【感想・ネタバレ】ティファニーで朝食を(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった……。表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。

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Posted by ブクログ

映画から入り小説→映画と何度もループしてしまう大好きな作品。
ホリー・ゴライトリーの奔放な美しさと、その裏側にある苦悩、自由を求めるあまりその自由に苦しむ、ホリーの言う"いやったらしいアカ"は、現代人、とくに都市で生きる僕らに通ずるものがある。
オードリー・ヘプバーンのキュートさがこの作品を有名にした一助であることは間違いないが、物語としては小説の方が好みである。映画版の結末はややご都合主義というか、映画を見終わった人たちが肩透かしを喰らわないように配慮したのでは、と感じる。小説の結末の方が、ホリーというどうしようもなくは魅力的な人間の内面を表していると思う。

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2025年11月26日

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ホリーが物語の中の彼女と寸分変わらず、生きて幸福を掴んで欲しいと願わずにいられない。
同時に変わらずにいられないだろうとも思ってしまう。

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2025年09月14日

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ネタバレ

何回読むねん、というくらい何回も読んでる本。
下記文章を読みたいがために何度も何度も読み返す。

「要するに『あなたが善きことをしているときにだけ、あなたに善きことが起こる』ってことなのよ。

いや善きことというより、むしろ正直なことって言うべきかな。規律をしっかり守りましょう、みたいな正直さのことじゃないのよ。

もしそれでとりあえず楽しい気持ちになれると思えば、私は墓だって暴くし、死者の目から二十五セント玉をむしったりもするわよ。

そうじゃなくて、私の言ってるのは、自らの則に従うみたいな正直さなわけ。卑怯者や、猫っかぶりや、精神的なペテン師や、商売女じゃなきゃ、それこそなんだってかまわないの。不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。だから信心深いかとか、そういうことじゃないんだ。もっと実際的なもの。

癌はあなたを殺すかもしれないけど、もう一方のやつは間違いなくあなたを殺すのよ。」

自分が自分であるために、自分を生きるために、定期的に読み返すのかもしれない。

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2025年08月30日

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映画は未視聴。とにかく魅力的なヒロインが描かれている。長い台詞を気持ちよく読ませてくれるのは技術?魅力的なクラスのマドンナが冴えない主人公のことをなぜか気に入ってお互い特別視してるみたいな作風の先駆けのような感じ。村上春樹が映画に苦言を呈していたので、映画も観てみよう。

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2025年05月10日

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ネタバレ

普通とはかけ離れた自由奔放さはホリーの魅力。でも全くの考えなしなわけではなくて、その普通とかけ離れた経験が今のホリーの確固たる意志の源となっている。とはいっても完全なる強い女性というわけでもなくて危うさもある。激しく生きてプツンと壊れてしまいそうな。そんなホリーと過ごしたときが主人公にはあったのに、もうどんなふうに生きているのか今は全く分からない。しみじみと感じさせられる儚さと美しさが魅力的な作品。

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2025年03月27日

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ネタバレ

有名すぎてずっと敬遠していた本。僕は見栄っ張りな性格なので、手垢のついた名作をいまさら読むのが気恥ずかしい。そもそもティファニーは宝石屋だ。食事をする場所ではない。それならなぜ『ティファニーで朝食を』なのか。しかしその意味を教えてもらってから、どうしようもなく読みたくなってしまった。

