村上春樹のレビュー一覧

  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹の小説は学生時代には何冊か呼んだことがあり、どの小説も当時はよくわからなかった。

    反面、このエッセイはとてもわかりやすく、共感できるポイントが多くあった。

    他人の批評や徹底的な推敲を大切にしているところが意外であった。もっと自己中心的なスタイルで書いているという先入観があったからだ。

    どんな文章にも必ず改善の余地はあるという謙虚な姿勢と、フィジカルな営みとして小説を書くという忍耐強さは好感が持てた。

    学生時代が終わり10年以上が経った今なら、村上春樹の小説も面白いと思えるかもしれない。『田崎つくる』が興味を引いたので、手に取ってみようかと思う。

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    2026年01月09日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    阪神淡路大震災のあとの様々な人々の暮らしを集めた短編集。最後の「蜂蜜パイ」の淳平の生き方がたまらなく心地よい。

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    2026年01月07日
  • レキシントンの幽霊

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    「沈黙」
    どうしようもなく嫌な相手にされた嫌がらせに苦しめられながらも、相手を哀れみ、同じ土俵に立ちたくないと葛藤し、苦しむ想い。
    レベルの低い相手とは戦わないこと。
    私が生きていく上で大切に思って来たことでもある。
    それでいて、その相手の中にも「その人なりの正義」というものがあるのだということを理解出来るようになりたいと思う。
    だから、私は同じような葛藤を抱えていた時に、恨みや憎しみではなく、「哀れみ」の感情だけが心に残っていたのかもしれない。
    そして、その他大勢の傍観者達に対しては、興味すら抱けなかったのかもしれない。

    「トニー滝谷」
    彼が「孤独」の存在を知ってからの彼の抱える孤独がどう

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    2026年01月07日
  • 女のいない男たち

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    木野や、シェエラザードは流し読みしてしまった

    それでも素晴らしい短編集だった。
    僕たちはいつも、彼らの横に立ち、彼らの揺蕩う姿を見て自分に重ね、彼らの共感者として夢想する。
    そんな小説だった。

    特に好きだったのは、イエスタデイ、そして女のいない男たち。

    イエスタデイに出てきた女性は強く、そして脆く、危うい存在だった。それでこそ確かにそこに立つ実感を得ようとしている存在に理解を示すことができた。あるいはわかった気になっているだけなのかもしれない。
    そして、戻ってきた時には少しズレた場所に立っている、この表現もすごく好みであった。

    女のいない男たちではこの本の読み方を享受する。
    僕たちはあ

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    2026年01月07日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    どちらかというと上巻の方がユーモアがあって好きだったけど、話が収束してクライマックスに向けて盛り上がっていく感じはやっぱり面白かった
    SFっぽいごちゃごちゃした理論も好き

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    2026年01月05日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹の小説を書く事に対する考えや読者のついて小説家になったきっかけなど面白いな~。やっぱり面白い人だな。こういう本を読んでいると村上春樹が好きになる。この人の本の話を読んでいると本を読みたくなるし食べ物の話は食べたくなる、

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    2026年01月05日
  • カンガルー日和

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    ネタバレ

    村上春樹の短編集の中ではかなり好き。この短編集には初期の村上作品特有ののどかさが感じられる。
    特にチーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏。タクシーに乗った吸血鬼も。
    鏡は村上作品には珍しい?ちょっとしたホラーだしオチもいい。鏡なしでヒゲを剃るのに慣れるには時間がかかる。
    サウスベイ・ストラットは緊迫感もある。刑事物は新鮮。大した筋のあるお話ではないけれど、銃撃戦はなかなか他の作品にはない気がするなあ。緊迫感の中にものんびりしたところがあるのが村上春樹的。打率(命中率)のことをダラダラ喋っているところ。

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    2026年01月05日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前口上で著者自身が出てくるなんて初、だな。すべて実話らしい…ホントかな。エッセイを読んでいる限りだとちょっと信じられないな。笑。
    では一篇ずつ感想的なものを…。

    ①「偶然の旅人」…話の内容は関係なくて、語り口がその著者を表しているんだ。文体ってやつだね、これが。とても村上春樹らしい作品に仕上がってた。
    ②「ハナレイ・ベイ」…主人公は鮫に片足を喰いちぎられ溺死してしまった息子の母親だ。その喪失感を拭うため(?)、彼の命日前後に亡くなった土地に赴き——。ある人物たちに出会うことにより、少しでも心穏やかに過ごせるようになったのかなぁ…。
    ③「どこであれ〜」…マンション内から忽然と姿を消した夫を探し

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    2026年01月04日
  • TVピープル

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    三宅香帆さんが紹介してて読んだ。短編集で、珍しく女性が主役な作品が多く、この時代なのにフェミニズムについて書かれているとのこと。

    え、これで終わり?という作品もあったが、「我らの時代のフォークロア」が考えさせられた。優等生の同級生カップル。男性は結婚したいと思っている。女性は彼のことは好きだが高校生の時点で結婚までは処女を貫き通し、将来は歳上と結婚すると決めている。実力があるのに東大でなく女子大に行く。それが女性としての生き方だと。

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    2026年01月04日
  • 風の歌を聴け

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    他人に伝える何かがある限り、僕は確実に存在する。1970年代という社会構造が過去から未来へ移り行く中、村上春樹自身のこのような想いがあったからこそ、ジャズ喫茶を営む傍ら執筆に向かわせ、本作が生まれたのかもしれません。

