【感想・ネタバレ】レキシントンの幽霊のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年01月15日

短編集。
「めくらやなぎと、眠る女」は、アニメ映画化されるものとは別の、こちらは短い版のようです。

村上春樹の作品は、長編よりどちらかというと短編やエッセイばかり読んでいる。
短編は、長編よりも物語は入り組んでおらず、不思議な物語の世界観に没入しやすい。

読後は、なんだかフワフワしていたり、ソワ...続きを読むソワしていたりして、これはもう、特別な感じです。

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Posted by ブクログ 2023年02月13日

著者の短編集を読むのは久しぶり。おもしろかった。ただ、入院中のベッドの上で読むものではないなと思った。小説の中に潜んでいる果てしなく深い闇のようなものに、すとんと落ちこんでしまいそうな気持ちに何度もなった。

1番印象に残ったのは「沈黙」である。そんな話をしそうもない人からこんな話が出てくる時点で「...続きを読むきたな」と思うのだが、個人的には2回大きなどんでん返しが感じられ、そのたびにため息をついた。ディック・フランシスの「度胸」というミステリを思い出したりもしたのだけれど、ミステリとは違う鮮やかな流れにカタルシスを感じ、感じたかと思ったあとで、さらにもう一度違う世界が落とし込まれた感じで、読後にもう一度ぞくぞくとしてきてしまった。ものすごく「上手」な短編だとも思うのだけど、それ以上に、触れてはいけないものにうっかり触れてしまい、どんなに手を拭いても元には戻らないような不思議な印象が強く残った。まいった。

他の作品も、本から目を上げて周囲を見回した時に、読む前とは違った世界がチラリと自分のまわりにみえてくるような作品ばかり。まいった。

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Posted by ブクログ 2023年01月12日

不思議な世界観も本当にありそうな話も詰まってて、怖さ、絶望的な感情、救い、色々な感情も詰め込まれてる。自分があたかも体験したような知ってる景色、感情がひろがって、なんていうか本当に村上春樹の世界観に引き摺り込まれた、、!
やっぱり村上春樹の短編集は好き

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Posted by ブクログ 2022年10月24日

「沈黙」は大学の授業で、「七番目の男」は高校の授業で読んだ。物語に出てくるのは自分が経験していないはずの出来事なのに、この主人公たちの抱いた感情を自分は確かに知っている。

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Posted by ブクログ 2022年05月19日

めっちゃめっちゃ面白かった。
文章の始めてから、ん?オモロってなって、その奇妙さに取り憑かれて、それで伝えたいことがあるという風に感じました。最高!

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Posted by ブクログ 2024年04月04日


作者の短編集読み漏らし②
ボリュームは200p弱だが、どの作品もかなりヘヴィーで読後に陰鬱なしこりが残る。
また全体的に示唆的で、作者の価値観・物の捉え方に対する提示がなされ、意外と他作にはない色合いを持つ。
コンセプチュアルとも言えるし、執筆当時の作者の心情にも思いを馳せれる、とても充実した内容...続きを読むだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月26日

『レキシントンの幽霊』意味深な言葉にやられる、近しい人の死の後こんこんと眠り続け起きると心理がわかった的なところも。『緑色の獣』女のいない男にも通づるテーマかなと。『沈黙』とても引き込まれた、大沢さんの正直さや語りに引き込まれた、ボクシングを気に入った理由のひとつは深みがあるから、深みを理解する行為...続きを読む、深みでは孤独、同級生との睨み合いで深みの存在を理解する、トラウマとともに。『氷男』巧みな比喩、氷的性質を持つものに精通しているが自身は透明、最期は主人公も氷男に侵されていくところがいい。『トニー滝谷』ネズミ三部作のような過程を過ぎて中年で孤独に気づく男の話、滝谷省三郎は沈黙で出てくる要領がいいだけの人間を思い浮かべられる、なんか昔話みたい、結局最後は孤独になりましためでたしめでたし。『七番目の男』独白会のようなものか、最後の文章が印象的で人は誰しも立ち向かう壁のようなものがあるのだと、それは恐怖であったり夢であったりもすると思う、Kくんが波の中でカプセルの中に入ってるように見えたことは非現実的だけどリアルなつまりシュルレアリスティックに感じて印象的だった。『めくらやなぎと、眠る女』記憶と現実について、冒頭の描写が好き、ラストは怖さを感じる、この作品だけ独立した感じがする。

