小さな男と背の高い男 何かを土に埋める 松の木 ギギギという謎の音 数列のヒント ねじまき鳥/フクロウ 物語の時間軸が自由に動く 悪の引き渡し(乗移り)
メイから手紙。別の場所に住んでる。空き家の雑誌記事について書かれていた。
雑誌:空き家はいわく付き物件。七人か自殺。そこを赤坂駅のペーパーカンパニーのX氏が買って、今は高い壁の邸になってる。なぜか井戸が掘り返された。
クミコの両親からは離婚の催促がくるが、「本人に会わないと承諾しない」と言っている。新潟のノボルの叔父が死ぬ(元代議士、ノボルの選挙区)
土地に詳しい近所の不動産屋を訪ねた。空き家(今は更地)と井戸について聞いた。そして自分はあ...続きを読む の土地を買うつもりだと言った。井戸を手に入れたいためだ。
しかしその金は無い。再び新宿であてもなく人を見続ける。そこに去年の人観察で声をかけてくれた中年女性と再会。「お金が必要」と言ったら、明日名刺の赤坂の住所に来い、という
ある少年は夜中に目を覚ました。今日こそねじまき鳥を観てやろうと、窓の外の松の木を見た。そこには小さな男と背の高い男が話し合っていた。小さな男は木に登った。ねじまき鳥を捕まえる?しかし男は見えなくなり、鳥も飛び立たない。背の高い男はしばらく木を見ていたがどこかに歩いていった。しばらくして鞄とスコップを持って背の高い男が戻った。背の高い男は木のふもとを掘り、鞄から何か猫か子供の死体っぽいものを埋めて立ち去った。ねじまき鳥は鳴かなくなった。少年は眠気におされ寝てしまった。
岡田は新宿の女の約束で赤坂のオフィスに行った。なにもしゃべらない若い男に案内所されて奥の部屋で目隠しされて座った。男と入れ替わりに香水を着けた女が来て隣に座った。それは今まで嗅いだことの無いもの。アザをなめられ勃起したが、「自分は空き家だ」と考え時間がたった。入れ替わりに若い男が来て目隠しを外す。隣のシャワー室を案内されて浴びる。射精していた。新しいパンツとシャツが用意されていた。元の部屋に戻り封筒を渡される。日がくれていた。オフィスを出て赤坂見附、四ッ谷と歩き、店に入りビールを注目する。封筒を確かめると20万円入っていた。店を出て靴屋で青いスニーカーを買った。古い靴も持ち帰った。新しいパンツとシャツとスニーカー。翌朝考えると昨日の行為はクレタの買春に似ていると気づく。外に買い物に行き家に帰ってくると行方不明だった猫「ワタヤノボル」が玄関で出迎えていた。
メイからの手紙:最初の転校場所を辞め、自宅に戻った。いまでは「ねじまき鳥さんの世界の一員」になってしまった私。そして今はあなたも知っている山奥の別の場所に来て生活している。
猫には新しい名前をつけた「サワラ」。再び新宿に行くと中年女と再会した。女につれ回され服と靴と時計を買ってもらった。イタリアンで夕食。そこで名前を聞いたが「必要ない」というので仮名を発案してくれた。中年女はナツメグ。息子のしゃべれない男はシナモン。
井戸に入りバットを持って瞑想。上蓋は仕掛けで閉じることが出来る。これはシナモンが作ってくれた。
ナツメグと月に二度ほど食事をしてお互いの経緯を語り合った。ナツメグの父は獣医で頬にアザを持っていた。満州の動物園に勤務。終戦間際、動物たちは銃殺され、中国人たちへ依頼され解体して市場に。虎を銃殺した若い会計係の兵隊はねじまき鳥の声を聞いた。わ幼いナツメグはおんぼろ船で日本に疎開。その途中アメリカ軍潜水艦に撃沈されそうになった。ナツメグの父は満州かシベリアでおそらく死んだ。
またメイからの手紙。今はカツラ工事で住み込みで働いている。場所はおそらく越後妻有あたり。
岡田は「裏」から自宅に帰ってくる。そこに男がいた。牛河。牛河はノボルの秘書で、岡田に取り引きを持ちかけてきた。裏の屋敷を手放せ、そうすればクミコに会わせる、というもの。岡田は取り引きを拒否。
朝、ベンツに乗ってシナモンがやってくる。買い物袋を抱えて。彼は六才の時に突然話さなくなった。しかし頭の良さで言語、外国語、ピアノ、工学を独学した。
牛河が来て借金で裏の屋敷が手放せないならこちらで払うと提案。牛河はノボルが変装しているのでは?
