村上春樹のレビュー一覧

  • 水底【みなそこ】の女

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    ネタバレ

    水底の女(みなそこのおんな)

    著者:レイモンド・チャンドラー
    訳者:村上春樹
    発行:2020年1月15日(単行本は2017.12)
    ハヤカワ・ミステリー文庫

    「湖中の女」(清水俊二訳)の邦題で知られてきた本作は、フィリップ・マーロウシリーズ第4作。読んでいるかなと思ったけど、記憶にない。初めて読んだ。そして、マーロウシリーズの中でも知名度がイマイチにもかかわらず、傑作であることが分かった。おそらく、推理小説のプロットとしては、シリーズ最高傑作だと思われる。最後の真相を明かすところでは、思わず「おうっ!」と声を上げてしまったほどだった。チャンドラーの作品は、あまりその面ではこったものはないだけに(チャンドラー作品の魅力はもっと違うところにある)、本当に驚いたし、もっともっと日本でも読まれて欲しい作品だとも思った。

    さて、村上春樹訳で読み直すフィリップ・マーロウ、全7作品中5作を読み終えた。あとの「長いお別れ」と「可愛い女」は昔読んだ清水俊二訳版が残っている。だからこれを読み返す手もあるが、ここまで来たら村上春樹訳版残り2冊も購入し、読み直してみようかと思っている。ストーリーを忘れたお陰で、あと2冊、楽しめる。

    (設定)
    化粧品会社経営のキングズリーから、1月ほど前から行方不明になっている妻を探して欲しいとの依頼。彼女はキングズリーが仲間と持っている土地に建つ人造湖畔のキャビンにこもっていたが、そこからもいなくなった。夫婦関係は冷めているので返ってこなくてもいいが、彼女が問題を犯すのが心配だった。なにかあると経営者としてのキングズリーの地位が危うくなるから。
    マーロウはさっそくキャビンに出かけ、管理人を訪ねる。すると、湖から死体が浮かび上がってきた。管理人の妻だった。彼女もまた、キングズリーの妻と同様に1か月前から消えていた。書き置きがあったので、自殺かもしれない。ところが、警察は管理人による他殺だと睨んで彼を逮捕した。
    キングズリーの妻の愛人を訪ねるマーロウ。しかし、2度目の訪問で彼は殺されていた。キングズリーの妻がやったことが濃厚になった(本人も自分がしたとマーロウに自白した)。
    そのまま終わるかと思いきや、大どんでん返しで、どちらも真犯人がいた。しかも、同じ女が殺していたのだった。

    **(個人用メモ、ストーリーバレバレ注意)***

    ドレイス・キングズリー(ジラレイン社経営)
    クリスタル(・グレイル)(その妻)
    クリス・レイヴァリー(クリスタルの愛人)
    エイドリアン・フロムセット(キングズリーの秘書)

    ビル・チェス(キングズリーの地所の管理人)
    ミュリエル(ビルの妻)

    アルバート・S・アルモア(医師)
    フローレンス(その妻)
    デガルモ(警部補)

    キングズリーは妻が1月ほど行方不明。人造湖リトル・フォーン湖のほとりに3人で地所を所有し、キャビンを所有、妻はそこに滞在していた。6月14日にはエルパソから電報で、離婚する、そしてクリスと結婚すると言ってきた。夫婦間は冷めているが、キングズリーは地位がある人なので妻がスキャンダルを起こすことだけ気にしていた。
    依頼を受けたマーロウは、まずクリスを訪ねる。彼女には会っていないしエルパソにも行っていないという。5月の第3週には行ったが。

    クリスの家向かいに医師のアルモアが住んでいたが、彼はマーロウの車を気にして警察を呼び、追っ払った。キングズリーに聞くと、彼はクリスタルの主治医で奥さんが自殺していることが分かった。

    キャビンへ。管理人のビルは1月前の6月12日に自分の妻が出て行ったことを告白。実はビルはクリスタル(ミセス・キングズリー)と火遊びをしていた。そして、同じ日にクリスタルも行方不明に。
    2人が湖畔を歩いていると、水底から女の死体が浮かんできた。ビルの妻、ミュリエルだった。自殺の線もあったがビルは逮捕された。

    失踪したクリスタルが車を残したホテルに行くと、6月12日に彼女に似た女性とクリスが来ているとボーイが証言した。

    クリスの部屋に再び行くと、彼はおらず、家主の女性がいた。階段のところで銃を見つけたという。弾は空ですべて発射済み、ただし半時間以上前。クリスが浴室で撃たれて死んでいた。クリスタルの服装に似ている服も残っていた。彼女が殺したのか?

