あらすじ
ビールと豆腐と引越しとヤクルト・スワローズが好きで、蟻ととかげと毛虫とフリオ・イグレシアスが嫌いで、あるときはムーミン・パパに、またあるときはロンメル将軍に思いを馳せる。そんな「村上春樹ワールド」を、ご存じ安西水丸画伯のイラストが彩ります。巻末には文・安西、画・村上と立場を替えた「逆転コラム」付き。これ一冊であなたも春樹&水丸ファミリーの仲間入り!?
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Posted by ブクログ
四十年前に書かれた村上春樹のエッセイ。若き日の村上春樹の生活が描かれていて新鮮で面白い。体制や過剰な資本主義とは距離を置き自分のペースで生きる彼の感覚に憧れる。
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映画とジャズに詳しくないので
内容を100%把握できているとは言い難いけど
飄々とした語り口が心地よい。
あと安西さんといちゃいちゃしてる対談もよい。
いい大人なおふたりだけど、チャーミングで可愛い。
肩に力入ってるなーと思ったら
村上春樹のエッセイは有効な手段。
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おもしろい!
初めて村上春樹のエッセイを読んだがこんなに面白いとは思わなかった。普段の小説からは考えられないシュールさやゆるさ、だけど文章はしっかりと村上春樹のものでとても新鮮だった。1つの話が2ページで終わるのも良かった。あっさりしていて、テンポ良く進めていけるのも好きだった。
安西水丸さんの絵がなかなか可愛らしくて、想像が捗った。
つけで本を買う話は、子供がツケ払いをすることが可能な町が存在すること自体が面白かった。今じゃ考えられないことであるからこそ、日本っていいなあと思う。
「千倉における朝食のあり方」を読んで、千倉に興味が湧いた。これを読むまで千倉の存在すら知らなかったが、肉屋がほとんどなくてサザエが大量に食べられる街 なんで面白いんだ。
コラム集なので、短くて読み易い
紙の本も持っていますが、「老眼」で小さい字を読むのがつらいので、電子書籍を購入しました。執筆当時とは時代も価値観も大きく変わりましたが、読んでいてちょっぴり笑えたり、少し考えさせられたりする点は変わらないなと感じました。でも、日刊アルバイトニュースを覚えている人って、どの位いるんだろう?今はスマホでバイト探しだものね。
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彼の作品は小説としての顔だと
「答えが明確に出ない」から好きではないです。
各自考えろ、というスタイルなのはわかりますがね…
このエッセイは面白いです。
意外なのは昔は結構ひどい生活を
送っていたようで。
今のあの姿からは全く想像がつかないです。
それとこの当時まあまあ良く切符をなくすのよ。
完璧そうな人なのにな…と思いました。
そして何気に画伯をいじるのです。
ある嫌いなものを意図的に書かせる嫌がらせ(笑)
なおその文章はグロいです。
そんなものぜってぇに見たくねぇよ!!
こちらは愛せそうだわ。
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村上春樹さんがまだ30代だった頃のコラム集。
話しかけられているような気分で読みました。
水丸さんのイラストもとっても良かった。
後半に2人の対談のようなものもあって、楽しかった。
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村上春樹が苦手な人にこそオススメ!
