村上春樹のレビュー一覧

  • 遠い太鼓

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    村上春樹の中で一番好き。海外の乾いた空気が伝わってくるような、遠い記憶が呼び覚まされるような、そんな感覚がとても好き。

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    2025年01月22日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    何読目だろう。
    20歳に入る少し前くらいにこの本に出会って、20代の前半のうちに3回は読み直していると思う(読み返した回数はたぶん『ねじまき鳥クロニクル』の方が多いけれど)。
    社会人になった後も読み返した記憶がある。それが20代の後半だったのか、30になってからだったのかは覚えていないけれど。そして40になってまた手に取ることになった。少なくとも5回目、もしかしたらもっと読み返しているかもしれない。
    そんなに読み返す小説はもちろん少ない。村上春樹でも『ねじまき鳥』くらいしかないし、後はたぶん京極夏彦の『鉄鼠』と『狂骨』と『絡新婦』くらいだと思う(好きな作品は? って聞かれたら『魍魎』をあげる気

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    2025年01月15日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    世界の終わりのぼくが夢読みしている古い夢は、ハードボイルドのぼくがシャフリング能力をつけた時に計算士達に壁に押し込まれた記憶?(推)
    朝刊などぼくの感情に強く結びついたエピソードに出てくるフレーズが、再度出てくる事によって読者がぼくと読者の感情がリンクしていく。
    ペーパークリップもそう、どこにでもあるものが絶対ない状況にいつもあることへの違和感が、ストーリーを繋げてくれるので、すんなり二つのストーリーを交互に読み進められるのだろう。
    やみくろの巣が国会議事堂前にあるなんてヘンテコすぎて大好き。
    世界は数多くの示唆で満ちているのだ。

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    2025年01月17日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    ねじまき鳥クロニクルより文章の響きを楽しむ時間とストーリーを追う時間のバランスが好き。
    ハラハラする時間と間が抜けたようなズレがある時間との緩急が楽しい。
    二つの全く違う道筋の話が一角獣の頭骨、古い夢、壁があること、世界の終わりなどのフレーズで繋がっていくことにハッとさせられる。
    心地のいいフレーズや世界観に入り混み過ぎてしまって、二つの話がどうリンクしていくのかなんて忘れて読み続ける。

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    2025年01月13日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    今まで旅行もウイスキーも、自分は何も考えずに楽しんでたけど、こうやってゆっくり考えながら向き合っていくのはとても素敵だと思う。味わうってこういうことなのかと、大人になった気分。こんな旅ができたらいいなと思う。読みやすいし写真も良かった。読んでいる時は一緒にアイラ島に行っていた気がする。

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    2025年01月13日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    今1番気になってる作家のお2人の会話が読めてとても嬉しい。特に「騎士団長殺し」を最近読み終えたばかりだったので、インタビューの内容もついていきやすく良かった。
    川上未映子さんだからこそできる質問や、かなり深入りする質問がとても面白かった。特に村上春樹さんの小説の中での、女性の描かれ方についての突っ込んだ質問。めちゃくちゃ良かった。
    村上春樹さんの今まで読んだ(まだ数は少ない)小説は、どれも私はとても好きだったのだけれど、女性目線で読むと少しモヤモヤするところがあって、その霧が晴れたような気持ちになり、本当にこのインタビューを読めて良かったと思う。
    村上春樹さんへは、川上未映子さんがそう感じたよ

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    2025年01月09日
  • パン屋再襲撃

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    どれもハズレのない短編集。『双子と沈んだ大陸』では双子の近況を知り、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』はクロニクルの元を見ることができた。春樹ファン必見ではないだろうか。

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    2025年01月08日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    わたしの、あなたの、記憶の断片たち。そのどれもが創作物で表すことの難しい魅力を秘めていた。中でも『タクシーに乗った男』、『プールサイド』、『嘔吐1979』、『野球場』が好みであった。

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    2025年01月04日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    話の筋がどれだけ似通っていようと、毎回主人公が射精しながら考えようと、村上春樹の小説は自分にとって一種の避難所のようなものになってくれていた(村上春樹自身もどこかのインタビューで、自分の小説をそのように思ってくれるといいと答えていた記憶がある)。そして今作でも、その役割は十分に達成されているように思える。

    道理というものを超えて起きる非日常的な出来事を通して、村上作品の主人公は何かしら成長を遂げる。非日常は主人公自身が抱えてきた人生の暗がりにスポットライトを当て、かつ見離さずに進むべき道を示す。もちろん多少は心の古傷をずきりとさせるようなことや、息ができなくなるような"試練&quo

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    2025年01月04日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    第一部では謎が深まる展開でしたが、第二部ではさらにその謎が深まっていきました。全体をまだ読み切っていないので、何とも一言では表現しがたいのですが、さまざまなメタファーが散りばめられていて、どこから整理すればよいのか迷ってしまいます。それでも読むのを止められず、非常に面白く読み進めることができました。

    次回が最終巻となるので、それを楽しみにしながら読み進めていこうと思います。さまざまなエピソードが入り組んでおり、この物語がどのように展開していくのか、予測がまったくつかない状況です。

    この世界観に没入している時間は最高です。

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    2025年01月03日
  • 哀しいカフェのバラード

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    読みたかったカーソン・マッカラーズの『悲しき酒場の唄』が
    村上訳で読める日が来るとは!
    それも山本容子さんとの素敵な物語絵本になって

    なんという話しなの!

