村上春樹のレビュー一覧

  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    アイスランド、ルアンパバーンからミコノス、ニューヨーク、トスカナなどを旅する中で出会った人や食や街などの話がその時々のテーマで描かれている。米国へ行きオレゴンとメイン州の2つのポートランドを訪れる旅など、面白い旅をしているなと感じた。小説はノルウェイの森くらいしか読んだことがなかったが、名作家なだけあって文章が面白く読みやすい。筆者本人もあとがきで「もっと他の国も文に残しておけばよかった」と述べていたが、他の地域も読んでみたい

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    2024年12月15日
  • アンダーグラウンド

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    地下鉄サリン事件当日何があったのか、村上春樹による綿密な調査とインタビューによってリアリティをもって知ることができた。

    事件の被害者の方のバックグラウンドが書かれており、事件の前後で何が変わりどのような影響をもたらしたのか興味深く読むことができた。
    被害者の方々にはそれぞれの人生がありストーリーがある。
    ドキュメンタリーを超えた人生ドラマが私を強く惹きつけた。

    また、被害者方の何人かは偶然事件に巻き込まれていたり、あるいはいつもと違う行動を当日とっていたことにより被害が軽症であったりした。また、不思議な体験をされている方もおり、そういうこともあるのだなと感慨深く感じた。

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    2024年12月14日
  • 遠い太鼓

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    Audibleにて耳読。20年ぶり(!)くらい前に読んでいたが、久しぶりに。いつの間にかこの本を執筆していたときの村上さんの歳を超えていた。私も3年間海外で暮らしていたのだが、こんなにも鮮明に、濃い日々を送ってもいないし覚えてもいない…。ギリシア、イタリアでの生活の様子が生き生きと描かれている。「ダンス・ダンス・ダンス」や「ノルウェーの森」は、日本から離れざるをえなかった、日本から距離を置くことでしか生まれなかったということがよくわかった。
    それにしても、ジャズやクラシックを聴いて、どのような演奏だったか表現する村上さんの記憶力といったら!
    エピソード一つひとつが本当に面白い。

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    2024年12月08日
  • 哀しいカフェのバラード

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    タイトルで「哀しい」と言ってしまっているので、出オチしているようなのってどうかな?と思いつつ読んだ。杞憂でした。こんな余韻の話は初めてかも。あとがきで村上春樹さんも書いていたけれど、登場人物のどれにも共感できなくて、突き放されたような印象を受けた。でも、それがよかった。どうにもできない渦に巻き込まれていくような、不条理を目の当たりにするような、少しだけ心地よい虚脱感も感じながら一気に読み終えた。

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    2024年12月07日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    免色はついに秋川まりえと対面する。
    雨田具彦の過去がかなり明らかになる。弟の死が関係していそう。彼はなんでスタジオに現れたのか?主人公は雨田具彦と会うのか?会ったらどうなるのか?
    ユズの懐妊と主人公の夢との関係は?空間を超越した移動はあるのか?
    秋川まりえの肖像画、スバルフォレスターの男の肖像画、雑木林の中の穴、そして騎士団長殺し、どう絡んでくるのか?
    まりえのお父さんの変な宗教が今後絡んで来るのだろう。
    村上春樹の小説によく出てくる壁とか穴が、今回はなんの象徴となるのか?
    第一部のプロローグで出て来た、肖像画を描いてほしいという、顔のない男が持っていたお守りのプラスチックのペンギンがついに出

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    2024年11月23日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    2作品目の村上春樹。今回も前回の「海辺のカフカ」と同様2つの話がどんどん近づいていく感じが面白い。これからどうなってくのかが楽しみです

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    2024年11月22日
  • アンダーグラウンド

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    わかりやすい構図、伝えたいこと、そんなレールに沿って語られる物語より、アトランダムに取り上げられた物語から出来上がった総体から、やんわりと感じられる何か、そんなものが私を惹きつける。
    ジャーナリズムだって、その例外ではない。というか、ジャーナリズムこそ、そうあるべきなのかもしれない。

    こんなに熱がこもっているのは珍しいくらいに、熱いものを感じるあとがきの「目じるしのない悪夢」は、今回のテーマを超えて、普遍的なメッセージとして心に響いた。

    「…あなたが今持っている物語は、本当にあなたの物話なのだろうか? あなたの見ている夢は本当にあなたの夢なのだろうか? それはいつかとんでもない悪夢に転換し

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    2024年11月20日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    自分自身も走ることが好きだからこそ、この本の面白さがよく分かって嬉しい!
    私も、走っていて辛さを感じる時は“Suffering is optional”を頭の中で繰り返すようになりました。
    マラソン終盤は特に、辛さは消えないまでも多少ましになる、気がする。



    「走ることは、僕がこれまでの人生の中で後天的に身につけることになった数々の習慣の中では、おそらくもっとも有益であり、大事な意味を持つものであった」p22

    「走り終えて自分に誇りが持てるかどうか、それが長距離ランナーにとっての大事な基準になる。
    同じことが仕事についても言える。他人に対しては何とでも適当に説明できるだろう。しかし自分自

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    2024年11月18日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    あゆみが死んでからその存在の大きさに気づき、ショックを受ける青豆が痛々しく、読んでいてしんどかった。
    天吾の父親と「猫の街」の話が1番印象に残った。

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    2024年11月15日
  • パン屋再襲撃

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    久々に読んだけどやっぱり面白い。真面目に考えたら馬鹿馬鹿しい?けど。なさそうでありそうな話しに思えて不思議。強風が吹いてローマ帝国が崩壊したことを感じる。発想する?そう言うの好きです。