    「羊をめぐる冒険」だけでは分かりませんでしたが、鼠と落ち合い語らうジェイズバーは、主人公(=筆者)の故郷である港町にあるとすれば、モチーフは神戸某所なのかもしれません。北野坂を歩くのが楽しくなる一冊です。

    また界隈では有名なホットケーキのコーラがけが登場するのも本作品。忠実に上から注ぐのが良いのか、生地に混ぜ合わせて焼いてしまった方が良いのかは分かりませんが、つい試して作品の

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    2026年01月04日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    1月末に舞台を観に行くので10年ぶりに再読
    内容はほぼ覚えてなかった

    ねじまき鳥より展開があり読みやすい
    登場人物の独白少なめで春樹の思想は弱め

    大男が部屋をめちゃくちゃにするのを眺めながら小男とコーラを飲んで話しすシーンはかなり良い

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    2026年01月03日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    村上春樹全作品踏破中!

    好きだったのは、「プールサイド」(こんな奥さんいるのだろうか、そしてクラシックコンサートの隣の席の男と寝る若い女の子なんているのだろうか)、「野球場」。

    特に「野球場」は、最近の盗撮ニュースを見るにつけ、「一体全体なぜこんなに男は盗撮が好きなんだろう」という疑問について、何かしらのヒントをくれるようだ。

    村上春樹さんの細部を読みたいから、読んでいるということを発見。
    細部が好きで好きで仕方がない・・・

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    2026年01月03日
  • 風の歌を聴け

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    村上春樹の作品は初めて読んだ。「村上春樹の文体」と言われるほど独自性のある文章と物語展開だということはなんとなく知っていたが、本当に独特の世界観があっておしゃれだと思った。「あなたか来るまでレコードは1枚も売れなかったんだよ」という代わりに「あなたのおかげで昼までにレコードが3枚売れたわ」という女や小銭を貸すとき「おかげでずいぶん体が軽くなった」という男たちが非常に魅力的だった。こういった些細な言い回しが好きだなと感じた。

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    2026年01月02日
  • 象工場のハッピーエンド(新潮文庫)

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    ネタバレ

    FUN FUN FUNが良すぎる。
    曲も含めて。

    そんなただのことばの響きの中に氷を入れて飲むとおいしいよ
    面白すぎる。どうやら深いことを語ってそうだぞ、実体と存在について、言葉とは記号であり…みたいな端をしているかと思ったら最後の一文で急に気が抜けたことを書いている。
    なんだか村上春樹のステレオタイプなイメージとは全く違う。ゆるいユーモア。

    鏡の中の夕焼けもいいな。これは詩ではなく結構しっかり短編小説。犬の喋り方が好き。

    安西水丸のイラストはポップで線画太くてビビッドな色使い。精緻でも写実的でもないが思い切りとインパクトが魅力的な絵。一見して雑であるように感じられるが根底には深い観察が

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    2026年01月02日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    ファミリーからのデタッチ

    小説はまだ力を失っていない
    いわゆる現実を盲信することはない
    世の中には偶然がたくさんある
    源氏物語でいう怨霊はあくまで装置ではなく現実

    まさに、
    潜水について書いた時、ジャック・マイヨールの名前を出したが、この本の中でも河合先生から彼の名前が登場した

    言語化しづらい物語が持つ作用を、言語化するためにではなく、ただ語っている
    個人の問題(≒0人称と二人称の問題)、創造と精神の問題

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    メモ
    韓国のファミリー・エゴ
    日本のフィールド・アイデンティティー

    人間はある意味では全員病人であるといるし、またいわゆる病んでいる人であっても、それを表現でするだ

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    2025年12月29日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    圧巻のラストでした。
    トオルとクミコは再会することができるのか、夢の中で繰り広げられる物語が刻々と暗闇をより深い闇に誘われる。
    最後は少し難しい展開かなと実感しました。
    新キャラクターの赤坂ナツメグ、シナモン親子も
    キャラが際立って、とても印象に残りました。

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    2025年12月29日
  • ロング・グッドバイ

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    昔読んだ気もしていたが、多分読んでいなかったんだと思う。感情の機微をところどころに感じ、人間の根本というのはあまり変わらんのだなと思う一方、戦争がもたらす変化や、タバコ、酒などの使われ方の変化に時代を感じました。村上春樹ではないですが、また読み返すのではと思います。

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    2025年12月29日
  • レキシントンの幽霊

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    学生時代に国語の模試で、レキシントンの幽霊を読んで以来気になっていた。よくわからない話もあったけど、退屈な話はなかった。7番目の男がお気に入り。

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    2025年12月28日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    難しい内容の小説でした。
    虚構と現実、夢と現実、、の世界を巡る、というストーリー展開で、なかなか掴みづらい感じでした。
    でも村上春樹らしい哲学的な文章で引き込まれました。
    村上春樹さんはやっぱり、好きな作家さんです。

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    2025年12月28日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    物語の紡ぎ方が非常に上手。小さな欠点は吹き飛んでしまう。他作品でも出てくる「穴の中」は、井戸とホテルの廊下が示している。久々の再読ですが、暴力的な場面が多いのには新たな驚きがあった。細かい部分は全然覚えていないので、新鮮に楽しめました。
    日中戦争がこんなに深く描写されていたことに、驚きがありました。

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    2025年12月27日