あらすじ
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
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昔は気づかなかったが、今読み返すと人類の歴史の中で続いてきた進化論的な発展史観がいよいよ限界を迎えて(日本では学生運動の破綻をきっかけに)、いわゆる「大きな物語」が崩壊して自身の存在理由が宙ぶらりんになってしまい、もっとミクロな「小さな物語」のなかに存在理由を探さざるを得なくなった若者たちの群像劇なのだと思った。
この本の登場人物たちの殆どがどこかからどこかへ行く合間の人物なのもそういった理由があるのではないかと感じた。
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n回目。
何かが書かれることによって、書かれていないものの姿形、質量や手触りがこの上なくリアルに立ち上ってくる。優れた表現者は、常に自分の心を耕し技術を磨き続け、そして人が語り得ない領域への一線を土足で踏み越えない、見えないものへの畏れの感覚を持ち合わせているのだと思う。デビュー作って…すごい。。。とても好きな作品です。
次、同時に購入している「夏帆」へ行って参ります。
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p.121
「でもね、よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりや弱いのもいる、金持ちもいりや貧乏人もいる。だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」
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20代の頃何度も読んだ本。他の作品に比べればそうでもなかったかなと思いつつ、古本屋で見つけ再読。20年以上経った今でも読んでよかった。
20代後半抱えてきた、悩んでいた事をそのまま切り取り、かつカッコいい文章として代表して語ってくれていると感じる。
鼠、旧友、彼の未来を知っているだけに物悲しくもあり、元気な頃の彼に会えて新鮮な気持ちにもなる。私も私自身の旧友を思い出しす、もう戻れない時間を思う。
若い頃よく読んでいた事もあるだろうが、20代の頃を思い出しノスタルジックな気持ちになる。
日経プレジデント編集長「星野貴彦」氏が春樹氏の文章を「シビレる」という表現を使ったが、深く同意してしまった。この言葉がぴったりくるかな。若いころの私も春樹氏の文章にしびれたし、今回再読でもやはりしびれた。
タイトルに惹かれて
タイトルに惹かれて読んでみました。
最後に伏線が回収されていたり、所々で(様々なことにおいての)正解のない問いがあるので、考えさせられるような気がした。
一気に一通り読み終えたが、もう一度読み返したいと思いました。
区分けされているので、描写が変わりがわりに描かれていてそれもまた読みやすかったです
何度でも
神戸の高校生が18でこの三部作を読んで、人生が変わった様に思います。この小説は何度も買い直して読んでます。ATGの映画も見たいです。小林薫、巻上公一、真行寺君江と震災前のあの町を撮ってくださった、大森一樹監督に哀悼の意を示します。
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初めての村上春樹。あとがきまで含め160P、2時間程で読み終えた。1970年頃のひと夏の青春小説なのだけれど、海外作品の邦訳のような世界観で、陳腐な表現をするなら"オシャレ"だった。誰しもにあるだろう若い頃の蒼い記憶を切り取ってスクラップしたような、爽やかな読後感だった。
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春樹すげーわ、俺は100の女の子とパン屋襲撃をみて春樹ハマったんだけど文章がおしゃすぎて何書いてるかわっからんのがいいのかな内容は何もないのに会話が気持ち良すぎてスラスラ読めちゃうますね、好きな文章は
完璧な文章などのとこと
幸せかと聞かれたらだろうねと答えるしかない
昼の光に夜の深さがわかるものか
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読みやすくて面白い。わかりづらそうな文章だけど、全部の描写が頭の中で絵にできる感じで良い!
