村上春樹のレビュー一覧
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ネタバレ免色はついに秋川まりえと対面する。
雨田具彦の過去がかなり明らかになる。弟の死が関係していそう。彼はなんでスタジオに現れたのか?主人公は雨田具彦と会うのか?会ったらどうなるのか?
ユズの懐妊と主人公の夢との関係は?空間を超越した移動はあるのか?
秋川まりえの肖像画、スバルフォレスターの男の肖像画、雑木林の中の穴、そして騎士団長殺し、どう絡んでくるのか?
まりえのお父さんの変な宗教が今後絡んで来るのだろう。
村上春樹の小説によく出てくる壁とか穴が、今回はなんの象徴となるのか?
第一部のプロローグで出て来た、肖像画を描いてほしいという、顔のない男が持っていたお守りのプラスチックのペンギンがついに出 -
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わかりやすい構図、伝えたいこと、そんなレールに沿って語られる物語より、アトランダムに取り上げられた物語から出来上がった総体から、やんわりと感じられる何か、そんなものが私を惹きつける。
ジャーナリズムだって、その例外ではない。というか、ジャーナリズムこそ、そうあるべきなのかもしれない。
こんなに熱がこもっているのは珍しいくらいに、熱いものを感じるあとがきの「目じるしのない悪夢」は、今回のテーマを超えて、普遍的なメッセージとして心に響いた。
「…あなたが今持っている物語は、本当にあなたの物話なのだろうか? あなたの見ている夢は本当にあなたの夢なのだろうか? それはいつかとんでもない悪夢に転換し -
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自分自身も走ることが好きだからこそ、この本の面白さがよく分かって嬉しい!
私も、走っていて辛さを感じる時は“Suffering is optional”を頭の中で繰り返すようになりました。
マラソン終盤は特に、辛さは消えないまでも多少ましになる、気がする。
「走ることは、僕がこれまでの人生の中で後天的に身につけることになった数々の習慣の中では、おそらくもっとも有益であり、大事な意味を持つものであった」p22
「走り終えて自分に誇りが持てるかどうか、それが長距離ランナーにとっての大事な基準になる。
同じことが仕事についても言える。他人に対しては何とでも適当に説明できるだろう。しかし自分自 -
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明かされた『世界の終り』という物語の秘密に、読者は声をあげて驚愕するだろうか、それとも分かっていたと無言で頷くだろうか。私は後者であったのだが、それでも面白さに衰えはなく、むしろ答え合わせに正解したような満足感があった。
微かな繋がりを見せる二つの世界の姿は、言うまでもなく美しい。特に「僕」が手風琴を探り探り扱いながら失った記憶の中にコードを見つけ、『ダニー・ボーイ』に引いた場面には心打たれる。
もしも自分の意識が24時間と少しで消えてしまうとしたら、私は何をするだろう。
本を読んで過ごすと答えられたら幸せだろうなのだろうが、きっと「私」と同じくやるべきことは山ほどあるのに、やりたいことが思 -
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ラオスに何があるというのですか?
村上春樹氏の絶品エッセイ集。JALのアゴラやクレアに掲載されたエッセイを再構成したものだ。
ボストンの町、マラソン、そして川沿いの情景。確かに、MITのあたりの桜を眺めながら散歩した日、コロナでまだマスクが義務付けられていた頃だ。歩きながら、ボートをやってる学生が目に入る。本当に、エッセイの中の情景だった。美味しい料理、決してクラムチャウダーだけじゃないボストン。なんとも田舎で、でも都会で、学園都市で、不思議な魅力がある。何度か行ったのだけれども、それなりに毎回楽しめた思い出だ。村上さんの文章は、本当に一つ一つが美しくて、時に面倒な、でも心に響く。なんでな -
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村上春樹氏の作品は初めて読んだのだが、淡々としていつつもどこかリズミカルで、独特な比喩に酔いしれることができた。
ファンが多いことにも納得。読んでいてクセになってくる文体だ。本の内容もさることながら、読んでいるだけで心地よい。
上下巻構成のため、上巻のレビューにはあらすじや設定などを、下巻のレビューには全編通しての感想を書こうと思う。
本作は二つの物語によって構成される小説だ。
『世界の終り』はファンタジー作品、『ハードボイルド・ワンダーランド』はSF作品を彷彿とさせる世界観。この物語たちが章を跨ぐたび交互に展開されていく、一風変わった小説となっている。
『世界の終り』は壁に囲まれた小さな -
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▼(本文より)私には酒が必要だった。高額の保険が必要だった。休暇が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだった。だからそれらを身にまとい、部屋を出た。
▼言い回しの次元でしかないとも言えますが、思わずにやりとしてしまいます。小説というのは、物語というのは、結局は言い回しの次元であると言えます。パチパチ。
▼私立探偵フィリップ・マーロウ長編シリーズ第2作。
①大いなる眠り(The Big Sleep, 1939年)
②さよなら、愛しい人(Farewell, My Lovely, 1940年)
③高い窓(The High Window, -
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これまで読んできた春樹作品とは違う……少なくとも私はそう思ったかな。村上春樹の小説ってプロットがなくてひたすら文体に引っ張られていく迷走感があり、私はそれが好きではあったけど『騎士団長殺し』にはすごく骨組みを感じた。タイトル、登場人物、舞台、テーマ、すべてを含めたパッケージとしての完成度をくらった。要するに超刺さっちゃいました。世界観の構造としては『ねじまき鳥クロニクル』(大好き)に似ているので対比しながら読んだんだけど、ねじまきは悪を描く作品だったけど本作は一段上をいくというか悪(白いスバル・フォレスターの男)を振り切るための『信』の話で、そう、『信』というしかない。悪に打ち勝つために必要
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小説家になるためには、どんなことが求められるのかを著者の体験をもとに語っていく。著者によると、小説を1つ書くこと自体は簡単とまでは言わないが、誰にでも書けるという。しかし、何十年も継続して小説を書くのは困難である。これはある種の才能が必要とされる。とはいえ先ほど述べたように、小説を書くことに何らかの制約はない。言い換えると、小説家とはどんな経歴の持ち主でも参加できるプロレスリングのようなものである。
当然の話ではあるが、小説家になる以上、できるだけ多くの本を読むことをすすめる。優れた小説、それほど優れていない小説、ろくでもない小説、どんなものでもいいので、若いうちから幅広い読書をしていくこ