村上春樹のレビュー一覧
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はじめの短編「ドライブ・マイ・カー」(のちに映画化され、アカデミー賞を獲得した)で扱っているテーマは、人の心理をよく考えたり臨床心理的な本を読んだりしている人にとってはとても響くと思った。そうじゃなくても、人の心理の機微というものに興味をいだくきっかけとなりうる作品ではないだろうか、と思った。
続いて「イエスタデイ」。若者たちが抱える個人的な(かつ普遍的でもある)問題と彼らは真剣に向き合っている。でも深刻さとは距離を置いている。おそらく意識的に。真剣さに溺れて深刻にならないよう、ときに発せられるユーモアが弛緩を生んでいて、それが読者にとっては意識下で希求していた心理的解決と感じられるだろうと -
Posted by ブクログ
「ランゲルハンス島」というのは、その言葉を知ったら、ただ言ってみたくなるもののひとつかもしれない。
しかし、エッセイのタイトルになるようなものではないと思い、地理上にもそういう名前の島がもしかしたらあるのかも、と思って検索してみたが、見つからなかった。
この本は、1984年6月から2年の間、『CLASSY』に連載されていたものをまとめた、ということである。
安西水丸さんのシンプルなイラストがおしゃれである。
バブル期だ。私も若く、とても良い時代だった思い出。
そこに思いをはせながら、私もそっと手を伸ばしてランゲルハンス島の岸辺に触れようか。
(膵臓って、奥の方にあるから、実際には難しいよね) -
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Posted by ブクログ
作品全体に漂うのは、失われてしまったものへの静かな哀愁です。主人公の「僕」は、過去に自殺した3人のガールフレンドの記憶や、かつて存在していたはずの何かを喪失した感覚を抱えている。登場人物たちは一見、バーでビールを飲みながら軽妙に過ごしているように見えるが、その根底には埋めようのない孤独が横たわっている。
「僕」は架空の小説家デレク・ハートフィールドの「文章を書くことによって生じる苦痛」について語り、冒頭でも「完璧な文章などといったものは存在しない」と述べる。自分の心の内や真実を他者と共有することの難しさ、言葉が持つ限界や脆さが作品の重要な軸となっている。指が4本しかない女性との交流においても -
Posted by ブクログ
ネタバレ3部までなんとか読み終えた…。
戦争の残酷さ、権力や支配の恐ろしさをまざまざと見せつけられて、途中で何度も読む手が止まってしまうほどだった。生命が軽んじられているのは時代のせいなのか、戦争のせいなのか、立場が人を変えてしまうのか…。
今自分が生きている環境が平和すぎて、言葉が出ない。いや、今の時代でもウクライナやイランの戦争や、核兵器の問題がある。人の死という点においては、最近の大地震やそれに伴う爆発事故などの災害でたくさんの人が亡くなっていて、本当に心が痛む。
本作は前情報なしで読み始めてしまったので、まさかこんな重いテーマだとは思わず…読んでいてただただ悲しかった。暴力が辛かっ