村上春樹のレビュー一覧
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村上春樹の「小説」としては、初めて読む本。
いやーまさかのタイミングで読むことになった本だった。色々とドンピシャすぎ。
文学ってのは、然るべきタイミングで出会うようにてきてるんだなぁ…
個人的なそうしたバックグラウンドは置いといて、本の内容としては、恋愛小説。
小学生のころに、一人っ子(当時は珍しかった)という共通点で強烈に惹かれ合った女子との思い出がある主人公。紆余曲折ありながらも、別の女性と結婚し、バーを営みながら幸せに生きている時に、その女の子がお店にやってくる…
というあらすじ。
シンプルなあらすじなのだけども、村上春樹のシャレたセンスの文章でグイグイ読ませる。
主人公も、女の子 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白い。本当に面白い。ストーリー自体がそもそも面白いのに加えて青豆と天吾に感情移入しすぎて、これは私が出会うべくして出会った小説だと思った。私はこの物語に出会うために生まれてきて、この物語と出会わなければいけなかったのだと思った。それくらい私にぴったりとハマる、人生でも1.2を争う小説だった。以下、断片的な感想を述べるとする。
・「彼女はひとりぼっちで、情愛に飢えていた。生きていく目的や意味をどこに求めればいいのかわからないまま、つかみどころのない日々を送っていた。」←分かる。分かりすぎる。家庭環境に恵まれないとこういう思考になる。
・「環が相手の男に求めていたのは、理解と思いやりのような -
Posted by ブクログ
「ハードボイルド」の意味を、ようやくこれを読んで理解できた気がする!!
これがザ・ハードボイルドね!って自信満々に言いたい。
ハードボイルドってそもそも何?ってレベルの私なんだけど、文学で、感情を交えず、始めから終わりまで、客観的な態度・文体で対象を描写しようとする手法らしい。
この小説、マーロウという主人公=語り手の感情が全く出ず、淡々と周りの情景、出来事を描いていくスタイルで、王道なミステリーのプロットがこんな風に純文学になるなんて!!そんなことあるんだ、知らなかった!すごい!
と驚いてる!!
ストーリー自体がすごい斬新な設定とか、そういうことではなく、語られ方が斬新!!
すご -
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村上春樹の作品の中でも最高傑作と名高いだけあって、現実世界のハードボイルドワンダーランドと深層世界である世界の終りというパラレルワールドで展開される世界観がとにかく秀逸でした。
現実世界では苦や悲しみもありながらも感情が伴う世界で、深層世界ではそういった苦しみや争いなどがなく平穏で安定している代わりに心が喪失している世界を表しています。
ラストシーンも含めて読み手に解釈の余地を与えているので、人によって感じ方は大きく変わりそうです。そういった点も本作の魅力の一つだと思います。
ストーリー自体は難解ではあるものの村上春樹の作品の中では比較的読みやすい部類に入ると思います。自分の人生哲学を踏まえて -
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初の小説じゃない春樹
今年から走り始めたから、春樹の目を通して走ってみたいな思って、電車時間の読み物として読んでみた
最近は暑くて走りより泳いでるから、結果的に読んでる期間一度も走らなかったけど、おかげで電車時間が癒し時間になった
what we talk when we talk about love
愛について語る時に私たちの語る事が愛以外のものであるように
本書は走る事を語ってるようで、小説のことや生き方を語っていた
ポニーテールの比喩と、自分のネイチャーをボストンバッグに比喩していた文章が特に印象に残った
流れるような美しい文章、一見全然関係ない2つの事柄がすんなり共通してしまう -
Posted by ブクログ
サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を村上春樹さんが翻訳していること、併読している『ギンガムチェックと塩漬けライム』(鴻巣友季子著)で初めて知りました。そして、本書に辿り着きました。
村上さん、『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を大絶賛でした。翻訳という大変なお仕事をするのですから、当然といえば当然ですが。『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を読んだら、(どちらかでも)本書は必読だと個人的に思います。
村上さんの翻訳を巡っての柴田さんとのお話は、とにかくおもしろい! 野崎訳『ライ麦畑でつかまえて』を読み、ちょっと理解が難しいところが、こんがらがった糸がほどけたように分かり、すっきりしまし -
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ネタバレ三宅香帆の著作で人生を狂わす作品として紹介。
だいぶご無沙汰な村上春樹でした。初出誌が生まれ年の1989年というのに親近感。
標題作品の『TVピープル』を始め、全編不気味な雰囲気を纏っている。少し常識から踏み外した世界観から、私たちの日常生活への小さな歪みみたいなものを抉り出される感覚。
『眠り』の舞台設定が我が身と類似点があり、1番ゾワっとした。眠りを超越し、傾向的な消費から解放され自分の時間を過ごしている。そこに自分の人生を生きているという充実感を覚える。反面、昼間の生活に対する不信感や、踏み込んだ嫌悪感を意識してしまうに至る。夫と息子の寝顔を見ながらの感情の吐露は凄みがある。
さら -
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ネタバレ父の心に長いあいだ重くのしかかってきたものを-息子である僕が部分的に継承したということになるのだろう。人の心の繋がりというのはそういうものだし、また歴史というのもそういうものなのだ。その本質は〈引き継ぎ〉という行為、あるいは儀式の中にある。その内容がどのように不快な、目を背けたくなるようなことであれ、人はそれを自らの一部として引き受けなくてはならない。もしそうでなければ、歴史というものの意味がどこにあるだろう?【P63】
たとえば僕らはある夏の日、香櫨園の海岸まで一緒に自転車に乗って、一匹の縞柄の雌猫を棄てにいったのだ。そして僕らは共に、その猫にあっさりと出し抜かれてしまったのだ。何はともあ