【感想・ネタバレ】ポートレイト・イン・ジャズ(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

和田誠が描くミュージシャンの肖像に、村上春樹がエッセイを添えたジャズ名鑑。ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだのは、マニアを唸らせ、入門者を暖かく迎えるよりすぐりのラインアップ。著者(村上)が所蔵するLPジャケットの貴重な写真も満載! 単行本二冊を収録し、あらたにボーナス・トラック三篇を加えた増補決定版。

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感情タグBEST3

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ジャズ喫茶も経営していて造詣の深い村上春樹のエッセイ。ジャズ奏者約30人に関して独自の感性と表現力で、彼らの音楽を聞いて感じたことやそのレコードに対する思い出などが書かれている。
1人5ページぐらいの記載なので気楽に読める点も良い。紹介されているジャズ奏者やアルバムは漏れなく聞きたくなる表現力や文章力はさすがです。
ジャズのことをもっと知りたいと思えるし、ジャズをもっと好きになることが出来る本。批評に関しては評論家が書いた読み物がたくさんあるけど、春樹のジャズに対する愛や向き合い方が書かれたこの作品は唯一無二だと思う。

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2025年05月21日

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ネタバレ

和田誠さんの絵、村上春樹の文章。それだけでお酒が飲めそうなコンビ、青春と自分だけの時間、それをジャズの名盤というよりも村上春樹の好きな盤を一つセレクトし、その人や音楽についてさらりとエッセイを添える。という感じか。セロニアスモンク、やっぱり自分もこれだけはというのはキースジャレット。アートブレーキーとかMJCとか、やっぱり素敵な音楽とは、自分が好きなものを好きなように聞くということであって、誰かのおすすめとか、自動的にマクロ的に出されるおすすめではないんだろうという、アプリへのアンチテーゼにも感じる。音が、解体と統合を行う過程のジャズの面白さ。思わず、自分の家のレコードと比べてみてしまったり、そうか、そういう考え方もあるのか、なんて素敵な時間を過ごせた気がする。思わずキーズジャレットのワルツフォーデビーをターンテーブルに乗せてしまった。

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2021年09月20日

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この本はジャズメンやアルバムに関する解説書ではない。タイトル通り、ポートレイトであり、また物語である。少なくとも自分はそう感じた。

それにしても、ジャズに対する村上春樹氏の造形の深さを改めて感じる。単にジャズをたくさん聴いているだけでは、このような文章は書けないだろう。

和田誠氏のジャズメンの肖像も見事である。

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2020年05月10日

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和田さんのジャズメンの絵の味わい深さに加えて、村上さんの的確な文体はジャズファンでなくとも引き込まれ、どうしようもなくジャズを聴きたくなってくるちがいない。ジャズピアノ専門の私も思わず触手がのびてしまう。お見事!と言いたい。

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2016年05月30日

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ジャズの深い味わいがしみじみと聞こえてくるような、珠玉のアーチスト紹介です。ジャック・ティーガーデンという名前は知りませんでしたが、ぜひ一度聴いてみたくなるような美しい文章での紹介でした。寛いだ暖かい響きのトロンボーンによるバラードだそうです。!バリトンのジェリー・マリガンが麻薬に溺れていたなど、不幸な生活を背負っていた人たちが多いことを改めて痛感します。和田氏の26人の絵(ポートレイト)が本当に楽しく、村上氏が書いているように音楽の雰囲気を語っています。

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2013年08月16日

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「音楽を書く」とは、こういうことかと実感させられます。
いろいろと聴きたくなるアルバムが増えて困ります。

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2012年10月12日

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あえて名「本」でなく、名「盤」と呼ばせていただきたい。

昔ジャズ喫茶のマスターをしていた村上春樹の確かな審美眼と
和田誠のほっこりイラスト
説明の要らない大人の一枚

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2010年04月30日

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ジャズを聴くと『ポートレイト・イン・ジャズ』が読みたくなるし、『ポートレイト・イン・ジャズ』を読むとジャズを聴きたくなる。そんな本です。