ホリーはとびきりチャーミングな女の子だ。みんな彼女に魅せられてしまう。だから自然と男たちが集まってくる。しかし誰も彼女を理解できない。ある男は彼女をこう評した。「あんたは脳みそをぎゅうぎゅうにしぼり、彼女のためを思ってさんざん尽くしてやる。ところがその見返りに受け取るのは、皿に山盛りの馬糞だ」。その男は彼女をハリウッド女優として成功させるお膳立てをしてやった。なのにホリーはオーディションをすっぽかしてしまう。悪気など微塵も見せずに。
普通の人間ならそんなチャンスをふいにしたくはないだろう。でも彼女は自分が女優になれるとは思ってないのだ。彼女が罪悪感を感じるとしたら、その男にそうさせてしまったことに対してである。彼はこうも言う。彼女はまやかし(phony)だ。ただし、本物のまやかし(real phony)だ。つまりホリーは、自分が本物のダイヤよりも偽物のほうが美しいと思えば、迷うことなく偽物を選ぶ人間なのだ。
彼女は世間が自分に求めるものと、自分が本当になりたいものとの溝を埋められない。ホリーは主人公と同じアパートメントの住人だが、そこは彼女の居場所ではない。バート・バカラックの“A House is not a Home”という曲があるが、ホリーにHouseはあってもHomeはない。
そんな彼女にとって唯一の心の拠り所がティファニーなのだ。もちろん高級ジュエリーを買えるほど裕福ではない。ただティファニーは、自分がそこにいてもいいと感じられる場所なのである。彼女の表現を借りれば、「自分といろんなものごとがひとつになれる場所」だ。Homeは朝食を食べる場所である。彼女はティファニーのような場所で朝を迎える暮らしを夢見て、流浪の旅を続けている。

最初に書いた通りカポーティを読むのはこれが初めてだが、とても気の利いた文章を書くと思った。言葉選びが卓越していて、これ以上の言い回しは考えられない。それは村上春樹の翻訳だからそう感じるのではなく、村上春樹がカポーティから強く影響を受けていると見るべきだろう。
気が利いているのは文体だけではない。たとえば主人公がはじめてホリーの部屋に入ったとき、まるでいま引っ越してきたばかりといった有様だった。また別の日に寝室へ通されたときは、キャンプ生活でもしているみたいに、いつでもすぐに出ていけるような状態だった。そういう描写がある。これをホリーが見かけに反してズボラでだらしない性格だと解釈することもできようが、旅の途中のような彼女の人生の二重写しでもあるに違いない。名刺の住所が「旅行中」になっているのは、もっとわかりやすい表現である。要するに、文章がそう書かれているのにはちゃんと理由があって、作者は読者がそれに気づいてくれることを確信して書いている。そういう書き方なのだ。
したがって、作中にくり返し登場する印象的な言葉「いやったらしいアカ」(the mean reds)も、自然と多義的に解釈したくなる。最初にホリーがこの言葉を口にしたとき、主人公は「それはブルー(憂鬱)みたいなものなのかな?」と問いかけるが、ホリーはそれを否定する。結局主人公は「そういうのをアングスト(不安感)と呼ぶ人もいる」と説明した。けれどもホリーは、この言葉を自分が捨ててきた過去や、同時に自分の中にどうしようもなく残り続ける本質に対しても使っている。だから、この「いやったらしいアカ」は彼女が嫌悪する不正直、卑怯者、猫っかぶりといったものをも含んでいると思う。というか、meanは「卑劣な」という意味なので、the mean redsはmeanの方が主意で、赤という色を冠しているのは別な理由があるのだろう。作品が書かれた時代から、そこに共産主義を連想する人もいるようだ(マッカーシー旋風、赤狩り)。たしかにティファニーは共産主義の対極にあるとも言えるが、どうだろう。さすがに深読みのような気もする。だが、カポーティの文章が深読みを誘うことも確かである。
何を隠そう、僕が原文に何と書いてあるか知っているのは、実際に原典にあたって確かめたからにほかならないし、僕にそうさせてしまう何かがこの作品にはあったのだ。そしてこの本にはまだまだ気づいていない楽しみがたくさんあることは疑いなく、『ティファニー』をめぐる僕の旅はきっとこれからも終わることがないだろう。

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2024年12月31日

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ネタバレ

チョコレート色の石でできたアパートメント、コンクリートを打ち付ける雨の匂い、喧騒に溢れ誰もが自由なニューヨーク。それらがありありと文章から伝わってくる素晴らしい翻訳だ。
やはり村上春樹の文体は凄い。何が凄いのか言語化できないのがもどかしいのだが、生命力に溢れている文章というか、いい意味でとにかく表現が生々しい。
私は読書の感想によく「心地いい」という言葉を使うことがある。ふと気づいたのだが、「心地いい読み心地」と「読んでいて心地いい」はまったく違うことだと思う。無論、本作は後者であり、文章を目で追うことはこんなにも快楽なのだとしみじみ実感させてくれる読書体験だった。