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Posted by ブクログ 2024年01月04日

7編からなる短編集。
現実世界のようでありつつ、そこから一歩ズレたような、幻想的な雰囲気をはらんでいると感じました。

どの話も決してスッキリしないというか、モヤモヤ感が残るんですが、それでも読後感は良かった。
全体的に暗い雰囲気が漂ってますが、それが意外と、読んでて心地良かったです。

話は逸れま...続きを読むすが、自分はこういう文学作品を読む際も、そのまま実直に読むというか、特に作品におけるメタファーは特に考えずに読む(というか、頭悪いので、そこまで思考が及ばない)ので、他の方の感想を見るとそこんとこ上手く言語化してて凄いと思った。

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Posted by ブクログ 2023年10月13日

7つの短編からなる村上春樹ワールド、不思議な物語。独特なユーモラスな描写や心の奥底の的確な表現によって、物語に引き込まれていく。

ピアノ調律士であるジェレミーが住んでいるレキシントンのアパートで不思議な出来事。決してホラーではない。後半は深みのある哀愁を感じさせられる。
緑色の獣は何を伝えたかった...続きを読むのだろう。人の心に潜む獣の形は実は自分自身なのかもしれないと感じてしまう。
沈黙では、本当の怖さは迎合する人の本能のようなものが上手く表現され、疑問を提起している。メッセージ性の強さを感じる。
氷男、なぜ氷男なのだろう。深掘りすると面白い。髪の毛の白さ、物理的な冷たさや歴史上の凍結の話題、時空を超えて過去も未来もない世界。
トニー滝谷、トニー谷は大昔の芸人だが、それとは別だ。おもしろトナカイでもない。孤独とは何だろう。
七番目の男、読み始めはホラーの様相であった。過去の経験から生まれた心の暗闇に向き合い、その苦しみを乗り越えていく。それは自分の心の都合に合わせているかのようだ。
めくらやなぎと、眠る女では文章の美しさが目を惹く。文字から人物や風景が瞼に映し出されるほどに。

それぞれにテーマがあり、現代社会への問題提起をしているように感じた。読み手の想いや考え方次第でさまざまな色を着色できる作品だ。

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Posted by ブクログ 2023年09月15日

面白かった。メッセージ性が強いものがいくつか。よくわからんものもいくつか。トニー滝谷が映画化されてなかなか高評価を受けてることに驚いた。映像化にはいいのかな

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Posted by ブクログ 2023年09月10日

再読になるが、好きな短編集。
「氷男」「トニー滝谷」「7番目の男」は他で最近再読したのでカット。
(めくらやなぎと、眠る女」は同様に他の短編集での最近既読だが、注がある~
  ”1983版は400字詰め80枚ほど、1995年に内容をダイエットさせて45枚ほどにした。
オリジナルとは少し違った流れと意...続きを読む味合いを持つ作品になったので違う版としてこの短編集に載せ、題名も変えて途中に点を入れてある”

私のようなレベルの人間にとっては、全体的な印象が大きく変わったと認識できなかった。

全体的なイメージとしては冷たい、水色・・悲哀や感傷を持ったものであったり、人間界と異形モノの世界のはざまで揺れたことどもが描かれている。

今回、心に残った作品は「沈黙」

逡巡しつつ語り始める男 大沢。
物静かで 出しゃばらない外見、人に押し付けるタイプではない。
だから20年近く、ボクシングを続けてきたようには見えなかった。
ボクシングという格闘技に課せられた規律は「リングの外では人を殴ってはいけない」
その彼が立った窮地、真剣に怒り、殴った・相手は青木。
後年、青木は周到に復讐の機会を狙っていて・・対する大沢・・落ちた懊悩地獄。
生きていれば一度ならず、こういったことは経験あるのじゃないかと思わせる展開は息をつめて読んだ。
人がいまい皮がむけて斉唱していく過程を無駄のない筆致で綴った、心現れる掌編だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月09日

何冊か読んだ短編集の中では、一番読みやすかった。好きな話は表題作と「めくらやなぎと、眠る女」。「氷男」も、ひんやりと白い世界が広がり、それがなんともいえない孤独感と合わさってよかった。「緑色の獣」はちょっと可哀想な気もしたが、よく考えると厄介なストーカーなので仕方ない。私は村上作品に出てくる男女の醸...続きを読むす雰囲気が得意ではないのだが、本書はそれが気にならず、幻想小説を読んでいる感じに近かった。