というのも、久し振りにセロニアス・モンクを聴いていて、またこの本を読み返したからです。

様々なジャズ・ミュージシャンが、村上春樹の文章によって、和田誠のイラストと共に彩られていく本書ですが、大好きなセロニアス・モンクについての文章をちょっと引用してみます。


「濃いブラック・コーヒーと、吸いがらでいっぱいになった灰皿と、JBLの大きなスピーカー・ユニット、読みかけの小説(たとえばジョルジュ・バタイユ、ウィリアム・フォークナー)、秋の最初のセーター、そして都会の一角での冷やかな孤独 ーーそういう情景は、僕の中では、今もまっすぐにセロニアス・モンクに結びついている。素敵な情景だ。」


・・・素敵な文章だ。

こんな感じで、一人のジャズミュージシャンにつき、3〜4頁ほどで書かれていますので、ジャズを聴きながらのコーヒータイムにもピッタリ。

村上春樹の文章自体が綺麗なので、聴いたことのないミュージシャンの稿も楽しめるのですが、著者の小説に出てくる料理のように、文章で書かれたものの方が美味しい場合もあります。

こんな風に音楽について書けたらいいのになぁ。

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2009年10月04日

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村上春樹がジャズの入門者のために書いた本。
和田さんがデザインしてくれて、それぞれのジャズ・アーティストの特徴がわかる。


ジャズバーで働いていただけの事が伝わってくる、初心者からマニアまでもカバーする一冊だと僕は思う。

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2009年10月04日

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宮沢賢治を追って、な岩手旅行でお世話になったペンションで出会った一冊。面白い、何より挿絵がジャズメンの特徴をよくとらえてる!

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2009年10月04日

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ジャズという音楽に浸りたいと、寄る年並みのせいか(?)思うようになった時に、この本を手にした。丁度、村上春樹作品を読み耽っていたタイミングと符合した。Apple musicのプレイリストに本にあった人らの曲を放り込んで、マイリストを作り終えた。音楽を聴きながら、もう一度読み返したいと思えた一冊。

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2023年09月12日

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ものすごくジャズが聴きたくなる本。
まあ聴いたところで私が同じように感じられるとは思わないし、違う好みもあるだろうけれど(それは本人も述べている通り)、音楽をここまで映像化したり、温度を感じられる文章で表現しているのは珍しい気がする。
まさに全身で受け止めている感じ。
私ですら名前を知っている人もいれば「へぇ有名だったんだ」という人もいるけれど、かなり興味深いです

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2018年05月11日

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わたしはジャズとか全然詳しくありませんで、??というところも多々ありました。

でも何かしら気になる曲は聞いてみて、

ジャズって素敵だな、と思ったりもしてみました。

ほんとね、和田誠さんと聞くと、奥さんの顔が即座に思い浮かび、ジャズも何もあったもんじゃないような気分にもなるんですが、あんな奥さんがいてくれたら、ずっと笑って過ごせそうだって思えてくるので、なんか、分かるよ、って、言いたくなってしまいます。

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2017年08月13日

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新たな地平の開拓という意味で最近jazzを聞き込み始めております(最近のrockはどうも、、、何というかキャッチーさが足りないんですな。やたらとギターとドラム音をがなり出してるだけみたいな、、、うーん、当方も年を取ってしまったのか。とは言いつつclassicとは結局折り合えなかったところ、中途半端でもあるのだが)。
そこで何か素人に取っ掛かりを与えてくれる本はないかと探していたところ本作に出会う。この本が入門本として良いのか否かは正直判断できないけれども、この本への賛否両方の反応に対応していけば、jazzの世界には浸れるということではないかな?
ともかく村上春樹のjazz愛は半端なものではないことだけは確かに理解できる。そしてその文才も。これほどまでに自分の言葉で語ることができるとは、、、jazzは間違いなく村上春樹の小説のバックボーンの一つです。何より音楽という美しい世界をひたすら愉しむ感性、趣味という観点から単純に羨ましいかぎりです。