    マーロウはキングズリーの秘書、フロムセットと話す。彼女は、医師アルモアやミセス・アルモアとクリスの家で会ったことがある、と認めた。アルモアは麻薬の注射を配っているとその場で噂され、それから少ししてミセス・アルモアは自宅駐車場で自殺したことがわかった。そして、彼女も以前にクリスとできていたことを認めた。

    マーロウがクリスの死を警察に通報すると、来た警察官のうちの一人はアルモアが呼んでマーロウに警告をした警部補デガルモだった。

    ミセス・アルモア(フローレンス)の両親を訪ねると、こう読んでいた。アルモアは麻薬医師で、中毒患者をぎりぎり薬漬けにしている悪だった。アルモアは看護婦と出来ていて、それを知った奔放なミセス・アルモアが脅していたのでアルモアにモルヒネを打たれて殺された。アルモアと出来ていた看護婦の名前は「ミルドレッド・ハヴィランド」。ビルの妻、ミュリエルの以前の名前であり、デガルモの別れた妻でもあった。

    キングズリーから連絡、妻から連絡があったとのこと。彼女は町(ベイ・シティ)から出る必要がありお金がいる、必要額より少ないが500ドル届けて欲しいとのこと。約束のピーコックラウンジで500ドル渡す。その後、彼女が滞在するアパートへ。マーロウが問い詰めると、エルパソまで行ったが嫌になって結婚は中止したと言った。マーロウは、クリスの家主のふりをしていたのは彼女であることを見抜いた。殺したのも彼女だ。問い詰めると彼女は銃を向けた。マーロウが払い落とすと大男が現れてマーロウは気絶。

    気が付くと女は裸で殺されていた。警察と思われる者が来たので窓から脱出して隣の部屋へ。シャツを着替え、窓から辿られる前に廊下に。警察官に声をかけられて隣人のふりをするが、もう一人出てきたのがデガルモで拘束される。デガルモはマーロウが犯人ではないことをもう一人に言った。しかし、非合法にマーロウに尋問をしようとしたのでもう一人は遠ざかっていった。マーロウはデガルモにことの詳細を話し、犯人はキングズリーであるかのように仕掛けた。そして、キングズリーがキャビンに逃げていることを確認すると、キャビンへ向かった。

    (真相)
    1.フローレンス(アルモアの妻)自殺か他殺か?
    彼女が賭博場で騒いだ時にアルモアが注射した量は適切だった。彼女は看護婦ミルドレッド・ハヴィランド(ミュリエル)によりベッドに運ばれたが、アルモアが打った注射とまったく同じところにさらに薬を打つことに成功し、それは致死量に達するものだった。なお、彼女はアルモアと出来ていて、それはフローレンスも知っていた。
    アルモアはまずいと思い、しかし、看護婦が追加で打ったなどと証明も出来ないために駐車場に運んで自殺に見せかけた。ミルドレッドの亭主だったデガルモは自殺で処理し、彼女を逃した。
    ミルドレッドはミュリエルとしてビルの妻になったが嫌気がさしたので、金をアルモアに要求してきた。名前はあくまでミルドレッド・ハヴィランドのままで。金を送れと言ってきた。アルモアはデガルモを送り込んで調べさせたが手がかりなし。しかし、彼女自身が書いたのだろうと思いついた。→ミュリエル殺しが疑われる立場。
    2.水底の女は自殺か他殺か
    鑑識の結果、溺死と判明し、自殺が濃厚になってきた。しかし、マーロウは他殺と断じた。実は、死んでいたのはミュリエルではなくクリスタルだった。ミュリエルは自分が邪魔なものは容赦なく消すタイプの人間でクリスタルもその対象。そして、彼女が持つ宝石やお金も魅力。看護婦だから水死させることぐらい簡単。殺して沈めた。1か月も水に浸かっていたため、遺体の状況が悪く、背格好が近かった2人は入れ替わることに成功した。ミュリエルは田舎生活に飽き飽きしていたので彼女を殺害し、金をゲットして脱出を図ったのである。
    3. クリスを殺したのは誰か?
    前述の通り、彼の家の家主になりすました女。ただし、それはクリスタルではなく、ミュリエルだった。マーロウが動きだし、バレるのが恐くて口封じに彼を殺した。
    4.クリスタルになりすましたミュリエルを殺したのは誰か?
    デガルモが殺した。誰でも殺していくミュリエルを愛しながらも、警官としてそれを許すのに耐えられなくなった。