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Posted by ブクログ 2023年05月13日

 初、村上春樹。短編集だったがストーリー毎に飽きずに読み進めることが出来た。今度は長編にも挑戦してみたい。

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Posted by ブクログ 2023年01月15日

ホラーとかではないけどゾワっとドキドキする感じがレキシントンの幽霊だけではなく何作か続いていて読み応えあった

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Posted by ブクログ 2022年08月05日

「村上T」を読んだ時に「トニー滝谷」のエピソードがあって、読みたくなって10年以上振りに書棚から本書を引っ張り出した。
購入当時これを読んだ後に1983年に「文學界」に掲載された「めくらやなぎと眠る女」を読みたくて「螢・納屋を焼く・その他の短編」を買ったので恐らく読んだはずなんだけど、全く内容を覚え...続きを読むていなかった。その時は全然刺さらなかったのかな。

やはり私にとって村上さんの作品はストーリーとか結末とかそんなことよりも独特の文章、それはもう芸術的といえると思うんだけど、その例えや会話を、心ゆくまで味わい、楽しむためにあるんだと思う。

写実的に、情緒的に、迫る風や波、箱の中で溶けるチョコレート、彼女の片方の胸ポケットの小さな金色のボールペンや、V字に開いた胸元から見えた平らな白い胸。

「トニー滝谷」はもちろん素敵で、映画にもなっていてそれをイッセー尾形と宮沢りえが演じ、坂本龍一が音楽を担当しているなら観ない手はないと思ったし、「めくらやなぎと、眠る女」では何故だかとても悲しくて泣きたくなった。
「ノルウェイの森」を読んだ時のような気持ちを思い出した。

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Posted by ブクログ 2022年07月20日

緑色の獣の話、僕は可哀想でならなかった。
もちろん女性の立場になってみたら戸惑うかもしれないが、あそこまで残虐にならなくとも、と思う。
だが、実際に僕がそのような場面に出くわせば、残虐な面が出てくるんだろうな。

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Posted by ブクログ 2022年06月02日

面白かった。この作品群には、物語の登場人物が物語る形式のものが多いと思った。そもそも、村上春樹の短編にはそういう傾向があるが。それにしても、相変わらず形容の跳躍力には驚かされる。あまりに突飛な比喩であるのに、自身の頭で想像を膨らませると嘘みたいにしっくりくる。緻密に練り上げられた文章は想像力に乏しい...続きを読む僕にも鮮明にその情景を伝えてくれる。特に印象に残ったのは『七番目の男』。好きだったのは『レキシントンの幽霊』。

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Posted by ブクログ 2022年04月16日

・不思議な夢を見た時の感覚に似てて、読み終わって数日経ってもふと思い出す。あの夢はなんだったんだろ?みたいな感じで。

・緑色の獣や氷男は深層心理の夢って感じで、私は好きだったな。

・レキシントンの幽霊とトニー滝谷は、現実であった事に自分の気持ちをうまく出せなくて、夢で見ちゃったって感じ。

・七...続きを読む番目の男。幼いのに十字架を背負っちゃって、トラウマ的な表現なのかな。。
しっかり現実と向き合って、現実を受け入れながら成長して、十字架を置く場所が見付かったって感じがしました。

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Posted by ブクログ 2021年09月24日

「沈黙」が好きだ。真に迫るものがある。何かを与えられるではなく、自分のなかに既にある何かの輪郭を見出すのを手助けしてくれるような感じだ。

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Posted by ブクログ 2021年08月30日

表題作のレキシントンの幽霊については欧州怪談っぽい背筋を嫌な汗が通るような感覚は味わえたもののそれ以上のメタファーのようなものは感じられなかった。心に残った作品についての感想を書く。

沈黙
青木への憎悪の描写が生々しすぎて、村上春樹が幼少期もしくは大人になってから出会った明確なモデルがいると想像。...続きを読むノルウェイの森でレイコさんが家庭教師をしていた虚言癖の女の子が秘めていた悪意も同じ類。悪意そのものより悪意に染められて無思考に流される周囲にこそ問題があるというテーマは村上の中で繰り返し問われているテーマなのだろう。地下鉄サリン事件を取材して作られたアンダーグラウンドなどにもつながっていく。

氷男
氷男の愛の言葉は南極に行ってもなお、嘘偽りがないからこそ、なお一層かなしい。

トニー滝谷
ファッションに疎すぎて、イタリアのメゾンブランドも南青山の雰囲気もわからないけど面白かった。あまりにも美しい服を目にして涙する感情は絵とか音楽を聴いて、涙するのとはまた少し違うんだろうな。

