村上春樹のレビュー一覧

  • 心は孤独な狩人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    貧しく人種差別も激しいアメリカ南部のある町。それぞれ熱い使命や思想、夢を持っている登場人物達が、聾唖の男シンガーにだけはその秘めた思いを語る。いつもは聞き役のシンガーも、啞のアントナプーロスだけには手を素早く動かし話しまくる。
    人は、自分の話をまっすぐに受け止めてくれる人を求めている。語りたい、理解してほしい。
    自分の思いが空回りして実現しない事は圧倒的に多い。それでも大半の人は生きていく。シンガーはなぜ死んだのか。皆、彼に話すだけ話して、彼を知ろうとはしなかったからか。
    決して幸せな話ではなく、うるさくて静かで、なぜか心地良い読書だった。不思議だ。

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    2024年09月22日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。
    村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。
    特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあって面白い。
    そして『踊る小人』もシュールな怖さがあってとても良い。寓話のような、ファンタジーのような雰囲気もある。
    『ノルウェイの森』の習作となった『螢』も良かった。何ならこっちのほうが良いかもしれない笑

    読後、どこか空虚さを感じるのだが、この独特な空虚さを感じるのも村上春樹作品の魅力かもしれな

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    2024年09月11日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    とても面白い
    基本的に昔と変わらないが
    年を経て表現されるようになったり
    理解できるようになった部分がある

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    2024年09月01日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    村上春樹さんの小説は読んだことあるがエッセイは初めて。とっても好き。優しい口調が読みやすい。自由な生活(きっと日々忙しいと思いますがエッセイではそう感じられる書き方だった)も好き。
    さくっと読めていい気持ち。またいつか読み返したい。

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    2024年08月28日
  • 村上朝日堂(新潮文庫)

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    映画とジャズに詳しくないので
    内容を100%把握できているとは言い難いけど
    飄々とした語り口が心地よい。

    あと安西さんといちゃいちゃしてる対談もよい。
    いい大人なおふたりだけど、チャーミングで可愛い。

    肩に力入ってるなーと思ったら
    村上春樹のエッセイは有効な手段。

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    2024年08月21日
  • 村上春樹 雑文集(新潮文庫)

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    雑文集とあるとおり、挨拶とか翻訳に関するいろいれなエッセイがいろいろ。「ビリー・ホリデイの話」が好きです

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    2024年08月18日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    1992年刊行の本ですが、良いエッセイがたくさん。食べ物関連のエッセイが好きで、「うさぎ亭主人」「ビーフステーキ・ビーフステーキ」が良き

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    2024年08月18日
  • 小澤征爾さんと、音楽について話をする(新潮文庫)

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    小澤征爾が亡くなって、未だに悲しい。昔読んだ本をまた読み返した。
    村上春樹は本当に優しい人だとわかる。特に「スイスの小さな町で」がいい。
    小澤征爾がもう少し若い時に語り合ったら、もっとエネルギッシュな話が聞けただろうな。
    もうこれ以上、話が聞けないのが、また悲しい。

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    2024年08月09日
  • カンガルー日和

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    文章のリズム、会話のリズムがとても心地よい。さらっと読んで気持ち良くなれる、短編集としての完成形のように感じる。

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    2024年08月04日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    理屈がないのに滑らかで、安心感のあってそれでいてやるせのない話を読んでいると、この感情は自分ただ1人しか味わえない、誰にも共有し得ないものだと実感すると同時に、自分がだだっ広い空間にポツンと投げ出されて行き場をなくしたような停滞感も味わうことになる。進めないのか進みたくないのか、もう分からない。

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    2024年08月01日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    安西水丸さんの挿絵付き、25編からなる村上春樹さんのエッセイ。
    村上春樹さんの軽やかな文章と安西水丸さんの鮮やかなカラー挿絵がとても和やかに調和しています。
    こちらの本は1984年6月に2年間雑誌で連載されたページをまとめたものだそうです。
    本のために「ランゲルハンス島の午後」という1編も書き下ろしされたそうで、それが本のタイトルになっています。
    110ページなのでサラッと読みやすく、また1編1編が短いので、ちょっとした空き時間にちょこちょこ読んでいました。
    読んでいると穏やかに緩やかに時間が流れました。

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    2024年07月31日
  • アンダーグラウンド

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    【2024年141冊目】
    1995年3月20日、東京の地下鉄で起きた無差別テロ、地下鉄サリン事件。作家村上春樹がその被害者や関係者総勢62名に対してインタビューを行った生きた記録である。あの日、東京の"アンダーグラウンド"で、一体何が起こったのか。迫真の一冊。

