村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
あくまでここまで読んだ自分なりの解釈です。
この物語は、"僕(=トオル)が恩寵の光を得るための修行記録"の物語なのでは無いか。
つまりは、間宮中尉がノモンハンの井戸で獲得出来なかったものの総称としての恩寵です。
僕らは力を手にすると途端に居丈高になったり強権的になったりしてしまう。ではそうならない方法は何か?それはつまり"やれやれ"でやり過ごす事だ。卵の側に立つ事だ。でも、敢えてデタッチメントからコミットメント(バットを持って戦う)に向かわなければいけない時があるのだ。
その時に我々に恩寵の光が差し出されるのだ。
加納クレタをシャーマンのように扱 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・予想。リーダーはリトル・ピープルに促され豹変した深田保で、最初に犯された10歳の少女はふかえり?
・あゆみは「いかにも開けっぴろげな見かけの部分は演技的なもので、根本は柔らかく傷付きやすい感受性を持っている」タイプらしいが、青豆の「私はもっとあの子を受け入れてあげるべきだった。あの子の気持ちを受け止め、しっかりと抱きしめてやるべきだった。それこそがあの子の求めているものだった。」「無条件に受け入れられ、抱きしめてもらうこと。とにかく安心させてもらうこと。」という後悔は本当に的を射ていて、私もあゆみと似たような性格だからこそ本当にそれが必要なのだと共感できた。
私もそれが喉から手が出るほど -
Posted by ブクログ
村上春樹、再読。
レビューを読むとわたしと同じように「再読」と書かれている方がちょいちょいいて、ニヤニヤ。
読み返して確認してみたくなる作家さんなのかな。
二作目もたいしたことは起こらず。
けれど主人公たちの語られてはいない内面は深く暗い。
語られてはいないんだけど、過去に何かがかならずあっただろうと思わせる描き方で、
想像できないのにずしんと来る。
村上春樹の小説で好きなところはそういった部分と
あとは比喩が豊富なところ。
とてもユニークで、その場面やその時のにおいまでもが感じられるようなたとえが良い。
全体的に暗いストーリーの中、そこだけちょっと空気がほんわかして、明るい気分になれる -
Posted by ブクログ
1を読んでから数か月か、経つ。
本を開くと、数か月前の状態が鮮やかによみがえる。
青豆の物語と、天吾の物語は、まだそれぞれで進行しているような感じ。
青豆は、彼女に特殊な仕事を依頼してくるマダムの過去を知る。
マダムが保護した女児は性的な虐待を受けていた。
青豆が手繰っていくと、あの宗教団体「さきがけ」がいる。
一方、天吾の方は、ふかえりの小説『空気さなぎ』のリライトを完成させ、編集者小松の目論見通り、ふかえりに新人賞を受賞させる。
作品はベストセラーになり、世間の注目を集める。
それは、ふかえりを保護してきた戎野先生の意図にも沿ったことであったらしい。
この先、「さきがけ」が二つの物 -
Posted by ブクログ
中国行きのスロウ・ボート
2025.08.09
主人公が出会う3人の中国人。彼らはみな淡々と語り、どこか寂しく感じるようなふるまいをしている。ゆっくり読まないと気付かないようなさりげない空気感で描写していた。物語の最後には居場所のない中国人と自分を重ね合わせ、現状から抜け出して居場所を求めたいという気持ちがうかがえるものの、逃げようというよりは受け入れざるを得ないような仕方のない状況にあることを表現。「スロウ・ボート」によって示し、なんともいえない状況に陥っている様子が感じられる。
居場所のなさがこんなにも淡々とした虚しい世界を生み出してしまうのかと怖くなった。同じ境遇の中国人たちと自分で -
Posted by ブクログ
ネタバレ1〜6の感想
とても面白かった!!2人の視点がどこで交わるのか、2人それぞれのリトル・ピープルへの迫り方が予想できないので、ドンドン読み進めたいと思って(ほぼ)一気見してしまった!
度々出る意味深な物語・セリフは、更に私を物語に惹き込ませる重要な役目を担っていたし、何よりも村上春樹さんの文章がとても好きだった!♡
これが初★村上春樹作品なので、これからもっとハマりそう)^o^(
少し心残りなのは、7冊目も出して欲しかったな〜ということ。月が2つある世界からは抜け出せたので、物語は終結となっているが、青豆のお腹にいるのは一体何なのか?2人の周りにいる人達は元の世界(ではない別の世界かもしれない) -
Posted by ブクログ
時々、悪い夢を見ます。
どんなに探しても大切なものが見つからないとか、道に迷って目的地にどうしても辿り着かないとかです。このような夢は、心理的に「模索中」「停滞感」「不安感」を抱えている可能性が高いらしいです。この小説は、そんなわたしの心のうちと重なるようなきがしました。でも、重さや暗さは感じませんでした。
ロッシーニの『泥棒かささぎ』の序曲を主人公の岡田亨(オカダトオル)が口笛で吹きながらスパゲティーをゆでているときに、知らない女の声で電話がかかってくるという書き出しから物語に引き込まれました。そして、ねじでも巻くようにギイイイッと鳴く鳥を、主人公とその妻は「ねじまき鳥」と呼び、ねじまき鳥