村上春樹のレビュー一覧
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ネタバレ貧しく人種差別も激しいアメリカ南部のある町。それぞれ熱い使命や思想、夢を持っている登場人物達が、聾唖の男シンガーにだけはその秘めた思いを語る。いつもは聞き役のシンガーも、啞のアントナプーロスだけには手を素早く動かし話しまくる。
人は、自分の話をまっすぐに受け止めてくれる人を求めている。語りたい、理解してほしい。
自分の思いが空回りして実現しない事は圧倒的に多い。それでも大半の人は生きていく。シンガーはなぜ死んだのか。皆、彼に話すだけ話して、彼を知ろうとはしなかったからか。
決して幸せな話ではなく、うるさくて静かで、なぜか心地良い読書だった。不思議だ。 -
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映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。
村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。
特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあって面白い。
そして『踊る小人』もシュールな怖さがあってとても良い。寓話のような、ファンタジーのような雰囲気もある。
『ノルウェイの森』の習作となった『螢』も良かった。何ならこっちのほうが良いかもしれない笑
読後、どこか空虚さを感じるのだが、この独特な空虚さを感じるのも村上春樹作品の魅力かもしれな -
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【2024年141冊目】
1995年3月20日、東京の地下鉄で起きた無差別テロ、地下鉄サリン事件。作家村上春樹がその被害者や関係者総勢62名に対してインタビューを行った生きた記録である。あの日、東京の"アンダーグラウンド"で、一体何が起こったのか。迫真の一冊。
きっと★いくつとかで評価をつけるべきではないのだろうと思いつつ、少しでも高評価であることで、手に取る人が増えると良いなと思って★5にしました。
文庫本にして777頁、しかも多くの頁は2段組という恐ろしい文量の一作です。読み進めるのにかなり時間がかかりました。一気読みはとてもできなかった。
本著が書かれた時よりも -
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ネタバレ本当に1と2、3と4、5と6で雰囲気も一気に変わる。けど話は確実に前に進んで、物語も終盤に入ったこともわかる。
牛河がここにきて追いかけてくる事で物語に一気に緊迫感が生まれて面白い。
牛河は特別に凄い能力を持っているわけでもない。そこも良かった、良い存在ではないだろうけど、執念深い刑事のよう。
青豆自身が今、空気さなぎになろうとしている。そしてあのNHKの集金人は一体…
展開なんて全く読めないけど、着々と物語は進んでいる。そしてそれをしっかり楽しめている事は自分でも理解できている。
遂に物語も次で最後。1Q84年の最後を見届けよう
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ネタバレここで物語を少し自分用に整理します。
つまり今この世界はリトルリピープルいう概念が運営する1q84という世界で、限りなく現実に近い別の場所。ふかえりは青豆の殺そうとしているリーダーの娘だった。
天吾の物語を語るの凄いなと思っていたけど、あれも一種の能力だった。ふかえりはそれに気づいて天吾と一緒に物語を書いた(正確には改訂を許可した)ということは、1Q84年世界を天吾は書き換えることができるのかもしれない。
この話はある種の時空を超えた天吾と青豆が出逢う話。それが1Q84年。逆に1984年なら出会うことはなく、小学生の思い出のまま2人は出会うことのない世界を歩むはずだったのだろう。
青豆 -
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ネタバレ【自己治癒的な作業】
1995年11月に、村上春樹さんが京都にいる河合隼雄さんのところへ行き、対談されたときのお話。
書きおこしに加えて、それぞれのコメントの追記があり、より話の内容への理解を深められる形になっていました。
阪神淡路大震災とオウム真理教の地下鉄サリン事件があった年。
そして村上春樹さんは、
1994年に『ねじまき鳥クロニクル』の第1部、第2部を出し、
1995年にはアメリカから帰国後に、8月第3部を出されたところでした。
この作品を取り巻く思考が、河合先生とのお話の中で続けられていて、
とても興味深く、
私は昔に一度読んだのですが、
まったくの無知でしたので、
この対談を -
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ネタバレ短編でとても読みやすかった!
特に「彼女の街と、彼女の緬羊」が気に入った。
北海道の友人を訪ねる。友人も自分もお互い結婚しており、北海道と東京で別々の人生を歩んでしまっている。会話も弾まなかった。ホテルに泊まり、ビールとスモーク・サーモン・サンドウィッチをつまむ優雅で気楽な時間を過ごすが、どうしようもない退屈感に満ちている。テレビに映る田舎町の広報の女性は垢抜けないが、地味な暮らしへの誠実さがある。自分はそんな彼女に会いたいような気もするが、結局はその街になんか寄らずに東京に帰るのだと考える。
人生への強い倦怠を感じる、好みの短編だった。
一人前の大人になったが、昔の友人とも心が通わなくな