村上春樹のレビュー一覧

  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    村上春樹が自身の脳内現象を語っている本。日常的なことに至るまで語られていて、小説家云々よりも人間ってそういう生き方もできるんだと可能性を感じさせてくれた。

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    2025年08月24日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    街とその不確かな壁(上)』
    "Tender is the Night"との繋がりを見出せそうだった。中年の男が女性との繋がり次第で生きる意味を見出したり、無気力になったりする。
    下巻はどうなるかな。影と主人公の逃亡は楽しそうだった。


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    2025年08月22日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    情景や空気感についての表現が豊かで素晴らしく、自分も旅行しているような気分になれる。挿絵の写真も素敵です

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    2025年08月22日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    自分が小説家になろう(なれる)と思った理由はよく分からないこと言って誤魔化してるのに、小説を書くためにやっていることは結構具体的に書いているのが、誠実な感じがする。小説家という領分に対してあまり縄張り意識がないらしい。

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    2025年08月20日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    手を繋いで保育園から自宅まで帰るラストシーンは村上春樹作品には珍しいのでは、と思う。だいたいが、大切な人の何かが損なわれてしまって、読んでいてモヤモヤするものが残るパターンが多いのではないかと…。
    復縁⇒子育て(しかも愛情がたっぷり)のこの図式は歓迎。

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    2025年08月19日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    騎士団長に感情移入してしまいファンになった。
    登場人物(?)の中で最もコミカルで最もストレートな言葉を持っていると思う。
    ああ、でも不倫相手もそういう意味ではコミカルでストレートかも…。
    本作は会話が特に印象に残っている。秀逸かと。

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    2025年08月19日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    不思議な世界観。
    君は影なのか、何処に行ってしまったのか、壁に囲まれた世界とは何を意味しているのか、なぜ影と切り離されなければならないのか、私と君は再開できるのか、世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドとどのような繋がりがあるのか、子易さんは現実と壁に囲まれた世界とを繋いでいる人なのか、ねじまき鳥以来の村上春樹作品を読んでいる。村上春樹は何を伝えたいのか、自分なりの考えを持ちたいと思う。

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    2025年08月11日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    村上春樹さんの長編小説の中で1番好きです。読んだ時に主人公の年齢が近かったこともあり共感できました。先の展開がどうなるのかがわからない、日常の中に少し非日常が交じる村上春樹さんでしか味わえない至高の小説だと思います。

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    2025年08月11日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    最後の方にグロい描写があって、それのためにここまで読んだみたいな、それほどに引き込まれた文章だった。

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    2025年08月08日
  • 遠い太鼓

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    端的に言って期待以上にめちゃめちゃ面白い分厚いエッセイで、「ノルウェイの森」「ダンスダンスダンス」の副読本というと言い過ぎかもだが、脂の乗ってる30代春樹さん特有の文章(太字の使い方とか)を堪能できるエッセイはこれしかないはず。

    特に序盤のギリシャパートは初期作の雰囲気がぷんぷんで、地図を描いてもらいその地図にキスをするくだりを絵で説明するトピックは、ギャグとしてとても冴えている。後半のローマへの不満パートは読んでいるこちらがイライラしてくるほどの実況ぶりで、流石だなと思う。

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    2025年07月19日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「しかし正確に言えば、それはただの偶然でない。君たち二人の運命が、ただ成り行きによってここで邂逅したわけではない。君たちは入るべくしてこの世界に足を踏み入れたのだ。そして入ってきたからには、好むと好まざるとにかかわらず、君たちはここでそれぞれの役割を与えられることになる」「この世界に足を踏み入れた?」「そう、この1Q84年に」

    はあ、面白い。面白い。1Q84年に、月が2つの世界に踏み込んだ。

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    2025年07月18日
  • パン屋再襲撃

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    パン屋再襲撃、象の消滅、ファミリー・アフェアという面白い短編が三作も続いて収められており、特にパン屋再襲撃、ファミリー・アフェアの二つはユーモアに溢れた作品であり、あまり本を読まない人にとっても読みやすい事請け合いである。
    ねじまき鳥と火曜日の女たちというねじまき鳥クロニクルの種となる様な短編もあり、こなれてきた読者としても重要な一冊だ。

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    2025年07月16日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を村上春樹さんが翻訳していること、併読している『ギンガムチェックと塩漬けライム』(鴻巣友季子著)で初めて知りました。そして、本書に辿り着きました。

    村上さん、『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を大絶賛でした。翻訳という大変なお仕事をするのですから、当然といえば当然ですが。『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を読んだら、(どちらかでも)本書は必読だと個人的に思います。

    村上さんの翻訳を巡っての柴田さんとのお話は、とにかくおもしろい! 野崎訳『ライ麦畑でつかまえて』を読み、ちょっと理解が難しいところが、こんがらがった糸がほどけたように分かり、すっきりしました。そして何より、村上さん柴田さんの翻訳観を知り得たこと、大きな収穫でした。言葉の訳し分けの細かいところまで、突っ込んで説明されています。翻訳の繊細な部分を感じ取れました。

    契約上、「訳者が本に一切の解説をつけてはならない」という縛りがあったとのこと。本書には村上さんの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の解説、柴田さんの「Call Me Holden」が掲載されていてお得です。

    早速、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、読んでみようと思います。

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    2025年07月03日
  • TVピープル

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    ネタバレ

    三宅香帆の著作で人生を狂わす作品として紹介。
    だいぶご無沙汰な村上春樹でした。初出誌が生まれ年の1989年というのに親近感。

    標題作品の『TVピープル』を始め、全編不気味な雰囲気を纏っている。少し常識から踏み外した世界観から、私たちの日常生活への小さな歪みみたいなものを抉り出される感覚。

