村上春樹のレビュー一覧

  • 遠い太鼓

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    ぼくはこの3年間分にわたるヨーロッパ紀行文を読んで、なぜこんなに村上春樹が他の作家と異なり、簡単なのに難解で、愛されているのと同じぐらい批判され、独自の確固たるスタイルを確立しているのにも関わらず寛容であるのかを理解できた気がする。理屈ではなく、乾いた夏の風を感じる時のような肌感覚として。

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    2026年07月14日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    村上春樹の文章は不思議なくらい読書が進む。寝る間を惜しんで、日常の隙間時間を少しでも捻出して食い入るように読んだ本に出会うのは何年ぶりだろうか。文章体や語彙が特別なわけでもないと思うのだが、とにかく切なくて、広がりを感じる文章だと思う。結果的に綿谷ノボルという存在が示した意味とはなんだったろだろうか。それは、何か大きくて機械的なものへの果てしない嫌悪感、村上春樹が近代の日本や物質主義に対して抱く率直な嫌悪感の象徴的な存在だったのではないだろうか。自分から大切な情愛を奪う、残酷で冷酷、機械的な存在としてのヴィヴァン。そこに対の存在として強調されたのが、社会の評価や合理性から離れた笠原メイ、加納ク

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    2026年07月13日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    再読、貸した友達に返す気がないと断言されたことを思い出す。そのせいで僕は少ない給料の中から上下巻を改めて買い直すことになったのだが、それもまたよかったとせら思える。彼は自分では村上春樹を買わないだろうと言う感じがする。一人が二つ持つより二人で一つずつ持つ方がきっといい。(なんて、ここまで書いて村上春樹の文体のコピィを感じて恥ずかしい。)
    後半、デビット・ボウイという文字がもたらす感情の昂りを是非とも体験すべきだ。

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    2026年07月10日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    私も村上春樹さんと同じ1月12日生まれで、このエッセイに出てくる「わりくう山羊座」です。地道にこつこつ努力を重ねても報われず、でもひっそりと楽しく生きています。

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    2026年07月10日
  • 風の歌を聴け

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    n回目。
    何かが書かれることによって、書かれていないものの姿形、質量や手触りがこの上なくリアルに立ち上ってくる。優れた表現者は、常に自分の心を耕し技術を磨き続け、そして人が語り得ない領域への一線を土足で踏み越えない、見えないものへの畏れの感覚を持ち合わせているのだと思う。デビュー作って…すごい。。。とても好きな作品です。

    次、同時に購入している「夏帆」へ行って参ります。

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    2026年07月10日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

    購入済み

    春樹噺

    初期の村上春樹作品ははっきりしない
    終わりでもやもやしてましたが、

    最近の村上春樹作品はファンタジー?
    御伽話?的なはっきりしないけど
    終わりは明確で今作も村上春樹噺でした

    新作をありがとうございました

    #シュール #エモい

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    2026年07月09日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これぞ春樹ファンタジー。

    p276 想像していいかな?-いいとも。想像というのは鳥のように自由で海のように広いものだ。誰にもそれを止めることはできない。
    p311 これは私の偏見だが、私はハンカチを持っている男をあまり信用しない。私はそのように数多くの偏見にみちているのだ。だからあまり人に好かれない。人に好かれないとますます偏見が増える。
    p341 親切さと心とはまた別のものだ。親切さというのは独立した機能だ。もっと正確にいえば表層的な機能だ。それはただの習慣であって、心とは違う。心というのはもっと深く、もっと強いものだ。そしてもっと矛盾したものだ

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    2026年07月09日
  • 風の歌を聴け

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    村上春樹さんのデビュー作ですが、初めて読みました。
    とてもリズムが良く、軽やかな文体で、春樹らしさがとても出てました!

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    2026年07月08日
  • スプートニクの恋人

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    これもまた純度100%の恋愛小説。心がぎゅっとなる。ミュウがタイトルになっているけれど、主人公こそが「スプートニク」じゃないか。地球を中心に、行き場のない想いは永遠の巡回を続ける。
    いつも通り振る舞ってみせながら、すみれを失い、やがて水を失った草木のようにしなびていく主人公にえも言われぬ感情を抱く。自分自身の中に飼っている純な部分を取り出されて見せつけられるような、そんな感覚。宇宙空間に突如投げ出されたかような無防備さ。失って実感する「愛」が、一番真に感じられるのは不条理でしかない。けれど、そんな不器用な愛の形が私は好きで、そんな小説を描く小説家のことも大好きなのです。
    P.s. 村上春樹を誇

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    2026年07月08日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    ネタバレ



    世界が必要としているのは、名指しで「お前のせいだ!」と指をつきつけることのできる特定の悪者なのだ。

    のところ、架空OL日記の「今のうちらに必要なのは真実じゃなくて矛先だからさ」を思い出した。

    村上春樹ってめっちゃ走るんだな。

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    2026年07月08日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    ネタバレ

