村上春樹のレビュー一覧

  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    阪神淡路大震災のあとの様々な人々の暮らしを集めた短編集。最後の「蜂蜜パイ」の淳平の生き方がたまらなく心地よい。

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    2026年01月07日
  • レキシントンの幽霊

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    「沈黙」
    どうしようもなく嫌な相手にされた嫌がらせに苦しめられながらも、相手を哀れみ、同じ土俵に立ちたくないと葛藤し、苦しむ想い。
    レベルの低い相手とは戦わないこと。
    私が生きていく上で大切に思って来たことでもある。
    それでいて、その相手の中にも「その人なりの正義」というものがあるのだということを理解出来るようになりたいと思う。
    だから、私は同じような葛藤を抱えていた時に、恨みや憎しみではなく、「哀れみ」の感情だけが心に残っていたのかもしれない。
    そして、その他大勢の傍観者達に対しては、興味すら抱けなかったのかもしれない。

    「トニー滝谷」
    彼が「孤独」の存在を知ってからの彼の抱える孤独がどうしようもなく切なくなった。

    「七番目の男」
    幼い頃に、恐怖に背を向け、目を閉じてしまった七番目の男。
    それは奇しくも、自分の中のいちばん重要なものを、「何か」に譲り渡してしまう結果になってしまっていた。
    怖いものやしんどいことから逃げたくなるそんなとき、ほんの一瞬の迷いの後に、ためらいなど無意味で、腹を括って正々堂々と向かいあっていた方が、後がいいのだということ。

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    2026年01月07日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹の小説を書く事に対する考えや読者のついて小説家になったきっかけなど面白いな~。やっぱり面白い人だな。こういう本を読んでいると村上春樹が好きになる。この人の本の話を読んでいると本を読みたくなるし食べ物の話は食べたくなる、

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    2026年01月05日
  • カンガルー日和

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    ネタバレ

    村上春樹の短編集の中ではかなり好き。この短編集には初期の村上作品特有ののどかさが感じられる。
    特にチーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏。タクシーに乗った吸血鬼も。
    鏡は村上作品には珍しい?ちょっとしたホラーだしオチもいい。鏡なしでヒゲを剃るのに慣れるには時間がかかる。
    サウスベイ・ストラットは緊迫感もある。刑事物は新鮮。大した筋のあるお話ではないけれど、銃撃戦はなかなか他の作品にはない気がするなあ。緊迫感の中にものんびりしたところがあるのが村上春樹的。打率(命中率)のことをダラダラ喋っているところ。



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    2026年01月05日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前口上で著者自身が出てくるなんて初、だな。すべて実話らしい…ホントかな。エッセイを読んでいる限りだとちょっと信じられないな。笑。
    では一篇ずつ感想的なものを…。

    ①「偶然の旅人」…話の内容は関係なくて、語り口がその著者を表しているんだ。文体ってやつだね、これが。とても村上春樹らしい作品に仕上がってた。
    ②「ハナレイ・ベイ」…主人公は鮫に片足を喰いちぎられ溺死してしまった息子の母親だ。その喪失感を拭うため(?)、彼の命日前後に亡くなった土地に赴き——。ある人物たちに出会うことにより、少しでも心穏やかに過ごせるようになったのかなぁ…。
    ③「どこであれ〜」…マンション内から忽然と姿を消した夫を探してほしいと依頼に来た女性。それを無料で探す男(主人公)。これも摩訶不思議な話だった。消えた夫は階段の踊り場にあった鏡を通して「仙台」に行ったんだろうねきっと。ソファーに座り、階段を上ってくる住人をただ眺める。どこか文学的な感じがした。
    ④「日々移動する〜」…元証券アナリストの女性と、彼女に恋をする小説家の話。これは割とわかりやすいかな。その女性は墜ちて亡くなってしまったんだと思う。だから淳平(小説家)の元へ来ないのだ。
    ⑤「品川猿」…これも不思議な話だ。どっかの短編集で似たものを読んだ気がする…。見た目は「猿」だけど言葉を話せるから、もうヒトよね。笑。村上作品にはこういう変わったキャラクターが多く存在する。

    で、本当に実話なのこれ?笑
    俄には信じ難いんだが……。笑。

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    2026年01月04日
  • TVピープル

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    三宅香帆さんが紹介してて読んだ。短編集で、珍しく女性が主役な作品が多く、この時代なのにフェミニズムについて書かれているとのこと。

    え、これで終わり?という作品もあったが、「我らの時代のフォークロア」が考えさせられた。優等生の同級生カップル。男性は結婚したいと思っている。女性は彼のことは好きだが高校生の時点で結婚までは処女を貫き通し、将来は歳上と結婚すると決めている。実力があるのに東大でなく女子大に行く。それが女性としての生き方だと。

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    2026年01月04日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    1月末に舞台を観に行くので10年ぶりに再読
    内容はほぼ覚えてなかった

    ねじまき鳥より展開があり読みやすい
    登場人物の独白少なめで春樹の思想は弱め

    大男が部屋をめちゃくちゃにするのを眺めながら小男とコーラを飲んで話しすシーンはかなり良い

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    2026年01月03日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    村上春樹全作品踏破中!

