あらすじ
まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持のよい、1961年の春の日の午後、川岸の芝生に寝ころんで空を眺めていた。川の底の柔らかな砂地を撫でるように流れていく水音をききながら、僕はそっと手をのばして、あの神秘的なランゲルハンス島の岸辺にふれた――。夢あふれるカラフルなイラストと、その隣に気持よさそうに寄り添うハートウォーミングなエッセイでつづる25編。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
村上春樹のエッセイ本の中でも多分、トップクラスで文量が少ないエッセイ集だと思う。それでもこの短さの中にも村上春樹のユーモアが炸裂してて、読みやすくておもしろい。
一番印象に残ったのは、ベルリンの映画館で観たという、「クリスチーネ・F」。この映画は、とある商店街で買ったパンフレットのひとつ(それはまだ観たことなかったけど、ジャケットの白人の女の子に目を奪われて購入したもの)がその映画だった。観たいなーと思っていたらこんなところで出会うことになるとは思いもしなかった。(別に観れたわけではないけれども)。
でもこういうことって不思議とよくある。偶然なんだけど、それまでのことが伏線のように感じるぐらいにピッタリと時期が重なる。
Posted by ブクログ
村上春樹さんの小説は読んだことあるがエッセイは初めて。とっても好き。優しい口調が読みやすい。自由な生活(きっと日々忙しいと思いますがエッセイではそう感じられる書き方だった)も好き。
さくっと読めていい気持ち。またいつか読み返したい。
Posted by ブクログ
安西水丸さんの挿絵付き、25編からなる村上春樹さんのエッセイ。
村上春樹さんの軽やかな文章と安西水丸さんの鮮やかなカラー挿絵がとても和やかに調和しています。
こちらの本は1984年6月に2年間雑誌で連載されたページをまとめたものだそうです。
本のために「ランゲルハンス島の午後」という1編も書き下ろしされたそうで、それが本のタイトルになっています。
110ページなのでサラッと読みやすく、また1編1編が短いので、ちょっとした空き時間にちょこちょこ読んでいました。
読んでいると穏やかに緩やかに時間が流れました。
Posted by ブクログ
村上主義者の一人です。
ランゲルハンス島の午後、タイトルのエッセイは、本の最後の一編。これが、癒やされる!時に、回り道や休憩、すこしいつもと違うことをしてみると、幸せの種にきづけるのかもしれない。時折、読み返したくなる、読み返す大切な本です。
Posted by ブクログ
エッセイってあまり読まないのだけど、村上春樹ということと、表紙の雰囲気と手に持った軽さで買ってしまった。確か渋谷で。
ズボンをパンツと呼ぶか、そうしたらパンツの下の下着は…?など、同じことを考えていた。
最近ボーッとした時間が増えて、感覚がゆるゆるになっていた。
もう少し一つのことを掘り下げて考えてみようと思う。
それで漠然とした不安が薄くなったらいいな、と思う。
Posted by ブクログ
文章のリズムがやっぱりどうにもすきだとおもう。長編小説も中編も短編もおもしろいのにエッセイまでおもしろくて、いったいどうなっているんだ…?「小確幸」、わたしも使っていきたい。
Posted by ブクログ
1984年の「CRASSY]の創刊から2年間連載されたエッセイ集だそうです。
今読んでもちっとも退屈ではない。
安西水丸さんの絵が加わって、いっそう楽しい。
Posted by ブクログ
本から顔をあげると、知らぬ間に身体中に絡まっていたものがほぐれているのに気付く。ゆっくり生きよう、って思えた作品。本を持たないと決めているわたしが所有している、数少ない本。
Posted by ブクログ
「時計はいかにして増加するか」
「BUSY OFFICE」
村上春樹のエッセイは初めて読んだがおもしろい!文章が上手いとはこういうことかと思う。所々令和の女性が読んだら発狂しそうな文章があるが、それも含めて昭和の村上春樹という感じ(笑)
Posted by ブクログ
"こういうのは飛行機や新幹線や自動車をつかう忙しい旅行者の目にはまずとまらない。ほこりをかぶり、汗でぐしょぐしょになり、馬鹿みたいに何日もてくてく歩いていると少しずつ見えるようになってくるのだ。"
Posted by ブクログ
エッセイストの小川奈緒さんがお勧めしていて読んだ。村上春樹は小説はあまり得意でないのだけどエッセイは好き。安西水丸のイラストがめちゃくちゃ合っていて爽やかな気持ちになれるエッセイ。
フェミニズムの観点からするとアウトな表現もちらほらあったけど(やたら若い女性への執着があるのも気になる)この時代の本は皆こんなものかな、、
Posted by ブクログ
雑誌用に書かれたものだから、かなり短く空き時間に読むのがピッタリだった。昔は雑誌を読む人が今と比べてたくさんいたからこのようなちょっとした文章を見ることが多かったんだろうなと思った。今街中で雑誌を読んでいる人をほとんど見かけない。
やっぱり村上春樹のエッセイは面白い。
Posted by ブクログ
大学帰りに買って、電車の中で読んだ。
ランゲルハンス島の午後とニュースと時報が好き。
Nice boxって性能の良い女性器って意味もあるのね、びっくり。
小確幸の時間でした。
Posted by ブクログ
あってもなくてもいいものってたくさんある。それでも気の赴くままに余計なものに手をつけていくと、人生のおいて小さくて確固とした幸せを感じることができる。村上春樹にとっての時計やジェーピングクリーム、Tシャツ、レコードのように。