    ランナーにも色んなタイプがいますが、とても共感するところが多かったです。クラブ等に所属せず、SNSにも投稿しないタイプのランナーには特に。

    ・走りながら、ただ走っている。空白を獲得するために走っている。
    ・走り続ける理由はほんの少ししかないが、やめる理由なら大型トラックいっぱい分ある。
    ・長く生きなくてもいいから、生きてるうちは十全な人生を送りたい。
    ・ウルトラマラソン後のランナーズブルー。

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    2026年07月07日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    ラオスに行ったことがあり、ラオスに何があるのか、と聞かれたことがあったという理由で手に取った一冊。
    村上春樹の旅行記で文章も読みやすく面白い。あっという間に読み終えました。
    旅について哲学を持っている著者のあとがきに感銘を受けたので残しておきたい。

    本書のタイトルの「ラオスにいったい何があるというんですか?」は、文中にもあるけれど、僕が「これからラオスに行く」と言ったときに、中継地のハノイで、あるベトナム人から僕に向かって発せられた質問です。ベトナムにない、いったい何がラオスにあるというんですか、と。
    そう訊かれて、僕も一瞬返答に窮しました。言われてみれば、ラオスにいったい何があるというのだ

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    2026年07月06日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    n回目。
    本当に欲しいものに「欲しい」と言ってこられなかったわたしへの“人生に関する気の利いた警句"がたくさん。10年後位に、また読むと思う。

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    2026年07月06日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    村上春樹らしいトーン、設定とチャレンジングな設定が移り変わり、それが加速していくうちに渦の底に沈んでいくような埋没感が良かった。最近の作品とは異なる朴訥な部分も「残っていて」没入。最後にはまた読書を取り戻す感じになった。

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    2026年07月06日
  • 女のいない男たち

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    村上春樹やっぱり好きだなぁと思った作品でした。しばらく読めなくなってて、「夏帆」を読むにあたり準備体操のようなつもりで読みましたが、ノルウェイの森が大好きなわたしにはとってもよかったです。
    全員が不倫とか浮気とかセックスとかしてるのはもう作風だと思ってるので(だから苦手だ、とオットは言います)それはそれで置いておいて、出てくる人の不思議な話、もっと続きが読みたいのに、と終わるその感じとかとても面白いと思いました。シェエラザードとか、えっ!?その看護学校2年の時の話はァ!?続きお願いしまぁす!!って思ってしまったし。木野の話も、木野がまたあのバーに戻れることを祈ってしまう。
    出てくるどの人も、村

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    2026年07月05日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    読み終わったあー、
    私たちは主観と客観を相互に交換しながら生きている、実体ではなくてメタファー、象徴的なもので人と人は繋がってるんだろう。
    特に星野青年が好き。なかたさんのなすことにおおらかに受け入れ、そこから自分の過去を振り返ってどうして生きるべきかを考える。今後の人生でナカタさんだったらどうするんだろうっていうことを考えながら生きていくことになる。
    こういう、誰かに覚えられているような人間になることが繋がりってことなんだろうか、覚えられることに価値があるんかな。

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    2026年07月04日
  • 遠い太鼓

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    旅行記を読むことは時々あるが、あえて定番のイタリアやギリシャについて、それほど突飛な旅路ではない内容を手に取るのは初めてだった。きっかけは、前作で「街とその不確かな壁」を読んで、村上春樹の文章に改めて興味を持ったからだ。繊細で儚い文章を書く村上春樹であれば、同じ旅行であってもどのように感じるか率直に知りたいと思った。結果として本当に楽しめて読めたし、驚くほど読みやすくて退屈しないのが不思議で仕方がない。なぜか、ぐっと入っていける魅力がある。イタリアやギリシャという国の表情を巧みに描いてるのはもちろんだが、日本社会を「微熱社会」と表現するセンスが好きだ。日本人は喜びと悲しみの振れ幅が大きい国民と

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    2026年07月04日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    「おいしいものをたらふく食べて、お酒を飲んで、大きな声で歌を歌って、たわいの無いおしゃべりをして。~アタマを思いっきり発散するようなことって。」
    「なにか気晴らしみたいなことをしただろうか?」

    騒がしい教室のすみまでしっかりと通る声だ。
    職業が人を作るのだと、牛河は感心した。

    止まらない

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    2026年07月04日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    普通の人間と同じことを同じようにしていたらプロにはなれない

    ここに出てくるジャズ、クラシック、車
    全部全部本当にありがとう
    この本を読み終えるうちに内定が出た
    苦しい時間だった それを彩った1Q84 忘れない

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    2026年07月04日
  • スプートニクの恋人

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    わたしは、主人公のような男友達が欲しかった、性的に交わることはできないという事実は、残酷なのかもしれないけれど、すみれとKくらい心の通った相手というのがほしい。
    血を流さなくてはいけない。

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    2026年07月03日