村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最新の「街とその不確かな壁」を読んでみたくて、まずはこちらから。
村上春樹さんの長編は、「ノルウェイの森」と「海辺のカフカ」しか読んだ事がないのですが、こちらの「世界の終わり」や「ハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる主人公も共通して…フラフラ流されてる感じだなぁと思いました。笑
でも、それはさすが〜という想像力の村上ワールド上の事で、掴みどころがないし、次々と不思議な事が起こるしで、もうなるようにしかならない感じなのかもしれないですが。笑
(当たり前に存在する"音"を抜くなんて発想だとか、その"音抜き"一つから戦争への利用まで瞬時に推測してしまう想像力とか凄い!)
こちらの作品は物語の骨子もわりと分かりやすくて(いよいよ下巻では二つの世界が交錯するのかな?)、比喩表現が吹き出しちゃうくらい面白くて、村上春樹さんの作品の中でかなり読みやすい方なんじゃないかなと思いました。二人組が出てくるあたりやピンクスーツの女性とのやり取りも無茶苦茶で可笑しかったです。
ただ、核心のところや大事なところで表現の抽象度が上がったり、煙に巻かれたりするので、さすがだなと思ったり、置いてけぼりになったなと感じたり。(心についての描写が好きでした!)
とにかく下巻が気になります。 -
Posted by ブクログ
上手く筋の掴めない小説だった。
物事がまるで、小説に合わせるなら、川の水のように流れていく。
それは尾根を抜け、林をぬけ、石を転がし、そしてある一辺倒の岬に流れ着き、ある種ゴールのようななにか目的を見つける。
そして、その度に後ろに向き帰り、分岐に戻り尾根に戻り再び石のように転がっていく。
そんな小説だった。
世界の終わりとワンダーランドがどのように結びついて行くか、そんな筋を見つけようと読んでいるが変に物語がリンクしたり、リンクしなかったり、結局は思考がまるでお風呂に溶かす入浴剤のように散り散りに脳に透過していく。
そんな感覚のどくしょだった。
改めて話に戻ろう。
記号使として生きる私と、壁に囲まれた世界でゆめ読みとして生きる僕。2人の平行談で話は進んでいく。
まずは初め、1Q84のように、ビルのエレベーターを登っていく。
それは、不思議の国のアリスでいえば原っぱのどこか誰にも見つからないようにある世界の穴のように思える。
つまりは、ワンダーランドへの入口を通り抜けていくようにエレベーターを上昇(降下かもしれない)していく。
この物語の入りはとても面白い。
現代のワンダーランド。
そう想像させる。しかし、世界の終わりにわたるとそちらがまるでワンダーランドのように思える。
最初はそう思える。
人々に役割があり、単純なルールと目に見えた行動指針で人々は動き、謎の獣と暮らしている。
その世界こそがワンダーランドに思える。
物語は、奇妙にそれでも村上春樹の文体で
進んでいく。
心に正直で前身的な女性。チビとノッポの2人組。ビールに、クリーニング。そしてレコードに映画。
単純に淡々と物語は進んでいく。
最初はこのふたつの世界は右脳と左脳のように思えた。ルールが決まった世界が右脳であり、さまよっている記号使の世界が左脳である。
右脳から情報を取り出して左脳で考察する。そんな感じである。
しかし、一角獣のくだり。
第一次世界大戦。見つかった一角獣の場所はソ連と現ウクライナの国土である。
そして、世界の終わり。
そこは共産主義国のように思える。
仕事が与えられ、役割が与えられ、感情を失っていく。
それが世界の終わりなのだろうか?
そして、ハードボイルドワンダーランドはいわゆる資本戦争の下りになる。
記号使と暗号士、そしてのっぽとチビと、そして博士。みなが技術を先どろうとしている。
それはまさに資本主義である。
この世界の対比は資本主義と共産主義の対比なのか?
一角獣とは一体?世界の終わりとは?やみくろとは一体何なのか?
それらは今後読む下巻に続くのであろう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ村上春樹さんの短編小説集「一人称単数」を読みました。う~ん、やっぱり引き込まれます。何なんだろう。どの作品もストーリーとしてとても面白いというのではなく、いろんな形で心に引っかかる作品というのか、とても印象に残る作品。語り口は相変わらず独特で滑らか。このなかにwith the beatlesというのがあって、物語もちょっと奇妙で面白い話(というと少し不謹慎かもしれない。だって昔の彼女が自殺したという結末なので・・・)なのだけど、割と冒頭近くに、自分が歳をとって、自分が歳をとることは自然と受け入れるのだけど、自分の周りにいた美しく溌剌とした女の子たちが、今ではおそらく孫の二人や三人いるであろう年齢になっているという事実だ。・・・自分が少年の時に抱いていた夢のようなものが、既に効力を失ってしまったことを改めて認めなくてはならないからだろうという話が出てくること。これが何だかとても印象深く心に残った。あとは、「謝肉祭」という作品。この作品のお陰で、自分も今はシューマンの「謝肉祭」を聴きながらこの感想を書いている。あと、人間の言葉をしゃべり旅館で働いている猿、品川猿の話。やっぱり面白い。読み始めたら止まらなくて一気に読んでしまいました。