村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻で十分楽しかったですが、下巻もそのテンションを保ったまま最後まで突き通してくれました。
「世界の終わり」の方は幻想小説みたいで、箱庭ファンタジーという体で楽しめたし、「ハードボイルド~」の方はいつもの村上春樹という感じもしつつ、スラップスティック的なコメディもしていて、エンタメとして普通に読めました。
というかやれやれ系主人公の元祖という説は聞いていたのですが、ほんとにセリフとして「やれやれ」が出まくっている!笑
物語解釈としては村上春樹は『羊をめぐる冒険』まで、時代を過ぎてしまった革命戦士たちについて冷ややかな視線を投げかけていたと思うのですが、その”情熱”が”心”として、どこへ行ってし -
Posted by ブクログ
ネタバレ7年振りに再読(25年11月末)。名言が多いが特に感じた点は①観察者としての小説家②ロジカルよりもフィジカルの2点。以下の引用箇所にも記載の通りだが、いかに著者が細かく人や事象を観察し、その断片的な記憶を蓄積しているかが分かる。それは半ば無意識的な行為であり、小説家ではない我々も日常的に行っていることではあるが、面白い/異常な行為はそれを知覚/解釈する負荷の高い作業も包含しているように感じられ、中々それらの間に共通したテーマ等を見出すのは難しい。著者は小説家としてアウトプットを出すために日常的に運動を行い、体力を維持しているとのことだが、確かにこれらのあくまで断片的なものを収集/再解釈し、それ
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Posted by ブクログ
初めての村上春樹。めちゃくちゃ偏見ですが、音楽、猫、文学的性描写…といったイメージがあって、そして概ね間違っていませんでした。
日本版アメリカンジョークとでも言えばいいのか、例えば、表題作「女のいない男たち」の書き出しのところの「真夜中の電話のベルはいつも荒々しい。~人類の一員として僕はそれをやめさせなくてはならない。」とか。大袈裟で小粋な感じ。
あと登場人物に漂うやれやれ感。
村上春樹を浴びたーっていうのはこういうことなんでしょうか。
「木野」が特に良かった。
カミタから突如店を閉めろと告げられた場面以降の緊張感が凄くて、ページをめくる速度が上がった。
分からないけど、男性のほうがやっぱ -
Posted by ブクログ
「僕はふとしたことで家出をしたまま二度と家に戻れなくなってしまった。家に戻るための道を忘れてしまったのだ。僕は何度もそういう夢を見たことがあった。それは少年時代の僕の悪夢だった。行き惑うこと、戻る道を失うこと、もう長い間、そんな夢のことを忘れてしまっていた」
この文章を読み、ここだけは、わたしも主人公と同じだと思いました。ただ、わたしの場合は、子どもの頃ではなく、大人になってから、行き惑い、戻る道を失う夢を見るようになりました。目が覚めて「夢でよかった」とホッとして、夢のディテールはすぐ忘れます。現実に戻ると、迷いや不安はとりあえず脇に置き、日々、すべきことに追われ、病気や怪我を負えば、痛みと