    『眠り』の舞台設定が我が身と類似点があり、1番ゾワっとした。眠りを超越し、傾向的な消費から解放され自分の時間を過ごしている。そこに自分の人生を生きているという充実感を覚える。反面、昼間の生活に対する不信感や、踏み込んだ嫌悪感を意識してしまうに至る。夫と息子の寝顔を見ながらの感情の吐露は凄みがある。

    さらに、「死」とは終わりではなく、暗闇の中で永遠に続く覚醒かもしれないという気づき。眠りの延長線上でしか「死」を意識していないのは私も一緒で、この考究はある種の絶望を与えられた。

    ラストの誰でもない誰かに迫られる恐怖。深夜という非日常な世界における異質さと無秩序な空気感がおどろおどろしいわ。

    村上春樹の奥深さと、やっぱり好きかもという懐古。勢いに任せて『ノウウェイの森』文庫を購入。久しぶりにこの代表作を読んでみよう。

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    2025年06月23日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    一生をかけて何度も読み返す本リストみたいなものがあれば、
    この作品は間違いなく入る作品。

    今のところは5回ほど読んだ。

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    2025年06月22日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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    ネタバレ

    父の心に長いあいだ重くのしかかってきたものを-息子である僕が部分的に継承したということになるのだろう。人の心の繋がりというのはそういうものだし、また歴史というのもそういうものなのだ。その本質は〈引き継ぎ〉という行為、あるいは儀式の中にある。その内容がどのように不快な、目を背けたくなるようなことであれ、人はそれを自らの一部として引き受けなくてはならない。もしそうでなければ、歴史というものの意味がどこにあるだろう?【P63】

    たとえば僕らはある夏の日、香櫨園の海岸まで一緒に自転車に乗って、一匹の縞柄の雌猫を棄てにいったのだ。そして僕らは共に、その猫にあっさりと出し抜かれてしまったのだ。何はともあれ、それはひとつの素晴らしい、そして謎めいた共有体験ではないか。そのときの海岸の海鳴りの音を、松の防風林を吹き抜ける風の香りを、僕は今でもはっきりと思い出せる。そんなひとつひとつのささやかなものごとの限りない集積が、僕という人間をこれまでにかたち作ってきたのだ。【P106】

    村上春樹さんの物語で、私の物語だ。ささやかなものごとの集積。ストンと、納得できた。

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    2025年06月10日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    村上春樹はエッセイや紀行文がいいぜ!というのを言われたりそこここで見かけたので、読むぜ!の気持ちで手に取った。

    大変良いものでした。
    びっくりした。思っていたよりもずっと良い。
    私はウイスキーには全く明るくないし飲んだことがあるものもボウモアくらいで、本の中で表現されるような味の雰囲気や表情を理解することはできないわけだが、この饒舌さは実に楽しい。好きなものを言葉を尽くして語る様子は気分があかるくなるね。
    注釈の8割が本筋にはちょっと関係ないけれどどうしても言っておきたい事って感じの内容で、そこも良かった。

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    2025年06月08日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    チャーミングでふふっと笑ってしまう本書は
    一瞬で読み切れるけど、満足感がぱんぱん!
    読んでて気分がよかったです。文章で酔ったかな?

    村上節に、その感性に、
    私はいつだって羨望してしまう。。
    村上春樹が感じた事を少しでもわかりたいし、
    そして何より美味いウイスキーを飲みに行きたい。
    私は必ずこの本と旅をするんだ!

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    2026年05月17日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    何度か読み返している本書を数年ぶりに再読した。
    今回は前回よりも深く物語を理解できたような気がする。
    クミコからの長い手紙に彼女の真摯さのようなものを感じ、
    笠原メイからは、現実から違う世界に行こうとする岡田亨をなんとか引き留めようとするいじらしさのようなものを感じ、
    カティサーク飲みたいなぁと感じた。
    また、数年置いて読みたいなと。

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    2025年06月06日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    暴力、そして『ねじまき鳥クロニクル』の副読本
     ユングとか河合隼雄とかの怪しさは、いったん脇に置いておく。
     村上春樹の無意識的・形而上的な創作技法が、多少なりともつまびらかにされてをり、それは氏にしては珍しく赤裸々に開陳されたものだと思ふ。
     特にこの対談のメインとなるのは、暴力についてだ。それは氏が『ねじまき鳥クロニクル』を書き終へたばかりといふこともあり、身体から出てきた(頭で考へただけではない)物語だからだ。
     同じく暴力を扱った作家として、村上龍と大江健三郎の名前もすこし出てくる。

     河合隼雄の心療経験の話が面白く、それがうまく村上春樹と噛み合ってゐる。河合が接した患者の心療経験から導きだされる普遍的らしい真理に、こちらも惹かれてしまひさうになる。

     もちろん眉に唾をつける話もある。
     たとへば河合さんは、日本の私小説は世界に受け入れられないと書いてるわけだけど、それは違ふと思ふ。なんとなれば、最後の方で河合さんは、みづから矛盾したことを言ってゐるわけだから。《あと、ぼくの場合は、一人の人間のことに必死になっていたら、世界のことを考えざるをえなくなってくるんですね。結局、深く病んでいる人は世界の病いを病んでいるんですね。》

     なにより、村上氏の政治的スタンス(むしろそれは暴力にたいするスタンス)は、ほかの文学者と乖離した価値観があった。反核宣言も、だれも痛みを引き受けてゐない。とかれは言ってゐる。
     要するにそこには、他者の痛みを自分のものとして一旦捉へる、さうして納得できてはじめて行動できる。といふ態度だ。

     現在の村上氏の、のらりくらりとした対談の状況(それはたとへば川上未映子氏との対談だが)をみれば、☆5にする価値はあるのではないか。とさう思った。

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    2025年06月08日