村上春樹のレビュー一覧
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村上春樹著「辺境・近境」の旅に同行したカメラマン松村映三による旅の写真集。
写真週刊誌のカメラマン、いわゆるパパラッチをしていたが、ある日その仕事の内容に耐えられなくなり、退職。
独立して、村上春樹の旅に何度も同行している。
村上が松村の腕を信頼してのことなのだそうだ。
「文章には文章のパーソナリティーがあり、写真には写真のパーソナリティーがある。それぞれに独自の視線があり、独自の文法がある。それにもかかわらず、それらがお互いにははじき合わず、あるいはまたもたれ合いもしないことを、僕としては嬉しく思う。
もちろん相性というものはあるだろう。でもそこでは、映三君の鉈が切り出す薪のまっとうな不揃いさが、大きな効果を発揮しているのかもしれない。そういう気がする」(「写真家との旅」村上春樹によるまえがきより)
Audibleで聞いた村上春樹の世界。
写真になって追体験が出来る。
二人の感性が響き合う。
四半世紀以上前の旅行記に心を奪われる。 -
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オードリー・ヘップバーンがホリー役を演じる映画の方は観たことがなかったが、確かに彼女は小説版のホリーのような汚さやふしだらさ、危うさが感じられる人ではない。もしいつか映画をリメイクする際はホリー役をマーゴット・ロビーに演じて欲しいと思うのは私だけでしょうか(マーゴット・ロビー好きの一意見)。
この話は映画版『ティファニーで朝食を』でイメージされるような綺麗なストーリーではない。が、確かに名作であったと思う。イギリス文学とはなんとなく異なり、主人公やホリー、ジョー・ベルなど、様々な登場人物のその時々の感情が読み取りやすいものだったように感じる。
ホリー・ゴライトリーというこんなにも危うく愛らしい女性が身の回りにいたとしたら、誰しも叶わぬ恋をしてしまうだろうと思う。女の私でさえレズに目覚めてしまいそうなので。 -
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猫を棄てること。親から棄てられること。
表向きは子供を捨てているというわけではないが、子供の数が多かった時代に、子供を自分で育てるのではなく、養子に出すなり、奉公に出すなり、寺に預けるなりしたということはわりとよくあったことなのだろう。
村上春樹の父親もそのような経験をしている。
そして自らが棄てた猫が、自宅に戻ってきたときにそのことを思い出したのかもしれない。
村上春樹と父の関係が(確執の部分は除いて)まあまあ深く語られていて読み応えがある。徴兵された頃の話も印象深い。
自分とは関係のない他人のエピソードなんだけれども、自分が今いる世界を構成する平等な多くのできごとの中の一つとして、身近というのはちょっと違うかもしれないが、何かそのような別なんだけど同じものというような不思議な感覚になった。うまく言えない。 -
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これまで村上春樹の作品を読んで感じてたこと、例えば表層的なヘンテコな出来事の下層に通底するものに読者は共感するのだろうだとか、リアリズムにはフィクションやメタファーによってより迫ることができるのだろうだとか、そこらへんの漠然と抱いていた印象が、村上春樹の語る「地下二階」の話やコンラッドの引用などと符合して興味深く思った。
以前、海外の読者とのやりとりで以下のように書いたら、まったくその通りだと同意してくれたことを思い出した。著者と読者、読者と読者は、村上春樹という励まし、肯定で通底していて、それを確信している。
“Shadow” he mentioned in his speech reminds me of his work "Hard-Boiled Wonderland and The End of the World". "Dreamlike realism" is the very expression which explains his works in short. It is "his" realism that makes us readers connect through the bottom and share kind of agreement, even in his realm of dreamlike metaphors.