牛河は岡田とクミコとの会話をパソコン通信で行えないかと提案。岡田はシナモンが設置していたパソコンのパスワードを解読した。
ナツメグは服飾の仕事で出会った夫とファッションデザイン事務所を立ち上げた。大繁盛したが、夫は1975年に殺害された。内臓を取られ首を切断された猟奇殺人だった。その後事務所を売り払った。お世話になった女性デパート経営者の頭をたまたま触れる機会があった時、過去の動物園や「なにか」の動きを感じた。その後別の人にもそれが出来ることがわかり、その仕事を始めた。
岡田はパソコン通信でクミコとコンタクトを取った。「(私が)ダメになったのは「もっと長い時間」のことです」と言われた。
雑誌や新聞をシナモンに買ってもらい、ノボルの記事を研究し始めた。ノボルに選挙区を譲った叔父は満州で兵站をしていた。このことで今まで関わった人たちが満州、ノモンハンで繋がっていることが解った。
岡田は牛河に連絡を取り、ノボルとパソコン通信で会話をしたいと提案する。
ナツメグが屋敷にやって来た。我々の活動に危うい赤信号が灯っていると。なのでしばらく客を取らないとした。
ノボルとのパソコン通信。取り引きについては決裂。岡田はノボルには秘密があると打ち込む。悪夢を見ていると。そしてそれを解決するのは岡田だと薄々わかっている、クミコの姉にしたことをわかっていると。
通信の後疲れてその場で寝ると夜中にパソコンから音。画面に「ねじまき鳥クロニクル」と出ている。そこには選択肢があるので#8を選択した。
『ねじまき鳥クロニクル#8』昨日猛獣は処分され、妻子は脱出していった。翌日兵隊たちがまた現れ、荷車と騾馬を接収した。その翌日荷車に野球ユニフォームを着せられ暴行された中国人がつれてこられた。背番号は1,4,7,9。中尉は「我々はこの動物園で駐屯する」といった。空地になぜか野球のバットで円を書き、ユニフォーム中国人を連れてきて穴を掘らせた。そこに四人のやはりユニフォームの中国人の死体を入れた。その番号は2,5,6,8。その後作業員中国人の1,7,9を木に縛り付けて兵隊たちに刺殺するよう命令が出た。中尉によると彼ら中国人は満州国軍の士官学校の生徒たち。新京防衛の任務を拒否し、日系教官二人をバットで撲殺して逃走した。それを我が隊が発見して制圧。四人を射殺。四人を拘束。二人は逃亡した。一人生きている背番号4は反乱リーダーで野球部主将の四番バッター。彼が教官二人を撲殺した犯人。彼らは満州国軍の制服で逃げるとまずいので、軍野球部のユニフォームで逃亡したからこの格好。上の命令でこの四番は「バットで処刑」するように命令されている。若い兵隊が処刑役に抜擢。しかし彼は野球をやったことがなかった。上官が丁寧にスイングを教えた。中尉は「苦しませないように一発で仕留めてやれ」と命令。首尾よくグッドスイングが出て四番は倒れた。獣医は死亡確認を要請され、瞳孔や脈を計り死亡を伝えた。その瞬間、なぜか四番は息を吹替えし獣医の手を掴んで穴に一緒に落ちた。中尉は穴に降り拳銃で四番の頭を撃ち絶命させる。しかし四番の手が離れないので指一本一本を入念にはがして事が済んだ。獣医の手には四番の指痕が残った。バットの若い兵隊は呆然としていたが、廻りにねじまき鳥の声が聞こえるのでその姿を探していた。そして彼は周りの人々のこれからの運命を感じられた。上官たちはソ連軍に殺されたりシベリアで死んでいく。獣医はソ連に連行され、シベリアの炭坑縦穴掘削作業中に出水にあい他の兵隊たちと溺死。しかし自分の運命は見えなかった。ただ日本から大陸に渡る時に生まれて初めて観た海の情景が浮かんだ。ねじまき鳥の声は他の誰にも聞こえなかった。『ねじまき鳥クロニクル#8』終。
他のねじまき鳥クロニクルはロックがかかり見れない。しかしこれはシナモンが書いたものと推察される。この「ねじまき鳥」は自分のあだ名であり、ナツメグが前に語った物語にも出てきた。しかし岡田がねじまき鳥と呼ばれていることは二人に話していない。