    きっと★いくつとかで評価をつけるべきではないのだろうと思いつつ、少しでも高評価であることで、手に取る人が増えると良いなと思って★5にしました。

    文庫本にして777頁、しかも多くの頁は2段組という恐ろしい文量の一作です。読み進めるのにかなり時間がかかりました。一気読みはとてもできなかった。

    本著が書かれた時よりも

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    2024年07月19日
  • 中国行きのスロウ・ボート

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    すでに読んでいた短編もあったけど、安西水丸さん復刻版なのでやっぱり買ってよかった。
    そして、最後のシドニーグリーンストリートは初読みで、羊男が出てきてにんまり。
    羊男が出てくる話は、どれも本当に好き。

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    2024年07月15日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    本当に1と2、3と4、5と6で雰囲気も一気に変わる。けど話は確実に前に進んで、物語も終盤に入ったこともわかる。

    牛河がここにきて追いかけてくる事で物語に一気に緊迫感が生まれて面白い。
    牛河は特別に凄い能力を持っているわけでもない。そこも良かった、良い存在ではないだろうけど、執念深い刑事のよう。

    青豆自身が今、空気さなぎになろうとしている。そしてあのNHKの集金人は一体…

    展開なんて全く読めないけど、着々と物語は進んでいる。そしてそれをしっかり楽しめている事は自分でも理解できている。

    遂に物語も次で最後。1Q84年の最後を見届けよう

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    2024年07月15日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ここで物語を少し自分用に整理します。

    つまり今この世界はリトルリピープルいう概念が運営する1q84という世界で、限りなく現実に近い別の場所。ふかえりは青豆の殺そうとしているリーダーの娘だった。

    天吾の物語を語るの凄いなと思っていたけど、あれも一種の能力だった。ふかえりはそれに気づいて天吾と一緒に物語を書いた(正確には改訂を許可した)ということは、1Q84年世界を天吾は書き換えることができるのかもしれない。

    この話はある種の時空を超えた天吾と青豆が出逢う話。それが1Q84年。逆に1984年なら出会うことはなく、小学生の思い出のまま2人は出会うことのない世界を歩むはずだったのだろう。

    青豆

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    2024年07月12日
  • 若い読者のための短編小説案内

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    読書の楽しみ方を教えてくれた至高の一冊
    村上春樹の読書・価値観も垣間見できます。

    ここで紹介された短編もほぼ全て
    神保町で発掘しました。

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    2024年07月11日
  • 中国行きのスロウ・ボート

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    長編は好きで読んでますが、今まで短編がわりと苦手意識ありましたが、今作(彼の初期作品)はとても好きだった。特に、という必要がないくらい、全て良かった。長編だと何かが始まりそうな不思議な前章、異世界との継ぎ目が見えてくるあたり、の感じがずっと心地よく続いていた。あなたが結末を求めていない時、これはとてもしっくりくると思います。

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    2024年06月23日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    さすが村上春樹だなぁと思わせる、ぎゅっと詰まったエッセイだった。これが雑誌の連載だったなんて、すごい。連載が読みたくて雑誌を買うかもしれない。

    34-39の若い時期のエッセイのようで、最近のものよりも尖っているというか批判精神が旺盛な感じがするけど、独特のユーモアとか村上春樹らしさはしっかりあって読み応えがあった。

    2024.6.22

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    2024年06月22日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    ネタバレ

    【自己治癒的な作業】

    1995年11月に、村上春樹さんが京都にいる河合隼雄さんのところへ行き、対談されたときのお話。
    書きおこしに加えて、それぞれのコメントの追記があり、より話の内容への理解を深められる形になっていました。
    阪神淡路大震災とオウム真理教の地下鉄サリン事件があった年。

    そして村上春樹さんは、
    1994年に『ねじまき鳥クロニクル』の第1部、第2部を出し、
    1995年にはアメリカから帰国後に、8月第3部を出されたところでした。

    この作品を取り巻く思考が、河合先生とのお話の中で続けられていて、
    とても興味深く、
    私は昔に一度読んだのですが、
    まったくの無知でしたので、
    この対談を

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    2024年06月09日
  • カンガルー日和

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    ネタバレ

    短編でとても読みやすかった!
    特に「彼女の街と、彼女の緬羊」が気に入った。

    北海道の友人を訪ねる。友人も自分もお互い結婚しており、北海道と東京で別々の人生を歩んでしまっている。会話も弾まなかった。ホテルに泊まり、ビールとスモーク・サーモン・サンドウィッチをつまむ優雅で気楽な時間を過ごすが、どうしようもない退屈感に満ちている。テレビに映る田舎町の広報の女性は垢抜けないが、地味な暮らしへの誠実さがある。自分はそんな彼女に会いたいような気もするが、結局はその街になんか寄らずに東京に帰るのだと考える。

    人生への強い倦怠を感じる、好みの短編だった。
    一人前の大人になったが、昔の友人とも心が通わなくな

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    2024年05月26日