村上春樹のレビュー一覧

  • 哀しいカフェのバラード

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    詩情溢れるメルヘン。そして残酷なラブ・ストーリー。
    タイトルに“ballad”とあるとおり、人々が口伝えに繰り返し語り継いできたドラマに耳を傾けているかのよう。

    冒頭でいきなり悲劇の結末は明かされる。
    うらぶれた田舎町に住む、吝嗇で癖が強いが一目置かれてもいる人物であるミス・アミーリアに起きた、これまた風変わりな愛の行方と破局の物語だ。

    なにもないいつもの夕方、訪ねてきたよそ者との出会いによってミス・アミーリアが変わり、その熱が生む磁場に引き寄せられるように町の住民も変わっていき、物語には幸福と高揚感が満ちてくる。
    しかしそれと同時に、きっとなにかが起きるに違いないというカタストロフィの予

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    2025年01月11日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    話はフィクションですが、思考の混沌とした感じがとてもリアルだと思いました。

    問いへの破壊と再構築。
    夢と現実の行き来。

    誰しもが、何度か経験したことのある深い時間ではないかなと。

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    2025年01月09日
  • 村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

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    #村上春樹
    #螢
    #オーウェル
    #一九八四年
    #森泉岳土
    #河出書房新社
    オーウェルの作品が読みたくてまずマンガで。語彙が減ると思考が狭まる。ヤバい、エグいに集約されてしまいがちな現代。新聞はわかりにくくくSNSはわかりやすい?わかりやすさを求める風潮に警鐘を鳴らす。考えることを放棄したくない
    しかしマンガにも限界がある。
    原作を読めたら。

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    2025年01月06日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    言いたいことが上手く纏まらないけど、「私」と同じくらい多くのものをこの小説から受けとったと思う
    「人は見たいものしか現実と認識しない」っていうところは『姑獲鳥の夏』にも通ずるところだと思った
    イデアやメタファーについて割と深い理解も得られた

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    2025年01月03日
  • やがて哀しき外国語

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    外国で生活している中で起こる出来事を、このように柔らかく捉えていくことでさらに毎日が楽しめるのではないかと感じた。

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    2025年01月03日
  • 大いなる眠り

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    チャンドラーのフィリップ•マーローシリーズ第1作、村上春樹訳。
    フィリップ•マーローは、まだ33歳で荒々しい。マーローは、資産家の将軍に呼ばれて、放蕩娘のせいで借金をネタに強請られており、マーローはその解決を約束する。
    マーローは、警察組織や巨大なヤクザ組織に対しても、頑なにその姿勢を変えずに、いけ好かない男として、立ち向かっていく。
    正に、西部劇のカッコ良いガンマンのように。

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    2025年01月01日
  • カンガルー日和

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    なんだかんだと言いながらけっこう村上春樹の小説を読んでる私もそろそろハルキストを名乗っても良いかもしれないとか思うお年頃。
    この人の語り口っていうのはぶっちゃけどうでも良いようなコメントを挟みつつ場を繋ぐというかちょっと面白いというかある種のお笑いではないかというか通じるものがあるような気がするのはM1を見てお笑い脳になっているからかもしれない。突然家に訪問するアシカみたいな意味不明な展開を真面目に語り尽くすのとかやっぱ好きだしやっぱ笑いもあるわ。

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    2024年12月31日
  • 水底【みなそこ】の女

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    ▼フィリップ・マーロウ第4作。まさに太平洋戦争真っ最中に書かれたようです。とはいえアメリカは体力があったので、そんなに日本の戦時下ものみたいなことはなくて、余裕を感じます。

    ▼「警察の仕事は山ほど問題がある。
    政治と似ている。
    それは最良の人間を要請しているのだが、
    そこには最良の人間を惹きつけるものは
    皆無だ。
    だから我々としては
    手に入る人材でやっていくしかない。
    そしてこのような結果が
    もたらされることになる」。

     ・・・名文句。

     <警察の仕事>を、ほかのなんの仕事に置き換えても、使えます。

    ▼大富豪の奔放な妻が行方不明に。マーロウが雇われて調査開始。夫人が滞在した湖の畔の別荘

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    2024年12月31日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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     著者、村上春樹がウィスキーの産地で有名なスコットランドとアイルランドに訪ねて、その土地のウィスキー職人にインタビューしたり、実際に著者が飲んで感想をまとめたのが本書である。著者の経験上、ウィスキーに限らずビールや日本酒にしても、産地で飲む酒が最高だという。

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    2024年12月30日
  • 中国行きのスロウ・ボート

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    村上春樹が初めて出した短編集である。
    80年代の春樹の短編たちは、どこか
    今と違い瑞々しい印象を受けました。
    言い回しがキザなのは今も昔も変わらないです。どこか抽象的な文章もたまらないです。
    オススメは「シドニーのグリーン・ストリート」で、オーストラリアなシドニーにあるグリーン・ストリートで私立探偵を営む男性のもとにある
    依頼者が現れるのですが、その依頼者の正体と
    依頼内容に村上春樹の世界観が爆裂して、とても
    好きになりました。
    初めて短編を読む方にオススメしたいし、村上春樹を初めて読む方にもオススメしたいです。


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    2024年12月28日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

