村上春樹のレビュー一覧

  • 遠い太鼓

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    1986年秋から1989年秋までの3年間、村上春樹さんがギリシャ、イタリアで過ごした日々の記録。

    村上さんの見たものを想像し、村上さんの感じたものを感じ、村上さんの紡ぐ言葉を味わえる、大好きな作品です。
    久しぶりの再読。
    奥様とのやりとりが好き。

    時が経っても、その当時の村上さんの語りを聞いているかのように自然に私にしみいる文章たち。

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    2024年03月18日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    川上未映子さん以上のハルキストはいるのだろうか。
    村上春樹さんが忘れていることまで、ディテールまで覚えていてたじたじの場面も。でも、のらりくらり「覚えていない」という春樹さんは本当に覚えてないのかもしれない。
    それにしても鋭かった。特に村上作品における女性の描き方、女性の見方についてのところ。
    村上さんは、文章を書くのが大好きで基本ポジティブだということ。地下一階の自我の葛藤には興味がなく、地下二階に降りようとしていること。集団的無意識みたいなところに。
    文章を読んだら、カキフライが食べたくなるような文章を書きたいというのが、村上春樹さんの目指すところ。
    それと忘れちゃいけない直接的なメッセージは決して書かないけど、フィクションの中でかなりポリティカルということ。

    この本を読んでさらに村上春樹さんの魅力が浮き彫りになった。川上さんのファンにもなった!

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    2024年03月16日
  • 雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行―

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    本当に村上春樹さんの紀行文は最高。
    好奇心も心も満たされる

    ちょうど読んでいたとろに、ロシアのウクライナ侵攻のことで、息子に「日本はどこの国とも地続きで国境を接していないから感覚としてわからないけれど、地続きで隣り合う国があるってどんな気持ちなんだろう」というようなことを話しかけられました。
    村上春樹さんの旅当時はソ連(現在はジョージアとアゼルバイジャン)、イラン、イラク、シリア、ギリシャ、ブルガリアと接しているトルコの地図を2人で眺めながら「日本で生きていると他国と接している緊張感てないよね」と話し、村上さんの波瀾万丈の旅の訳がよくわかったし、接している国との関係もあるだろうから「その地域ごとの差の大きさに驚かされることになる。」「その地域地域によって、風景も気候も人々の生活も、あるいは人種さえもがらりと違ってくるのだ。」というのも納得。
    日本で生活している時には考えもしないようなことが、普通の生活の中にあるのだろうな。

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    2024年03月13日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    家庭を奇妙って言ったり生を他者の死の喪失感によって規定されるとか言ったり、普段向き合おうとしない1つ1つの言葉に新たな視点を持たせてくれる文章が本当に大好き

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    2024年03月06日
  • 辺境・近境

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    紀行文大好きです。
    行った場所と感じたことを行っていない人に伝えるって難しいことだと思うけど、村上さんの目線でその場所を感じさせてくれるって素晴らしい。
    全部行きたくなってしまう。

    メキシコやノモンハン、アメリカ大陸横断に混じって讃岐が入るところも好きです。
    神戸のところ。村上さんが育った阪神間は私の生まれ育ったところと重なるので、震災前後で街の風景が変わってしまったことの寂しさや「行きたい」と思ったらすぐ甲子園球場に行ってしまうところが私の思いと重なりじんわりしました

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    2024年02月28日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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    静かに心にしみる作品でした。

    なんの取り柄もない、平凡で、世の中になんの役にも立たない私だけど、「広大な大地に向けて降る膨大な数の雨粒の、名もなき一滴に過ぎない」私でも、「それが集合的な何かに置き換えられられていく」ことに生きる意味があるんだ、と力づけられました。
    歴史を受け継いでいくために、存在していいんだと思うだけで、ちょっと救われます。

    高妍さんのイラストが父親について語るという雰囲気にぴったり合っていて、思いを深められて素敵です。

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    2024年02月28日
  • 翻訳夜話

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     残念ながら柴田先生の講義を受ける機会に恵まれませんでしたが、翻訳者としての意見を本書で知ることができ、嬉しいです。翻訳について村上派か柴田派か、と聞かれれば、私は柴田先生を選びます。
     大学にて翻訳理論、英文学翻訳、米文学翻訳の授業を受講していたのですが、各先生と柴田先生は、翻訳者の立ち位置について似たことを仰っていました。
     改めて「翻訳者とは」を勉強した気持ちです。

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    2024年02月25日
  • 辺境・近境

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    面白かった!村上春樹は小説しか読んだことが無かったけれど、紀行文やエッセイにも手を伸ばしてみようと思えた。

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    2024年02月25日
  • 村上さんのところ コンプリート版 試し読み

    ネタバレ 購入済み

    いい意味で適当

    質問に答えていくスタイルなのだよ。
    だがね、君。
    言葉で説明すれば簡単なことも、実際にやってみるとなると、そう時間が掛かるのだ。
    読む側からしたらね、ちょっとした時間に読める量であってもだね。
    そう、原稿全ての量はだね、失われた時を求めての倍はあるだろうかね。
    そんな量だから試し読みの量だけでも十分に楽しめるのだよ。

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    2024年02月23日
  • 国境の南、太陽の西

    D.C

    購入済み

    素晴らしい....