2014年に亡くなった安西水丸のイラストもマッチしている。
近年では言えないのでは、というような毒舌があったりで、小説からは随分と異なる村上春樹が見えてくる。
何度読み返しても面白い。
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村上春樹はエッセイの方が好きですね。朝日堂シリーズ。1作目が一番ですね。
時間のかかるステーキより、すぐ食べられる枝豆的な。
水丸さんの脱力感ある絵も良いです。
気楽になりたいときに読めます。
一躍有名になる前の頃の作品で大のお気に入りでした。
どーでもいいことしか書いてないんだけど
気分転換で再読したりしました。
ノルウェイの森あたりでバカ売れしたら手の届かない人みたいになってなんか残念な気分になりましたねえ。
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見開き一頁で完結してゆくので、読み応えがあるのに読み易い。この雑文集を通して春樹氏の人となりが少し透けて見えてきて、他の作品をより楽しめることだろう。
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初期のエッセイ。簡単に作れる酒のつまみを紹介したり、カキは食べられるがハマグリは食べられない、肉は牛肉くらいしか食べない、中華料理は苦手、という変わった偏食であったり、電車の切符で繰り返しミスするなど、村上春樹の人物像が垣間見える。今回のエッセイで映画に関するテーマが何箇所もあることから、生粋の映画好きであることがわかる。
Posted by ブクログ
「これから日本は成長していくだろう」という希望的観測を若いうちに胸に抱きながら自分の人生を歩んできた世代をうらやましく感じた。
成長を遂げてきている我が国に対して文句を言えなくなってきていることが原因で、最近の若者は閉塞感を覚えるのかなと考えた。
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「日刊アルバイトニュース」(今は「an」という名前に変わっているらしい)に1年9ヵ月にわたって連載されていたもの。1984年(昭和59年)発行からの文庫本、平成8年4月15日 25刷
実家に行ったとき持参の本を読み終わってしまい、弟が残していった段ボール箱を漁ったら素敵なものが入っていた。(小池真理子なんかも入っていたから、昔のカノジョ箱かもしれない)
この先も続けて村上春樹エッセイを読もうと思う(弟所蔵の)。
およそ40年前くらい、春樹さん、33歳〜35歳頃のコラム。
世相を反映しているかというとそうでもなく、やはりここは村上ワールドだ。
時代を感じるのはモノの値段くらいかな?
安西水丸氏の味のあるイラスト入りで見開き2ページが1回分のようだけれど、日刊だから毎日だろうし、よくネタが尽きないと思う。
1回分に一度は目から鱗というか、おおおっ!!!というか、良くもこんな文章を考えつけるなあと感心してしまう。
職探しの若者が、これだけ読んだら満足して、もう求人のページは見なくていいやと思ってしまわないか心配である。
映画の話、「こんな死に方はしたくない」ネタ、食べ物のこと、有名人の悪口ネタ(!)
そういえば「文豪の悪口本」というのを読んだことがあったけど、文豪は悪口を書くとき、やたら筆が冴えるのよね(笑)
Posted by ブクログ
いい意味でゆるくて読みやすかった。
執筆当時の80年代が、現在と変わらないものもあれば
もう失われてしまったものもあり、私はどちらかといえば80年代がうらやましく感じた。
さまざまな情報がリアルタイムで取得出来る現代と
アナログでいろんな事が不便だった昔。
どちらがいいかわからないけれど、
お金なくても楽しくて、ささやかな事で幸せになれた80年代を20代で経験してみたかったな。
Posted by ブクログ
村上春樹さんのエッセイは、人柄や人間らしさを感じるし、人を惹きつける文章だなあ。自分が生まれる前の時代の話は新鮮に読めて面白い。
安西水丸さんの挿絵も素敵です。
電車の切符を失くす話、面白くて好き。
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村上春樹のエッセイが楽しくて次々読んでいます。
これも楽しかった。
引越し、電車の切符、豆腐の話。たいしたトピックじゃないのに、村上春樹ワールドが展開されていて面白い。
豆腐屋さんで豆腐を買った経験がないので、その朝にその日食べる豆腐を買いに行くのぜひやってみたい。美味しそう。
「ミケーネの小惑星ホテル」が特に好きでした
Posted by ブクログ
村上春樹のエッセイはまじでくだらなくて(褒めてる)、めっちゃおもしろいし気楽に読めるから、みんな読んだらいいと思う。
水丸さんのイラストもよき。