川上未映子のインタビューは、村上春樹が小澤征爾にしたインタビューくらいいい仕事をしたと思う。 -
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ネタバレ本文の文章(村上春樹訳)をそのまま使用して途中端折りながら大まかなあらすじを書きます。
あらすじー
第十二次世界大戦があり
文明が破壊されます。
少年たちと少女たちは成長しても、
ただおたがいをぼんやり見つめあうだけです。
愛がこの地上からそっくり消えてしまったから。
ある日、それまで花をいちども見たことのなかった
若い娘が、たまたま世界に残った最後の花を目にしました。
彼女の話に興味を持ってくれたのは、
よそからやってきたひとりの若い男だけでした。
若者と娘は花に養分をあたえ、
花は元気をとりもどしました。
花は二本になり四本になり、
林と森がまた地上にもどってきました。
世界に愛が再びうまれました。
若者と娘のあいだに子供が生まれ育ちました。
町や都市や村が生まれました。
そして兵隊たちも。
まもなく世界にはまったくなにひとつ残りませんでした。
ただひとりの男性と
ひとりの女性と
そして一本の花だけはべつにして。
訳者あとがきより抜粋
(前略)
本作品『世界で最後の花』は1939年11月に刊行され、その年の9月にナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発していると述べています。(中略)
この本はローズマリーに捧げられていますが、彼女は1932年に誕生したサーバーの一人娘でした。彼女の生きた世界は、お父さんの願い通り「より善い」世界だったのでしょうか。(中略)
みなさんもご存知のように、世界では今でもこの現在も、残酷な血なまぐさい戦争が続いています。いっこうに収まる気配はありません。それはあとになったら当事者の将軍たちでさえ「何のための戦争だったかもう思い出せない」ような戦争であるかもしれません。そんな中で「世界で最後の花」を守るために、多くの人が力を合わせています。この本も、そんなひとつの力になるといいのですが。
感想
血なまぐさい戦争をどうにか明るいファンタジーに描き希望がみえるところがよいと思います。
「世界で最後の花」がまだ現れるうちは希望があります。
「世界で最後の花」が二度と現れなくなったらと思うと怖い気がします。 -
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『世界で最後の花 絵のついた寓話』
ジェームズ・サーバー 作・絵
村上春樹 訳
ポプラ社刊
1939年、第二次世界大戦開戦時に描かれた世界的ロングセラーだそうです。
分かりやすく、シンプルで
伝えたいということがドーンと真ん中軸に伝わる絵本です。
訳された村上春樹さんの言葉として帯に書かれているのは、
『戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である』
その通り、まるで風刺画のようなイラストに
一言添えてあるような文章で進められる絵本。
絵本の始まりは、第十二次世界大戦が終わるところから。
戦争が終わった世界と、その後の世界と時間の流れ、復興を描きます。
キーポイントは『世界で最後の花』
今現在も世界には戦争が続き、
私が第二次世界大戦を知った小学生の時、
金大中と金正日が握手を交わした歴史的な日を記憶する中学生の時、
そこから20年も経過して、
また新しい戦争が始まり、内戦があり、摩擦も燻り続け、
「何にも変わらないなあ」
「歴史は繰り返すなぁ」
と読んで思いました。
直接的に感じることがなく、遠いところから見通す生活をしている私たちは、
きっとこの本が伝えるところのことを、
「その通り」と思うことだと思います。
その通り、なんだけど
その通り、だけではなかなか世界は立ち行かないのだろうね。
だから歴史は繰り返すし、戦争が0になる世の中はないって言われるんだろう。
すごくシンプルなことなのにね。
微かな希望と、ずーんと重たい気持ちと、
そんなものがないまぜになって大人の私は心が灰色になるような重たさの残る読書後でしたが、
読み聞かせた6歳の次男はその中でも“希望”の分量を大きく受け取ったようでした。
みんなに読んでほしい。そして考えてほしい。
※ただし決して考えすぎて、伝えたいこと以外まで深読みはして欲しくない。
直接的に実感すること・体感することでなくても、考えることや、自分にとっての最後の花を守り愛することはできるからね。
簡単な漢字ばかりなので小学校中学年以上は読めると思います。
私は次男にも今から何度も読んで欲しくて、ふりがなを振っておきました。
幼稚園の子も、読めさえすれば感じることがあると思う。
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Posted by ブクログ
ぽん先輩が「これはただのノンフィクションではない」って言ってたけど、その意味がわかった。
本当に事実だけが、彼らが証言したことがそのまま書かれている。
だからサリンの匂いについてだったり犯人たちへの思いだったり、同じことを言ってるなと思うこともあれば違うことを言ってる人もいて、人間の個性が出ていて興味深いものだった。
わたしは信仰心に漬け込んで悪事を働いたオウム真理教が許せないけれど、本屋に足を運んでもそれ関連の本はなかなか見つからない。あれだけの凶悪犯罪なのに、肖像権の問題があり当時のニュースなどは残っていないし、仕方ないことかもしれないが忘れられようとしている気がする。風化させないようにしたいと思った。 -
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長編小説家もいいけれど、
村上春樹さんの旅エッセイもやはりいいですね?
著者の作品に手を出して、良さが分からず、
でも旅エッセイは好きでずっと愛読していました、
そんなこんなで、長編小説の良さにハマりましたが
旅エッセイの良さを本作で思い出しました。
サクッと読める一冊です。
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やはり、村上さんが一番
こんなに人生に寄り添って、作家さんの作品を読み続けてきたことはあるだろうか。
ノルウェーの森を母が読んでいて、緑と赤の表紙が鮮烈で借りてはまって、
それからずっと読み続けている。
読むたびに村上作品はその時々の感動や気づきがある。
それを電子書籍で本をしまう重さや場所を考えずに保管できるのも嬉しい。
電子化になって本当によかった。 -
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素敵
長編を今まで文庫版のリアルな本で購入していた。
引っ越しするたびに持って行き、日焼けや経年劣化のたびに買い換えたり、文庫にしたりしていたが、
こうして電子書籍で、村上さんの好きな本をいつでもどこでも持ち出せるのは、とても幸せ。 -
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さすがの一言
コーヒー片手に。ウイスキー飲みながら。スパゲッティをゆでながら。
村上さんの作品を読みながら、日常を忘れ、ゆっくり読み進められる幸せ。
いつでも電子書籍で持ち歩ける時代がきて、本当に嬉しい -
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最高
言葉遣い、単語のチョイス、表現、いいまわし。全てが最高。
そして読み返すたびに、新しい発見がある。
村上さんの小説が、電子書籍でいつでもどこでも読める世界が素敵