    素晴らしいの一言
    この作品には既婚者が味わうであろう感情に"少し"の色をつけた現実的なストーリーである
    ただ、その"少し" あと一歩を踏み出すか 踏みとどまるか その少しの先を見させていただきました

    #エモい

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    2024年02月21日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    村上先生の本ということでこの本を読み、川上未映子先生を知りました。
    村上先生のファンで小説家になった方なんですね。
    小説家は「洞窟内でのストーリーテラー」という言葉が、情景が目に浮かんできました。
    お二人の対談が読者に対してすごく誠実で真摯だなと思いました。すてきという言葉では言い表せないくらい、「ああ、こんなことを考えて書いていらっしゃるんだな」というのを文章で読めました。
    またいつかどこかで、お二人が対談した記録が本になったらいいなと願っています。

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    2024年02月11日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    この本は。
    人類へのギフトてす。

    度重なる戦争で、幾度美しい地球を台無しにしても懲りることなく破壊を繰り返す愚かな人類へのギフト。
    どうか人類に、このギフトの意味を受け止める度量がありますように…。

    この本が創刊されたのは第二次世界大戦が勃発したばかりの頃なのです。
    そして、なんと。
    この本の始まりは人類が第十二次世界大戦を起こした時の話。

    戦争により世界が丸ごと破壊され、人々が愛や希望を失った時。
    1輪の花が1人の心を救いました。
    花は人の心に愛をもう一度灯し、やり直す勇気をくれたのです。
    たった1輪の花が。
    絶望からのやり直しはとても大変なことなのに、人々は愛と知力で復活させました。
    それなのにどういうことでしょう。
    文明からは再び邪悪な心や妬みが産まれ、またしても戦争に…。

    いまだまさにそのループのただ中にいる私たち。
    一輪の花も残らないほどに地球を痛めつけてしまう前に気づいてほしいと願わずにいられません。
    人類はただの地球のいちメンバーにしか過ぎないことを。

    訳者である村上春樹さんのあとがきにギュッと心がしめつけられます。

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    2024年01月31日
  • 村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―(新潮文庫)

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    ある程度 いろんな物事が終わった時(〆切に追われていた仕事とか)
    私の場合 ふと読みたくなる。そして、その後村上春樹さんの文章のリズムが
    頭の中に残って、こう言う風に感想にも(  )とか使いたくなるのだ。

    なんて心地の良い言葉のリズムと比喩なんだろう。
    いつも思う。

    そして、新鮮なサラダをボールいっぱいバリバリと食べたくなる。

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    2024年01月05日
  • 心は孤独な狩人(新潮文庫)

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    闇を鮮やかに描きだしている作品。
    どの扉を開いてもそこにあるのは孤独だけ。
    でも、彼らと私たちとで何が違うのか。みんな繋がっているようで本当はみんな孤独なんじゃないか。
    そう思うととても悲しくなって、この本が愛しく思えた。

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    2024年01月17日
  • 心は孤独な狩人(新潮文庫)

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    色彩豊かな片想いが錯綜する物語。
    1930年代の大不況による貧困と差別が蔓延するアメリカ南部で暮らす人々。
    主人公のミック、ジェイク、ブラント、コープランドを中心に様々な人が聾唖の白人、シンガーに心を寄せる。
    シンガーが唖であるがゆえに理想の友人像を作り出し傾倒する。ただしシンガー自身はその友人たちのことを強く思っているわけではなく、心の中にはただ一人、精神病院に収容されてしまった友人アントナプーロスのみ。
    理想の友人のおかげで日々の苦しい生活が救われていると感じている中、その一方通行は突然ドミノ倒しのように崩壊し、人々は孤独へと帰っていく。

    こう書くととても重苦しい感じがするのだが、マッカラーズが描き出すこの悲劇はとても美しいのだ。
    冒頭に「色彩豊か」と書いたとおり、世界を、そして登場する人々に色々な色を与え、80年前の人々の姿を生き生きと描きだし、決して古くさいと思わせることなく、全員を愛おしく感じさせる。
    これは素晴らしい小説。600ページとなかなかの長編だけど、決してその時間は無駄にならない。
    傑作。2023年の締めくくりがこの本でよかった。

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    2023年12月31日
  • 心は孤独な狩人(新潮文庫)

