村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
探偵フィリップ・マーロウが石油富豪一家の闇に探り込んでいく話。はっとするような比喩表現が散りばめてあり、それだけでも読んでいて面白い。それにしてもこの姉妹は現代のパーティピープルな米国セレブを描いているようだ。こういう人ってこの時代からいるんだね。
話の筋が時々分かりにくくなるけど、巻末の翻訳者・村上春樹の解説を読むとそれもOK!と思えてくる。
いくつかの殺人が話に出てくるけど、お抱えの運転手を殺したのは誰なのか?それが最後まで分からなかったなあ、よく読めばどこかに伏線があったのかなあ…と思っていた。
が、解説によると、当時チャンドラー氏に犯人を誰か聞いた人がいて、「私も知らない」と答えたそ -
Posted by ブクログ
かなり面白かった。翻訳の持つ妙味が想像できた。
おかしかったのは、小説家でもある村上氏が「自分の小説を英訳された英文を読んだときに、『けっこう上手く書けているじゃないか』と思ってみると、自分の作品だった」というのが多々ある、ということ。
この人の自分の小説に対する距離感はわりに不思議で、「若い人たちのための短編小説」でも、「自分の小説だからといって、自分の解釈が唯一無二で正しい訳ではない」といった風なことを述べていたのと通じるな〜と、感じた。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」はまだ読んでいないので、読んでから、翻訳夜話2を読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
"僕の小説が語ろうとしていることは、ある程度簡単に要約できると思います。それは「あらゆる人間はこの生涯において何かひとつ、大事なものを探し求めているが、それを見つけることのできる人は多くない。そしてもし運良くそれが見つかったとしても、実際に見つけられたものは、多くの場合致命的に損なわれてしまっている。にもかかわらず、我々はそれを探し求め続けなければのらない。そうしなければ生きている意味そのものがなくなってしまうから」ということです。"
【雑文集/村上春樹】新潮文庫 p477
誰もが意識的に、あるいは無意識のうちに「生涯において何かひとつ、大事なもの」を求めているとしたら -
Posted by ブクログ
ワタシの中で「名訳者」の地位をゆるぎないものにしているお二人が出した本が、面白くないはずがない。あまりにハマってしまって、電車を乗り過ごしてしまいそうになった。
本書が出るきっかけとなった、柴田さんの持つ大学の授業への村上さんの登場がフォーラム1。聴衆を翻訳学校の生徒に換えて行ったのがフォーラム2。そして、お二人によるカーヴァーとオースターの短編競訳をはさんで、それについて若手翻訳者を前に語ったのがフォーラム3。
お二人の口から出てくる言葉や、そこから読み取れる感性がとても心地いいし、気づきも与えてくれる。特に競訳とそれについて語ったフォーラム3は秀逸。12年近く前に出た一冊だけれど、中味 -
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仕事で訪れた酒場で事件に巻き込まれ、これをきっかけに、様々な人々の思惑の繋がりの中に絡め取られていく。主人公はその中を緩急つけながらもがき進んでいくことになります。いったい俺は何を探しているんだろうという疑問を持つ暇もないままに。
行間にある登場人物から発せられるサインと、同じく行間にある主人公の直感とが、事件の真相に向かって読者を進ませてくれます。説明できないけれども分かる必然性が、読者を虜にするのではないかと思います。それだけ登場人物が魅力的に生き生きと描かれていて、目の前で映画を見ているかのようにはっきりと場面が浮かび、感動します。魅力的なセリフの数々。読後にこの世界の余韻に浸るひと時に -
Posted by ブクログ
ネタバレこれ、いいんですよねえ。めちゃんこサクッと読めると思います。もう、サックサク。一瞬で読み終えられちゃう、と言ったら言い過ぎかもしれませんが、ある意味村上さんに失礼な言い方かもしれませんが、この本、なにしろめっちゃんこサクサク読めちゃいます。
で、それが、決して悪いことではない。本当に一瞬で読み流せちゃう気がするのですが、読んでいる最中は、もうね、すっごくこう、なんというか、素敵な気持ちになることができる、感じなんですよね。村上春樹さんのエッセイは、何故に、これほどまでに言葉が心地よいのだろうなあ。
ある意味、「この小説を読んで欲しい!」と、とある村上さんの小説を誰かに薦めるよりも、このエッ -
購入済み
春樹ワールドから遠く遠く離れて
30年以上も前、初めて読んだ80年代の十代の自分と、そのもっと前の時代1970年代…言葉で表現出来ない思いが込み上げてくる。ずっとずっと昔、ハルキストなんて言葉がなかった時代に村上春樹を読んでいた人にもう一度読んで見て欲しいと思う。
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ネタバレ 購入済み
まだ50%しか読んでいませんが、信州大学病院長へのインタビューは是非一読頂きたいと思います。
地下鉄以前の松本事件での医療経験を、ご自身の判断で直接東京の医療現場へFAXで情報提供を指示したことが人命救助に繋がった事実。
偶然にも事件当日は、大学の卒業式のため予定を空けていた、松本事件の医療論文出版日で資料が手元にあった必然。
また、通常なら然るべき機関を通して情報提供する所を直接情報提供する判断に至ったのは、その卒業式に卒業証書を授与される女生徒が松本事件で亡くなっており心するところがあったとのこと。
最後の一文、涙が零れました・・・。