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2015年07月07日

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最近は友人に誘われてライブに行くこともあるのですが、実はこれまでほとんどジャズは聞きませんでした。でも村上春樹は大好きなのでこの本を手には取りましたが、普通に読んでもピンと来ないのでそれぞれのミュージシャンのエッセイに合わせてその演奏を聴きながら読むことにしました。最近は月額固定の聴き放題サービスを使っているので、そちらで検索しながら少しづつ読んだのでめちゃくちゃ時間はかかった。
が、これが大正解。春樹氏の文章の意味するところがなんとなくわかるし、これまで敷居が高かったジャズという音楽が少し好きになりました。
何名かはお気に入りができました。今日車でソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」とホレス・シルヴァーの「ソング・フォー・マイ・ファザー」を大音量で聴きながら首都高走ったらすごい大人な気がした。これまで聴かないで損したなあ。

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2015年06月28日

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ジャズが好き、和田誠さんの絵が好き…で購入したのですが、この本を読んで村上春樹さんの短いエッセイのファンにもなりました! 行間から、「音が聴こえてくる」んです。この本を読んでから聴いたビル・エヴァンズ「My Foolish Heart」、マイルズ・デイヴィス「Four &More」…ああ、村上春樹はこの音をそう表現するのか…と、うっとりしました。まだ聴いていないとっておきの曲がまだまだたくさんあって、考えるだけでわくわく。CD化もされていて、村上さんがエッセイを添えていますが、これも涙もの。ジャズとはどういう音楽か? 村上流のめちゃくちゃ素敵な答えがそこに。これもぜひ読んでみていただきたい名エッセイです♪♪

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2014年02月22日

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ジャズの入門書としてよいかも。
もちろんジャズをそれなりに聴いてからでも、そういう聴き方があるのかと参考になる。
ジャズ批評家の書いた偏見丸出しの文章にはない、知性と文章力と余裕がある。

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2013年06月17日

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音楽にも精通している氏らしい、自身のエピソードも織り交ぜた面白いジャズガイド。しかし、掲載盤の中には入手不可及び困難なタイトルも結構あるんですよね…まあ、ジャズクラには良くある話ですが。その点、注意。

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2010年11月08日

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もともとジャズは好きだし、好みが似ていたので、読んで楽しかった。分かりやすく、ジャズを知らない人にとっても良い本だと思う。

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2010年04月19日

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村上春樹の小説を読んでなんとなくジャズというものに興味をもち、そして、本作を読んで「よし、ジャズを実際に聞いてみよう」という第一歩を踏み出すことができた。
今ジャズを聴くようになったのも、村上春樹のおかげです。

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2010年03月15日

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村上春樹の作品には何度もジャズやクラシックが登場してきます。それは作者が好きだし、精通しているからとききました。

どれくらいなのかなぁ~と思って購入してみました。

内容は作者の著名なジャズミュージシャンに対する作者の個人的な想いがつづられています。

著名な音楽化が説明する説明書よりかは敷居が低くて、ジャズのCDを借りる度に参考しております。

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2010年02月24日

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ネタバレ

JAZZ初級者にはありがたい、絵と文章で楽しめる1冊(というか、読んだのは文庫でなく単行本1,2と分かれているほうで)。

面白いのは、三者三用の感覚を楽しめること。イラストを描く和田誠と、それに文章を寄せる村上春樹、一人のJAZZ Manに対するイメージ、思いが微妙に違っていたりする。勿論、D.エリントンやサッチモなど誰もが思い描くイメージどおりのイラストと文章というプレイヤーもいるが、マイルスを和田が暖色のトーンでシンプルに描いているの対し、村上は”マイルズの演奏は深く痛烈”と、”黒々とした陰鬱なジャケット”とアルバム『Four & MORE』に言及したり。

そこに読者である自分が、時には和田のイラストと自分の印象が重なるなとか、村上春樹はそんな風にこのミュージシャンの音を聴いていたのか!?と、自分はどっち寄りなんだろうと楽しみながら読める。

