素が混ざり合い、夢現な感覚を味わうことができた。
いろいろな可能性の有無について、田村カフカくんの父の言葉がどのようにして現実に起こっていくのか楽しみにしながら読み進めた。
四国に行きたくなった
Posted by ブクログ
初の村上春樹
カフカとナカタさんの2人の物語が交互に展開されていて、カフカサイドは抽象的で読みにくい。反対にナカタさんサイドは読みやすいなぐらいで読んでた。
でも読み終わって、この2人の対比がすごくおもしろいことに気づけた。
ラストに向けてどんどん伏線回収されると思ってたからそこは少しモヤモヤした笑
でもこんな長編小説を読んだのも初めてで、読み終えた達成感もあるし物語もおもしろかった。
Posted by ブクログ
★4?
4年ぶりに読みましたが、上は割と覚えてて、ふむふむこんな展開あったよね〜ってなったけど、下はほとんどはじめて読んだかのような感覚やった
星野青年がすき!
今回読んだ時に特に印象的だったのは、星野くんの生き方や世界の見方が変わった(ナカタさんと出会ったことがトリガー。大松トリオを聴くようになったり)ところかな!人生において、これまでの自分とはまったく別のものにしてくれる人や出来事とのめぐり逢いは素晴らしいものです。
前読んだとき、カフカは少年の時(若い時に)に読むのがいい本かと思ってたけど、今は確信的にそうはいえない。
あと、1回目読んだ時は、佐伯さんもさくらも本当の母・姉かと思ってたけど、考察読めば違うみたい。
Posted by ブクログ
わからなかった。私には難しかった。物語の中では何も解説されなかったので考察したい。とりあえず自分には五感の働きが足りないなと思った。感性豊かな人はもっと楽しめるんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
上下巻で約1,000ページという超ボリュームながら、とても読みやすい文体であっという間に読んでしまった。
ただ、思い返しても自分が何を読んだのか説明することが非常に難しい。
主人公は15歳の家出少年「田村カフカ」、そして猫と会話ができる老人の「ナカタ」の二人。中野区と高松市を舞台にそれぞれの視点で物語が進む。この二人には何かしらの関係があることは推察されるがそれが何かは解き明かされず。また、現実と空想が入り混じっており、周囲にも謎多き人がいるが、それらの謎も解き明かされず。
しかし、モヤモヤとした気持ちが残っているかというと、妙にすっきりとした気持ちになっている。軽妙かつ想像力を掻き立てる文章表現で、頭の中でこの不思議な世界がくっきりとイメージできる。様々に散りばめられたエピソードから自分なりの考察をするもよし、ただひたすらに世界観に浸るもよしの唯一無二の物語だった。
Posted by ブクログ
上巻と比べて、登場人物たちの空想の世界、心理描写が多く、ふわっとした読書体験だった。
個人的には上巻での、ナカタさん・カフカくん・大島さんの暮らしの様子が読んでいてとても幸せを感じる。
下巻では、上巻以上にナカタさんが愛おしくなっていく。石を探す方の中で、石さんと話したり、何をするかはわからない中で、行き先を決めて行く様子。「ナカタにも、行ってみないとわかりません」と繰り返す。笑
星野くんが振り回されながらも、寄り添ってくれていてナイスコンビだった。
総合してすっきりした読み味で好みの小説だと感じた。
Posted by ブクログ
真実は読者に委ねられたまま終わる。私は、「田村少年は物語の誰とも血は繋がっていない」と読んだ。あくまで思春期の少年ならではの誇大妄想。妄想であるが救われ成長した田村少年。佐伯さんは全てを分かった上でそれに付き合ってあげていた。