メイからの手紙。向かいにあった宮脇さんの空き家のことが最近よく思い浮かぶ。絵に書いたような幸福な家族。夫婦と子供姉妹。心中したけれど娘一人は行方不明。そして自分がクミコになったような錯覚も最近感じる。
シナモンが家に来なくなった。ナツメグとも連絡が取れなくなる。牛河の電話も「現在使われておりません」。仕方なくノボルと会合した品川のホテルに行き、その後電車で帰ろうとした時、向かいのホームに牛河を見つけた。電車の中で会えた。そして降りて話をすることになる。牛河はノボルの事務所を辞めた。何かをこの一件で掴んだため、それを元に別の仕事が出来るとふんだようだ。そしてクミコとノボルの関係に重要な秘密があると。そらは岡田の元にクミコが帰ってきたとしても手に終えないもの。
夢を見た。カツラの吊るされた天井の部屋には無数のテーブル。犬になった牛河がいる。向かい合って電話でマルタとはなした。マルタ島に行ってた。「猫が帰ってきた」と伝えるとその猫のしっぽは違うと言った。マルタは裸になり尻に本物のしっぽがついていると見せた。クレタには子供が産まれた。その名はコルシカ。牛河「人は島嶼にあらず」。目が覚めた。
間宮から手紙がきた。前の話の続きがあるので話したいと。その後戦闘で戦車に、踏まれ腕を失ってソ連軍に助けられた。ロシア語をうわ言で話したから。シベリアの炭坑に送られ通訳をやらされた。そこであの「カワハギ命令のロシア将校」に会った。彼は囚人になっていた。ニコライというキエフの軍人と仲良くなり、カワハギのことを聞いた。カワハギはボリスという名前の秘密警察員。ボリスはノモンハンの後各地に転戦して部下のモンゴル人にカワハギ拷問をさせていた。ベリヤという上官に気に入られていて出世した。が、ある時共産党幹部の身内を間違って殺害。それでシベリア送り。しかしベリヤが出世すれば解放される可能性があるので、ここでは特別扱い。そのうちボリスは間宮を呼び取り引きを申し出る。「日本人捕虜と画策して謀略をしたいから、仲介をしろ」と。そこで日本人捕虜のリーダーに会わせたら、その方向になった。
深夜屋敷に移動。井戸に降りる。バットがなくなっていた。瞑想すると眠ってしまい、起きると、あのホテルルームに、来ていた。「壁を抜けた」のだ。しかしホテルは少し違っていた。電話は通じないし、ウイスキーも減っていてまるで盗掘された遺跡みたいだ。
しかし部屋のドアが開いた。外に出ると迷路のような廊下。分かれ道が次々現れる。どんどん進んでると同じ場所をグルグルしてる感覚。そこにあの「泥棒かささぎ」を口笛するボーイを見つけた。隠れながら後を追った。ボーイは208号室に来てノックをした。しばらくしてドアが開いた。
手紙の続き。日本人たちは自治を認められつかの間の平穏が訪れた。周りの共産党員やソ連中隊はどんどん粛清されボリスの言いなりになり、彼の王国が出来上がった。日本人はどんどん元より過酷な環境になる。リーダーは暗殺され恐怖政治が作られた。ある日ボリスに呼ばれる。部下になれ、という。本来は断るが「ある計画」が思いつき従った。間宮は優秀な秘書として重宝された。が日本人たちから孤立化した。ニコライとも疎遠になった。しばらくして「計画」のチャンスが訪れた。それはボリスを殺すこと。彼の拳銃を盗み彼に向かい引き金を引いたが弾丸が抜かれていた。罠だった。「「想像することは命取りになる」と忠告したはずだ」と言った。しかし彼は引き出しから実弾2発を取り出し間宮に渡した。「これで打て。だが失敗したらここで行われたことを誰にも話すな。それが取引だ」言った。間宮はうなずいた。至近距離で2発打ったがどれも外れた。ボリスは言った「君には私を殺せないのだ。そして君はこれから一生誰も愛せない、からも愛されない人生を送る。それが呪いだ。私は殺す必要のない人間は殺さない。」と言った。間宮は翌年帰国した。 間宮は手紙をこう締めくくった「この話をようやく岡田様に引き渡せた。なにとぞ心残りなき、良き人生をお歩みください」