表題作『ティファニーで朝食を』に登場するヒロインのホリー・ゴライトリーは、美しいだけでなく猫のように奔放で軽やか、それでいて穢らわしさを感じさせない不思議な女性だ。
彼女の魅力は余すことなく語られているのだが、とりわけ私が好きなのはギターを弾いている場面。飼っている雄猫と共にアパートメントの非常階段に腰掛け、髪を乾かしながらギターを弾く。髪が乾いても薄暮の中で歌い続けているホリーの姿はため息が漏れてしまうほどに美しい。
ホリーだけでなく、本作に登場する人物たちは誰も彼もがアメリカという国を体現しているようだ。たしかに不倫も万引きも少女妻も道徳的にはいけないことなのだろう。しかし、この物語の中でそれらはどうしようもなく輝いていて、だからこそホリーを含む人物たちはどこまでも自由に見えた。

おそらく本作を通して読者に訴えかけたいものは、自由と同じくらいの不自由や虚しさだろう。
自由の権化たる美女・ホリーだが、終盤で麻薬密売の容疑をかけられると同時に結婚予定だった男性・ホセに捨てられ、さらには彼との子供も流産してしまう。ニューヨークでこの先も同じような生活ができなくなることを察したホリーは、すべてを投げ捨てることを決意し空港から飛び立つ。
語り部である「僕」や雄猫との別れが切ないのもさることながら、ホリーがこれまでの人生で捨ててきたものの中に自分になくてはならないものがあったことを語る場面が印象的で、ここに本作の魅力がグッと詰まっていると私は思う。自由に縛り続けられた不自由な美女の闇を描く作品でありながら、ラストはとても清々しく、読後感はとても良かった。
ホリーには、いつか彼女にとってのティファニーのような心の安住地を見つけてほしいと心の底から願うばかりだ。

表題作のほかにも三編の短編が収録されているのだが、この中では『クリスマスの思い出』が好みだった。こちらは老婆と少年の物語なのだが、不自由の中で幸せを見出す姿はどこか御伽話のようで、心地よい切なさを残していく。
村上春樹氏のあとがきも、カポーティという文壇界の寵児の生涯を力説されていて、いつか違う翻訳版や他の作品も手に取ってみたくなるような素晴らしいものだった。

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2024年12月26日

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やっぱり小説は良いなあと思った。
作品自体の内容や心地いいリズム感もあるが、
読み終わったあとに煙草を吸いながらホリー・ゴライトリーのその後、人間性、雰囲気、容姿、仕草等々を考える。
その時間があるだけでこの本を読む価値があると思える。

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2024年07月25日

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不朽の名作、傑作である。
さすがと言うべきか、村上春樹の訳も素晴らしい。
映画の『ティファニーで朝食を』とは切り離して読んでほしいと村上春樹は言うが、それはかなり難しい。どうしても、あの可憐なオードリー・ヘップバーンを思い浮かべてしまう。
とはいえ、原作をはじめて読んだが、映画とは少しストーリーが異なる。映画ほど綺麗事で片づいていない。厳しく、つらい現実の要素もだいぶ含まれている。
それでもやっぱり、ホリーの自由奔放、天真爛漫な性格、生き方は魅力的だ。
その前提として、ホリーの類まれな容姿の美しさがあるようには思うが…。
もしホリーの器量が人並み以下だったら、物語は成立しないだろう。ティファニー本店のショーウィンドウと釣り合うには、相応の美しさが必要だ。