映画は本読んだ後にしよーって思って正解。
kerocchiの本の文体が、きっとこの人は村上春樹が好きなんだろうなというのがよく分かる。
煙草が美味しそうだし吸うのがよく合う本
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私は村上春樹が好きなんだなと思った。以前読んだ限りなく透明に近いブルーも気に入っていたからだ。独特の世界線の中に人間臭さが紛れ込んでおり、文章の透明度が際立つ。感想を書いている自分の言葉も村上春樹に影響されてるかもしれない。ドカンと来るような内容では無いがじわじわと私を飲み込んでくる。またきっと読み返す。
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久しぶりに読んだ。
これを読んで村上春樹はおもしろいと思ってハマった記憶があるけれど、今長編を何個か読んだ後だと若干物足りなさも感じた。
が、逆にこの短い小説の中に村上春樹の作品のおもしろさのすべてが詰まっていると言えるとも思った。
特に前書き部分のようなチャプター1の語りが好き。
それからジェイズバーに行ってビールを飲みたくなる。
日本語で語られていてきっと日本のどこかの話なのに外国のような雰囲気で物語が進む感じ(村上春樹作品の特徴だけれど)に衝撃を受けてこれはおもしろいと思ったことを思い出した。
あと、ハートフィールドが墓碑に刻んだというニーチェの言葉も印象深かった。闇を知っている人はみな同じようにこの言葉に共感を覚えると思うし、村上春樹が描くものにはその闇があるからおもしろいのだと思った。
「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」
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読み終えてまず強く残ったのは、この小説が単なる青春小説ではなく、「文章を書くこと」そのものをめぐる小説でもあるということだった。冒頭の「完璧な文章などといったものは存在しない」という言葉に象徴されるように、この作品には、文章の限界と、それでも書くことの意味が切実に刻まれている。
村上春樹にとって、書くことはただ物語を作ることではなく、自分と世界との距離を測ることなのだと思う。作中で語られる「必要なものは感性ではなく、ものさしだ」という言葉は特に印象に残った。人間が認識しようとするものと、実際に認識できるものの間には深い淵がある。それでも、その淵の前に立ち、測りきれないものをなんとか言葉にしようとする。その姿勢に、この小説の誠実さがある。
また、村上春樹の小説の重要な要素である「深く考えること」の萌芽も、この作品にはすでに表れているように感じた。軽やかで読みやすい文章の中に、人生や孤独、喪失、言葉への不信感が静かに織り込まれている。特に後半では、心配や不安は誰にでもあり、強い人間など本当はいないのだという言葉にハッとさせられた。頑張り続けて成功することだけが人生ではない、という別の角度から自分の生き方を考えさせられた。
村上春樹さんは川上未映子さんとの対談『みみずくは黄昏に飛びたつ』の中で、当時、表層的な言葉への不信感があり、そうした言葉を抜きにして小説を書こうとした結果、『風の歌を聴け』のような場所に行かざるを得なかったと語っている。その言葉を踏まえると、この小説はまさに、言葉を疑いながらも、言葉と誠実に向き合おうとした作品なのだと思う。
読みやすい文章、豊かなメタファー、本質に迫る問いかけ。村上春樹の魅力は、この一作目ですでに形になっている。派手な物語ではないけれど、書くこと、生きること、考えることの原点に触れるような小説だった。
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不思議な作品だった。
気づいたら終わってた。
春樹作品を沢山読んだ後に読み返すとまた感じ方も変わるのかな?
村上春樹は好みがわかれるようだけど、僕は雰囲気好きだなあ。大きい出来事など起こるわけでもなかったのに、ページを進める手はとまらなかった。これが人気作家といわれる所以なのか。
自分の文学的感性がまだまだ薄いからか、本質的なものに触れた感じはなく、雰囲気に浸るくらいしかできなかった。でも、なんか良いなあと思ったらこの自分の曖昧な感情も読書の良さだよな。この気持ちを大切にしたいです。
とりあえず、初期四部作を全部読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
カッコつけて人に紹介したい本。話の筋が面白いというものではないので、純文学と割り切った方がよい。「書き方ってまだこんな引き出しがあるんだ」という新鮮さがあるが、これがかなり昔に書かれているということに驚く。村上春樹は初速から凄かったんだなと。読書体験読後感が心地いい。
Posted by ブクログ
村上春樹のデビュー作。デビュー作でこの雰囲気の本を書けるというのはやっぱり独特の感性が成せる技なのか。
登場人物はいたってシンプルで僕、鼠、女性のほぼ3人。回想の中で出てくる僕の昔の彼女たちを、女性を通して振り返っていき僕の心を風が通り抜ける。
淡くて、悲しくて、不思議でそんな物語だった。
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生と死、存在価値について
漠然と考えたり、具体的に考えて恐ろしくなったりする私の心を救済してくれる作品でした。
難解ではあったけど、ぐんぐん読み進められました。
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よく分からなかったがほんとの感想だけども
