村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
春樹さん、これは 好きすぎました!
カポーティ+春樹さん+山本容子さん= 私たちの大好物 ノスタルジックでイノセントな世界・・
母を失って、父が病んでしまってたぶん、育児放棄…されたコリンは
11歳の時に父の従姉妹、
ヴェリーナとドリーのタルボ姉妹のところに預けられた。
妹のヴェリーナは言わば南部の田舎町の実業家
姉のドリーはあまりにも純粋無垢がゆえに、町の人たちからは知恵遅れのように思われている。
コリンはドリーにまるで恋してるかのように惹かれている。(彼女は多分60歳くらい)ドリーの唯一分かり合える友だちのキャサリンは、両親の時代に雇われた黒人の子どもで、ずっとドリーたちと暮らしてきた。
ドリーとキャサリンと薬草とツリーハウス。そこに巻き込まれてゆく南部の田舎町の人たちとコリン。
ドリーが素敵すぎて、まったくお伽噺のようでした。。
春樹さんにとって、カポーティという作家はきわめて大きな意味を持つ存在で
この『草の竪琴』は「特別な輝きを放っている。」と、あとがきにあります。
春樹さんの訳で読めて良かった……
ほかに
『最後のドアを閉めろ』
『ミリアム』
『夜の樹』
と、3つの短編も入っています。
帯にあるように、『最後のドアを閉めろ』は『風の歌を聴け』のタイトルにインスパイアされた作品。
MONKEY vol.30に寄稿しています。
その時のあとがきにもあります。
柴田先生が聞き手のインタビュー
「カポーティは
僕にとってもとても大事な作家」でも
『草の竪琴』に触れていて
カポーティをまたすべて読み返したくなります。
読み終えて数日たちますが
いつでもあのツリーハウスに戻れそう……
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Posted by ブクログ
ネタバレこの4冊の長編小説を通して彼が我々読者に伝えようとしていることは
事実というモノの弱さ、そして、信じることの強さ
なんじゃないかと思った。
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正しい知識が人を豊かにするとは限らんぜ。客観が主観を凌駕するとは限らんぜ。事実が妄想を吹き消すとは限らんぜ。
私は揺らぎのない真実よりはむしろ、揺らぎの余地のある可能性を選択します
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作中にもこのような文章があるように、真実というモノの価値に一石投じるような作品だと思った。
そして主人公と免色の対比構造──確かなモノがないこの世で、信じることを望むか、その曖昧さに価値を見出すか──も、最後に明かされて今まで読んできた中で曇っていた部分が一気に風に吹かれて快晴になったように感じた。
そして度々出てくる風の歌を聴けなどの過去作品からのオマージュに、ハルキストはニヤけてしまうだろう。
とにかくすごく良かった。
長編小説の苦手な僕がすごく読み入ってしまった。
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルはもちろん知っていたけど、映画も小説もあらすじもなにも知らないままここまできた。
お金持ちの品のある人たちがティファニーで朝食を食べる話なのかと思ってたら全然違った。
ホリー・ゴライトリーは、美しいけど破天荒で謎が多く、でも彼女自身の芯をしっかりともっている女性だった。
小悪魔なようでいて純真なところもある。
男の人達が大量に近寄ってきて、常に誰かが近くにいた状態なのに、いざという時になると頼れる友達というのがいないというところは胸がキュッとした。
ラストのあたりの猫のシーンはグッときたし、終わり方は私好みだった。
ホリーがあのあとどうなったのかはわからないままだけど、最後まで読んだあととりあえず冒頭シーンを読み返した。
どんな場所であっても、猫のように安心できる場所でホリーらしく生きていたらいいな。
読み終わったあと、なるほどこのタイトルはそういう意味だったのかと。良いタイトルだなぁとしみじみと思った。
映画のあらすじも読んでみたけど、小説とは全然別物っぽい。逆に映画は実際どんな感じなのかも気になってきたので、機会があれば観てみたい。
他にも3編収録されているけど、どれも別れがある話だった。
どの話も私好みでよかったけど、一番好きだったのは「クリスマスの思い出」。
客観的にみたら、幸せな境遇とは言えないバディーと親友。
それでも犬のクイーニーもいて、そんな境遇の中でも幸せを掴めていた。
子ども時代の清らかで美しい思い出と、生きていく中でそういったものはどんどん周りから消えていってしまう様がとても苦しかった。
生きていく中で別れはつきものとはわかっているけど。
残された者は、旅立っていった者たちがただ安らかに天国で楽しくやっていることを祈るしかないんだよなぁ。
「ダイアモンドのギター」の、友だと思っていた人から裏切られて楽しかった思い出も色あせて、それでもきっぱりと忘れることができない様もよかった。 -
Posted by ブクログ
再読中
面白すぎる。声出して笑うエッセイは春樹さんくらい。笑 すごおおおおおおく、面白い。笑 スペッツェス島。ゾルバ系ギリシャ人。ミコノス。27歳の時に読んだあの時の記憶が蘇る。夢中になって読んだなあ。ノルウェイの森とタンスダンスダンスが書かれた期間のスケッチたち。これを読んでからローマに行ったような。春樹さん、37〜40歳の文章のスケッチ。ゾルバ。死に犬現象、エーゲ海の法則。いやあ、名言が多すぎる。笑
初回
2018.4.20
春樹さんのエッセイや旅のスケッチ的な文章がすごく好きだ。
読んでいると肩の力が抜けるような、疲れた時のわたしのリフレッシュ的ツール。
