村上春樹のレビュー一覧

  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    初めての村上春樹がこの本で良かったのかはわからないけれど、とても面白かった。日常としての現実と夢としての現実と、その境界の話が生活描写でも物語としても描かれていて面白かった。夢は夢だけれど、普段生きているはずの現実よりもリアルで生々しい。
    夏帆があまりにも自分の身に起こったことをそのまま物語として書きすぎていることと、村上春樹の本は所々で性に関する描写が混ざってくることに対する疑問は残るけれど、いずれにしても、軽いタッチで読みやすくて物語として読み進められる面白いお話でした。

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    2026年10月25日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    ネタバレ

    タイトルにある通り、シュールな展開が起こる短編集。『偶然の旅人』は著者本人が、語りてとして知人の話をする珍しい形式で話が進み、『品川猿』は人間と会話できる猿が、名札を奪うという常識を超えた話を待ち受ける。

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    2026年10月25日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    久々に新刊で著者の作品を読みました。
    ここ最近の作品は、読んでいて分かりずらいところが多かったけれど、今回の作品は読みやすく著者特有の世界観も嫌にならず(苦笑)読み進めることができました。
    とはいえ、大きな感動があったかと問われれると、???ですね。
    彼もどんどん歳を重ねるし、今後はどんな方向に向かうのだろうか、とまだ期待する自分がいます。

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    2026年10月24日
  • 村上春樹翻訳ライブラリー 冬の夢

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    ジャズエイジの盛りに執筆された、プレ・ギャツビーと呼ばれる(村上春樹がそう呼んでいる)作品群。
    かの作品同様にフィッツジェラルドの豪奢な金持ちへの憧れが伝わってきた。冬の夢がグレート・ギャツビーの下書き的な短編だというけれど、ジュディーからはデイジーのような品を感じられず、あまり魅力的に思えなかったな…ジュディーもとんでもなく美しいんだろうけど。メイデーのゴードンが貧困に追い詰められてる様は本当手に取るように気持ちが分かって痛々しかった…。

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    2026年10月24日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    この本は、作家の村上春樹さんと臨床心理学者の河合隼雄さんの対談本ですが、2人の波長がとても合っており、本音で話し合いがされているように思いました。
    人間関係などについての2人の考察はとても興味深く読ませて頂きました。

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    2026年10月24日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    私は村上春樹さんの「ド」がつくほどの初心者。
    中学生の頃に『ノルウェイの森』を読んで以来、
    気まぐれに数冊ほどしか読んできませんでした。

    なので、これまでの作風との比較はできないし、
    本書が春樹さんらしいのか、らしくないのかもわからない。
    それでも、ごく純粋にファンタジーとして楽しめた一冊でした。
     

    『夏帆』村上春樹

    まるで白昼夢を見ているような物語だ…!
    絵本作家の夏帆が出会う、不思議な男やアリクイの奥さん。

    パラレルワールドのようでもありながら、
    その世界がじわりと現実を侵食してくるような感覚がある。

    ✧

    そして本書の核にあるのは、
    母と娘の関係を描いた物語なのだと思う。

    母と娘って、どのような関係が理想なんだろう。
    友人のように仲の良い関係?
    それとも、夏帆とその母親のように、
    微かな距離のある関係?

    確執とまではいかなくても、
    「愛されていない」と感じることは、
    大人になった夏帆の足枷になっている。

    夏帆が迷い込んだ世界の出口を見つけることは、
    母親との曖昧な関係性に
    ひとつの答えを見つけることでもあるのだ。

    ✧

    さて、ここからは本音なのだけれど……
    「君みたいな醜い相手は初めてだよ」という言葉。

    すべてが明らかになったあとだから書くけれど、
    そんな清潔感のあるイケメン
    (しかも実は●●●●)
    に言われたら、ある意味ご褒美じゃないですか……?

