村上春樹のレビュー一覧
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読書によってこんな体験ができるのか…。
私は、フカエリやその他の強制性交を天皇制を軸とした侵略戦争による日本人としての傷みと捉えて読んだ。そういった傷みを見つめることが、新しい通路を開く。「声を聞く」なんて玉音放送みたいじゃないか。
しかし、この作品はそのような歴史的視点の導入だけで安易に読み解かれるものではない。核心的な部分はここだ。
「心という作用が、時間をどれほど相対的なものに変えてしまえるかを、その光の下で天吾はあらためて痛感する。」
時間は乗り越えられる。心という作用によって。
ここに文学作品の必要性と人間が持ちうる資質への言及がある。苦しみを乗り越える資質を、私 -
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最近は対談集をよく読んでいる。この本もその流れで買った。村上春樹と河合隼雄。小説界と心理学界の大御所対談。やはり面白く、読むたびに自分のなかで立ち上がる何かがある。
「深く病んでいる人は世界の病いを病んでいる」という言葉が印象的だった。
病むということは、その人が病んでいる、というよりも、世界や社会、時代の病いをその人が引き受けている、というニュアンスで書かれており、なるほど確かにそうかもしれないと唸らされた。
私はこれまで社会と個人を分けたものとして考えていたかもしれないが、それは渾然一体としているのかもしれない。
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このレビューを書いている現在、衆議院選挙が行 -
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私事ではございますが、投稿が500冊となりました。
これからも日々、本のある生活を過ごしていきたいと思います。
自分の三大欲求は「食欲・睡眠欲・性欲」ではなく、「本欲・筋トレ欲・コーヒー欲」ですが、コロナのせいでその一角が崩れてしまいました。筋トレです。
幽遊白書でいうと雷禅です。
コロナのせいで完全に弱りました。
その中で、猛烈にランクを上げてきたのがウィスキーです。
もうウィスキー愛が止まりません。
著書に書かれているウィスキーは一通り飲みましたが、飲んだだけでアイルランドやスコットランドに行ったような気持ちになりました。
ただ、個人的 -
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ランナーとしての村上春樹のメモワール。
元競技者であり、同じくひとりのランナーでもある立場から読んだ。深く同意するポイント、春樹はこんなことを考えるんだと新鮮に感じられるポイント、いろんな発見があった。
特に2、4、6章は定期的に読み返したいものです。
p90の景山氏の「村上さん、ほんとにマジでコースを全部走るんですね」という発言が、春樹の小説であまりで出てこない表現だったので新鮮だった。まあ、メモワールだから当然なんだろうけど…
以外、印象に残った箇所を引用。
p61. 学校というのは入って、何かを身につけ、そして出ていくところなのだ。
→とある善き期間とは心地よいものであるが、その -
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BOOK3 前編ではほとんどストーリーが進まずこの最終巻も特に何も起こらず終わるのでは...?と思いながら読みはじめたが、いい意味で予想を裏切られた。
完全には回収されない伏線のようなものが結構あったが、それもいいかも。リトル・ピープルはなんだったんだろう。最後に階段を上った後の世界はまた別の世界なのだろうか。安達クミは天吾の母親の生まれ変わりなのか。
ところどころにあった別の人物のパートで同じものを描いているところが表していたものは何か。読んでいる時は色々思うことがあったが忘れてしまった。またメモしながら読み返したい。
天吾の父親が NHK 集金人をしていたのが「いちばん上手にできるこ -
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村上春樹さん、これまで読んできた作品を数えると、まだまだですが10作品くらいでした。この『スプートニクの恋人』はめずらしく上下とかに分かれていない、短めの小説。
だからこそ春樹要素が凝縮されています。
村上春樹さんにも、映画監督の小津安二郎さんが言った「僕は豆腐屋のような映画監督なのだから、豆腐しか作れない。油揚げやがんもどきならつくるけど、とんかつは作れない。」という言葉がぴったり当てはまると思っています。(前にも同じようなことをここに書いたかもしれないけど)
春樹ワールドには、以下のような人・ものが繰り返し出てくる!
・料理が得意で市民プールに泳ぎに行き、シンプルな服を着こなし、とり -
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ネタバレ走ることを本格的に始めたのは、
専業小説家となった時、『羊をめぐる冒険』を書き終えたとき、33歳。
つまり、村上春樹さんにとって、書くことと走ることが一体化している。
書き方は走り方に例えられ、走ることを通して自らの生き方を深めていっている、そんな一端を知ることができました。
身体、というか肉体、というか、
思考を深めることと身体的経験が一体化していることを、
とても意識的に自らを実験場としてその過程を書き記している記録みたいな部分もあり、
ある程度そんな感じはするけれど、ここまで突き詰めることはないから、
検証結果の精密度が高いというか、信憑性が高いというか、
何だかよく分からな -
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本当に好き。ページを捲る手が止まらない。
色んなことが繋がってくる。全てが伏線に思える。「物語の中にいったん拳銃が登場したら、それはどこかで発射されなくてはならないの。」
BOOK2 の前編でも思ったが、何のために生きるのか、みたいなことが様々な人物を通して語られている。タマルが旧友の話をしながら「言葉ではうまく説明はつかないが意味を持つ風景。俺たちはその何かにうまく説明をつけるために生きていると思われる節がある。」と言っていた部分とか。
BOOK2からBOOK3の発売までは1年あいているらしい。その時代に戻りたい。まだBOOK3が存在していないところでゆっくりと最初から読み直したい。 -
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二人の物語が交わってきた。ものごとには二つの側面がある、みたいなことが色々な場面で言及されている。
自分が文体に慣れてきたからなのか、物語が進むにつれて意図的に行われていることなのかわからないが、比喩表現が増えて頭にスッと入るようになってきた。何度か読み直したい。
不思議なことが起こり、ストーリーが面白い。一方で、それぞれの風景の描写は美しく、メッセージ性を感じるようなところもある。例えば、「人は誰かを愛することによって、そして誰かから愛されることによって、それらの行為を通して自分自身を愛する方法を知るのです。」という言葉は印象的だった。