村上春樹のレビュー一覧

  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    真実というものは存在しない。同時に、この世に確かなものなどない。自分の意識や肉体ですらそうである。その一方で、誰かを一途に想う気持ちは確かに存在する。自分自身の同一性、初恋の女性の姿、街、壁といったものは物語の中で変化を続けていくが、一途な気持ちだけは変わらない。そうした感情だけが確かなものとして、そして生きるための礎として、残り続ける。

    また再読したい。

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    2025年09月20日
  • 草の竪琴

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    夏、そして今ひとたびの秋、そして再び冬。それは螺旋ではない。傘の落とす影と同様、閉じ込められた円環。もし跳躍しなくてならないとしたらそれは今だ-ぼくは思い切って切り出した。「ヴェリーナ、ぼくはここを出て行きたい」

    ドリーとキャサリン。コリン。ツリーハウス。3人の会話が聞こえてきそうな、風景が目に見えるような、素敵ななおとぎ話の世界。コリンの成長。良かった、とっても、良かった。

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    2025年09月20日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    まだ読み終えていないのだが、とても面白い。そして、私は、彼の小説をちゃんと読んだことがない。ハマる人は、ハマるのですよね。なぜだか、数ページ読んで、やめてしまったり。文体なのか、なんなのか、わからないけれど、昔読んだときは、あまり、スーッと物語に入っていけなかった。そう、思い出したが、ノルウェーの森は読んだ。とても話題になったので、ざーっと読んで、映画を見てしまった。ざーっと流し読み、飛ばし読み的に読んだので、読んだと言えないのかも。

    この本を読んでから、彼の小説に対する思いがわかって、なるほどと、良い印象を受けた。彼の小説を読んでみようかなと思えた。

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    2025年09月19日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    2025/9/15
    ヤナーチェックのシンフォニエッタを聴きながら読みました。村上春樹の本は2年ぶりに読んだけれど、歳を重ねるにつれて面白くなっていくなと感じます。文庫版は6巻までの構成になっていましたが、少しずつ内容がつながっていくところ、同じチャプターのなかで後になって話し相手の名前がわかるところがたまらなく面白かった。村上の作品に出てくる人物は博識な人が多く、つまり彼の知識がふんだんに使われているところも私にとっては素敵だなと感じます。内容に触れるのなら、私は中野あゆみとタマルがすごく好きです。

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    2025年12月23日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ホリーが物語の中の彼女と寸分変わらず、生きて幸福を掴んで欲しいと願わずにいられない。
    同時に変わらずにいられないだろうとも思ってしまう。

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    2025年09月14日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    村上春樹さんの小説で最も好きな『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の壁に囲まれた街が出てくる物語。全体的に美しく、切なく、幻想的で、しんしんと雪の降り積もるような文章が染みます。
    村上春樹さん独特の文体も控えめですが、その分、文章の可憐さが目立ちます。
    下巻も楽しみな一冊。

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    2025年09月09日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    面白いです。青豆パートと天吾パートが少しずつ繋がってきた。前編から変わらず青豆が好きだが何か嫌な予感がする。青豆に酷いことが起きませんように、、、

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    2025年09月08日
  • レキシントンの幽霊

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    様々な角度から「恐怖」を描いた作品。

    レキシントンの幽霊は、これに似た話を入試問題で読んだことがある…夫が死んだショックでこんこんと眠り続ける母親と、眠り続ける母親を前に何もできず、孤独に鮭缶だけを食べ続ける子供の話…ケイシーをモデルにしたのかな?

    氷男は、旦那の地元に帰った奥さんみたい。

    7番目の男が1番怖い。眠れなくなった。恐怖に飲まれずそれを見つめなければならないというメッセージが心に残る。

    めくらやなぎと眠る女 は、懐かしい場所に行った時に思い出がフラッシュバックして、色々考えてしまう時の思考が再現されていた。ストーリーの意味は分からないけど、物事を思い出す時の感覚とかはめっち

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    2025年09月07日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    うわー!!!!繋がってきたァ!!!!!ワクワク止まらない、はやく次読みたい。青豆と天吾、出会ってー!!!!

