村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書は、村上春樹(1949年~)氏が、1995~2015年にいくつかの雑誌のために書いた紀行文をまとめたもの。大半の初出は、JALのファーストクラス向け機内誌「アゴラ」(但し、雑誌に掲載されたものより長いバージョンだそう)で、その他は、雑誌「太陽 臨時増刊」、雑誌「タイトル」、雑誌「クレア」である。2015年に出版、2018年に文庫化された。
訪れた場所は、米ボストン、アイスランド、米のオレゴン州ポートランドとメイン州ポートランド、ギリシャのミコノス島とスペッツェス島、ニューヨークのジャズクラブ、フィンランド、ラオスのルアンプラバン、イタリアのトスカーナ地方、熊本で、村上氏が過去に数ヶ月~数年 -
匿名
購入済み村上春樹の解体新書
村上春樹さんがどのように物語を紡いでいるのか、何を大切にしているのか、どのような手順で推敲しているのか。そういうあらゆる興味深いことを同じ作家の川上未映子さんが余すことなくインタビューし、それを包み隠さず村上春樹さんが答えているという濃厚なインタビュー。
そしてこのインタビューを通してわかったことはやはり村上春樹さんは稀有な作家だということ。
デビューして40年経ってなおストーリーがどんどん降ってくるなんて。そして彼の紡ぎ出す物語は今もなお新鮮で息切れを感じさせない。他の人が真似しようとしてもできないことははっきりわかる。 -
Posted by ブクログ
「村上朝日堂」シリーズ(シリーズと言っていいのかな?)
マサチューセッツ州ケンブリッジ(ボストンの隣)に住んだ、1993年から1995年にかけての滞在記で、村上さん44歳から46歳のころ。
日記であり、紀行。
紀行文好きの私としては、村上さんの紀行文が読めて、とても楽しかったです。
安西水丸さんがイラストを担当、奥様の村上陽子さんが写真を載せている。
イラストはいつもの画伯風であるが、小学生の絵と違うところは、時々危険なところ。特にP207がやばい。
まあ、村上さんの発言がそもそもヤバいのですが。
奥様の写真はボストンマラソンから始まり、アメリカの自然や、街の様子が視覚からもアメリカ感を盛 -
Posted by ブクログ
ネタバレ川上未映子さん以上のハルキストはいるのだろうか。
村上春樹さんが忘れていることまで、ディテールまで覚えていてたじたじの場面も。でも、のらりくらり「覚えていない」という春樹さんは本当に覚えてないのかもしれない。
それにしても鋭かった。特に村上作品における女性の描き方、女性の見方についてのところ。
村上さんは、文章を書くのが大好きで基本ポジティブだということ。地下一階の自我の葛藤には興味がなく、地下二階に降りようとしていること。集団的無意識みたいなところに。
文章を読んだら、カキフライが食べたくなるような文章を書きたいというのが、村上春樹さんの目指すところ。
それと忘れちゃいけない直接的なメッセー -
Posted by ブクログ
本当に村上春樹さんの紀行文は最高。
好奇心も心も満たされる
ちょうど読んでいたとろに、ロシアのウクライナ侵攻のことで、息子に「日本はどこの国とも地続きで国境を接していないから感覚としてわからないけれど、地続きで隣り合う国があるってどんな気持ちなんだろう」というようなことを話しかけられました。
村上春樹さんの旅当時はソ連(現在はジョージアとアゼルバイジャン)、イラン、イラク、シリア、ギリシャ、ブルガリアと接しているトルコの地図を2人で眺めながら「日本で生きていると他国と接している緊張感てないよね」と話し、村上さんの波瀾万丈の旅の訳がよくわかったし、接している国との関係もあるだろうから「その地域 -
-
ネタバレ 購入済み
いい意味で適当
質問に答えていくスタイルなのだよ。
だがね、君。
言葉で説明すれば簡単なことも、実際にやってみるとなると、そう時間が掛かるのだ。
読む側からしたらね、ちょっとした時間に読める量であってもだね。
そう、原稿全ての量はだね、失われた時を求めての倍はあるだろうかね。
そんな量だから試し読みの量だけでも十分に楽しめるのだよ。 -
Posted by ブクログ
この本は。
人類へのギフトてす。
度重なる戦争で、幾度美しい地球を台無しにしても懲りることなく破壊を繰り返す愚かな人類へのギフト。
どうか人類に、このギフトの意味を受け止める度量がありますように…。
この本が創刊されたのは第二次世界大戦が勃発したばかりの頃なのです。
そして、なんと。
この本の始まりは人類が第十二次世界大戦を起こした時の話。
戦争により世界が丸ごと破壊され、人々が愛や希望を失った時。
1輪の花が1人の心を救いました。
花は人の心に愛をもう一度灯し、やり直す勇気をくれたのです。
たった1輪の花が。
絶望からのやり直しはとても大変なことなのに、人々は愛と知力で復活させました。 -
Posted by ブクログ
「自我とか意識とか」
80年代末に書かれたダークな短編たち。
個人的に村上春樹の短編はもう4、5冊目になるけど、本作は全体的にダークな印象。
後に発表される『ねじまき鳥クロニクル』とか『アフターダーク』とかに続きそうな空気が全面に感じられる。
村上春樹は自我/自己とか意識/無意識みたいな対比がちょくちょく出てくる。
本作もそんな対比の中で揺り動かされる主人公たちがポップの殻を被って描かれている。でも作中に見え隠れする闇を感じずにはいられないんだよなぁ。
表題にもなってるTVピープルなんて特にそう。
奴らは大胆に姿を現しているのに、それがあたかも、
「いや、私らなんて全然無害な存在なんで