ある意味 物語の中にいくつかの詩が混ざってるような感覚で読んだ
ある夏のある男の出会いと別れの話の中に
男の過去を深堀するような出来事が紐づいていたような
だけど最後はやはりタイトルのように
風のように過ごす、風向きはいつか変わる
だから人生を諦めないように
僕は・君たちが・好きだ
最後はなんだかまとまっててじんわりとあたたかい締め方でした
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村上春樹の作品は初めて読んだ。「村上春樹の文体」と言われるほど独自性のある文章と物語展開だということはなんとなく知っていたが、本当に独特の世界観があっておしゃれだと思った。「あなたが来るまで午後は1枚もレコードが売れなかったんだよ」という代わりに「あなたのおかげで昼までにレコードが3枚売れたわ」という女や小銭を貸すとき「おかげでずいぶん体が軽くなった」という男たちが非常に魅力的だった。こういった些細な言い回しが好きだなと感じた。
匿名
図書館の本で一度読んだことがある。電子書籍で2回目を読む。
村上春樹の処女作である。物語は「1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終る。」
その後の村上作品に受け継がれていく、遠回しで比喩に富んだ翻訳調の語り口はもうこの作品で完成している。受ける印象は都会的で、若々しく、病的になりそうなところでぎりぎり健全さを保っている。
鼠が食べるホットケーキにコーラをかけて食べる食事はノーベル週間にハルキストが恒例行事のように再現している。
この作品で後のすべての作品を代表していると感じる。
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文体は気取っているのに飾り気がなくて読みやすいと思った。一文が短くて演劇やドラマの独白のようなテンポ感。全然違うけどバカリズムのドラマみたいだと思った。観終わったあとで、つい脳内ナレーションしてしまいそうになる辺りも。
内容は文学青年の退廃的な夏休みのこと。冷笑が流行っている最近ではかなり冷笑の格好の的になりそうなセックスやお酒の話ばかりで、実際鼻につくのだけれどとにかく面白い。何がこんなに面白いんだろう。厭世的な文学青年の真理めいた口調が、どうしてもわたしの心の暗い部分に引っかかる。
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初めての村上春樹作品。
ストーリー性や発見があるわけではなく、雰囲気が独特。深夜にマイナーなヴィンテージ映画を眠気まなこで見ている気分。あの頃こんなだったなぁとその記憶がないのに勝手に呼び起こされる不思議な感覚。ファンタジーでもないし、リアリズムでもないし、懐古主義的な感じなのかな。とにかく雰囲気がヴィンテージ感溢れて、刹那的で綺麗。
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初めて村上春樹の本を読んだ。
読み終わったあとに本全体から何かを得られるというよりかは、空気感と自分が気に入るフレーズがあるかどうかで楽しさが変わる気がした。
その空気感は映画に近い。それとドリームポップみたいな浮遊感がBGMにある感じ。
地元の浮いた本屋で買ったけどPOPの紹介文通りビールは飲みたくなったよ
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情景描写がすごい。細かな描写を丁寧に拾ってくれるおかげで、シーンがわかりやすい。ただ、心情描写に全く共感できないから、淡々とストーリーが進んでく。結局はセックスの話で、皮肉なのか自戒なのか。
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小説を読んでいるというよりは、映画を観ているようだった。会話も朗読を想定してそうだったり、音楽やラジオの要素が多かったりと、字を読むよりは音を聴く体験が多く感じられました。
実は村上春樹は数作品しか読んでいなかったけれど、これをまだ若いうちに読めてよかった。
Posted by ブクログ
言語化するのが難しい気持ちになった。さらっと読めるのにどこか懐かしい気持ちにさせられる。景色とか匂いとかそういったものが浮かんでくるような作品だった。
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村上春樹狂の大学の先輩がいたので、気になってデビュー作を読んでみた。
全体的に読みやすいので、サラサラと読めたけど、終始この本って何を伝えたいんだろう...って考え続け、分からないまま終わってしまった。
読んだ後、ネットに載っている考察も読み漁ったけどイマイチ腑に落ちなくて、村上春樹狂の先輩にこの本に対してどんな感想を抱いたのか聞いたところ、『伝えたいテーマが無いのが最高に心地良い』とのことだった。先輩曰く、こんな風に生きられたらなんて幸せだろうな、とのこと。なるほど...
Posted by ブクログ
友人の勧めで村上春樹作品を初めて読んだ。普段読む本とテイストが違って、1回サラッと読んだだけでは全部を掴み切れてない感じがする。若い男の夏の話で、読んでいた時に感じた雰囲気はドラマのビーチボーイズっぽい感じ。
ものを書くヒントには
ものを書くヒントにはなった。内容は派手なセクシーンーンはないが恵まれた生活をしているお坊ちゃん大学生の遊びが中心、ひけらかす西洋文化の知識、若者向きの書籍としておこう。中年にはノスタジックな作品かも。風の歌を聴けのタイトルから期待したが残念、今後は試し読みしてから購入する。