表題の他に収録されていた、『花盛りの家』、『ダイアモンドのギター』、『クリスマスの思い出』も素晴らしかった。
トルーマン・カポーティの才能を感じる一冊である。

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2024年06月23日

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オードリー・ヘップバーンがホリー役を演じる映画の方は観たことがなかったが、確かに彼女は小説版のホリーのような汚さやふしだらさ、危うさが感じられる人ではない。もしいつか映画をリメイクする際はホリー役をマーゴット・ロビーに演じて欲しいと思うのは私だけでしょうか(マーゴット・ロビー好きの一意見)。
この話は映画版『ティファニーで朝食を』でイメージされるような綺麗なストーリーではない。が、確かに名作であったと思う。イギリス文学とはなんとなく異なり、主人公やホリー、ジョー・ベルなど、様々な登場人物のその時々の感情が読み取りやすいものだったように感じる。
ホリー・ゴライトリーというこんなにも危うく愛らしい女性が身の回りにいたとしたら、誰しも叶わぬ恋をしてしまうだろうと思う。女の私でさえレズに目覚めてしまいそうなので。

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2025年08月29日

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他人に迷惑をかけてはいけない精神のある日本人からすると、ホリーの自由奔放な生き方は心底羨ましいのではないかと思った

万引きは当たり前のように、警察に捕まったのに割と簡単に海外に逃げているし、なんだかゆるいところがあるけれど、それが日本との価値観の違いなのかと疑問には感じた

村上春樹の文体が大好きな身からすると、この作品が好きなのか、村上春樹が好きなのかは判断しかねたが、この後の行方は読者におまかせ系の終わり方は個人的に好みでないため、星4に

もう一度読んでみたいし、映画も見てみたくなった

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2025年10月07日

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初カポーティ。映画でも有名な表題作はまだ観ていません。どうやら原作と映画はまた違う雰囲気のようです。ヘップバーンが演じたホリー・ゴライトリーがどのような人物に仕上がっているかはわかりませんが、本書のホリーはとにかく天真爛漫。誰もが振り向く美貌さと誰にも縛られない奔放さに小説の枠を超えて人々は魅了されるのでしょう。そんな彼女はどこかへ旅立ち、残された人々は彼女の記憶や痕跡を寂しく思いつつもただ楽しむ。そんな余韻すら魅力的な小説でした。
他に収録されている「花盛りの家」「ダイヤモンドのギター」「クリスマスの思い出」も余韻が素敵な小説ばかり。心にすっと入ってくる良作でした。

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2025年07月22日

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ネタバレ

目の前を干渉できない嵐が通り過ぎたようだった。
ホリーは、その名前はホリーでなくても、どこかで彼女の求めるままに暮らしていたのではないかと思う。

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2025年07月08日

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表題作『ティファニーで朝食を』と『クリスマスの思い出』の2つがとても好き。『ティファニー~』では何と言ってもホリーという女性のキャラクターが魅力的すぎる(見返りに皿に山盛りの馬糞をするような女性という表現がとても面白い)。刑事に連れて行かれるとき「猫にご飯をあげてね」っていうところも彼女の特徴を表してて好き。映画のほうが有名で、村上春樹はヘプバーンの印象が強すぎるからまずは原作である小説でホリーを感じてほしいと言っていた。なのでとりあえずは理想の読者にはなれたということで良しとしよう。

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2025年06月30日

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その人に抱いているイメージ通りに生きるのか、そうじゃないのかはわからない。
多分こんな感じなんだろうなと本質は多少理解できても現実にどうなるかは思いもよらない気がする。
幸せになれてるといいけどね。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

どの話も語りすぎず余韻のある終わり方。
また映画化されているが、原作は映像化されたほんの一部でモチーフにすぎない。
映像化されると、原作が先か、映像が先かという話になるがどちらも両立するし前後もなく共存し合っているなと思った。

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2024年11月04日

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映画では有名だけど、まだ見たことはない。
ただ主役のオードリーだけは頭にある。
だからはじめは、顔がチラついて集中できなかった。でも読んでいくうちにそれもなくなり、自分なりのホリーが動きまわった。若く、可愛らしく、いきいきと、今を精一杯思うがままに!
「何年かあとに、何年も何年もあとに、あの船のどれかが私をここに連れ戻してくれるはずよ。私と、九人のブラジル人の子供たちをね。
どうしてかといえば、そう、子供達はこれを目にしなくてはならないからよ。この光と、この川を。私はニューヨークが大好きなの」
今でもたぶんホリーは、どこかの街で、動きまわっている。それは、ブラジルかもしれないし、ニューヨークかもしれない!
読んだあとなぜかわからないが爽やかな風が吹いているような気分になりました。