村上春樹の文章だってあってもなくてもいいものばかりだけどその文章が多くの人に愛されているのだから、もっと私たちは余計なものを大切にしてもいいんだろうな
村上春樹の視界を描いたような挿絵からは、いろんな音や匂いも感じられて違う空間の日常を味わうことができた
全ての人が村上春樹みたいに余計なことを考え書いて生計を立てられるわけではないので、私は凡人として休日は余計だけど自分らしい幸せには不可欠なことを大切にしていきたい
Posted by ブクログ
村上春樹のエッセイの内容とは、なんの脈絡もない安西水丸のイラストが、なにかオシャレで印象的で、一気にファンになってしまった。こんなイラスト、描けたらなあ。
Posted by ブクログ
村上春樹の暮らし方、地に足ついてるようでついてなくて、少しだけ宙に浮いてるみたいで、だいすきだ。
午後のレストランでちょっとした料理とお酒をゆっくり嗜みつつ、本読みたい。
Posted by ブクログ
特に印象に残った箇所は以下の通り
・僕は高校時代にこのモームの文章を読んで「うーむ、人生とはそういうものか」となり素直に関心してしまった。それで大人になってバーのカウンターで働いていたあいだも、「どんなオン・ザ・ロックにも哲学はあるのだ」と思いながら八年間毎日オン・ザ・ロックを作っていた(p.67)
・「ウォークマン」は果たしてそこまで進歩する必要があったのだろうかという疑問を僕は抱いてしまう。そりゃひとつの機械が安くて小さくて便利になること自体にまったく異論はないけれど、引退した初代ウォークマンをじっと見ていると、「べつにこのまま進歩なんかしなくったってとりたてて不便はなかったんじゃないか」とふと考えてしまうのである。しかしそういう風に考えだすと、その中の進歩の95パーセントまではとりたてて必要のないものであるようにも思えるから、これはたぶんいけない考え方なのだろう(p.95)
Posted by ブクログ
短いエッセイが25編。安西水丸さんのゆるく鮮やかなイラストと一緒に。小確幸、葡萄、八月のクリスマス、「核の冬」的映画館、地下鉄銀座線における大猿の呪い、ランゲルハンス島の午後が特に良かった。村上さんの日々の生活での視点や空想を感じられて面白い。
Posted by ブクログ
そうだ、昔もこの本を読んで私もこんな文章を書きたいと思ったことを思い出した。たまに自分の考え、気持ちを整理するために短い分を書くが、そんな習慣が身に付く一因にもなった一冊かな。
エッセイを読み返すことなんて無いが、昔の春樹氏の文だけは繰り返し読んでしまう。読むとリラックスできる文章。
ウイスキーはストレート派だが、ロックを飲みたくなった。
小確幸を探すのは楽しい。仕事後のビール、寝そべって読書、季節の野菜
Posted by ブクログ
一九八四年六月から雑誌CLASSYに連載されていた村上春樹エッセイ。安西水丸の挿絵付き。村上さん三十五歳くらい。バブル崩壊前だし(?)女性誌だし(?)めっちゃ軽い。「こういうことをする女の子って僕はセクシーだと思う」「こういうとき、ハルキさんたらかわいい、なんて若い女の子が言ってくれるならいいものだけど」など、女の子気にしすぎ!というものもあれば、ユーモアあふれる表現にクスッと笑っちゃうような箇所もある。ちょいエロでおしゃれなスカしたおじさんといった芸風のエッセイにいろんな感想を抱いたところで、安西水丸の見開きドーンの明るい絵が飛び込んでくるところがすばらしかった。
Posted by ブクログ
ランゲルハンス島の午後。一度きいたら耳から離れなくなるようなタイトルだと思う。きっとそこは春の匂いがして、あたたかで、遠くどこまでも海が広がる場所。
小さくはあるが確固とした幸せのひとつ(小確幸)。ホテルから見下ろせる女子高生の遅刻。地図を描くのが大好きな村上さんにいつか地図を描いてもらいたい。
安西水丸さんによるカラフルな挿画がとても鮮やか。物が散らばったままの机上のイラストは、主が席を外してからのままずいぶん時が経ってしまったかのような寂寥感がある。”不在”を強く感じさせる。
Posted by ブクログ
見開き1ページ×25話のイラスト入りでとても読みやすいエッセイ。30年以上前のCLASSYで連載していたとのことで、テーマが買い物だったり、オフィスだったり、たしかに女性がとっつきやすいテーマが多いかもしれません。
そしてタイトルの「ランゲルハンス島」について知ったときに唸ってしまいました。そんなタイトル誰も思い付かない。さすが村上春樹です。
Posted by ブクログ
読み始めて、こういう感じのエッセイってあまり読んだことないな、ということに気づいた。有名な男性作家さんの、雑誌の寄稿連載・・みたいな。(女性作家さんのセキララ系とか、子ども産んで人生観変わりましたみたいのはよくあるけど。ちなみに三浦しをんさんのが大好きです)
やはり文章がきれいな人のエッセイはキレイです。読んでいてすうっとした気持ちになります。最近疲れすぎてずっと本を読んでなかったのですが、こういう本なら読めるし読んでもいいなと思いました。前、どなたのエッセイか忘れたけど書くことない〜とか〆切が〜とかの回が多すぎるエッセイを読んで、ほんと読む価値ないなって思ったのがありました(笑)そういうのけっこうありますよね、、
Posted by ブクログ
なにか読みたくなって、今朝パラパラ〜っと読み終えた。
クラッシィの連載2年分。なんだかそぐわないけれど。
お金を崩すためにシェービングクリームを買うとか、パンツを買うのが好きとか、どうでもいい話題で何も考えずに読めるけど、
なんとなくためになるような、心地いいような気分にさせられる。
安西水丸の挿絵も大胆に使われていて、素敵な本。
タイトルもなんとなくのんびりしいていい。