208号室。部屋には誰かがいる。そこでボーイと入れ替わりに部屋に入るか、ボーイに付いていくかを考えた。ボーイに付いていくことにした。それは「彼が属している場所に辿りつける」だろうから。戻ってくる時の目印に分かれ道にボールペンで✕を書きながら追った。ロビーに出た。9人の人がいた。テレビではNHKニュースをやっていた。そういえば本田さんのテレビも常にNHKが映っていた。しばらくしてノボルが映った。アナウンサーが言う、ノボルが事務所で襲われ意識不明で病院に運び込まれた。犯人はバットで滅多撃ちにして逃走。目の横にあざのある人物。テレビが切られた。そして9人か次々と岡田を見た。怖くなり廊下に向かったら、みんなが追いかけていた。そして真っ暗になった。よろけたり、ぶつけたり、コートの先をつかまれたりしながら暗闇の廊下をにげた。逃れられたと思ったので一息ついた。テレビの事件を思い巡らす。「僕がやったのか?もう一人の僕が存在?」突然「岡田さん」と声をかけられた。顔のない男だ。彼らはテレビを信じる危険な人たちだから逃げよう、208に案内する、と言った。彼の上着のはしを掴んで進んだ。部屋の前についた。「私は虚ろな人間。味方は私一人だけ」と言ってペンライトを渡し男は消えた。部屋に入って鍵をかけた。元の部屋の状態に戻っているよう。奥の部屋から女が言った「私を照らさないで。約束してくれる?」。岡田は「約束する」と言った。
オンザロックが飲みたいというので作って女の近くの机においた。岡田は「君はクミコだ」と言った。女はそうなの?と言って声色をクミコにした。岡田はノボルの邪悪な力で君の姉を死に追いやった。そして君が妊娠をして君の存在も必要になり僕から奪った、だから君を取り返す、と言った。女は「私はクミコじゃかいかも。本当にそう思う?」。岡田「君はクミコだ。もう僕は逃げない」。女「プレゼントがある」と言ってバットを渡した。そこには髪がついた肉片がついていた。女「ノボルは死なない」。ドアを誰かがノック。女「ここから逃げなさい」。岡田「僕はもう逃げない」。岡田はバットを持ってドアに向かった。
岡田はすみに隠れ息を殺した。ドアが開いて男が入ってきた。ライトで部屋を探っていた。ライトが消されナイフがつきだされた。鎖骨あたりを刺されたがひるまず何度か格闘して暗闇で相手の頭を叩き割った。ライトで相手を確かめようとするとクミコの声がした「見てはダメ!私を連れて帰りたいのならやめて」。岡田はバットを落としソファーにへたりこんだ。意識が薄れ自然に身を任せた。ゼリー状の壁に吸い込まれた。気がつくと井戸に戻ったが、何かが違うようだ。腰まで水が沸いていた。体は動かなかった。そして水は増えていった。水かさは口と鼻を越えていった。
メイの手紙。近くの池が氷って9羽のアヒルの人たちご滑りながら暮らしているのを見て私は楽しんでいる。夜夢で岡田の大声が聞こえ目が覚めた。満月の夜だったので、裸になり月明かりに体をさらした。そして延々泣いた。
ナツメグ「シナモンが助けてくれた。もう少しであなたは死ぬところだったのよ」。仮縫い室に寝かされていた。傷は浅い。毎朝ナツメグが来て看病したが送り迎えのシナモンは顔を見せなかった。そしてナツメグはノボルが長崎での公演中脳溢血で倒れて再起不能になった新聞記事を教えてくれた。「私たちがこれから会うことはない。屋敷は売り渡される」と言った。眠って夢を見た。クレタが子供を抱え現れた。父親は岡田と間宮。今は私は新しい名前が出来て間宮の元で暮らしている。「マルタは?」と岡田は聞いた。クレタは悲しい顔で答えなかった。体が動かせるようになり鏡に立つとあざが消えていた。そしてパソコンが鳴り再び「ねじまき鳥クロニクル」が操作できた。#17を開いた。
『ねじまき鳥クロニクル#17』(クミコの話)私はあなたに隠していたことを告白する。私が綿谷ノボルを殺さなければならない。これから病院に行き生命維持装置を抜く。そして出頭する。
メイに会いに行った。結局メイの手紙は一通も岡田には届いていなかった。クミコはこれから裁判。戻ってくるのを待つ。どこからも誰からも遠い場所で深く眠りについた。