【感想・ネタバレ】大いなる眠りのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2018年12月23日

探偵フィリップ・マーロウが石油富豪一家の闇に探り込んでいく話。はっとするような比喩表現が散りばめてあり、それだけでも読んでいて面白い。それにしてもこの姉妹は現代のパーティピープルな米国セレブを描いているようだ。こういう人ってこの時代からいるんだね。
話の筋が時々分かりにくくなるけど、巻末の翻訳者・村...続きを読む上春樹の解説を読むとそれもOK!と思えてくる。

いくつかの殺人が話に出てくるけど、お抱えの運転手を殺したのは誰なのか?それが最後まで分からなかったなあ、よく読めばどこかに伏線があったのかなあ…と思っていた。
が、解説によると、当時チャンドラー氏に犯人を誰か聞いた人がいて、「私も知らない」と答えたそうだ……
そんな裏話を盛り込んだ解説も面白い。春樹のチャンドラーへの愛が感じられる(カズオ・イシグロ氏とチャンドラーの素晴らしさについて熱く語り合ったそうだ)。
チャンドラー氏は、三流文芸雑誌の出身。遅咲きのミステリー作家。生活費を稼ぐために型にはまった書き方をせざるを得なかったそうだけど、それが逆に氏の小説執筆における足りないところ(プロットづくり)を補ってくれたようで、生来の表現能力を存分に小説に活かすことができたそうだ。

チャンドラーもこれで3冊目。
良かった順番は、
1 ロンググッドバイ
2 大いなる眠り
3 プレイバック
有名どころをもう読んでしまったのがさびしい。

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Posted by ブクログ 2017年01月10日

名前だけは聞いたことのある私立探偵フィリップ・マーロウ。
村上春樹翻訳ということもあって読んでみました。
読んでいくうちから映像として流れるような文章は初めてですね。
ミステリーだが、アクションが多めでテンポもいい。
何よりマーロウがとてつもなくかっこいい。
容姿の描写はあまりないが、芯の強さを表...続きを読む現する行動がとても真っ直ぐで淀みない。
登場人物のほとんどが裏社会に通じている中、マーロウは通じていても染まらないというか、自分のラインを決めて行動して結果を出している。
女性には嫌われるようだが、それはきっとマーロウが女性の思い通りにはならないからだろう。
それでも惹かれる。
シリーズ制覇したい作品。

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Posted by ブクログ 2017年01月06日

今さらレビューは不要の名作。それだけに難癖をつけたくなる気もするけれど、やっぱり面白いものは面白い。好き嫌いは当然あるだろうけれど、チャンドラーの、あるいはマーロウの世界像と村上春樹さんの文体は非常によくマッチしていると個人的には思います。

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Posted by ブクログ 2016年03月09日

私立探偵フィリップ・マーロウの登場する最初の長編作品。双葉十三郎訳で昔読んだのだが、内容は全く忘れてしまっていたので、最近の村上訳で読み直してみた。やはり素晴らしい作品。

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Posted by ブクログ 2024年01月20日

昔読んだはずだけど、ほとんど筋を覚えていない。
マーロウ以外の登場人物も。
今回あらためて読んで、それも無理はないと思った。
謎らしい謎もなく、マーロウ以外の人物も魅力に乏しい。魅力的なのは探偵だけ。

それでも、その文体と独特なナラティブは驚嘆に値すると思う。チャンドラーは、本当にユニークな作家だ...続きを読むとあらためて思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月27日

読むのは結構しんどいが、心地よい疲れだ。
一応ミステリだが、謎解きにあまり意味はない。ちょっととってつけたような種明かしだし。独特の比喩に一言多い登場人物、一筋縄でいかない会話。そしてとにかく行動する探偵フィリップ・マーロウ。一匹狼で妥協がない。その行動と言葉が本作の魅力。

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Posted by ブクログ 2023年04月15日

ロンググッドバイに続き、チャンドラーを読むのはこれが2作目。こちらが1939年に発表されたシリーズ第一作とのことで、フィリップ・マーロウはまだ33歳と若手。村上春樹の新訳も手伝って、全く古さを感じることなく、映画を楽しむように読めた。自分にはこの魅力をうまく表現出来そうにない。あっと驚く伏線回収があ...続きを読むったり、ロジカルな推理が繰り広げられるようなところは無く、何となくモヤっとするところもあるんだけど、まんまとハマってしまった。本作の訳者あとがきもチャンドラーへのリスペクトと愛情が感じられて良いです。