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    これほど力強くも繊細な小説を読んだのはいつ以来だろう。海の向こうではファシズムが台頭しつつある暗い時代、アメリカ南部の貧困と人種差別が蔓延する小さな町に暮らすひとりの聾唖の男と、彼をとりまく4人の人びとの物語だ。
    町にある夜流れ着いた大酒飲みのアナーキストは、この世の矛盾について多くの知識を蓄えはしたが誰にも理解されず、巨大な怒りを内に抱え込んで自己破壊的な暴発をくりかえしている。
    一方、この町にただひとりの老黒人医師は、差別と暴力に虐げられる同胞たちへの大いなる愛とともに彼らの愚かさへの怒りに突き動かされているが、彼もまた、家族を含め誰ひとり理解者をもたない。
    才気煥発な下宿屋の少女は、心の「内側の部屋」に豊かな音楽をあふれさせているけれど、これもその力を外に向かって表現する方法を知らぬまま、唖の男への慕情を募らせている。
    そして彼らをじっと見つめる食堂の主人は、夜の深さと、そこでしか生きられない異形のものたちを、自らの隠された分身のように愛する男だ。
    自らの内にある膨大なエネルギーを持て余し、ただひとり自分の魂を理解してくれそうな存在をもとめて、唖の男のもとを訪れる4人の人びと。彼がたたえる大きな沈黙と静かな微笑は、彼らがそれぞれ孤独に抱えこむ苦悩と希望とをすべて受けとめてくれるように見えた。しかし実は唖もまた、まったく受け取り手のいない巨大な愛を、その内に孤独に抱えこんでいたのだった…
    理解し共感してくれる存在をそれぞれに渇望していながらも、決して互いに理解し共感しあうことのできない巨大な魂の孤独。その絶望とその希望を、これほどまでに繊細に描いた小説がほかにあるだろうか。おそらく少女ミックと食堂の主人ビフは最も作者自身に近い存在と思われるが、老黒人医師とアナーキストがついに正面から出会い、互いに共通する熱望を見出しながら罵り合い絶望して別れる場面の緊迫には読む側も息を詰まらせざるを得ない。一見、救いのない物語だが、戦争というより大きな暴力の予兆が満ちる中で、彼らは最後まで生き抜く希望を失ってはいない。
    自分とまったく異なる人たちの心の深みに降りて行って、その最も柔らかい部分に触れるような小説を、裕福な家庭出身の若い白人女性であったマッカラーズはどのようにして書くことができたのだろう。愚かに傷つけあい共感を拒みながら共感を可能にする人間というものの可能性を指し示すこの小説、このような時代にあって、それはなんという希望であることか。

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    2023年12月28日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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    村上春樹さんのエッセイに、僕は音楽を感じる。
    音楽が、言葉のリズムのなかに含まれていて
    心地よいのだ。ちょっと疲れていて、長い文章は
    読みたくないなというときに僕は読む。

    すると、少し心が軽やかになって
    笑顔が昨日より増える気がする。

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    2023年12月18日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    1人でクスクス笑いながら読んだ本。
    内容がどれも軽くて、重い話がなかったからスラスラ読めた。すごく面白かった。
    「かなり問題がある」は、デビュー作「風の歌を聴け」がどのような気持ちで作られたのかが書かれていた。前にも球場で空を飛ぶボールを見ていると突然小説を書こうと思ったと言うのを見たのだが、やはり小説というのは突発的に書こうと思うものなのだろうか。
    村上春樹の本は好き嫌いが分かれるし、ひどい言葉を言う人もいるがそう言う人は一度この「村上ラヂオ」を読んでほしいと思った。きっと村上春樹に対する思いが変わるはずだ。
    「円周率おじさん」はおもしろすぎて、静かな図書室で一人で肩を震わせる変な人になってしまった。
    老人になると600桁の円周率を覚えてしまうほど暇になってしまうのか。おそろしくもあるが、はやく歳を取りたいとも思った。

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    2023年12月15日
  • 村上朝日堂(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おもしろい!
    初めて村上春樹のエッセイを読んだがこんなに面白いとは思わなかった。普段の小説からは考えられないシュールさやゆるさ、だけど文章はしっかりと村上春樹のものでとても新鮮だった。1つの話が2ページで終わるのも良かった。あっさりしていて、テンポ良く進めていけるのも好きだった。
    安西水丸さんの絵がなかなか可愛らしくて、想像が捗った。
    つけで本を買う話は、子供がツケ払いをすることが可能な町が存在すること自体が面白かった。今じゃ考えられないことであるからこそ、日本っていいなあと思う。
    「千倉における朝食のあり方」を読んで、千倉に興味が湧いた。これを読むまで千倉の存在すら知らなかったが、肉屋がほとんどなくてサザエが大量に食べられる街 なんで面白いんだ。

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    2023年12月02日
  • 村上朝日堂(新潮文庫)

    購入済み

    コラム集なので、短くて読み易い

    紙の本も持っていますが、「老眼」で小さい字を読むのがつらいので、電子書籍を購入しました。執筆当時とは時代も価値観も大きく変わりましたが、読んでいてちょっぴり笑えたり、少し考えさせられたりする点は変わらないなと感じました。でも、日刊アルバイトニュースを覚えている人って、どの位いるんだろう?今はスマホでバイト探しだものね。

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    2023年10月30日