村上春樹のレビュー一覧

  • パン屋再襲撃

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    何年かに一度、どうしても読みたくなる短編というものが、いくつかある。
    そのひとつが、この本に収められた「ファミリー・アフェア」だ。

    若い頃、それこそ二十歳そこそこの頃に大好きだった作品で、春樹のあらゆる作品の中で最も春樹ジョークが鮮やかに炸裂していて最高だ。
    『帰納法、と僕は思った。』が個人的にはツボだが、ここだけ抜き出しても何のことやら。

    「ピンボール」にルーツを持つ作品あり。
    「クロニクル」のルーツとなった作品あり。
    どの短編も春樹ファンにはたまらない。

    そして、いったい何人のワタナベ・ノボルが登場するのか。

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    2025年10月01日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    初の村上春樹
    カフカとナカタさんの2人の物語が交互に展開されていて、カフカサイドは抽象的で読みにくい。反対にナカタさんサイドは読みやすいなぐらいで読んでた。
    でも読み終わって、この2人の対比がすごくおもしろいことに気づけた。

    ラストに向けてどんどん伏線回収されると思ってたからそこは少しモヤモヤした笑
    でもこんな長編小説を読んだのも初めてで、読み終えた達成感もあるし物語もおもしろかった。


    佐伯さん
    あなたに私のことを覚えていてほしいの。あなたさえ私のことを覚えていてくれれば、ほかのすべての人に忘れられたってかまわない

    大島さん
    僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける。大事な機

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    2025年10月02日
  • 国境の南、太陽の西

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    最後の1行の「誰かがやってきて、」は、現実世界に引き戻され、島本さんが消えてしまった空洞に対して喪失感を抱いている(島本さんのことを深く考えていた)ところへ、有紀子がやってきたということなんだろうなと思う

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    2025年09月30日
  • 村上春樹 雑文集(新潮文庫)

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    数ページずつの、なんというか、「雑文集」であった。様々なことを考えておられる人なのだなあということを、改めて感じた本であった。1年くらいして、また読んでみようと思う。

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    2025年09月30日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    さて、読み終えた。単行本で読んだ、村上春樹の、私にとって最初の長編小説だった。改めて文庫本で読んだ。うん、よかった。また、しばらく間をあけて、読もう。いや、どうせ、読むことになるだろう。

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    2025年09月30日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    この物語は理解するというより、物語に身を委ねて、最後までそれを受け止める、そんな風に読みました。

    夏前から読み始めて、随分と時間がかかりました。
    今朝読み終わってしばらく余韻の中にいたら、しとしと雨が降り始めました。
    暗いけれど、静かで落ち着く朝です。

    全体的に暗く冷たく静かな物語ですが、その中に心の内部の躍動、綺麗な情景、温もりのあるもの、そういう心惹かれるものたちが敷き詰められています。
    暖炉の火。熱いコーヒーとブルーベリーマフィン。コーヒー屋の女性。主人公が料理をするシーンなんかも、読んでいる私自身を温めてくれるようなときめく文章でした。

    自分はどう生きたいか、必要な時に人は自分を

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    2025年09月29日
  • 女のいない男たち

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    ネタバレ

    木野が最も心に残りました。
    失ったときにしっかりと喪失を向き合い傷つくことが実はとても大切でした。
    こんな風に書くととても陳腐ですが、素敵な舞台装置と巧みな言葉使いでこんなにも感動的なお話になるのかと。
    とても面白い。

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    2025年09月28日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    美しい抽象的な比喩と引用がやはり凄まじい。
    抽象者を残した表現は読者に咀嚼することを要求し,それはある種の煌めきを見つけることや発見に近いなにかを引き出す

    そして映画の比喩も素晴らしい
    時代感とその場の雰囲気のわからなさ
    それこそがそれをよりそのシーンにしている
    これは美しい

    また,父親と青豆とふかえりと。
    それぞれが単調に進んで変わっていく様がとても美しい。
    空気さなぎは何を指し示すのか,どうして我々の前に現れるのか.精神的な弱さが弱点な人間は果たしててんごだけなのか.
    物語の濃淡は驚くほどに濃く,ストーリーは単調である.
    そのキャップがある種時間の経過間隔を危うくさせてしまうのがすごく

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    2025年09月27日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    とても、とても妖艶で綺麗で、それでいて少し切ない物語でした。村上さんの小説は、失われた愛がとても印象に残ります。あるいは、本当はあった未来や平穏。でも、意味も分からなく終わりのくる関係。世の中なんて理由のつけられないことの方が、多い。不条理で、美しい物語に感謝。

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    2025年09月25日
  • アフターダーク

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    私が一番好きな作家は村上春樹である。
    これまで、ほとんどの長編を読んできたが、その理由を的確に言語化できないでいた。

    しかし、今回この本を読んで、何が私を村上春樹に向かわせるのか、理解できた気がする。
    結論から言うと、物語を自らで再構築することだ。
    村上春樹の作品は不思議な世界で良く分からず、村上ワールドと良く言われるが、この分からない程度が程よく心地よいと考察する。分からなすぎたら、興味をなくすが、このちょうど良い塩梅の分からなさを、自らで再構築し、物語を作り上げていく、その過程が愉しいのだ。
    何度も何度も読み返して、自分に染み込ますように味わっていきたいと毎回読むたびに思わされる。