虫が大嫌いな水丸さん。毛虫の話の挿絵を描きたくなさすぎて「村上さん、きもちわるいよ」のメッセージを描いちゃうの、めっちゃジワった。可愛い。
でも毛虫の話とナメクジの話はまじでキモイから要注意です。
Posted by ブクログ
えっらい昔の話ですよ、コレ。
作者が35〜6歳の時ですよ。
国電なんて走ってますよ。
切符ですよ。
それでも変わらないものは変わらないし、真理は真理だし、村上春樹も安西水丸も面白いし、つまりいいものはいいって話。
「どんな風に書くかというのは、どんな風に生きるかというのとだいたい同じだ」p.35
「いちばんヤバイのが専門家の話、その次にヤバイのがかっこいいキャッチ・フレーズである。このふたつはまず信用しない方がいい。」p.38
「年をとってから思いかえしてみると自分がすごくはりつめた青春時代を送ってきたような気がするものなのだが、実際にはそんなことはなくて、みんな馬鹿なことを考えながらたらたらと生きてきたのである」p.71
「抜け道の数が多ければ多いほどその社会は良い社会であると僕は思っている」p.80
「世の中には右から左に抜けていくだけの身につかない情報が余りにもあふれすぎてるんじゃないかと思うだけである」p.218
「若い人たちの傲慢さや無神経さって、それだけで独立して機能していて、権力に直接結びついていないから、そのぶんだけ若い人たちを相手にしているとホッとするのである。」p.272
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村上春樹さんの長編小説はだいぶ前から読んでるが、エッセイは始めて。
こんな人だと思わんかった。
個人的には、ネコの当たりとハズレの話が印象に残った。
あ、あと、電車の切符を耳に入れておくの。
また別のエッセイも読もう。
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ゆるいエピソードが多くて、心が落ち着く。特にタクシードライバーの話がお気に入り。自分は、滅多にタクシーには乗らないが、乗る機会があれば、タクシードライバーさんとお話してみたいなと思った。
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村上春樹さんのエッセイを初めて読んだ。隣でぽつぽつ話して聴かせてくれているような口調の中に、映画をひたすら見たりシナリオを見て想像を膨らませるエピソードはじめ、節々に凄みがあるのが良い。そして、安西さんの挿絵も素敵。さらに、安西さんの挿絵が描きづらい題材を持ってきて困らせてやろう、という狙いで豆腐の話が立て続けにきたり、嫌いな虫の話を敢えてしたりするのが妙にカワイイ。
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「あたり猫とスカ猫」猫にはあたりとスカがあるという。外見ではわからず、血統もあてにならない。何週間か飼ってみるとやっとわかる。村上氏の経験から、あたりにめぐりあう確率は3.5匹から4匹に一匹だそうだ。私が猫だったら間違いなくスカになるだろうから、ペットとしての面白みは足りないけど、スカに共感。
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34才、まだ熟してゐないエッセー
ビーフ・カツレツの話を読む。
すると、丸谷才一の『食通知つたかぶり』を思ひだしたりする。実際、「旅行先で映画を見ることについて」も、多分に丸谷才一っぽい。
ただ、私は食通ではないので、関心がない。(大江や司馬もさうだったらしい。)
エッセーの文体も、『いかにして鍛えられたか』『村上T』ほど、洗練されてゐない。《である》《である》《である》がつづいて単調だ。
このとき、34才である。いまでは考へられない村上の様子もみえる。
椎名誠の名前も飛びだすし、豆腐(4)でカストリ雑誌的な未亡人とふける妄想もおこなふのである。女性にたいする時代劇拷問でいいねとか。いまなら、え? って感覚。戸塚ヨットスクールに入れておくとか。そんなランボーな。
いまでは考へられない。
あとからかういった自分すらも隠蔽しだすことを考へると、その意味ではたいへん貴重なエッセー集である。
きらりと光るエッセーももちろんある。ギリシャのはなしなんかがさうだ。
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日刊アルバイトニュースに連載されたコラム集。
三十代の若き春樹さんのエッセイ。相変わらず自由でのびのび。安西水丸さんのイラストでさらに脱力感。
お気に入りは、
タクシードライバーがわけわからない民族音楽をかけて、「どこのくにの音楽かわかる?」と質問されるエピソード。スーダンの○○地方の音楽を当てるお客がいたなんて本当かな?