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    2025年09月03日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    何回読むねん、というくらい何回も読んでる本。
    下記文章を読みたいがために何度も何度も読み返す。

    「要するに『あなたが善きことをしているときにだけ、あなたに善きことが起こる』ってことなのよ。

    いや善きことというより、むしろ正直なことって言うべきかな。規律をしっかり守りましょう、みたいな正直さのことじゃないのよ。

    もしそれでとりあえず楽しい気持ちになれると思えば、私は墓だって暴くし、死者の目から二十五セント玉をむしったりもするわよ。

    そうじゃなくて、私の言ってるのは、自らの則に従うみたいな正直さなわけ。卑怯者や、猫っかぶりや、精神的なペテン師や、商売女じゃなきゃ、それこそなんだってかまわな

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    2025年08月30日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    定期的に読みたくなる村上春樹ワールド。表現の仕方が美しいと感じてしまう。「騎士団長はいるよ」と語るところ、自分もそうありたい。

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    2025年08月27日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    村上春樹が自身の脳内現象を語っている本。日常的なことに至るまで語られていて、小説家云々よりも人間ってそういう生き方もできるんだと可能性を感じさせてくれた。

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    2025年08月24日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    街とその不確かな壁(上)』
    "Tender is the Night"との繋がりを見出せそうだった。中年の男が女性との繋がり次第で生きる意味を見出したり、無気力になったりする。
    下巻はどうなるかな。影と主人公の逃亡は楽しそうだった。


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    2025年08月22日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    情景や空気感についての表現が豊かで素晴らしく、自分も旅行しているような気分になれる。挿絵の写真も素敵です

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    2025年08月22日
  • ロング・グッドバイ

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    村上春樹さん訳のハードボイルド小説。長くて途中やや眠かったですが、最後まで読むと面白かったです。マーロウカッコいい。

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    2025年08月21日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    自分が小説家になろう(なれる)と思った理由はよく分からないこと言って誤魔化してるのに、小説を書くためにやっていることは結構具体的に書いているのが、誠実な感じがする。小説家という領分に対してあまり縄張り意識がないらしい。

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    2025年08月20日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    手を繋いで保育園から自宅まで帰るラストシーンは村上春樹作品には珍しいのでは、と思う。だいたいが、大切な人の何かが損なわれてしまって、読んでいてモヤモヤするものが残るパターンが多いのではないかと…。
    復縁⇒子育て(しかも愛情がたっぷり)のこの図式は歓迎。

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    2025年08月19日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    騎士団長に感情移入してしまいファンになった。
    登場人物(?)の中で最もコミカルで最もストレートな言葉を持っていると思う。
    ああ、でも不倫相手もそういう意味ではコミカルでストレートかも…。
    本作は会話が特に印象に残っている。秀逸かと。

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    2025年08月19日
  • ロング・グッドバイ

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    ハードボイルドの古典。レイモンド・チャンドラーの探偵フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品。ハードボイルドとは、主人公の無骨で筋の通った生き方、行動を慈しみ楽しむものだと思う。そこには浮世の経済合理性や名誉はなく、ただた個人的な「筋を通す」「原理原則を曲げない」それだけがある。そんな非現実的な生き方ができる本当の意味で「タフな」男の物語をたのしむというかなりマニアックなジャンルだと思うが、チャンドラーがそれを確立したと思う。村上春樹がなぜ彼を好きなのかよくわからないが、根底には「原理原則を曲げない」生き方への憧れがあるのだろうか。文体のシンプルなところも好きなのだろう。たまに主人公に「やれや

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    2025年08月18日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    10/10

    “救うためには、救われなきゃならない。”

    想像することが、ここでは命取りになる。
    ナツメグ、シナモン、バット、井戸、サングラス、声帯、心臓、馬、日食、コンピューター。並んだ語群が示すのは、単なるモチーフの羅列ではない。第3部は第1部・第2部と別の世界に移行したかのようであり、むしろ作品全体の集大成として、作者の音楽的なテーマと技術が一気に噴き出す場だった。

    僕が感じたのは、ツイン・ピークスの初期と『ザ・リターンズ』の差異のような段差だ。前段が導入と配置なら、第3部は深淵に沈めるショーケース。静かに、だが確実に読み手を異界へ押し込む。結果として「別格感」が生まれる。これは散らか

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    2025年08月15日