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    2025年09月24日
  • 辺境・近境

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    noteの旅行記なんかで、旅を大きくとらえすぎている人がいるけど、今の時代、お金と時間と勇気さえあればどこにでも行けるし、なんだってできる。現代旅行記はかくあるべし、といった感想。

    旅の位置づけというか、自分にとって旅がどういう意味を持つものなのか、再考するきっかけを与えてくれる。

    ノモンハン、アメリカ横断、西宮まで歩くetc

    「香川うどん紀行」がお気に入り
    腰の座った生活の香りがする

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    2025年10月15日
  • スプートニクの恋人

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    本作にはこんな節がある。
    東京のことを考えてみる。ぼくのアパートの部屋と、ぼくの勤めている学校と、こっそりと駅のごみ箱に捨ててきた台所の生ゴミのことを。

    この生ゴミについては少し前のページでちらりと描かれており、それがここで拾われるかと驚嘆した。

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    2025年09月24日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    村上春樹さんによる、ランニングにまつわるエッセイを集めた一冊。フルや100km、トライアスロンなど、いろんな競技に挑戦されていて、ランニング中の耳読書のお供に最適です。これまでにも幾度も読んで聴いてきましたがまた再読しました。ひょっとしたら人生で一番回数を読んでいる本かも。長距離走の最中に聴くと何となく励まされる感があって心が折れません。おすすめ。

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    2025年09月23日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    フィンランド、熊本、ラオス。私が過去に行った場所、行こうとしてる場所を村上春樹がどう見るのかを知りたく。それぞれの場所を再訪したくなる。
    私とは違う感性で語られるその場所のことを知り、興味が深まる。フィンランド、シベリウスを聴いてみる。

    さらに、行ったところのない場所の章も、彼の案内で読み進めると、すごく魅力的に思われる。アイスランド、ボストン、ポートランド、ミコノス島、ローマ。

    ローマの郊外をイタリア車で走ることについて、人生のハイライトになりえる、という表現。人生のハイライト、っていう言葉に自分の人生を振り返ってみる。

    旅は、心と体を自由にする。旅の本もまた然り。

    この人は、自由に

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    2025年09月22日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    日常にありそうな、ちょっと不思議な物語を書いた短編集です。
    村上春樹の作品は、表現がとても知的で、格好よく、心地よいリズムで物語が進むので、すっかりハマってしまいます❗️
    この作品もめちゃめちゃ良かったです

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    2025年09月20日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    著者が人から聞いた話を元に小説風に仕上げている。どの話も不思議な余韻がある。レーダーホーゼンはドイツの仕立屋で旦那と同じ体型の男にズボンを仕立ててもらう。その間に自分の中で家族への怒りに気付きそのまま一度も会うことなく離婚する。絵画の目利きとして、修行中に無名の画家から買い取ったタクシーにのった男、何十年後にアテネのタクシーで同じ格好の男と話をする。電話がかかってきたら、嘔吐するのを1ヶ月続けた男の話。

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    2025年09月20日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    真実というものは存在しない。同時に、この世に確かなものなどない。自分の意識や肉体ですらそうである。その一方で、誰かを一途に想う気持ちは確かに存在する。自分自身の同一性、初恋の女性の姿、街、壁といったものは物語の中で変化を続けていくが、一途な気持ちだけは変わらない。そうした感情だけが確かなものとして、そして生きるための礎として、残り続ける。

    また再読したい。

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    2025年09月20日
  • 草の竪琴

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    ネタバレ

    夏、そして今ひとたびの秋、そして再び冬。それは螺旋ではない。傘の落とす影と同様、閉じ込められた円環。もし跳躍しなくてならないとしたらそれは今だ-ぼくは思い切って切り出した。「ヴェリーナ、ぼくはここを出て行きたい」

    ドリーとキャサリン。コリン。ツリーハウス。3人の会話が聞こえてきそうな、風景が目に見えるような、素敵ななおとぎ話の世界。コリンの成長。良かった、とっても、良かった。

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    2025年09月20日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    まだ読み終えていないのだが、とても面白い。そして、私は、彼の小説をちゃんと読んだことがない。ハマる人は、ハマるのですよね。なぜだか、数ページ読んで、やめてしまったり。文体なのか、なんなのか、わからないけれど、昔読んだときは、あまり、スーッと物語に入っていけなかった。そう、思い出したが、ノルウェーの森は読んだ。とても話題になったので、ざーっと読んで、映画を見てしまった。ざーっと流し読み、飛ばし読み的に読んだので、読んだと言えないのかも。

    この本を読んでから、彼の小説に対する思いがわかって、なるほどと、良い印象を受けた。彼の小説を読んでみようかなと思えた。

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    2025年09月19日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    大きく見るととても面白い大冒険小説。小さく見るととても沢山のものが詰め込まれた小説。カフカとナカタさんの対比。ホシノさんの成長。特に大公トリオを好きになるくだりはとても素敵です。そして、大島さんとのドライブと大島さんのお兄さんとのドライブ…。
    おそらく、読み手によって心に残るシーンはそれぞれだろうと思います。
    私は、今回は、ホシノさんが最も心に残りました。大活躍をして、表面をなぞるような受け取り方しかしなかった人が、深く深く物事を感じるようになり、猫とも会話ができるようになり、そして最後はあっけなく出番が終了します。今作の裏主人公だと。
    また数年したら再読したい。そう思わせる小説です。すごい。

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    2025年09月17日