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    2024年11月12日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    ラオスに何があるというのですか?
     村上春樹氏の絶品エッセイ集。JALのアゴラやクレアに掲載されたエッセイを再構成したものだ。
     ボストンの町、マラソン、そして川沿いの情景。確かに、MITのあたりの桜を眺めながら散歩した日、コロナでまだマスクが義務付けられていた頃だ。歩きながら、ボートをやってる学生が目に入る。本当に、エッセイの中の情景だった。美味しい料理、決してクラムチャウダーだけじゃないボストン。なんとも田舎で、でも都会で、学園都市で、不思議な魅力がある。何度か行ったのだけれども、それなりに毎回楽しめた思い出だ。村上さんの文章は、本当に一つ一つが美しくて、時に面倒な、でも心に響く。なんでな

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    2024年11月09日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    村上春樹氏の作品は初めて読んだのだが、淡々としていつつもどこかリズミカルで、独特な比喩に酔いしれることができた。
    ファンが多いことにも納得。読んでいてクセになってくる文体だ。本の内容もさることながら、読んでいるだけで心地よい。
    上下巻構成のため、上巻のレビューにはあらすじや設定などを、下巻のレビューには全編通しての感想を書こうと思う。

    本作は二つの物語によって構成される小説だ。
    『世界の終り』はファンタジー作品、『ハードボイルド・ワンダーランド』はSF作品を彷彿とさせる世界観。この物語たちが章を跨ぐたび交互に展開されていく、一風変わった小説となっている。

    『世界の終り』は壁に囲まれた小さな

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    2024年12月23日
  • さよなら、愛しい人

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    ▼(本文より)私には酒が必要だった。高額の保険が必要だった。休暇が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだった。だからそれらを身にまとい、部屋を出た。

    ▼言い回しの次元でしかないとも言えますが、思わずにやりとしてしまいます。小説というのは、物語というのは、結局は言い回しの次元であると言えます。パチパチ。

    ▼私立探偵フィリップ・マーロウ長編シリーズ第2作。

    ①大いなる眠り(The Big Sleep, 1939年)
    ②さよなら、愛しい人(Farewell, My Lovely, 1940年)
    ③高い窓(The High Window,

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    2024年11月04日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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     これまで読んできた春樹作品とは違う……少なくとも私はそう思ったかな。村上春樹の小説ってプロットがなくてひたすら文体に引っ張られていく迷走感があり、私はそれが好きではあったけど『騎士団長殺し』にはすごく骨組みを感じた。タイトル、登場人物、舞台、テーマ、すべてを含めたパッケージとしての完成度をくらった。要するに超刺さっちゃいました。世界観の構造としては『ねじまき鳥クロニクル』(大好き)に似ているので対比しながら読んだんだけど、ねじまきは悪を描く作品だったけど本作は一段上をいくというか悪(白いスバル・フォレスターの男)を振り切るための『信』の話で、そう、『信』というしかない。悪に打ち勝つために必要

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    2024年11月02日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    これは村上春樹の割と内面的な部分が垣間見えるようなエッセイだった。特になんというか昔に書いたからだろうか、あまり世間を気にせずに(と言ってもある程度は気にしているのだろうが)、個人的に気に入らないことをズバッと切って批評しているような内容が多かった気がする。これは他のエッセイにはあまりなかったように思う。

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    2024年10月27日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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     小説家になるためには、どんなことが求められるのかを著者の体験をもとに語っていく。著者によると、小説を1つ書くこと自体は簡単とまでは言わないが、誰にでも書けるという。しかし、何十年も継続して小説を書くのは困難である。これはある種の才能が必要とされる。とはいえ先ほど述べたように、小説を書くことに何らかの制約はない。言い換えると、小説家とはどんな経歴の持ち主でも参加できるプロレスリングのようなものである。
     当然の話ではあるが、小説家になる以上、できるだけ多くの本を読むことをすすめる。優れた小説、それほど優れていない小説、ろくでもない小説、どんなものでもいいので、若いうちから幅広い読書をしていくこ

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    2024年10月24日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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    ノーベル賞を受賞したら大騒ぎになるだろうから、その前に青田買いでフライングして村上先生のエッセイを調達。今年も残念ながら受賞ならずでしたが、この本は読んで正解。ま、エッセイに関しては文句なしに面白い大先生。そういえば20年来、ほっぽり出したままになっている「ねじまき鳥」にそろそろ手を出そうかな〜という気分にしてくれました。

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    2024年10月23日
  • レキシントンの幽霊

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    短編
    村上春樹さんはなんだか流れるように美しい文章を運んでくれる
    「時間は僕のまわりを心地よく穏やかに過ぎ去っていった。まるでぴったりとサイズのあった ひとがた に自分を埋め込んだような心持ちだった」
    「そのあとでようやく、それに気がついた。音だ。
    海岸の波の音のようなざわめきーその音が、僕を深い眠りから引きずり出したのだ」
     どんな言葉も心を落ち着かせてくれるような
    そんな文章たちの一冊

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    2024年10月23日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    日々の中で1年近く駆けて読み終わった
    みなさんもご存知のように村上春樹ワールド全開だった
    登場人物それぞれの個性豊かな描き方が素晴らしいし不思議な井戸もあり、オカルトチックな場面もありとこの先どのような展開になるのか、ハラハラ感もあった
    私事なんですが、一気に読書するのも良いし、時間をかけて読むのもロス感を感じてまた良いもんだった

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    2024年10月23日
  • ロング・グッドバイ

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    令和におけるチャンドラーを読める幸せ。生きていてよかったと思える1冊である。清水訳も読んでいるが、それでも読む意義については、長ったらしい春樹解説を見てほしい。

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    2024年10月13日