村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ランゲルハンス島」というのは、その言葉を知ったら、ただ言ってみたくなるもののひとつかもしれない。
しかし、エッセイのタイトルになるようなものではないと思い、地理上にもそういう名前の島がもしかしたらあるのかも、と思って検索してみたが、見つからなかった。
この本は、1984年6月から2年の間、『CLASSY』に連載されていたものをまとめた、ということである。
安西水丸さんのシンプルなイラストがおしゃれである。
バブル期だ。私も若く、とても良い時代だった思い出。
そこに思いをはせながら、私もそっと手を伸ばしてランゲルハンス島の岸辺に触れようか。
(膵臓って、奥の方にあるから、実際には難しいよね) -
Posted by ブクログ
ネタバレ3部までなんとか読み終えた…。
戦争の残酷さ、権力や支配の恐ろしさをまざまざと見せつけられて、途中で何度も読む手が止まってしまうほどだった。生命が軽んじられているのは時代のせいなのか、戦争のせいなのか、立場が人を変えてしまうのか…。
今自分が生きている環境が平和すぎて、言葉が出ない。いや、今の時代でもウクライナやイランの戦争や、核兵器の問題がある。人の死という点においては、最近の大地震やそれに伴う爆発事故などの災害でたくさんの人が亡くなっていて、本当に心が痛む。
本作は前情報なしで読み始めてしまったので、まさかこんな重いテーマだとは思わず…読んでいてただただ悲しかった。暴力が辛かった。人の多面性が怖かった。
とはいえ、冒頭の主人公が口笛を吹きながらスパゲティを茹でるシーンや、笠原メイや加納クレタとの空気感は好きだった。みんなが次々と井戸に潜って考え込むシーンも本当に面白かった。だけど、残酷な印象の方が勝ってしまった。
次は心が温まる本を読みたいな。 -
Posted by ブクログ
村上春樹の有名な本は昔読んだが自分には合わなかった。ミステリー好きの私としては東京奇譚集という題名に惹かれて読んでみた。
不思議な運命を辿る5篇の物語
私が好きな物語は「偶然の旅人」ピアノ調律師の孤独からの脱却。それはある偶然と偶然の重なりで、姉と和解し彼の人生は一歩前に進んだ。偶然の一致と言うものは真昼間に打ち上げられた花火の様に微かに音はするんだけど空を見上げても何も見えない。しかし僕らに強く求める気持ちがあれば一つのメッセージとして浮かび上がる。だから本当は全然不思議な事でもないのに不思議だなぁと感じる...
偶然とはそう言う物だと思えばそれも中々悪くないような気がします。カフェで会った女性も元気で居てくれたらと私も心から望む。
次にミステリー好きな私が選んだのは「品川猿」です
1番ミステリーぽい感じがしたのですが猿が喋る場面からはジャンルは何?私はページをめくる手が早くなっている事に気づいていたが止める事ができなかった。名札を盗むイコール名前を忘れてしまうなんて凄い発想ですよね。みずきは強い女性ですよね。私はこんな生い立ちであれば松中優子の様な最期を選んでいたかもしれません。みずきはその事実と正面から立ち向かっていって欲しいと思います。
頑張れみずき‼️
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Posted by ブクログ
ネタバレ村上春樹の小説を読んだときの感想は、内容を理解したというより、「本を読ませてもらった不思議な体験だった」というものになる。
幻想的で詩的で、そこで起きていることが何を意味するのかは、うまく説明できない。それでも文章はするすると身体の中に入ってきて、読み終えたあとには強烈な印象が残っている。
特に印象的だったのは、ミュウが語る、スイスの小さな町の観覧車での不思議な体験だ。現実にはありそうもない出来事なのに妙なリアリティがあり、この場面だけが独立した悪夢のように記憶に残った。
『スプートニクの恋人』にはラブストーリーの要素がある。しかし、恋愛について何かを説明する物語というより、孤独や喪失、触れられない相手への思いが、ひとつの長い詩になったような小説だった。
最後に、なぜすみれが戻ってきたのかはよく分からない。それでも戻ってきてよかったと思った。一方で、その帰還さえ現実ではなく、「ぼく」が見ている幻想なのではないかという感じも残る。
この本を読んで、自分自身を見つめ直したわけではない。何か教訓を得たわけでもない。酒やたばこのように、理屈より先に身体へ入り、あとに感覚を残す娯楽に近い。ただし、それは映画やドラマでは代わりにならない。小説でしか摂取できない何かを、確かに受け取ったと思う。