    謎解きをした後、デガルモは拘束を拒否して逃げていった。しかし、ダム湖のところにいる軍の人間に阻止されそうになり、下に落ちて死んだ。マーロウはわざとキングズリーが犯人だと臭わせてわざわざキャビンまでデガルモを連れてきた。それは、ここなら結局逃げられないからと踏んでいたからだった。

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    2021年03月30日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    エッセイってあまり読まないのだけど、村上春樹ということと、表紙の雰囲気と手に持った軽さで買ってしまった。確か渋谷で。

    ズボンをパンツと呼ぶか、そうしたらパンツの下の下着は…?など、同じことを考えていた。
    最近ボーッとした時間が増えて、感覚がゆるゆるになっていた。
    もう少し一つのことを掘り下げて考えてみようと思う。
    それで漠然とした不安が薄くなったらいいな、と思う。

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    2021年03月21日
  • 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(新潮文庫)

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    理由の分からないストレスを感じ
    気分転換に手に取った村上春樹さんのエッセイ本

    内容は知識になるものでも
    教養になるものでもないのかもしれないけど
    なぜだか心が満足感で満たされる。

    はたしてなにが私の中に満たされたのかなあ。

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    2021年03月18日
  • 若い読者のための短編小説案内

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    若い人向け、また作家の視点でおすすめ短編小説を紹介し、その考察が書かれている。アカデミックな要素があまりなく、文学の初心者でもスラスラと読め、この本を読むだけで、紹介された本の良さを語れるほどよくまとまっている。

    何よりも村上春樹の視点が非常に面白い。この本を読んでいなければ、恐らく気づけなかった点がたくさんあるだろうし、なるほどと思う鋭い推察がたくさんあった。

    特に小島信夫の『馬』は話の内容がシュールすぎて早速買った。サマリーだけでも難しそうだが、それに加え独特の視点からストーリーの魅力を伝えるスキルもプロフェッショナルで感心した。

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    2021年02月21日
  • 村上春樹 雑文集(新潮文庫)

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    村上春樹のエッセイというかこの本に収められているようなちょっとした文章ってなんでこんなにも読んでいて「しっくり」くるんだろう。
    テーマの重さ軽さに関わらず、本文中の表現を借りるならレッドヘリングを書き連ねていく。読んでいる方はどうしてもかわされた気分になるかもしれない。でも、よくよく読んでみるとそういうレッドヘリングにこそ村上春樹の思索の本質的な部分が現れていることが往々にしてある。
    自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)とかその典型な気がする。他にもジャックロンドンの入れ歯、自分の物語と自分の文体などなど。

    ねじまき鳥、世界の終わり、ノルウェイの森他多数の長編小説で小説の形として読者に提示してきたテーマを再確認できる。答え合わせというと小説の持つ解釈の多面性を否定することになるかもしれないがともかく、一貫した思想が長編にも短編にもエッセイにも現れているのを見るとファンとしてはどうしても嬉しくなってしまう。

    本書を手に取ったきっかけは中学校の国語の授業で先生が壁と卵のスピーチを教材として使っていたのを思い出したからだけど今になって読み返してもその意味するところなんて十全にわかるわけがない。これを中学二年生に理解しろと言うのもなかなか酷な話だ。

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    2021年02月17日
  • 小澤征爾さんと、音楽について話をする(新潮文庫)

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    こんなマニアックそうな対談、私に読めるかしらとずっと積読状態だったのですが…
    もっと早く読めば良かった

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    2021年01月19日
  • リトル・シスター

