村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『街とその不確かな壁』を読んだので、こちらも読みたくなり再読。
やっぱり私にとってはこの作品が村上春樹の最高傑作である(結構多くの人にとってそうだとも思いますが)。
以下、下巻の感想もまとめて書きます。
上巻の何かが起きるワクワク感は本当にたまらない。
設定も突飛ではあるし、かなり説明少なく読者の想像に任せる部分も多いのだが(やみくろとか)、そういうものとして淡々と進むから逆に違和感なく読めるのが不思議。主人公がいちいちびっくりしないのも受け入れやすさに影響してるのかもしれない。
とにかく話の展開と構成力、こちらの想像をかきたてる描写力にグッと引き込まれてしまう。
下巻はさらに物語に引き込 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全6巻の小説だから最終巻で描かれるんだろなと予想していた出来事が全部もう起きた!
これまで読んだ本、観た映画の中でも断トツに醜悪でおぞましい、カルト集団のリーダー
そのリーダーの暗殺を請け負った優秀な女アサシン青豆
青豆が同情のカケラもなくリーダーを瞬殺してくれることを信じてここまで読み進めてきた
この巻で両者が接触し、青豆との会話の中でリーダーの鬼畜の所業の理由が明かされる
それは時空を超え、次元をまたぎ、作用反作用の法則に従うものだった
そしてそれを読んでいたら自分でも驚くことに、リーダーを消し去って欲しい気持ちに揺らぎが生じた
物語の青豆も暗殺を躊躇っている
思考の深奥から、闇の奥 -
Posted by ブクログ
一冊をひとりで翻訳する、それは孤独な作業。道をひとりぽっちで歩いてゆかねばならない。本書はその旅のおともになる。弱気になった時に読み返すと、少しだけ元気をもらえる。
3つのフォーラム――1996年東大駒場、1999年翻訳学校、2000年若い翻訳家6人と――を収める。若い翻訳者のなかには、25年前の岸本佐知子や都甲幸治もいる。
カーヴァーとオースターの短篇を村上・柴田がそれぞれ訳している、その比較が興味深い。もともと波長が合うためか、ふたりの訳文がそんなに違っていないような印象も受ける。
村上も柴田も勢いがあるのががいい。まだふたりとも、ほぼほぼの40代だもん。 -
Posted by ブクログ
あれ、これも読んだことあるぞ。
村上春樹の本、もしかしてほぼ読んでるな…
でもいつ読んだかとかまるで記憶ない…
いま、他の本も意識して読むと
この本のダンス・ダンス・ダンスのその後みたいだなーと思った。
ダンス・ダンス・ダンスでいったん現実に着地したものの、やっぱり心の震えを忘れられなくて、虚無の世界というか、地に足のつかないものに心惹かれてしまう。
結局最後はまた現実世界を生きることを決めるのだけど、心は常に現実の外側にもっと美しい心惹かれる何かがあるんじゃないか?と想像するスペースを残している気がする。
すごく共感できる。
雪かき仕事や家庭を放り出してバックパックで旅に出たくなること -
Posted by ブクログ
読み応え…!!
この物語から何かを見い出そうとしながら読み進むものの、掬い取れずにこぼれ落ちていくような歯痒さ。それでも一文一文の美しさや重くもあり軽くもあるような文体に引き込まれ、"理解度"なんて表面的なものに捉われずに突き進む気持ちよさ。そのような感覚を終始味わう読書体験であった。
とはいえ、自分なりにこの物語のテーマは?と考えてみると、「深いトラウマを抱えた人間が分裂を経て自我とシャドウを統合するプロセス」と言えるかなと思う。影をなくすというのは、過去のトラウマや心の深い部分を直視出来ず、"なかったことにする"ことかなと。影をなくすと、&q -
Posted by ブクログ
上巻はストーリー性に頭が追いつかないで終わった。こんなこと実際に起こるわけがないから、どういう心持ちで捉えて読み進めればいいから分からず、だからこそ先が気になり下巻もどんどん読み進めたが、どこかのタイミングで自分が納得、理解できる展開にシフトするはずと思っていたものの、見事に裏切られそのままの世界観で終了。多分、作者が伝えたかったことの大半に気付かず、感じられず、読み終わった自信がある。
カフカ少年とナカタさんは特に何かを象徴した存在として描かれているのだろう、大島さんも佐伯さんも大島兄も哲学的なお話が好きなのね、でも何を伝えたいのか瞬間的には感じ取れないし意味不明だなとハテナ??が頭に沢山わ -
Posted by ブクログ
「中身のある人生とは何か」30代が目前に迫り、漠然とした悩みを抱える自分に深く刺さった一冊でした。
僕にはたぶん自分というものがないからだよ。これという個性もなければ、鮮やかな色彩もない。こちらから差し出せるものを何ひとつ持ち合わせていない。そのことがずっと昔から僕の抱えていた問題だった。
平凡で実直に生きてきたが故に、自分の取り柄の無さに悩み、卑下しがちな主人公•つくる。信じていた仲間からの唐突な絶縁宣告が彼の運命を変える。故郷•名古屋から一人離れ、絶望の淵に追いやられながらも、東京の工科大学に学び、夢だった鉄道関係の職を得る。
十六年の時を超え、仲間との再会で解かれた誤解と生きる意味