村上春樹のレビュー一覧
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自分はもともと春樹の文体や日常パート(ファンタジーとかジブリじみてない部分)が好きなんだけど、本書がまさにその良さが出ていた
内容は彼が37歳から3年間、ヨーロッパで長く暮らした時に起きたアレコレ、酷い目に会ったり、新しい世界を見たり、人の優しさに触れたり、やれやれと言った感じで読んでてついニコニコしちゃうような一冊
転職の有給消化で、親を連れて石垣に遊びに行ってる間に読んだ
4泊5日
時々親がホテルで休んでて、昼のビーチチェアで日に当たりながら、夜のビーチバーで1人ビール飲みながら本書を読んだ
大切な時間に合う本だった。旅行中に何読むとなったら是非勧めたい一冊。あと本当に春樹らぶ
※ダンスダンスダンスでどうしてもピニャコラーダを海辺で飲んでみたくなり、飲んだ
私はモヒート派ですね。いくらなんでもココナッツ嫌いがピニャコラーダはキツい。それはそう -
Posted by ブクログ
シングルモルトには、それぞれきりっとしたパーソナリティーがあり、アロマによって生産地が特定できるという。海藻香のアイラ島のシングルモルト。生牡蠣と合うらしい。ラフロイグのマネージャーイアン・ヘンダーソンの「おいしいウィスキーを時代にあわせてうまく造ることを目指しているんだ。」いつも新しいやり方を模索している。進取の気性。ベッシー・ウイリアムという女性が陣頭指揮をとり、大胆に新しいやり方を持ち込んで、ラフロイグの業績を伸ばしたそうだ。イアンは、「頭であれこれと考えてはいけない。能書きもいらない。値段も関係ない。多くの人は年数の多いほどジングルモルトはうまいと思いがちだ。でもそんなことはない。年月が得るものもあり、年月が失うものもある。エヴァポレーション(蒸発)が加えるものもあり、引くものもある。それはただの個性の違いに過ぎない。」ボウモアのジム・マッキュエン氏の口にしたアイラ哲学。「みんなはアイラ・ウイスキーの特別な味について、あれこれと細かい分析をする。確かにこの島では上質の大麦がとれる。水も素晴らしい。ピートも潤沢で、よく匂う。それは確かだ。でもそれだけじゃ、ここのウィスキーの味は説明できない。いちばん最後にくるのは、人間なんだ。ここに住んで、ここに暮らしている俺たちが、このウィスキーの味を造っているんだよ。人々のパーソナリティーと暮らしぶりがこの味を作りあげている。それがいちばん大事なことなんだ。」アイラ島行きたい。
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饒舌全部で7冊あるマウロウものの長編の5冊目の作品。マウロウは4冊目の「湖中の女」や6冊目の「ロング・グッドバイ」に比べても饒舌で、もしかしたらシリーズで最高に漫談が面白い作品かもしれない。いくつかは声に出して笑ってしまうし、いくつかは気が利いた表現で感心させられる。アメリカン・ジョークは日本人の私には笑うどころか意味が通じないものも多いが、マウロウの呟きはわりに理解できる。日本のお笑いにない表現で、新鮮にも感じる。村上春樹氏の翻訳がうまいせいかもしれない。読みながら、筋はどう展開してもよいから、時間のある限り読み続けたいと思う不思議な作品であった。
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イグアナの挿話にびっくり
こんなにもTシャツを豊富に持っていて、村上春樹は何て豊かな人生を送っているのだろう、と思う。 それに比べて自分なんて、なるべく持ち物を増やさないようにTシャツなんてまず買うこともなく、昔からある物をずっと着続けていて、擦り切れてきたのが多くなってきた。この本を読んだのを機に、箪笥の中のシャツは入れ替えても良さそうな気がしてきた。 実は、箪笥の隅に、袋から出していないTシャツが一つ眠っている。高校の同窓会で、記念Tシャツが大量に売れ残り、担当者が困っていたから見兼ねて買った物だ。売れ残るだけあって、本当にデザインが悪い。記念Tシャツでメルカリにも出せない。今となっては担当者が誰だっかも思い出せず、もう持ち続ける義理もないのだが、、。 なんて、つらつら考えてしまう本だった。 休日に、ゆっくり読む本です。 ちなみに、ダーウィンがイグアナを70分水に漬けて殺してしまったという挿話は、ちょっとびっくりした。村上春樹の本は時として、へええと感心する挿話に出会う。それがまたいい。 あと余計なことだが、最後のインタビューで、インタビューアーの「着れる」という言葉遣いが度々気になった。「着られる」ですね。いいですけれど。 -
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ネタバレ6冊もあるが間延び感もなく、飽きることがなかったので読むのが遅い自分でも2ヶ月で一気に読めた。
物語は一言でいうと「1984年と1Q84年の間を彷徨う2人の純愛ラブストーリー」といった感じだが、一言で言い表せない部分が多すぎる。
ジョージ・オーウェルの「1984年」もやはり作中で触れられていて、「ビッグ・ブラザー」との対比で「リトル・ピープル」はなるほどと思った。
天吾と青豆の視点が交互に語られる形式だが、5巻から牛河の視点での語りが入り、(まんまと)おお!となった。