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    「誰かの夢が失われたようだね」そして身を屈め彼女の目を閉じてやった。好きだった割にはうろ覚えのチャンドラーを村上春樹版で読み直す。兄を探して欲しいという生真面目な小娘オーファメイの依頼を受け、兄の住んでいたアパートで見つけたアイスピックで首を刺された死体。そこに映画女優やギャング、裏通りの人たちが絡んでいく。チャンドラーが自作の中で最も嫌いと言明するリトルシスターは意外とファンが多い。モノクロ映画のようなゆったりとしたドキドキ感がある。フィリップマーロウの印象が他作品と少し違う。他の作品より登場人物が危険なくらい魅力的なのだ。村上春樹は女性の書き方が生き生きしてて他作と違うと言ってるがまあ、そんなところだ。

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    2020年11月23日
  • 村上朝日堂の逆襲(新潮文庫)

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    村上春樹さんと安西水丸さんのコンビは理屈抜きにいい。入院中に病室で読むために用意したのですが、ピッタリでした。あと、難しい本に挑戦している合間の息抜きにも。

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    2020年11月07日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    文庫化されたので実に3年ぶりに再読。
    どんなこと書いたっけなぁと思ってレビューを読み返そうとしたら何も書いてなかった。そうだそうだ、あまりに濃密で果敢で超絶怒涛のインタビューに圧倒されて言葉が出てこなかったんだ、と思い出した。

    インタビュアーとしての川上未映子さんの資質には、ほんとうに驚くべきものがある。
    この本をまだ読んでいなかった2016年頃、NHKのSWITCHという番組で「君の名は。」の公開間近だった新海誠監督にインタビューをしている未映子さんを見たことがあって、彼らはイノセンスについての話をしていたのだけど、未映子さんはそのとき新海誠監督が話すイノセンスに「季節は?」ってさらに突っ込んだ質問をしたのね。
    私はそれをきいたその瞬間に、全信頼を未映子さんに寄せたのを確かに覚えている。イノセンスの季節を知ろうとする人を私は絶対的に信頼する。
    この本の中で村上春樹さんも言及していることだけれど、作者と読者の間に必要なのは信頼関係だと強く思う。
    「どや、悪いようにはせんかったやろ?」というあれ。

    それにしても3年前に読んだ時と今とでは、やっぱりあらゆる変化(成長といってもいいかもしれない)がある。
    川上未映子さんの小説はすべて読んだし、村上春樹さんの猫を棄てるだってンダーグラウンドだって読んだし騎士団長殺しだって読み返したし。グレートギャツビーもキャッチャーインザライも読んだ。村上RADIOも聴いた。
    とにかく前回とは比べられないほど深い次元で吸収することができた気がする。地下二階の話が特に興味深くて、あぁ私がなぜ村上春樹をこんな好きかって地下二階に連れて行ってくれるからなんだ、って気づけた。
    大切な言葉はいくつもいくつもあった。

    「大切なのはうんと時間をかけること、そして「今がその時」を見極めること。村上さんはくりかえしそれを伝えてくれたように思う。ミネルヴァの梟がそうであるように、物語の中のみみずくが飛びたつのはいつだって黄昏、その時なのだ。」

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    2021年07月30日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    文章のリズムがやっぱりどうにもすきだとおもう。長編小説も中編も短編もおもしろいのにエッセイまでおもしろくて、いったいどうなっているんだ…?「小確幸」、わたしも使っていきたい。

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    2020年10月04日
  • リトル・シスター

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    リトル・シスター
    (和書)2011年02月02日 20:38
    レイモンド チャンドラー 早川書房 2010年12月


    村上春樹さんの翻訳しか読んでいないけどフィリップ・マーロウ作品で今まで一番良かった。

    読み易く、内容も比較的分かり易い。

    登場人物の描写も魅力的で、村上作品への影響も伺えると思う。

    本人が翻訳して種明かししているようにも見えて、そういう部分で誠実さも感じる。

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    2020年09月27日
  • 風の歌を聴け

    購入済み

    タイトルに惹かれて

    タイトルに惹かれて読んでみました。
    最後に伏線が回収されていたり、所々で(様々なことにおいての)正解のない問いがあるので、考えさせられるような気がした。
    一気に一通り読み終えたが、もう一度読み返したいと思いました。
    区分けされているので、描写が変わりがわりに描かれていてそれもまた読みやすかったです

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    2020年09月06日
  • 翻訳夜話

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    翻訳本が苦手に感じるのは、
    作品が面白ければ面白いほど、
    ひとつずつの言葉の表現に直接触れてみたくなるから。
    つまり、原著で読めるのならば原著のままで読みたいのだ。