    しかも言葉は容赦ないのに、
    行動がやさしすぎて、好きだ!ってなった。笑

    本当にすみません。
    少数派なんでしょうか、これ。
    同じって人、いませんか。

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    2026年10月24日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    いつものハルキワールド
    ほんとファンタジー要素満載ですね
    ストーリーはわかりやすい
    得意のあっちの世界とこっちの世界が、他の本に比べて複雑ではないので、ハルキスト初心者には読みやすいと思う

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    2026年10月23日
  • アフターダーク

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    古本屋で見つけ、20年ぶりに読んでみた。ドローンのように「視点」が移動する様子、眠る美女を見つめる「仮面」、連日の深夜残業で精神が崩壊している男など、夜の闇とともに不気味な事象がいくつも現れ、夜中の読書を愉しませてくれた。
    また、相手の腹の中を探り合うような若い男女の会話も、歯切れが良いところもあれば不器用なところがあって楽しかった。初めてこの本を読んだ20年前、私は学生で、村上春樹独特の雰囲気を味わうことが出来ていなかったが、今回は少しだけこの小説が放出しているメタファー「眠れる人と眠れない人、ダークな欲望と良心、努力と才能 etc」を感じ取ることができた。本書のタイトルでもある曲も聴いてみたい。

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    2026年10月21日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    アリクイなどの動物が喋ったり、ファンタジー色があり、村上ワールドが発揮されていると感じた。
    読みやすかった。

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    2026年10月19日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ホリーは自分が空っぽで本当は何をしても満たされないことを分かっている。それでも、もう自分を元には戻せないし、後には引けない。虚しい気持ちでいっぱいだったのだと思う。彼女をちっとも美しいと思えないけれど、彼女の破天荒さに自分にない星を感じで引き寄せられる人の気持ちもよく分かる。傍から見ていて憧れる人が自分のそばにいることを想像すると気持ちが高まるが現実は異なる。
    虚しくとも見せない。
    気高く高らかに振る舞う。
    心は空っぽなのに。

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    2026年10月18日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    佐伯さん、最後楽になってくれて安心した。
    カフカくんがあのまま向こうに行くのを止めて引き返すように促してたのもすごくよかった。

    ちなみに作品全体を通して大島さんがいちばん好きだったな。
    大島さんみたいな人間を目指したい。
    変なフェミニストの活動家が来てもゴージャスな表情で出迎えて静かに確実に論破して黙らせたい。

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    2026年10月18日
  • スプートニクの恋人

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    3冊目の村上春樹、オススメしてくれた人が「自分は村上春樹の文は一文目を読めばわかる」と話しており、なんとなくそれがわかった気がする。(まだそこまでは辿り着かないけれど。)
    今まで読んだ村上春樹の本の中で一番好きだった。村上春樹の自然を表す比喩というか表現がだいすきで、遠回りだけど、輪郭が濃くなっていくような説明を何文にも分けている書き方が好きだな〜!
    あと2冊(上下巻)も早く読みたい!体力が必要なので、来週の週末にでも読もうかな。

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    2026年10月18日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    『みなさんもごぞんじのように、第十二次世界大戦があり』
    こんなさらりとした文で始まる絵本(寓話)。

    『この絵本が書店の棚に並んだときには、世界は既に激しい戦火に巻き込まれていたのです。』
    あとがきで村上春樹が言っているように
    第二次世界大戦の最中に刊行されたこの本には重大な意味がある。
    今この世界でも、まだまだ続いている戦争。
    『世界で最後の花』とならないように。
    切に願う。

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    2026年10月17日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「作者による前口上」は、この短編集全体の何の為にあったのだろうか?
    別の著者で短編を集めた本として出版している本はいっぱいある。
    前書きや口上が無い本は沢山ある

    ストーリーテラーとして作者である村上春樹自身が前に出て、口上述べる意味…というか、なにか狙いがあるのではないだろうか?

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    2026年10月25日
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)

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    最初は、村上春樹ってこういう雰囲気ですよね〜と引いて見ていたきもちだったのだけど、気付けば入り込んでいてびびる。
    地名が現実だからか、なんかふと現実の話と思ってしまいそうになる。ナカタさん、神様なのかな?