最高にツボな表現が多い一冊。。笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
まだ読んだことのない作品の方が多いけれど、今まで読んだ村上春樹作品の中でいちばんすき。日曜日の夜明け前にすみれが記号と象徴の違いを電話で僕に問う一連のやりとりがすごく気に入ってしまって、何回も読んだ。
僕 がすみれに色んなこと(「何かを学ぶときに、 一度それはそうゆうものだと受け入れないと進まないことと、きちんと理解しないと進まないことがある。 」とか、 「簡単に説明できることには落とし穴がある。あまり急いで結論に飛びつかないほうがいい。」とか)昼夜問わず丁寧に言葉を選んで教えてくれるたび、純粋な心配からの忠告に感じたり、すみれに対する想いゆえの祈りに感じたりもした。でも、ずっと優しくて良い人だな、と思った。
果たされなかった約束を、「美しい約束の多くがそうであるように、」と言ったり、好きな表現や会話がたくさんあった。終わり方も好きだった。 -
Posted by ブクログ
著者が地下鉄サリン事件で被害にあった方々に、事件当時の様子を聞いてまとめたものが本書である。軽傷で済んだ人もいれば、偶然、当日に電車を利用することとなり、その結果、植物人間と化して家族が介護するというように、さまざまな人がいた。地下鉄でサリンがばら撒かれるという、治安がいい日本では、にわかには信じられないことが起きた。その為、医師を含めて大半の人はなにが原因で、電車内で大量に倒れて、なかには死に至る現象が発生したのか理解できなかった。そのこともあって、当時の日本では職場や家族から理解を得られない被害者もいた。このように、日本で前代未聞の出来事に出くわしたときの、人々の言動が本書を通して浮き彫りになる。
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Posted by ブクログ
青春小説だと思います。
やるせない悲しみや逃げられない辛さに直面した鼠と主人公、二人を描いています。
彼女に何も伝えず苦しみ抜いて街を出る鼠。何も生み出さないピンボールに多くの時間を費やした主人公。
二人が具体的に何に苦しみ、悲しでいたのかは書かれません。おそらくそんな必要はないのでしょう。
ただ美しい情景描写、印象的な会話、いくつかの感情表現が話を綴ります。
ーこの土地には雪こそほとんど降らなかったが、そのかわりにおそろしく冷たい雨が降った。雨は土地に踏み入り、土地を湿っぽい冷やかさで被った。そして地底を甘味のある地下水で満たしたー
ー時折、幾つかの小さな感情の波が思いだしたように彼の心に打ち寄せた。そんな時には鼠は目を閉じ、心をしっかりと閉ざし、波の去るのをじっと待った。
夕暮れ前の僅かな薄い闇のひとときだ。波が去った後には、まるで何一つ起こらなかったかのように、再びいつものささやかな平穏が彼を訪れたー
ーねえ、誰が言ったよ。
ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲めってね。
鼠はジェイに向かって微笑み、ドアを開け、階段を上る。街灯が人影のない通りを明るく照らし出している。鼠はガードレールに腰を下ろし、空を見上げる。そしていったい、どれだけの水を飲めば足りるのか、と思うー
ー僕は一人同じ道を戻り、秋の光が溢れる部屋の中で双子の残していった「ラバーソウル」を聴き、コーヒーを立てた。そして1日、窓の外を通り過ぎていく十一月の日曜日を眺めた。何もかもが透き通ってしまいそうなほどの十一月の静かな日曜日だったー
何ももう苦しまなくていいんだ。全て過ぎ去ったことなんだ。全ては追憶なんだ。
そんな安らぎを読者に与えてくれる稀有な作品だとおもいます。
村上春樹の小説の中で1番好きな作品です。
あなたにとってのピンボールはなんですか?
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Posted by ブクログ
⬛︎気楽なのにちゃんと沁みる小話たち
前回『村上ラジオ』の1冊目を読んでとても面白かったので、2冊目も購入。
なお村上春樹の小説は未読で、遠い昔に『ノルウェイの森』を途中で挫折したままです。
冒頭のまえがきにある
「ぼくのエッセイは「ビール会社が作るウーロン茶」みたいなものだと考えています」
という表現。
「そのウーロン茶が好きなのよ……」としっくりきました。
なぜ村上さんの「ウーロン茶」が好きなのか考えてみると、文体の温度感がとにかく心地よいからなのだと思います。
ハッとさせられる価値観や考え方が肩肘張らない自然体の文章で綴られ、そこにクスッと笑えるおふざけが差し込まれる。
「真面目さ」と「おふざけ」の温度がちょうどよく、冒頭で書かれている通り「肩の力を抜いて気楽に書いている」トーンが、読む側にも心地よく伝わってきます。
印象に残った話題は本当にたくさんありました。
怒りの多くは「悲しい」に置き換えられるが、本当に怒っていいこともあり、それは静かに怒り続けていいという話。
便利なものが一つ生まれると、それがない状態が「不便」になるという話(からの、寿司屋のビールは瓶ビール一択だ、という流れに思わず笑ったり)。
「ガラスの家に住む人は石を投げないほうがいい」という、批判する側の覚悟の話。
おひとりさまのカキフライから語られる、「誰かと食べたいご飯」の話。
原子爆弾を作ってしまったことを悔いたオッペンハイマーの話。
身が裂けるような悲しみのたびに音楽に救われてきた、という話では、つらいときに寄り添ってくれる存在は人それぞれあるのだな、と読みながら思いました。私の場合は音楽や漫画などの娯楽で、無心になれるものにずいぶん救われてきたことを思い出しました。
今回もとても面白かったです。
何巻まで出ているのだろう、続きがあるならまた読みたいと思います。