    物語の本質はひとつずつの言葉ではないところにあっても、
    翻訳者の中を通ったものは、
    すでに純正ではなく(劣化するという意味ではない)、
    二重性が大前提になってしまう。
    そこに、さらに読者としての私の解釈も入り込むと、
    誰の、何に影響されたものなのか難しくなってくる気がするので、
    だから翻訳本を苦手だと感じていた。

    とはいえ、ポール・オースターが大好きで、
    『オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー』が読みたくて、
    村上春樹と柴田元幸がそれぞれ訳しているだなんて、
    興味深すぎると思い本書を手にした。

    読み終えてみて、
    翻訳という営みは、
    精神分析という営みと本質的に大切な事柄を共有しているという大事な発見があったことが最大の収穫であり、
    これからは翻訳本は苦手と言わずに済みそうだ。

    あと、専門書でもそうなのだが、
    どうしても言語的に理解しにくい翻訳があったら、
    それは翻訳が下手くそなのだと思おう(笑)。

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    2020年08月10日
  • 村上朝日堂超短篇小説 夜のくもざる(新潮文庫)

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    2020.02.22 熊本の早川倉庫で開催されたするめクラブのトークショーで、村上さんがこの本の中から2作、"馬が切符を売っている世界"と"夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について"を朗読された。
    感動したけど、馬の方は非常に難解。何回読んでもよく分からない(笑)
    夜中の汽笛の方は表現がとても素敵で大好きです。

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    2020年08月06日
  • 風の歌を聴け

    購入済み

    何度でも

    神戸の高校生が18でこの三部作を読んで、人生が変わった様に思います。この小説は何度も買い直して読んでます。ATGの映画も見たいです。小林薫、巻上公一、真行寺君江と震災前のあの町を撮ってくださった、大森一樹監督に哀悼の意を示します。

    #深い #癒やされる

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    2022年11月27日
  • 小澤征爾さんと、音楽について話をする(新潮文庫)

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    この本が素晴らしいのは、実のある夢のコラボレーション。小澤征爾さんは世界的な指揮者ですが、彼の音楽家としての実力は、われわれはいつもは、演奏される音からしか、うかがい知ることができません。
    村上春樹さんは、素敵な小説家ですが、ノンフィクションライターとしての実力も、アンダーグラウンドなどで実証済み。この本でわかったことは、春樹さんは、それに加えて、小澤さんが活躍されるクラシック音楽についても、永く深く聴き込んでいたということ。ちょっと他にいなさそうな稀有なリスナーをインタビュアーに配して、さまざまな演奏を共に聴きながら発せられる質問や感想に刺激され、小澤さんは古い記憶もよみがえり、語り、それを当代きってのノンフィクションライターが臨場感ある文章にしたのが、この本。演奏以外の形で、小澤さんの奥行きの深さを示しています。

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    2020年05月25日
  • ポートレイト・イン・ジャズ(新潮文庫)

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    この本はジャズメンやアルバムに関する解説書ではない。タイトル通り、ポートレイトであり、また物語である。少なくとも自分はそう感じた。

    それにしても、ジャズに対する村上春樹氏の造形の深さを改めて感じる。単にジャズをたくさん聴いているだけでは、このような文章は書けないだろう。

    和田誠氏のジャズメンの肖像も見事である。

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    2020年05月10日
  • 高い窓

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    妙な一家の妙な依頼。細かいパーツが組み合わされ、最期に明らかになる事実。ヒロインが珍しく悲惨な目に遭わないので良い。

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    2020年04月10日
  • 村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

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    《漫画を描きはじめた当初、森泉岳土はそもそも「目鼻口を描きたくなかった」という。何とも合点が行く話である。》

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    2019年12月30日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

    匿名

    購入済み

     リストのピアノ曲「巡礼の年」。IQ84の「シンフォ二エッタ」と同様に小説を通して常に流れている象徴的な曲である。ピアノ演奏をネットからダウンロードして聴いた。リストはあまり聞いたことがなかったけど、その特徴的な旋律に感銘を受けた。
     村上春樹は多崎つくるを通して何を表現しようとしたのか?彼は村上春樹の長編小説の主人公の性格を踏襲している。
     主人公は三人の高校時代の元友人を訪ねるが、クロの場面が最も印象深く描かれている。

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    2019年11月27日