めくらやなぎと、眠る女
ノルウェイの森の下敷きとだけあって一番好きな雰囲気。目には見えないけどそこにあるもの。目には見えるけどそこにないもの。現実とは離れたところにある物語の強さを信じている村上だから書けることだろう。
一旦損なわれたものは二度と戻らないという哀しさを登場人物の過去をだらだら語らず、短編という形で伝えるのは凄い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月25日

『レキシントンの幽霊』
何度読んでも不思議な作品。
ぞくぞくするけど、最後にはなんだかあたたかいような 恐ろしいような妙な気分になる。
ケイシーやケイシーの父は眠ることで死の存在を、死の世界を感じてたのかな。眠りが弔うことに繋がるというのは 今は想像もできないけど、もしかしたら分かるときがくるのかも...続きを読むしれないな。

『緑色の獣』
どうしてこんなにも傷つけることができるのだろうか。自分より弱いと分かった途端に、強い態度をとり なんの罪もない相手を苦しめる。とても悲しかったが、この社会でもよくあることだと思うと さらに胸が痛くなった。
もし、この獣が「私」自身であるとすれば、自分自身を殺したということか。それならばもっと辛いかもしれない。

『沈黙』
意図的に傷つける奴は言うまでもなく悪だが、人を傷つけていることさえも分からずに流される奴はもっと悪だ。しかし、後者のような人間になってしまうことのほうが多い気がする。私自身、自分を守るが故に、無意識のうちに罪に加担してしまっていたことも過去にはあったかもしれない。
奴らに屈しない自分でありたいし、他人の痛みを分かる人間になりたい。他人を傷つけるくらいなら、大沢のように逃げたい。深みを知る人になりたい。

『氷男』
みんな未来なんてなくて、過去を見て生きている。しかし、氷男は過去でも未来でもなく今の「私」だけを愛してくれる。そう聞くととても魅力的に思える。だが、それは過去も未来も切り捨ててずっと今を生きていくこと、このまま変わらないということを表す。
変化しないことを選んだのに、その状況に慣れれば退屈に感じて逃げ出したくなる、変化を求めるのは我儘なのかもしれない。
結局 主人公は自分を失ってこれからも変わることのない世界に閉じ込められるラスト。感情なんてその時々で変わるものだから仕方ないと割り切ってる私にとっては何とも辛い結末だった。変化するのも怖いが、変化しないのも怖いな。

『トニー滝谷』
孤独を知らなかったトニー滝谷が 大切なものを失うことを初めて知る。そして、その喪失から本当の孤独を初めて知る。
淡々と描かれる孤独な人生になんとも言い表せない気分になる。結末では完全に孤独となってしまったトニー滝谷だが、息苦しさや煩わしさはあっても不思議と冷たさや辛さは感じられない。妻が生きているときでさえ、幸福さや他の感情がそこまで感じられなかった。失う恐怖はあったが。とにかく最初から最後まで淡々と過ごしているのがなんとなく奇妙さを生み出している。

『七番目の男』
心底に棲みつく罪悪感が悪夢へと変わり、Kを恐怖の対象としてしか見られなくなっていたんだな。それがKの絵に触れることで、あたたかくて優しい記憶が蘇っていくようで良かった。
自分の抱えている恐怖やトラウマと向き合うのはそう容易いことではない。だが、これまで過ごしてきた記憶を辿ることで、ずっと心を支配していた何かがすっと消えていくこともあるのかもしれないと思った。過去に囚われずっと同じ場所で生きるのではなくて、たまに過去を大切に見つめながら前を向いて歩きたい。

『めくらやなぎと、眠る女』
他人の心の傷に気付かない、あるいは気付かないフリをする。それはとても冷淡なように思えるが、そうすることで自分が傷つかないで済むのならそうしてしまうのかもしれない。主人公が耳が悪いいとこと過ごす中で、過去に見過ごしてきた人の痛みに気づくところが印象的。心に抱えている闇があの独特な詩に表されているのも面白い。
未読の『ノルウェイの森』を読みたくなるような作品だった。

これが初めて私が触れた村上春樹の作品で思い入れがある。この不思議な世界観に惹き込まれて、しばらく戻ってこれなくなるような奇妙な感覚がとても好き。他の作品も読もう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月24日