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Posted by ブクログ 2022年10月17日

フィリップ・マーロウもの、第1作
『長いお別れ』や、『さようなら愛しいひと』と異なり、珍しく私立探偵として依頼を受けて仕事を始める形式。
少し文章が固いけれど、面白い。
撃っていいのは撃つ覚悟をもっているやつだけだ!って文章どこにあったのだろう。

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Posted by ブクログ 2022年08月23日

私立探偵フィリップ・マーロウシリーズの第一作目。訳者村上春樹のあとがきにもあるとおり、シリーズ一作目にしては、こなれた文章であり完成度が高い作品である。それもそのはず。仏誌にて『二十世紀の名著百冊』にも選出されている。危険を顧みず強引に突破する主人公のフィリップ・マーロウにはいつもヒヤヒヤさせられる...続きを読むが、その無謀さこそが彼の魅力の一つである。また、どんなに命の危険が迫っていても、臆することなく冗談をかますユーモアな一面が何より見どころであろう。

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Posted by ブクログ 2021年10月22日

「長いお別れ」に続いて再びチャンドラーに挑戦。
長いお別れがあまりにも面白く、同じようにあっという間に読めるかな、と思っていたが、この本はそうではなかった。
とにかく登場人物や事件が入り組んでいて、話の筋が理解できない。
最後のどんでん返しでも、いまいちよく意味がつかめず、読み終えた。
結構時間がか...続きを読むかってしまった。
訳者のあとがきを読んで、納得した。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月06日

村上春樹の訳者あとがきに、すべてが要約されている。
チャンドラーの長編第一作である本書は、1939年(著者51歳)に発表された。
わずか3カ月で、書き上げている。
細かなプロットの積み上げではなく、フィリップ・マーロウの身の動きに目を引かれる。
書きながら、手を動かしながらどんどん筋をこしらえていく...続きを読む。それが文章を書くことのいちばんのスリルなのだ。そしてそのダイナミズムは自然に読者にも伝わっていく。
チャンドラーは言葉を躍らせる。
我々は誰しも自由に憧れる。しかし自由であるためには、人は心身ともにタフでなくてはならない。

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Posted by ブクログ 2021年03月18日

ずっと読みたかった本のうちの1冊。
冷静でシュールな私立探偵・マーロウ。
何度も危うい目に遭いながらも、その飄々とした姿は、何故か安心感すら覚える。
そして、ウィスキーを飲みまくりながら真相にたどり着く…。
これを読んで、何かの教訓を得るとかそういうことはないのだが、今の自分の心には、こういう話が必...続きを読む要なのだ。
さて、次の事件を解決しにいこう。

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Posted by ブクログ 2020年10月26日

チャンドラーの作品を読むのは2冊目。おもしろいですね。マーロウの冷静でシュールな姿が素敵です。今回もミステリアスな内容になっていて、どうストーリーが展開されるのか楽しみながら読みました。

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Posted by ブクログ 2020年10月16日

傑作と聞き、ハードボイルド小説入門のつもりで着手。
数十ページ読んで、内容は面白いが文体が生理的に無理。と思って訳者を見たら案の定苦手な作家だったので、次から翻訳小説を読むときはきちんと訳者を確認しようと思った。

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Posted by ブクログ 2020年01月25日

フィリップマーロウが、本格的に登場した作品。読み終わりました。

 
強情、一匹狼、皮肉屋、タフ、セクシー、そんな言葉が思い浮かぶ男。

頭の内で勝手にイメージを作って楽しんでます。

映像作品もあるらしいけど、観ないほうが良いのかなあ。

 