概して和田誠のほうが世間一般のというか、自分のイメージと合うことが多い。というか、やはり村上春樹のほうが読みが深いというか、独特なんだろうな。
とはいえ、ホレス・シルバーを、和田はいつもずいぶん洒落て優男風に描くものだ。先に読んだ『ボクはもっぱらレコード』(吉田直・著)の中の対談でアルバム『Serenade To a Soul Sister』に採用されたイラストが紹介されているが、そこのホレスも目を伏せた柔らかな笑顔のペン画。そして本書(vol.2)の表紙にもなっている絵は似たトーンの優男ちっくに微笑みピアノの前に座る姿が描かれている。
本人の姿を私は知らない。ファンキージャズの始祖というキャッチフレーズと、「Song For My Father」に代表されるようなヴォサノバチックな音楽から想像される、もう少し賑やかな印象を持つ。和田のイラストのイメージとのギャップが大きかったりする。

和田がVol.1でソニーロリンズを取り上げてないのも、そしてVol.2でも、文庫本にさらに3人が追加されたとしても、ジョン・コルトレーンを描いてないのも、なんだか面白いもんだな~。

音を聴きながら、絵を見ながら、文章を読みながら、2人のJAZZファンの大先輩が見たミュージシャン像と自分のイメージとのギャップを愉しみながら読める良書。

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2016年01月15日

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ミュージシャン一人一人について村上氏がコメントを綴る。
村上節が出ている。
解説本というより短編集のような印象。
もう少しディスクレビューがあったらよかったかも。

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2013年06月13日

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週に一度は耳にしていたジャズが、ある日突然体に染みこんでどこかに落ちていった。きっと、予測不可能でゆらぎとグルーヴを楽しむ大人の音楽、ジャズを楽しむ準備ができたってことなんでしょう。ということで、本腰をいれてジャズに取り組むことにしました。

村上さんはやっぱり年代のせいか、古いものが好きですね。キース・ジャレットやブラッド・メルドーをよく聴く私にとっては、ウェス・モンゴメリー、オスカー・ピーターソンなんかはは新鮮でした。
村上さんに共感できるかというと、微妙。。やっぱり育った時代が違うのが決定的でしょう。ジャズ黄金期にあって、どんな人がどんなふうにいいのかということを入門的に知るにはいい本だと思います。

和田さんのイラストはどれも好きでした。

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2013年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

村上春樹の小説の主人公が、その作品中に好きなアーティストや、レコードを語るシーンがよく描かれるが、そのトーンで作者自身がJAZZアーティストを語った一冊。 本に登場した未知のアーティスト達は、早速聴いてみる事にしよう。 そこからの出逢いにも期待。

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2012年07月01日

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そう、フッと読みたくなって買ってきた。
シャレてる。
こんなコラムが書けたら、どんなに楽しいだろう。

和田さんの絵もいい。


またジャズを聴こう。

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2012年01月17日

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僕がジャズメンを知る上で、とってもお世話になった一冊。和田さんの「特徴がよく出た」絵と村上さんの「ひどく個人的な文章」が一緒になっています。その人の中での印象が反映されているので(特に文章の方が)、でもジャズを聴いた時に感じる他の音楽とは違うものが、本を読んで、見て、感じられます。小説とか、タバコの煙とか、お酒とか、そういうのすべてがいい意味で似合うのがジャズだなって気がしますね。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
和田誠が描くミュージシャンの肖像に、村上春樹がエッセイを添えたジャズ名鑑。ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだのは、マニアを唸らせ、入門者を暖かく迎えるよりすぐりのラインアップ。著者(村上)が所蔵するLPジャケットの貴重な写真も満載!単行本二冊を収録し、あらたにボーナス・トラック三篇を加えた増補決定版。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ジャズって、詳しくないんだけど、村上ファンなので一応読んでおく。文章は相変わらずすばらしく、マイルスのところは、何度も読み返します。

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2009年10月04日

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