7つの短編。緑色の獣と沈黙、7番目の男が印象的。
トニー滝谷
人を失い、ものを失うという話の進み方がより喪失感を重くさせた。

恐怖を取り戻し、生まれ変わった男。逃げることは何かを失う事。恐怖は波と人生と親友を奪った。

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Posted by ブクログ 2021年01月17日

「レキシントンの幽霊」
アメリカの古い屋敷で体験した奇妙な出来事。もっと怖いことが起こるのかと思っていたが、読んでみるとそうでもなかった。
目を見張るような立派なレコードコレクション。
大量の本やレコードを見ると、それらが生き物のように感じられることがある。
そのあとの「緑色の獣」「沈黙」「氷男」の...続きを読む方が怖かった。
幽霊よりも、人の心の奥底に潜んでいる目に見えないものの方が、無限の怖さがあるということに気づいた。
「トニー滝谷」と「めくらやなぎと、眠る女」は、長編小説の欠片のよう。
村上春樹は短編小説にもさまざまな発見があって面白い。

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Posted by ブクログ 2024年03月20日

ただ「読む」だけではどれも抽象的な話の短編集。
読み終えてからネットで様々な人の考察を読むと、小説の楽しみ方、ハルキストの読解力の高さ、そして自分の想像力の浅さを痛感する。

村上春樹の作品は、登場人物の想像で繰り広げられるファンタジー、のような作品が多い気がする。だから親近感を抱くことができるし、...続きを読む現実の世界に希望を抱ける。

短編集のような毎日を多角的に、想像力豊かに過ごしてみようと思った。何かが変わるわけでなくとも。

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

恐怖はたしかにそこにあります。・・・・・それは様々なかたちをとって現れ、ときとして私たちの存在を圧倒します。しかしなによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲り渡してしまうことになります。私の場合にはそ...続きを読むれは波でした

やけにリアル
トニー滝谷が個人的に一番村上春樹感を感じて好きだったな。上の波の話、7番目の男もリアルさとノスタルジーを感じて感情移入した。

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Posted by ブクログ 2023年09月12日

理解できない話が多かったです。しっかり読み込めば何か意味深いものがあるのかも知れないけれど。
「沈黙」と「めくらやなぎと、眠る女」は私には面白かったです。「トニー滝谷」は映像化されているらしいので観てみたいです。

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Posted by ブクログ 2022年10月18日

長編断念した村上春樹作品でしたが、短編は合ってるようです。3冊目の短編集。
不思議な世界観の話が多いから、これが正解ってのはないんだろうなーと思ったのが何冊か読んだ感想。
空気感が好きとかこんな意味かなとか自分なりの解釈で楽しんでます。
表題作と七番目の男が好きでした。

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Posted by ブクログ 2022年08月22日



文春文庫 村上春樹 短編集。メタファーとか考えずに普通に読めた


「 レキシントンの幽霊 」「 トニー滝谷 」は 夫婦関係や親子関係の喪失による孤独をテーマとする小説


「レキシントンの幽霊」における 眠りの世界は、遺品を入口として、残された人の心の中で故人が生きる世界だと思う。ケイシーの孤...続きを読む独は、ゲイ?であるために 未来において夫婦関係や親子関係が存在せず、故人となっても それを悲しむ 人がいないことへの孤独と解釈した


「トニー滝谷」の孤独は 故人の遺品(父のジャズレコード、妻の洋服)を失って 故人とつながる世界への入口を自ら閉ざし、現実の世界で陥った孤独だと思う


「沈黙」「七番目の男」は ネット社会 や 東日本大震災でトラウマを抱えた人の苦悩を示唆しているようにも読める。著者は こうして苦悩を克服してきたのかもしれない



「沈黙」僕が本当に怖いと思うのは〜自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です〜彼らはそういう自分たちの行動がどんな結果をもたらそうと、何の責任も取りやしない


「七番目の男」人生で真実怖いのは、恐怖そのものではなく、恐怖に背を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって 私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲り渡してしまうことになります」












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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月02日

僕が本当に怖いのと思うのは、青木のような人間の言い分を無批判に受け入れて、そのまま信じてしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当たりの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です。沈黙
目に見えるものが存在せず、目に見えないものが存在する場所に。めく...続きを読むらやなぎと、眠る女
どの話も一見怖い話。でも、最後まで読んでみると、少しの希望が見えてくるような短編集。
短いからこその説得力みたいなものがある。

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Posted by ブクログ 2021年01月23日

「氷男」は村上春樹氏の中で一番好きだな。
「7番目の男」は高校の教科書で読んで惹かれて再読。村上春樹氏はわたしは短編派です

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