探偵が出てくるミステリ―作品だが、よくある名推理てい...続きを読むうのは出てこないなあという印象。

行動力と直感で物語がすすんでいくのが小気味いい。

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Posted by ブクログ 2019年09月30日

村上春樹訳。
フィリップ・マーロウシリーズの第1作。
複数の事件をマーロウが解決していく。
村上春樹の解説が素晴らしかった。
次→さよなら、愛しい人

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Posted by ブクログ 2020年04月24日

マーロウは資産家の将軍に呼び出される。娘が賭場で作った借金をネタにゆすられているという。犯人らしき男が経営する古書店を調べ始めた。

2014.7.25刊 村上春樹訳 ハヤカワ文庫 購入

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Posted by ブクログ 2017年08月20日

村上春樹氏の翻訳が出版されるようになって、チャンドラーを改めて読み直したりしている。昔読んだ時とかなりイメージが違う部分があって、翻訳が異なるせいか、自分の年齢のせいか、はかりかねている。

といっても、この作品は初めて読む。チャンドラーの長編第1作である。

マーロウが若いな、というのが第一印象。...続きを読む30代前半だから当然なのだけど、もっと老成していた印象をずっと持っていた。作者の描き方なのか、翻訳の雰囲気なのか、僕の年齢なのか。これも判断に迷うところだ。

話がするすると発展していく上に、マーロウ自身が何を考えているのかさっぱり語ってくれないので、映画のシーンを観ているように、マーロウの心に映る世界をじっと眺めている感じになる。時にはそれがまだるっこしくて仕方がない時もあるけれど、自分の気分にぴたりとはまる夜には、いつまでもその世界にいたくなる。

どちらかといえば地味な事件である。だからこそ、登場人物の印象がくっきりしている。それぞれがそれぞれの不幸を背負って生きていて、マーロウの動きに添って、じんわりとブレンドされ発酵していくような。

読書を楽しむというよりも、鏡を見つめているような気持ちになり、まるで試されているような気分で読み終わった。

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Posted by ブクログ 2017年03月25日

老いた富豪の元に届いた借用書。
この強請りを解決するよう依頼された
フィリップ・マーロウが
複雑に絡み合った事件に挑む。


噂には聞いていたが、
ミステリとして特別インパクトが
ある訳ではなかった。
むしろ粗が目立つ程。
だがとにかく文章が魅力的。
マーロウの台詞、スタイルが
格好良くて痺れる。
...続きを読む情景描写、比喩の表現が多彩で
これを村上春樹が訳す事で
翻訳のロスを最小限に止め、
本来の魅力を最大限に引き出して
いるように感じられた。

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Posted by ブクログ 2016年04月27日

待望の新訳!丁寧で整った訳のおかげでわかりづらかったところも読み取れるようになった。表裏一体だった冗長さも本作では気にならない。しかしギャルゲ―かと思うくらいガンガン来る娘たちだ……(だからこそそれを捌くマーロウが引き立つのだが)。

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Posted by ブクログ 2016年08月15日

チャンドラー作品を読むのは四作目。本作が長編一作目らしい。マーロウの荒っぽい行動と冷静な分析力は相変わらず。村上氏もあとがきに書いていたが、細かい整合が取れているかは考えず、マーロウの動きに身をゆだねて読むくらいが一番楽しく読めると思う。

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Posted by ブクログ 2017年05月21日

レイモンド・チャンドラーの村上春樹翻訳シリーズ。過去に読んだ「ロング・グッドバイ」、「さよなら、愛しい人」がいずれも素晴らしかっただけに期待していたけれど、期待を裏切らない作品。

チャンドラーの作品における印象的な主人公である探偵フィリップ・マーロウが初めて登場する作品である本作も、自由に、かつシ...続きを読むニカルに動き回る彼の姿を堪能できる。

依頼人からのさほど複雑ではない依頼を解決するために動き回るうちに、彼の周りで多くの殺人や起こり、そして行方不明になった一人の人間を見つけることが、依頼人にとっての本当に依頼ではないかと気づく。「大いなる眠り(The Big Sleep)」というタイトルは、この行方不明者の行方と、彼を待ち続ける依頼人の二人の姿を暗示する。

まっとうに面白いハードボイルド小説の極み、長らく未読の「リトル・シスター」もこれを機に再読したい。

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Posted by ブクログ 2024年01月31日

フィルム・ノワールの傑作として名高い「深夜の告白」を始め数々の映画脚本を手掛けたチャンドラーは、小説を執筆する際も絵コンテ並の完璧なイメージが頭のなかに出来上がっていたのではないだろうか。そう思わせるほどに人物や情景、生活様式などが事細かに記されており、それらを想像しながら読むのがとても楽しい