この牛河の描かれっぷりがよくこんなに表現できるなと思うほど本当に気持ち悪い(笑)のだが、本作で一番印象に残ったキャラクターだ。(天吾の牛河に対する心の声が面白かった)また、本作で一番心に残った言葉も牛河の「知識や能力はあくまで道具であり、それ自体を見せびらかすためのものではない。」という言葉だ。他にもっと心に残るようなフレーズがあったように思うけど、なぜかこれが一番だった。
他にはふかえりの宇宙人感が可愛いかった。それとNHKの集金人が怖すぎた。
あと物語の途中まで天吾に魅力を感じていなかったが、後半の方で青豆が天吾を20年ぶりに目にした時の恋する乙女の心の声を聞いているとだんだん天吾が魅力的に見えるようになったのが個人的に面白かった笑
こんな素晴らしい大作に対してこんな感想しか残っていないのは自分のせいなのか作品のせいなのかわからないが、とにかく面白いという一言に尽きる。 -
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ネタバレ村上春樹の作品を初めて読んだ。
前から興味はあったが、好き嫌いが分かれるという声を聞いたのと、なんとなくハードルが高いイメージがありなかなか手が出せないでいたが、意を決して読んでみた。結果、なぜ今まで読まなかったんだと思うくらいとてもよかった。
「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」の話が交互に語られていく形式だが、全く異なる二つの世界の関係が途中で明らかになる。
思考回路のジャンクションの切り替えの話が斬新でとても面白かった。
ハードボイルドワンダーランド(現実世界)で主人公は老博士から第三回路(世界の終わり)に閉じ込められて永遠にそこから出られなくなる(=現実世界での事実上の死)ことを教えられる。それと並行して世界の終わりでは影が日に日に弱っていく。主人公は影と一緒に世界の終わりを抜け出すか、世界の終わりにとどまるかという選択を迫られる。
結局第三回路の主人公は自分は世界の終わりに残り、影を世界の終わりの外へ逃がして生かす道を選択した。この「自分は残る」というのは、現実世界で自分の意思に反して外部から強制的に与えられた「事実上の死」というやるせない状況に対して、自分を納得させるために自身で選択した結果なのだと再定義する意味づけのような選択として描かれている。そして印象的なのは、影を殺さないことに決めたところである。影は生きるうえでのノイズや煩わしい感情として描かれているが、筆者にとってはそういう煩わしく面倒くさい感情が生きる意味なのだと感じた。影は結局ハードボイルドワンダーランドへ逃げたのか?逃げた後どうなったのか?他の人の意識として生きていくのか?など気になった。
また、心情の描写も素晴らしいと思った。物語終盤の主人公の現実世界の終わりが近づいたときの描写がとても心に響いた。「感情のうねり」という表現が本当に的確だし、それを涙もでないままやりすごす苦しさが手に取るように感じられた。
また随所に見られる比喩表現も、独特でとても面白かった。意味ありげな描写やキーワードが沢山出てくるが、ほとんどが明確な意味が明かされることはなく、解釈が読者に委ねられている部分が多いところも魅力的だと思った。(もしかしたら特に意味がないものもあるかもしれない)こういうところは他のメディアではなく小説ならではの魅力だと思うが、本作にはそれがつめこまれており、読書の楽しさを感じられた。
ただ、舞台も見に行ったが、そちらはそちらで舞台ならではの演出がとても素晴らしかった。バレエでの表現が独特の世界観を作り上げていたし、藤原竜也の演技力と存在感がさすがという感じで、とても感動した。
これから村上春樹の作品を読み漁ろうと思う。
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Posted by ブクログ
前回の突然の離婚宣告に漂流する主人公が辿り着いた、日本画家の旧宅にて。
そこで顕現した身長60センチの「騎士団長」は、恐怖や不安を「やれやれ」と受け流すような、軽妙で頼もしい案内役の登場です。
(癒されるキャラクターです)
一方、『免色さん』の意図が見えぬまま、その「娘」らしき少女も登場し、物語は静かに加速していきます。
終盤は、離婚手続きを終えてもなお、意識・無意識の深層に刻まれた妻との回想は深い傷として残っていることが伝わってきました。
唐突に挿入された「ドイツ親衛隊の肖像画家」のエピソードが、この奇妙な物語とどう繋がっていくのか。
歴史と個人の深淵がどう交差するのか、胸がざわつきます。 -
Posted by ブクログ
お酒はほぼ飲めない私が、島の名前に惹かれてたまたま古本屋で手に取ったこの本。
ぱらぱらと開いてみると、そこから何かがひらりと落ちた。拾ってみると地元酒屋の世界のウィスキーフェアのチラシ切り抜きだった。フェア開催日は2015年。10年以上前にこの本の持ち主の方が、「このエッセイを読んだらきっとウィスキーを飲みたくなるだろうよ」と言わんばかりに託してくれたメッセージに、なんだか心が温かくなった。結局古本を購入して、チラシと共にオーストラリアまで大切に持ち帰ってきた。
村上春樹氏のエッセイの言葉選びが好きだ。ウィスキーの味を、音楽や文学に例える村上氏特有の表現も読んでいて心地良い。一緒に旅をされた奥様の撮った写真が数ページおきに村上氏の文章と共に出てくるのも素敵。
いつかこの島にこの本を持って旅行に行き、ウィスキーを少しでも嗜めてみたいな。