村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ眠り続ける姉のエリ
深夜のファミレスで何もしていない妹のマリ
2人の間を繋ぐ高橋
アルファヴィルの従業員、中国人の女の子
都会のサラリーマンの攻撃性の象徴みたいな白川
そして視点。
深夜帯の不思議な、別の世界みたいな感覚を味わえる作品。
「人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくもんやないのかな」コオロギの言葉がなんだかすごく沁みる。村上春樹が言いそうだけど言わそなそうな言葉。
高橋は孤独な幼少期のことが忘れられずにいるし、コオロギもとびきり怖いなにかから逃げ続けている。白川は中国の奴らに追われ続けるだろう。エリはマリとエレベーターに閉じ込められたことを燃料にできていなかったのかもしれない。高橋やコオロギとの出会いを経て、エリは“出し抜けに“記憶が蘇ってきた。
その記憶を燃やして、エリはマリのベッドに潜り込む。
「僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ。その間には陰影という中間地帯がある。その陰影の段階を認識し、理解するのが、健全な知性だ。そして健全な知性を獲得するには、それなりの時間と労力が必要とされる」
深夜から早朝の陰影の段階を、エリは認識しつつあるのだと思う。白川に備わっているのは健全ではない知性なのかもしれない。
政治的に正しい、おいしい卵焼きが食べられるといいな。
高橋は村上作品のなかでも一番のナイスガイではなかろうか。 -
Posted by ブクログ
すごく良かった。
田村カフカくんは自分の過去と向き合うため、森深く入っていく。
ナカタさんとホシノさんは入り口の石を求める。
予習としてオイディプス王を読んでいてよかった。読んでなくても全く問題ないけど、近親相姦という展開の意味合いを受け止めやすい。
カフカくんの章は現在形(言う。見る。)、ナカタさんの章は過去形(言った。見た。)で展開していることに気づいた。
カフカくんの場所は、不確かな壁の世界に似たものがあり、惹きつけられた。大島さんとの会話も。
ナカタさんとホシノさんのかけ合いが好き。終盤は想像してなかった展開だったけど、空気さなぎ感があった。
村上春樹はやはり影が好きですね。 -
Posted by ブクログ
2026.46
7月後半のほとんどはこの本を読んでいた
長い夏休みのような気持ちだった
40歳、世はバブル。
売れた小説家はとにかく疲れていた
疲れているということを書くことで消化していく
本当に天性の才能なんだろうなと思った
この本は翻訳されて海外で読まれているんだろうか
書かれた国の人たちが怒りそうな内容だったので
かなり気になる
それから事あるごとに歴史の話が出てくる
歴史とは戦争のこと
彼が抱く戦争への疑問たちのことが心に残っている
私が初めて読んだのはノルウェイの森で
その時の読書体験が私にとって大切な記憶なのだけど
書いている時期の彼の言葉を読んで納得した
私があの時感じたものはそういうことだったんだ
旅について考えると
あとがきに書かれていることが全てだなと思った
私も旅が好き