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    素晴らしくよかった。
    私のお気に入りは、圧倒的に「残り火」。
    植物人間状態になった夫を献身的に世話し続けるロクサンヌ。「一日の殆んどの時間を夫の傍で過ごした。薬を与え、枕をなおし、あるいは話しかけたりした。人が見れば、頭の良い犬に話しかけているのかと錯覚したかもしれない。返答を求めるでも、理解を期待しているわけでもない。そこにあるものは、燃え尽きた残り火の中に微かな暖を求める、祈りにも似た想いだった」
    この最後の一文が素晴らしすぎる。
    なんで美しく、かつ的確な表現なんだろう。

    このほかにも、「氷の宮殿」は、南部と北部ってこんなふうに違うんだなあと感じられてすごく面白かった。
    「冬の夢」は、こ

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    2024年12月27日
  • 高い窓

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    ▼なんとなく
    <フィリップ・マーロウをイチから再読して、続けて原りょう作品をイチから再読しよう計画>進行中。マーロウ長編第3作。高い窓。

    ▼いつも通り金持ちの腐敗した家族関係。そして前作「さらば愛しき人よ」にも通じる、しょーもない奥さん。それに心を支配された娘。高い窓から、セクハラ上司を突き落とした記憶。その弱みを握る男。強請。徐々に明らかになる、過去からの隠された真実・・・。

    ▼これまでの3作の中では、「第2作」「第3作」は普通にミステリとして面白かったか・・・。いや、第3作がいちばんそういう意味ではかっちりしていたような気もします。ただたしかに、辻褄を超えた、よくわからない<マーロウ節

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    2024年12月27日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    村上春樹さんのこの紀行文(旅行記)には、
    こちらが現地を旅行している気分になるくらい、現地で見たものや感じたことが鮮やかに描かれている。
    ラオスやアメリカ、フィンランド等で彼が感じたことを都度しっかり言語化していて、自分もそのようにしてあとに残る思い出として日記に書き残せたら良いなと思った。
    この紀行文に通底しているなと感じた点は
    自然との調和。大自然の中のちっぽけな存在と感じるからこそ、傲慢な考えをしなくなる
    、というような彼の考え方が随所に見られた。

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    2024年12月26日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    エッセイストの小川奈緒さんがお勧めしていて読んだ。村上春樹は小説はあまり得意でないのだけどエッセイは好き。安西水丸のイラストがめちゃくちゃ合っていて爽やかな気持ちになれるエッセイ。
    フェミニズムの観点からするとアウトな表現もちらほらあったけど(やたら若い女性への執着があるのも気になる)この時代の本は皆こんなものかな、、

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    2024年12月18日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    タイトル買いしたのだが、いまのところ殺人は起きない模様。しかしながら、不思議な出来事、このあとの展開が気になる。

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    2024年12月14日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    村上作品はこのようにして創られているのかととても面白く読み進めた。個人的には、ドカベンの作者が「まさかあそこでドカベンがホームランを打つとは思わなかった」と語っていたのと同じ感覚を村上春樹さんが小説内の人物から得ていることが特に興味深かった。

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    2024年12月11日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

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    こんな旅行がしたいと思った。

    ガイドブックで提示されたモデルコースじゃなくて、自分が興味のあるものを、自分の足で探すような。ネットで調べるんじゃなくて、現地の人の声を情報源とするような。

    でも、一筋縄ではいかなさそうだ。
    たぶん、わたしにとってはなんてことない景色でも、春樹さんが見れば、意味を持つ素敵なものに変わるんだろう。そういう目と心を、わたしは鍛える必要がありそう。

    この国はこれが有名で最近このお店が人気で云々、、そういう膨大な情報たちに晒している頭をいったん真っさらにして、旅行して、果たして、わたしはなにを感じるだろう?

    “だって、その何かを探すために、これからラオスまで行こう

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    2024年12月05日
  • 遠い太鼓

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    村上春樹がヨーロッパにもみくちゃにされていて面白い。あと口が悪い。

    「僕が外国で長く生活して得た教訓といえば、だいたいその程度のことだ。世界は原則的にはそのトラブルの質によってアイデンティファイされる。」(p.521)

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    2024年12月05日
  • 遠い太鼓

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    日本の生活に日本の文壇に?疲れ切ってしまった村上春樹さんがヨーロッパに移住する。根無し草の生活は、旅人のようでもあり、逃亡者のようでもある。
    ローマ、アテネ、スペッツェス島、ミコノス、シシリー、ヘルシンキ、ロンドン、トスカーナ、ザルツブルク。
    彼に安住の地はない。でも、相変わらずユーモアにあふれている。シシリーのオペラやヘルシンキのモーツァルト等クラシックコンサートの話やジョギング事情が面白い。クリスマス前、物を乞う人たちや、ローマの縦列駐車をしげしげと観察する村上春樹さんが可笑しい。縦列駐車が上手い人には、オペラのアリアのように拍手喝采するのもおもしろい。トスカーナはやはりいいところなのかあ

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    2024年12月03日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    すらすらと楽しく読めた。
    村上さんの熱心な読者であり自身も作家である川上さんの問いは、情熱的・具体的・切実でありながら楽しそうだ。質問と回答というより、二人がかりで一つの答えを求めて分け入っていくような。

    村上さんのファンとしてはこういうものを読むことには少々躊躇いもあったが(個人対個人の体験でなくなってしまうような気がして)、普段は一人で好きなように見ている美術館を、学芸員さんと一緒に巡るような……自分を遥かに上回るオタク(失敬)の話を聞く楽しさもあった。

    心に残ったフレーズは「信用取引」、「悪しき物語/開かれた・善き物語」。

    「騎士団長殺し」を読み返したくなった。免色さんってやっぱり

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    2024年12月01日