村上春樹のレビュー一覧
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『スプートニクの恋人』は、記憶にある限り、私にとって初めての村上春樹作品だった。中2の頃に手に取ったと思う。
その時の第一印象は「性描写が強くてむり」。全くいいと思えなかった。
その後は一度春樹作品からは離れ、次に手に取ったのは高2の頃の「1Q84」。この小説は私の心を強く打ち、そのあとは時期によってくっついたり離れたりの波はありつつ、自分の人生にとって春樹作品は確実に欠かすことのできない1ピースであり続けている。
だから今回、『スプートニクの恋人』は15年ぶりくらいに読み返したことになる。
きっかけは失恋しそうになっているから笑。恋愛小説が読みたかった。
読み始めてあれ…?あんまり性描写激 -
Posted by ブクログ
著者が地下鉄サリン事件で被害にあった方々に、事件当時の様子を聞いてまとめたものが本書である。軽傷で済んだ人もいれば、偶然、当日に電車を利用することとなり、その結果、植物人間と化して家族が介護するというように、さまざまな人がいた。地下鉄でサリンがばら撒かれるという、治安がいい日本では、にわかには信じられないことが起きた。その為、医師を含めて大半の人はなにが原因で、電車内で大量に倒れて、なかには死に至る現象が発生したのか理解できなかった。そのこともあって、当時の日本では職場や家族から理解を得られない被害者もいた。このように、日本で前代未聞の出来事に出くわしたときの、人々の言動が本書を通して浮き彫り
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青春小説だと思います。
やるせない悲しみや逃げられない辛さに直面した鼠と主人公、二人を描いています。
彼女に何も伝えず苦しみ抜いて街を出る鼠。何も生み出さないピンボールに多くの時間を費やした主人公。
二人が具体的に何に苦しみ、悲しでいたのかは書かれません。おそらくそんな必要はないのでしょう。
ただ美しい情景描写、印象的な会話、いくつかの感情表現が話を綴ります。
ーこの土地には雪こそほとんど降らなかったが、そのかわりにおそろしく冷たい雨が降った。雨は土地に踏み入り、土地を湿っぽい冷やかさで被った。そして地底を甘味のある地下水で満たしたー
ー時折、幾つかの小さな感情の波が思いだしたように彼 -
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⬛︎気楽なのにちゃんと沁みる小話たち
前回『村上ラジオ』の1冊目を読んでとても面白かったので、2冊目も購入。
なお村上春樹の小説は未読で、遠い昔に『ノルウェイの森』を途中で挫折したままです。
冒頭のまえがきにある
「ぼくのエッセイは「ビール会社が作るウーロン茶」みたいなものだと考えています」
という表現。
「そのウーロン茶が好きなのよ……」としっくりきました。
なぜ村上さんの「ウーロン茶」が好きなのか考えてみると、文体の温度感がとにかく心地よいからなのだと思います。
ハッとさせられる価値観や考え方が肩肘張らない自然体の文章で綴られ、そこにクスッと笑えるおふざけが差し込まれる。
「真面目 -
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迷わずにfive stars
短い小説ではあるが、付箋だらけになった。
ノルウェイの森と鼠三部作の関連性ははっきり言及されていないと思うが、先に読んだノルウェイの森の直子と本作品の直子がどうしても重なってしまう。直子と井戸について同時に言及されているので、尚更そう感じる。
倉庫の中での「スペースシップ」との再会と別れは、語り手が手放せずにいた直子の死や過ぎ去った過去(人、街、文化)に別れを告げたことを象徴するのではないか。
そしてその別れと共に、語り手の時間は少し動き出したような気がした。
けれどそれは成長というよりは、生きている限り、時間は進み、同じ場所に留まることはできないということな -
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ネタバレいろいろな人の視点、考えや気持ちが伝わってきつつも、すべてつくる視点であり全部が語られてない点、こっちに考える余地があるところが面白かった。
暗く黒い海を渡れるか。差し出されている手に気づけるか。
つくるには見えないクロとシロの関係性。シロがクロに求めていたこと。クロがシロがいてできたことと、できなかったこと。
アオの覚悟・決断とその道。アカの孤独。
(たぶんあの年上の女は既婚者だと思う・・!のは自分だけ?笑)
10代の自分が読んだらどんな解釈を持っただろうか。
30を超えたらまた読みたい。
感想を話し合えたこともいい時間だった。思い出の一冊。 -
Posted by ブクログ
読書によってこんな体験ができるのか…。
私は、フカエリやその他の強制性交を天皇制を軸とした侵略戦争による日本人としての傷みと捉えて読んだ。そういった傷みを見つめることが、新しい通路を開く。「声を聞く」なんて玉音放送みたいじゃないか。
しかし、この作品はそのような歴史的視点の導入だけで安易に読み解かれるものではない。核心的な部分はここだ。
「心という作用が、時間をどれほど相対的なものに変えてしまえるかを、その光の下で天吾はあらためて痛感する。」
時間は乗り越えられる。心という作用によって。
ここに文学作品の必要性と人間が持ちうる資質への言及がある。苦しみを乗り越える資質を、私