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2024年09月18日

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「ライ麦畑でつかまえて」や「グレート・ギャツビー」に似てるなって思った。

‘彼女な本物のまやかしだからね。彼女は自分の信じている紛い物を、心底信じているんだよ。あの子をそこから引きはがすことは、誰にもできやしない。’

あったかい毛布のような、純真無垢なイノセンスの世界があったら良いけれど、きっと世界のどこにもないんだろうな。表題含め、どの話も切なかった。

大人とは、裏切られた青年の姿である、まさしく。

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2024年08月26日

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読みだすと止まらなくさせる文章の天才。 私は花盛りの家とクリスマスの思い出も好きでした。どれもハッピーエンド、すっきりとした終わりではないものの、ため息を吐いて浸りたくなるようなラストでした。 ティファニーで~のホリーはとっても魅力的なキャラクターでした。当時の時代背景ももっと勉強したい。 訳者のあとがきを読むと原文で読んでみたくなる作品です。

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2024年07月16日

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村上春樹さん訳
訳者あとがきで、『ティファニーで朝食を』時代のトルーマン・カポーティについて書いてあります。
あまりにも映画が有名すぎて、そのイメージで読んでしまうと小説の方が違うのでは…と思ってしまう。
やっぱり先に小説を楽しんだあと、映像化がいいな

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2025年10月28日

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ちなみに訳者は龍口直太郎であり、村上春樹ではなかった。
魅力的な女性を主人公としたタイプの作品。ファムファタールとでも言おうか。思っていたのとは違うお話。
面白いかと言われれば普通。

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

海外文学は「そして誰もいなくなった」からの2冊目の読破。
普段読んでいるものに比べて読むのが難しかった気がする。
四つの短編からなるが、個人的に一番好きな作品は「クリスマスの思い出」だった。

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

彼女の「野生のものを好きになっては駄目」というセリフに妙に納得してしまった。映画もちょっと気になる。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表題作『ティファニーで朝食を』について

ホリー・ゴライトリーは「ティファニーのような場所」を見つけることができたのだろうか。推測するに、彼女は、飼っていた猫が我が家を見つけて名前を与えられたのとは違う人生を送ってるのではないかと思う。だけど、それが破天荒な彼女の儚さであり美しさであるとも思う。

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2024年11月01日

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ティファニーの社長が、昔テーブルマナー本の宣伝のために書店の人たち向けに会議室を臨時食堂に変えてご馳走した、って後書きの話が1番わくわくしたな。オードリーヘップバーンはいなかったらしいけど。

「ある晴れた朝、目を覚まし、ティファニーで朝食を食べるようになってもあたし自身というものは失いたくないのね
「ら女は口紅をさしてからでないと、こういう手紙は読まないことにしてんのよ」

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

村上春樹氏訳の名作。カポーティの冷血は読んだことがあるがまた違った感じだった。
映画のイメージが強く自分は見たことはないが、村上春樹氏の解説では主人公のキャラクターは違うとのこと。確かに髪の色はブロンドと形容されており、オードリー・ヘップバーンの見た目とは違うことが分かる。
古典的な作品ということもあり、ストーリーはどこかで見たことある展開だった。それでも引き込まれるのは作品として残り続けている魅力なのだろう。

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2024年08月22日

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3.7 カポーティは、無垢な魂と自由な生き方を表現した作家。映画とは、全く違った内容。イノセンスを喪失しないで生きていくこては、できない。だから、イノセンスな頃を忘れずに生きて行こうとしてしまうなかな。

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2024年07月27日

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PREMIUM COVER2023できれいなティファニーカラーの装丁に惹かれて買った本。

