村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こちらを読み終わり、すぐに「羊をめぐる冒険」に行こうと思う。
そう思っちゃうくらい、この世界観がたまらなく好き。
舞台が日本なんだけど、日本じゃないような雰囲気で、その曖昧さが何とも言えないハルキ特有の感じで良い。
アメリカとかヨーロッパの雰囲気が漂いながらも急に「熱い日本茶」が出てきたりするから、「日本だ」って安心感が戻ってきて、でもやっぱり日本文学の雰囲気とは違う、海外文学とも違う、独特のこの雰囲気がやっぱり私は好きなんだな〜。
ずっと静かに進むストーリーの中で、最後の方にはっきりとしたクライマックスが来る。
ピンボール・マシンが並ぶところ。
ぞくっとした。
ハルキの季節や情景 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
・青豆が人々の前で上手く微笑むことができないということにとても共感した。私も笑うことは笑えるが、ずっと歯並びにコンプレックスがあったお陰でいまだに自分の歯をむき出しにした満面の笑みには自信がないから誰かに無条件で褒めてほしい。
・普段冷静な青豆が天吾のことになると我を失って突飛な行動に出る様を見ていると恋愛や誰かを激しく好きになることはいつだって筋の通らないことなのだと思う。それこそが恋愛なのだと。
・第27章「この世界だけでは足りないかもしれない」この章が、本当に本当に良すぎた。あまりにも名場面すぎた。あまりにも心揺さぶられた。今まで誰からも本当に愛されたことも抱きしめられたこともなか -
Posted by ブクログ
ハードボイルドの古典。レイモンド・チャンドラーの探偵フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品。ハードボイルドとは、主人公の無骨で筋の通った生き方、行動を慈しみ楽しむものだと思う。そこには浮世の経済合理性や名誉はなく、ただた個人的な「筋を通す」「原理原則を曲げない」それだけがある。そんな非現実的な生き方ができる本当の意味で「タフな」男の物語をたのしむというかなりマニアックなジャンルだと思うが、チャンドラーがそれを確立したと思う。村上春樹がなぜ彼を好きなのかよくわからないが、根底には「原理原則を曲げない」生き方への憧れがあるのだろうか。文体のシンプルなところも好きなのだろう。たまに主人公に「やれや
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Posted by ブクログ
10/10
“救うためには、救われなきゃならない。”
想像することが、ここでは命取りになる。
ナツメグ、シナモン、バット、井戸、サングラス、声帯、心臓、馬、日食、コンピューター。並んだ語群が示すのは、単なるモチーフの羅列ではない。第3部は第1部・第2部と別の世界に移行したかのようであり、むしろ作品全体の集大成として、作者の音楽的なテーマと技術が一気に噴き出す場だった。
僕が感じたのは、ツイン・ピークスの初期と『ザ・リターンズ』の差異のような段差だ。前段が導入と配置なら、第3部は深淵に沈めるショーケース。静かに、だが確実に読み手を異界へ押し込む。結果として「別格感」が生まれる。これは散らか -
Posted by ブクログ
傑作!個人的今年No.1を更新꒰*✪௰✪ૢ꒱
村上氏には及ばないが、日々なけなしの距離を走っているエセランナーとして、氏のランへのスタンスや思いには顎がもげるほど頷きが止まらなかった。巨匠の筆致とはこういうものか!普段ぽやーっと感じてきたことをすべて言語化してくれ、一文一文が気持ちいい。作家の凄みを見せつけられた想いだ。こんなにも軽やかで美しい日本語で言語化してくれて、ただただ感謝。
このエッセイを読むと、知的でインテリな村上春樹像は崩れ、実は体育会系やや脳筋タイプであることが明らかになる。これがまず面白い。氏は創作活動には集中力と規律が必要と考え、そのために走り始めた。長年続けられている