...続きを読む雑に絡まった人間関係が終盤で収束されていく展開はあまりに見事で、初めての長編となる本作で既にハードボイルド小説の王道的なものを極めてしまったと言っていいかもしれない

結びの印象深いフレーズも、これ以降あらゆる作品においての常套句になった気がする

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Posted by ブクログ 2022年10月03日

なるほど、ハードボイルドとはこういうものかというのはわかった気がする。行動第一、とにかく自分から動きまくって、事件に自分から潜り込んでいく。論理的な謎解きを求める人には向いてないとも思った。
終盤のマーロウの語りで明らかになる、大いなる眠り(死)に対する考え方にはドライさと情が同居するハードボイルド...続きを読むのかっこよさが表れていると思った。

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Posted by ブクログ 2022年02月10日

名誉をも守るための工作
権力のある人物は自分の「名誉」を護るため、自分ではなくある組織を頼り実行させる。その実行とは本人には危害が全く及ぼされない「法に触れるやり方を選ぶ」となる。現実政治家等に見られる起訴事件などは多くがこの種の行動であり、最後は「一才無関係」と交わす手だ。

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Posted by ブクログ 2019年12月17日

初チャンドラー、初フィリップ・マーロウ。各セクション毎の展開に関連性があるようでなかったり、ミステリー作品の構成として腑に落ちない場面は多々あれど、キャラクターの魅力ひとつあれば作品は成立するという説得力に満ちている。マーロウとオールズの関係、ガイ将軍への敬意など、魅惑的な描写に感嘆しつつも、話の筋...続きを読むを追うのに精一杯で、達成感より疲労感が勝ってしまった。整合性を求めるのではなく、独特の言い回しや世界観を味わってみるのが正解だったのかもしれない。次回は"Don't think, FEEL!"の気持ちで挑戦だ。

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

村上春樹翻訳作品を読みたくなって手に取った一冊。割りと刑事ものは好きなんだけど、そこまで刺さらなかったなぁ。登場人物の姉妹がどうも好きになれないというか。新宿鮫的な話のほうが好きな自分はどうなんだろう。

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Posted by ブクログ 2017年01月15日

ストーリーが錯綜して読みにくいなと思ったら、解説でチャンドラーが以前書いた短編をまとめて長編にしたて直したと書いてあり納得した。
謎解きを楽しむのではない、文体とストーリーの展開を楽しむ本。

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Posted by ブクログ 2017年01月09日

マーロウシリーズ2作目。こちらが先に書かれてものだったけど、後になってしまった。
ロンググッドバイに続いて。
そうか、こういう調子というか、書き方というか、雰囲気なのね。
ふむ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年11月19日

フィリプ・マーロウは元警察官の私立探偵。ハリウッドに住むスターンウッド将軍に、とある脅迫事件について調査を依頼される。
将軍には二人の娘ヴィヴィアンとカーメンがいるが、ヴィヴィアンの夫ラスティ・リーガンは1ヶ月前に行方不明になっている。将軍はその件についても気にしていた。
マーロウが脅迫写真ガイガー...続きを読むを追い始めると彼は古本屋を隠れ蓑にして猥褻写真集の貸し出しを生業にしていることを知った。
ガイガーの店から彼の車を尾行して自宅を突き止めたがそこへカーメンがやってきた。
その後、発砲に気づいて屋内に飛び込むとガイガーの遺体と全裸のカーメンを発見した……。



1939年発表のチャンドラーの最初の長編だそうです。
訳は村上春樹。
少々読みにくいかな、といった感じでした。
これは訳の問題なのか元々の話の運びのためなのかちょっとわかりません。
ガイガーの死の真相が分かった時点でもう話は終わるのかな、という雰囲気になったけれど、まだ本の半分くらい。
将軍からはラスティ・リーガンの行方を調査して欲しいとも依頼されていないので、一体これからどんな展開になって行くのか皆目見当がつかず。。。
しかし、後半からがぐっと話の濃さが増してきました。
ガイガーの脅迫からどんどん転がっていって、ラスティが一体どうなったのか、どうして行方をくらましたのかということがわかり。
誰も幸せにならない結果で、余命幾ばくもない父親を案じたヴィヴィアンの気持ちは痛かったです。

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