村上春樹のレビュー一覧
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オードリー・ヘップバーンがホリー役を演じる映画の方は観たことがなかったが、確かに彼女は小説版のホリーのような汚さやふしだらさ、危うさが感じられる人ではない。もしいつか映画をリメイクする際はホリー役をマーゴット・ロビーに演じて欲しいと思うのは私だけでしょうか(マーゴット・ロビー好きの一意見)。
この話は映画版『ティファニーで朝食を』でイメージされるような綺麗なストーリーではない。が、確かに名作であったと思う。イギリス文学とはなんとなく異なり、主人公やホリー、ジョー・ベルなど、様々な登場人物のその時々の感情が読み取りやすいものだったように感じる。
ホリー・ゴライトリーというこんなにも危 -
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猫を棄てること。親から棄てられること。
表向きは子供を捨てているというわけではないが、子供の数が多かった時代に、子供を自分で育てるのではなく、養子に出すなり、奉公に出すなり、寺に預けるなりしたということはわりとよくあったことなのだろう。
村上春樹の父親もそのような経験をしている。
そして自らが棄てた猫が、自宅に戻ってきたときにそのことを思い出したのかもしれない。
村上春樹と父の関係が(確執の部分は除いて)まあまあ深く語られていて読み応えがある。徴兵された頃の話も印象深い。
自分とは関係のない他人のエピソードなんだけれども、自分が今いる世界を構成する平等な多くのできごとの中の一つとして、身近と -
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初めて読んだカポーティは、春樹さんの訳に、山本容子さんの素敵なイラストのついた『おじいさんの思い出』や『クリスマスの思い出』だったけど…
あの時のノスタルジーにもっと幻想性を持たせたような…
幻想的でときに凄まじく、あまりにも美しい描写や比喩たち。
容易く読めないけれど、魅力的すぎて沼に浸かるような読書体験でした。
母をなくしたジョエル。
叔母のところに父からの手紙が届く。
父に会いに行くためには、
そのランディングという街に行くには、機械化された交通手段がないという。
もうこの序盤で、私はファンタジーの世界に入っていくのかしらと思ってしまいました。
ジョエルの唯一の安らぎだった黒人 -
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これまで村上春樹の作品を読んで感じてたこと、例えば表層的なヘンテコな出来事の下層に通底するものに読者は共感するのだろうだとか、リアリズムにはフィクションやメタファーによってより迫ることができるのだろうだとか、そこらへんの漠然と抱いていた印象が、村上春樹の語る「地下二階」の話やコンラッドの引用などと符合して興味深く思った。
以前、海外の読者とのやりとりで以下のように書いたら、まったくその通りだと同意してくれたことを思い出した。著者と読者、読者と読者は、村上春樹という励まし、肯定で通底していて、それを確信している。
“Shadow” he mentioned in his speech rem -
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ネタバレ本文の文章(村上春樹訳)をそのまま使用して途中端折りながら大まかなあらすじを書きます。
あらすじー
第十二次世界大戦があり
文明が破壊されます。
少年たちと少女たちは成長しても、
ただおたがいをぼんやり見つめあうだけです。
愛がこの地上からそっくり消えてしまったから。
ある日、それまで花をいちども見たことのなかった
若い娘が、たまたま世界に残った最後の花を目にしました。
彼女の話に興味を持ってくれたのは、
よそからやってきたひとりの若い男だけでした。
若者と娘は花に養分をあたえ、
花は元気をとりもどしました。
花は二本になり四本になり、
林と森がまた地上にもどってきました。
世界 -
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『世界で最後の花 絵のついた寓話』
ジェームズ・サーバー 作・絵
村上春樹 訳
ポプラ社刊
1939年、第二次世界大戦開戦時に描かれた世界的ロングセラーだそうです。
分かりやすく、シンプルで
伝えたいということがドーンと真ん中軸に伝わる絵本です。
訳された村上春樹さんの言葉として帯に書かれているのは、
『戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である』
その通り、まるで風刺画のようなイラストに
一言添えてあるような文章で進められる絵本。
絵本の始まりは、第十二次世界大戦が終わるところから。
戦争が終わった世界と、その後の世界と時間