    という感想に尽きます
    全てが変わっている

    春樹さんはこの中編小説をできれば他の短編と合わせずに一冊の独立した本にしたかったという
    それも絵をつけた一冊に。
    となるともう 私たちも山本容子さんしか浮かばない。カポーティの本たちと同じように。

    それにしても、江國香織さんも書いておられるように、こんなに描いてしまっていいの?ミス・アミーリアを、カズン・ライモンを?
    と思わずにはいられない。
    けれど…このあまりにも新鮮?斬新?な物語だからこ

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    2025年01月03日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    序盤は退屈。
    ストーリーの節々で日本芸術、日本文化の古典に関する筆者の考えが聞けるので飽きがこない。
    表現がまわりくどいのが気になる時もあるが、読者がどう解釈したら良いのか道筋を丁寧に教えてくれる優しさも感じる。
    読んでる時々に優しいヒントを与えてくれることにほっこり。

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    2025年01月02日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    めちゃくちゃ面白かった 二軸で進んでいく物語の真実が、下巻で老博士によってか明かされていくのがめちゃくちゃ興奮したし鮮やかさに感動した!最高すぎた…

    これ大好き

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    2025年01月02日
  • 村上朝日堂(新潮文庫)

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    四十年前に書かれた村上春樹のエッセイ。若き日の村上春樹の生活が描かれていて新鮮で面白い。体制や過剰な資本主義とは距離を置き自分のペースで生きる彼の感覚に憧れる。

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    2024年12月30日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ネタバレ

    有名すぎてずっと敬遠していた本。僕は見栄っ張りな性格なので、手垢のついた名作をいまさら読むのが気恥ずかしい。そもそもティファニーは宝石屋だ。食事をする場所ではない。それならなぜ『ティファニーで朝食を』なのか。しかしその意味を教えてもらってから、どうしようもなく読みたくなってしまった。

    ホリーはとびきりチャーミングな女の子だ。みんな彼女に魅せられてしまう。だから自然と男たちが集まってくる。しかし誰も彼女を理解できない。ある男は彼女をこう評した。「あんたは脳みそをぎゅうぎゅうにしぼり、彼女のためを思ってさんざん尽くしてやる。ところがその見返りに受け取るのは、皿に山盛りの馬糞だ」。その男は彼女をハ

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    2024年12月31日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ネタバレ

    チョコレート色の石でできたアパートメント、コンクリートを打ち付ける雨の匂い、喧騒に溢れ誰もが自由なニューヨーク。それらがありありと文章から伝わってくる素晴らしい翻訳だ。
    やはり村上春樹の文体は凄い。何が凄いのか言語化できないのがもどかしいのだが、生命力に溢れている文章というか、いい意味でとにかく表現が生々しい。
    私は読書の感想によく「心地いい」という言葉を使うことがある。ふと気づいたのだが、「心地いい読み心地」と「読んでいて心地いい」はまったく違うことだと思う。無論、本作は後者であり、文章を目で追うことはこんなにも快楽なのだとしみじみ実感させてくれる読書体験だった。

    表題作『ティファニーで朝

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    2024年12月26日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    アイスランド、ルアンパバーンからミコノス、ニューヨーク、トスカナなどを旅する中で出会った人や食や街などの話がその時々のテーマで描かれている。米国へ行きオレゴンとメイン州の2つのポートランドを訪れる旅など、面白い旅をしているなと感じた。小説はノルウェイの森くらいしか読んだことがなかったが、名作家なだけあって文章が面白く読みやすい。筆者本人もあとがきで「もっと他の国も文に残しておけばよかった」と述べていたが、他の地域も読んでみたい

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    2024年12月15日
  • アンダーグラウンド

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    地下鉄サリン事件当日何があったのか、村上春樹による綿密な調査とインタビューによってリアリティをもって知ることができた。

    事件の被害者の方のバックグラウンドが書かれており、事件の前後で何が変わりどのような影響をもたらしたのか興味深く読むことができた。
    被害者の方々にはそれぞれの人生がありストーリーがある。
    ドキュメンタリーを超えた人生ドラマが私を強く惹きつけた。

    また、被害者方の何人かは偶然事件に巻き込まれていたり、あるいはいつもと違う行動を当日とっていたことにより被害が軽症であったりした。また、不思議な体験をされている方もおり、そういうこともあるのだなと感慨深く感じた。

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    2024年12月14日
  • 遠い太鼓

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    Audibleにて耳読。20年ぶり(!)くらい前に読んでいたが、久しぶりに。いつの間にかこの本を執筆していたときの村上さんの歳を超えていた。私も3年間海外で暮らしていたのだが、こんなにも鮮明に、濃い日々を送ってもいないし覚えてもいない…。ギリシア、イタリアでの生活の様子が生き生きと描かれている。「ダンス・ダンス・ダンス」や「ノルウェーの森」は、日本から離れざるをえなかった、日本から距離を置くことでしか生まれなかったということがよくわかった。
    それにしても、ジャズやクラシックを聴いて、どのような演奏だったか表現する村上さんの記憶力といったら!
    エピソード一つひとつが本当に面白い。

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    2024年12月08日
  • 哀しいカフェのバラード

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    タイトルで「哀しい」と言ってしまっているので、出オチしているようなのってどうかな?と思いつつ読んだ。杞憂でした。こんな余韻の話は初めてかも。あとがきで村上春樹さんも書いていたけれど、登場人物のどれにも共感できなくて、突き放されたような印象を受けた。でも、それがよかった。どうにもできない渦に巻き込まれていくような、不条理を目の当たりにするような、少しだけ心地よい虚脱感も感じながら一気に読み終えた。

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    2024年12月07日