あらすじ
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
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Posted by ブクログ
鼠について語ろう。この本から知りえた情報を羅列してみる。
1.金持ちである
鼠の実家は神戸の山の手にある。三階建ての一軒家で、車は二台。
2.パンケーキにコーラをかけて食べる
この食い物の優れた点は、食べ物と飲み物が一体化していることだ。
匿名
図書館の本で一度読んだことがある。電子書籍で2回目を読む。
村上春樹の処女作である。物語は「1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終る。」
その後の村上作品に受け継がれていく、遠回しで比喩に富んだ翻訳調の語り口はもうこの作品で完成している。受ける印象は都会的で、若々しく、病的になりそうなところでぎりぎり健全さを保っている。
鼠が食べるホットケーキにコーラをかけて食べる食事はノーベル週間にハルキストが恒例行事のように再現している。
この作品で後のすべての作品を代表していると感じる。