村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ面白い。本当に面白い。ストーリー自体がそもそも面白いのに加えて青豆と天吾に感情移入しすぎて、これは私が出会うべくして出会った小説だと思った。私はこの物語に出会うために生まれてきて、この物語と出会わなければいけなかったのだと思った。それくらい私にぴったりとハマる、人生でも1.2を争う小説だった。以下、断片的な感想を述べるとする。
・「彼女はひとりぼっちで、情愛に飢えていた。生きていく目的や意味をどこに求めればいいのかわからないまま、つかみどころのない日々を送っていた。」←分かる。分かりすぎる。家庭環境に恵まれないとこういう思考になる。
・「環が相手の男に求めていたのは、理解と思いやりのような -
Posted by ブクログ
ああ、ぼくは今出会うべくして今この本に出会ったのだな、と思える小説でした。
もしかしたら、今ここでこうしている僕はいわゆる影で、本体というか意識の深層というものは不確かな壁の向こうにある街にいるのかもしれない。
そうしてぼくは影に現実を任せて、ただ静かで時間が意味をなさない街のなかで、ありし日の思い出に閉じこもろうとしているのかもしれない。
でもきっとぼくも、いつか本作の「私」のように…。
傷ついてもなにかをなくしても、人は生き、時間は刻まれていかなければならない。
その残酷さと優しさを感じさせてくれる作品。
なんて静かで、救いに満ちた物語なんだろう。
村上春樹さんの小説に、これほ -
Posted by ブクログ
島本イズミと、主人公のハジメ。出会い、別れ、そして大人になって、再開する。その一連の人生のポイントにおいて、偶然とある種のきっかけが、人生に影響を与えていく。父の仕事でイズミは藤沢の江ノ島に引っ越し、そこから人生を歩んでいく。ハジメは出版社に勤めて、女性を傷つけてしまった。あるとき、後ろ姿にイズミの面影を見つけてついていったが、本当にイズミかどうかわからなかった。そして、経営するバーがうまくいき、ブルータスに載ったことで、イズミが店にやってくる。中間的なものが存在しないところには中間は存在しない。
あいまいな、たぶん、が存在する世界と、存在しない世界。曖昧な自分自身が体験したはっきりとした現実 -
Posted by ブクログ
「ハードボイルド」の意味を、ようやくこれを読んで理解できた気がする!!
これがザ・ハードボイルドね!って自信満々に言いたい。
ハードボイルドってそもそも何?ってレベルの私なんだけど、文学で、感情を交えず、始めから終わりまで、客観的な態度・文体で対象を描写しようとする手法らしい。
この小説、マーロウという主人公=語り手の感情が全く出ず、淡々と周りの情景、出来事を描いていくスタイルで、王道なミステリーのプロットがこんな風に純文学になるなんて!!そんなことあるんだ、知らなかった!すごい!
と驚いてる!!
ストーリー自体がすごい斬新な設定とか、そういうことではなく、語られ方が斬新!!
すご -
Posted by ブクログ
すごい上質でいて,それでいて体系的であり読みやすく面白い小説だった。
誰もが感じる自分の欠陥や、味のない肉体を自分のペルソナや環境や、考え方やそんなものを変えることで補おうとする。
しかし,それで変わるのは外見であり魂を纏う肉体であり欠陥ではない.
ある意味では欠陥こそが自分自身なのかも知れない
このセリフが本当に素晴らしい
この言語化が本当に素晴らしい
内容としてはとても体系的で分かりやすい
体験ベースの感情移入であり,一人称で基本進んでいく村上春樹の小説なのでやはりわかりやすい。
キャラクターの奥行きや哲学もやはり解像度が高くわかりやすい
ある意味では僕が抱えていた欠陥を
その存在を認知 -
Posted by ブクログ
村上春樹の作品の中でも最高傑作と名高いだけあって、現実世界のハードボイルドワンダーランドと深層世界である世界の終りというパラレルワールドで展開される世界観がとにかく秀逸でした。
現実世界では苦や悲しみもありながらも感情が伴う世界で、深層世界ではそういった苦しみや争いなどがなく平穏で安定している代わりに心が喪失している世界を表しています。
ラストシーンも含めて読み手に解釈の余地を与えているので、人によって感じ方は大きく変わりそうです。そういった点も本作の魅力の一つだと思います。
ストーリー自体は難解ではあるものの村上春樹の作品の中では比較的読みやすい部類に入ると思います。自分の人生哲学を踏まえて -
Posted by ブクログ
初の小説じゃない春樹
今年から走り始めたから、春樹の目を通して走ってみたいな思って、電車時間の読み物として読んでみたい
最近は暑くて走りより泳いでるから、結果的に読んでる期間一度も走らなかったけど、おかげで電車時間が癒し時間になった
what we talk when we talk about love
愛について語る時に私たちの語る事が愛以外のものであるように
本書は走る事を語ってるようで、小説のことや生き方を語っていた
ポニーテールの比喩と、自分のネイチャーをボストンバッグに比喩していた文章が特に印象に残った
流れるような美しい文章、一見全然関係ない2つの事柄がすんなり共通してしま