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    2026年10月17日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    小説というより長い長い大人のお伽話
    これが村上world

    何度もお邪魔してます、武蔵境。
    いい感じに都会で
    美しい自然も広がる
    夏帆は良いところに住みましたね

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    2026年10月22日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    村上春樹は難しそうと避けていたけど、この作品はスラスラと読みやすかった。優しい口調で丁寧に語ってくれている感じ。読んでいて心地よかった。

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    2026年10月15日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    ネタバレ

    人はそれぞれに固有性を有している。それは時として才能と言われ、時としてただ時代の中に埋もれていく。あるいは誰にも気づかれずひっそりと色を失っていく。

    本作のシロには明確にピアノの才能があったかもしれない。しかし、彼女の才能は多崎つくるが見た夢のように世間や社会が才能と認識できなければ無に期してしまう。自分の才能を疑い、自信をなくし色は徐々に褪せていく。才能あるいは人の持っている固有性とはそのくらい曖昧で繊細なものである。

    固有性というのは孤独であるのと同義である。誰にも理解して貰えない想いや行き場のない感情をずっと維持していくのは容易なことではない。だから多くの人は社会や世間に迎合していく。それは決して悪いことではない。社会を維持していく為に必要な自浄作用みたいなものだ。多くの人が駅構内をシステマティックに移動するみたいに。

    シロはその誰もが有している固有性の象徴である。彼女は死んだ。何者かに殺されて。色を消されたのである。しかしその喪失や残り香のようなものを多崎つくるやクロは今も持っている。おそらく他の二人も。つくるがクロに言おうとしていたように時の中に全てが失われたわけではないのだ。

    彼らを繋げていたのは今は失われた或いは褪せたそれぞれの固有性なのであろう。その固有性の裏にあった孤独感が彼らを固い絆で結んでいた。

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    2026年10月15日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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    ネタバレ

    書店で、猫好きなので猫にまつわる書籍が並べられている中から本を選ぼうとしたとき、この本が置いてあり、村上春樹さんのエッセイを読んでみたいと思い、手に取った。

    ただの猫好きなだけなら、「猫を棄てる」というタイトルの本を手に取ることは絶対になかったが、村上春樹の名前に釣られてパラパラと頁を捲ると、中のイラストの雰囲気からきっと悪意的な意味や暴力的な内容での猫を棄てる訳ではないとすぐに読み取れたので購入をした。

    猫にまつわるエピソードを軸に、中心として語られるのは著者の父についての話であったが、普段戦争に関わる作品は避けてしまうので、こういった偶然の機会がないと戦争について触れることがないので自分にとっては良い機会になった。

    村上春樹さんのエッセイは初めてだったが、小説と同じようにどこかサラッとした文でスッと入ってくる感覚は小説と同じ印象を受けた。ドロドロとした表現や強い感情は書かれておらず、どこか少し距離を置いて書かれているような文章だからこそ普段戦争の話が苦手な自分でも抵抗少なく読めたと思う。

    作中の「降りることは、上がることよりずっとむずかしい」という言葉に、まさに人生ってそうだよなぁ。と深く頷いていた。
    読者からしたら、村上春樹さんは特別な神様みたいな存在であるが、著者自身からの誰しも今の自分は両親のちょっとした行動の違いがあれば存在してなかったかもしれない。そんな当たり前のことだけど、どこかで忘れがちなその当たり前のことに改めて向き合ってみることで今の自分という事実との向き合い方を問うてる作品だった。

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    2026年10月15日
  • 水底【みなそこ】の女

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    クライマックスの緊張感、ネタバラシが良かった。
    これまでのシリーズにない驚きがあった。
    それだけに終わり方はあっさりすぎた。

    湖で女の死体が見つかってから、色んな怪しい人物が次々出てくるのは王道のミステリー感。
    一方でチャンドラー独自の光る情景描写はあまりなかった。
    全体として前作の「高い窓」と似た完成度。
    素直に先の展開が気になって読み進めた。

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    2026年10月15日