早稲田の映画演劇科卒業だったのか。映画を年間200本以上観ていたことにビックリ!お金がない時は、演劇博物館でシナリオをかたはしから読んだという。自分の頭の中だけの映画を作り出せるから。
知らない土地に行くと映画が観たくなるというのも面白い。
パートナーとの馴れ初めまで書いてあって若き日の素顔が垣間見えた。
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1984年刊。『日刊アルバイトニュース』に連載された、安西水丸さんが挿絵を手掛けた村上春樹さんのエッセイ。挿絵で1ページ、エッセイで2ページの計3ページが1篇の分量です。
村上春樹さんって、思ってたよりもずっと外向的だなあ、とこのエッセイから感じられました。アウトサイダーってほどじゃないまともな感じがしてる。なんか、とっても健康なんです。
80年代。こういった、くだらなさと嘘と雑学と気楽さとが混ざり合った空気感の創作物で笑ったり楽しんだりする、というのがおそらく生まれでたのが80年代ですよね。僕は77年生まれなので、物心ついてから小学校を卒業するまで80年代の(でも地方の)空気にどっぷりと染まって育ちました。だから、このエッセイを読むと、当時のどこか空っぽというか、飄々としたというか、そういったすかすかなおしゃれさの、ポジショニングがとても高いところにあったような印象が甦るのです。それは都会的なのでした(まあ、村上さんはそんなおしゃれさから片足をはみ出している感じはあります)。
今読んでみると、またそれとは別の、今だからこその違った感想も、先述の当時を想起して甦るものと並走して立ち上がってくるのでした。並走するもの、それはまず、けっこうな力業で軽業をこなしている感じがあります。書く人は、当時は当時の枠組みの窮屈さを感じていたのでしょうけれども、それでも自由闊達さがそこにはまだある。未知の荒野が眼前に広がっているなかで書いている。
つまり、今と比べてやりにくさというものもあったのだろうけれど、別の意味で今と比べてやりやすさがあったはずで、そのやりやすさはたとえば、書いた文章が売れても密やかな空間で躍動していられる、というのではないかと思う。今と80年代の、衆目というものの違い。今ってとくに情報も文章もバイアスがかけられた状態で広まりやすいだろうから。
今って良くも悪くも、すべてが同一空間に並べられやすい。みんなおしなべてまな板の上の魚にされやすい。1984年って、いくつもの小さなまな板が点在していて、それらはそれぞれの場所で密やかだったのではないか。サブカルの異空間がぽつぽつと別々にあったというみたいに。
だから、それぞれ密やかで目立つことなく、異空間の仕切りで区切られていたから、『村上朝日堂』のようなある種のやりたい放題的散文(そこにはちょっとした放縦ゆえの小さな解放感がある)がエンタメとして成立していたのかもしれない。というかまあ、そのやりたい放題が当時の若さの一面なんだろうね。本書刊行時の村上春樹さんは35歳前後だし、大人として書いているのだけど、それでも今の僕が読むと「まだまだ青さがあるぞ」と読めてしまう。そして、どことなく乱暴さをうっすらとはらんでいる。それはこの時代に許されていた(あるいは抑えられていなかった)、無知のゆえの乱暴さではないか。無知というか、当時、未だ知られていないものが多すぎて、許容されざるを得なかったものや議論されずにいたものたちの自由さ(勝手さ)からくる乱暴さ。文化人の中で、武闘派でもない、たぶん穏健派に仕訳されるような少数の人たちのなかにも、そういった「腕力」が簡単に見受けられる時代だったのでしょう。いや、現在の時代性からくる価値観で眺めると、そこに「腕力」が見えるだけで、当時はとても平和的なものとして目に映っていたと思います。こういうかたちで時代の変化を体感するとは、思いもよりませんでした。
本書のような、放縦な創作。それは、現代では抑圧がすごくてなかなか作る気にならないというか、たぶん視野の外にあるような創作論からできている。現代のこの息苦しさを認めてしまっていいのかなあ。ほどほどに放縦できるくらいが生きやすい。枠内にばかり収めようとせず、ボーダーライン上だとかグレーなところだとかを狙っていこう、と言いたくなってくるのでした。
……と論じてみてもまあ、これは完全に後出しじゃんけんであります。今回は言いたい放題ぽく書いてみました。
Posted by ブクログ
人生初エッセイは、最近ハマっている村上春樹から。物語でなくとも、これといったテーマがなくとも、この人の文章はなかなか面白い。初めてエッセイというジャンルを読んだが、物語とも論説とも違って、著者の人生観に、文章を通して(直接的に登場人物を介在せず)迫れるということは、人生の先輩から色々と非日常的な物事等を学べるので非常に価値があると思った。またエッセイにもぜひチャレンジしたい。
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当時の世の中の空気や流行りごとがわからないので、共感のモテない話題も今の世の中で暮らしていると思うのだけど、人の本質は変わらないなあという部分も多い。
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『日刊アルバイトニュース』に連載されていたエッセイ。2ページの分量という制約のなか短サイクルで生み出される創作物に凄みを感じるものの、著者が別の作品で語っていたような「物語に成らなかった物語の澱」みたいなものなのかなと思った。読み易く消化抜群だが、後味めいたものは覚えておらず。安西水丸氏との(日本独自の文化の)対談は緩くてなかなか好きだ。