「ティファニーで朝食を」は有名だし、オードリー・ヘップバーンが主演ってことはもちろん知っているけれど、映画は一度も観たことがない。なので全くどういう話なのかも知らないまま読んだ。訳者あとがきを読んで、確かに映画を観たことがない私でもホリー・ゴライトリーのことを考えるときにオードリー・ヘップバーンの顔を思い浮かべたので、映画の影響はすごいと思った。でも、私が思うホリー・ゴライトリーを作って想像しながら読んだので、映画を観る前に読めて幸運だったかもしれない。訳者あとがきにも「できることなら映画からなるべく離れたところで、この物語を読んで楽しんでいただきたい」と書いてあった。トルーマン・カポーティはオードリー・ヘップバーンが演じるホリー・ゴライトリーは気に入らなかったかもしれないけれど、映画はどういう感じになってるのか気になったので観てみようと思う。

「ティファニーで朝食を」以外に3つ短編が入っていた。私は1番「クリスマスの思い出」が面白く感じた。貧しいけれど2人(クイーニーも入れてプラス1匹)は幸せに仲良く暮らしていた。最後はあっけなくみんなバラバラになってしまい、楽しい夢から醒めたように切なく、悲しかった。

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2024年07月19日

Posted by ブクログ

表題作は映画化で有名だけれども、映画とは人物設定も時代背景もその他諸々も全く違う話。

映画もすごく良かったし、主演をオードリーに据えた時点でああいう風に変えざるを得なかったのはわかる。けど、訳者あとがきにあるように、原作もいいので原作通りの映画を私も見たいですぞ。

【ネタバレっぽい】
化粧室に行くたびにお小遣いをもらうというのは、トイレへ行った際に従業員にチップを渡す習慣が分かっていないと何のこっちゃだよね。タクシー代を多めに渡すようなもので、主人公はいわゆる「いただき女子」、もしくは「エンコー女子」。犯罪者にも関わってしまうところが、お尻が軽くていらっしゃるというか、倫理観がゆるい。

でも、倫理観や貞操観念など、色んなものが破茶滅茶そうなホリーが、たまに発する詩的だったり含蓄のありそうな言葉がハッとさせられるほどいい。
「そうね、それが普通かもしれない。でも私は、普通よりは自然でありたいんだ。」
「四十歳以下でダイアモンドを身につけるのって野暮。(中略)似合うのはきっちり年取った女の人だけ」
「私が明日どこに住んでいるかなんてわかりっこないでしょう。だから住所のかわりに旅行中って印刷させたの」
「野生のものを好きになっては駄目よ。(中略)野生の生き物にいったん心を注いだら、あなたは空を見上げて人生を送ることになる」
「女たるもの、口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかない」


表題作以外の短篇三作も、けっこう個性的で面白い。

「花盛りの家」。結婚について考えさせられるというと陳腐すぎるんだけれど、主人公が嫁いだ家がすごいの。両親ではなく婆さんがいるんだけど、この婆さんが怪しげで性格悪くて。それに張り合う主人公もすごい。

「ダイアモンドのギター」。これは男同士の友情がテーマと言っていいんだろうか。それだけではなく主人公の若さへの憧憬と諦念もよく描かれていると思う。少しビターなお話。

「クリスマスの思い出」。少しわかりにくいところもあるけれど、ノスタルジックな気持ちにさせてくれる。最後の一文が最高に泣かせる。

それから訳者あとがきのボリュームたるや! やはりビッグネームな先生が訳すと違いますね。カポーティ作品の解説になっていて、けっこう面白く読みましたよ。

ただ、正直にいうと、あまりスムーズに読み進められなかった。村上文体がそこまで得意ではないせいなのか、カポーティがそこまで好きでないせいなのかは不明なので、もう一冊くらい読んで確かめたい気持ち。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を先に見てしまったけど小説版の結末のが好みだと思った
こういう人間は思い出のままでいてくれるのが1番なのかも

『クリスマスの思い出』が1番好き ケーキ作りの描写がいい

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2024年06月01日

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