    好きだったのは、「プールサイド」(こんな奥さんいるのだろうか、そしてクラシックコンサートの隣の席の男と寝る若い女の子なんているのだろうか)、「野球場」。

    特に「野球場」は、最近の盗撮ニュースを見るにつけ、「一体全体なぜこんなに男は盗撮が好きなんだろう」という疑問について、何かしらのヒントをくれるようだ。

    村上春樹さんの細部を読みたいから、読んでいるということを発見。
    細部が好きで好きで仕方がない・・・

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    2026年01月03日
  • 象工場のハッピーエンド(新潮文庫)

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    ネタバレ

    FUN FUN FUNが良すぎる。
    曲も含めて。

    そんなただのことばの響きの中に氷を入れて飲むとおいしいよ
    面白すぎる。どうやら深いことを語ってそうだぞ、実体と存在について、言葉とは記号であり…みたいな端をしているかと思ったら最後の一文で急に気が抜けたことを書いている。
    なんだか村上春樹のステレオタイプなイメージとは全く違う。ゆるいユーモア。

    鏡の中の夕焼けもいいな。これは詩ではなく結構しっかり短編小説。犬の喋り方が好き。

    安西水丸のイラストはポップで線画太くてビビッドな色使い。精緻でも写実的でもないが思い切りとインパクトが魅力的な絵。一見して雑であるように感じられるが根底には深い観察があるようにも思う。

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    2026年01月02日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    圧巻のラストでした。
    トオルとクミコは再会することができるのか、夢の中で繰り広げられる物語が刻々と暗闇をより深い闇に誘われる。
    最後は少し難しい展開かなと実感しました。
    新キャラクターの赤坂ナツメグ、シナモン親子も
    キャラが際立って、とても印象に残りました。

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    2025年12月29日
  • レキシントンの幽霊

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    学生時代に国語の模試で、レキシントンの幽霊を読んで以来気になっていた。よくわからない話もあったけど、退屈な話はなかった。7番目の男がお気に入り。

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    2025年12月28日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    難しい内容の小説でした。
    虚構と現実、夢と現実、、の世界を巡る、というストーリー展開で、なかなか掴みづらい感じでした。
    でも村上春樹らしい哲学的な文章で引き込まれました。
    村上春樹さんはやっぱり、好きな作家さんです。

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    2025年12月28日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    物語の紡ぎ方が非常に上手。小さな欠点は吹き飛んでしまう。他作品でも出てくる「穴の中」は、井戸とホテルの廊下が示している。久々の再読ですが、暴力的な場面が多いのには新たな驚きがあった。細かい部分は全然覚えていないので、新鮮に楽しめました。
    日中戦争がこんなに深く描写されていたことに、驚きがありました。

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    2025年12月27日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    第1部の最初の一行で、主人公は台所でスパゲティをゆでていました。「泥棒かささぎ」の序曲を口笛で吹きながら。
    第3部を読み終えるまでは、これほど壮大なスケールの物語だとは予想していませんでした。主人公の岡田トオルはこれといった特徴もなく、国境を超えないし、戦地に赴くこともないし、物理的な移動距離はさほどないのですが、夢と現実、生と死の世界をさまよいます。クロニクル(年代記)とタイトルにあるように、過去の時代についても描かれ、戦争の残酷さ、理不尽さは読むのが辛くなりました。
    戦時下、中国大陸にいた獣医は、思います。「世界というのは、回転扉みたいにただそこをくるくるとまわるだけのものではないのだろうか」と。
    大きな喪失を体感した時は、すべての世界が閉じ、回転扉の別の仕切りの中に移動させられたような、まったく別の世界に放り出されたような気持ちになるのかもしれません。
    でも、連続性がないはずの世界は、後の世代の岡田トオルに結び付き、輪のようにつながっているのです。
    岡田トオルは、枯れ井戸の底の暗闇の中で、精神の深層世界を探ります。生死の境界へとさまよう旅は、痛く、苦しく、恐ろしくもありましたが、読書でなければ知ることのできない(現実にはしたくない)体験でした。

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    2025年12月25日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    青豆は生きる理由を得ました。神を憎むのもやめられます。リーダーとの出会いと殺害がもたらしたもの…。
    天吾は父との再会・くうきさなぎとの出会いで、青豆を強く求めるようになります。
    牛河は、自分のできることを着実にすすめます。
    いよいよ次巻、最終巻が楽しみです!

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    2025年12月24日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    第1部の中盤で描かれていた加納クレタの過去。
    娼婦として生きていた過去を吐露する場面だったが、第2部ではより深く彼女の心理描写に迫っていた。 
    非現実と現実が絡み合った世界で話は進んでいく。
    突然いなくなった妻のクミコ、政界に進出するクミコの兄綿谷昇、クレタ島に行く加納クレタ、そして、水の涸れた井戸の中に3日間入っていたトオル。
    物語はどこに向かうのか、どういう結末なのか、3部に続きます。

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    2025年12月24日
  • 村上T 僕の愛したTシャツたち

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    ふらっと入った本屋で目に入り、購入。
    村上春樹氏の所有するTシャツについて紹介しながら、そのシャツにまつわるエピソードや買い物時の心境などが綴られる。
    著者の海外生活を垣間見れるし、古着屋での服の選び方など興味深い。
    村上春樹を読んだことがある方以外にとって、どう読めばいいのか難しい本だと思う。
    面白かった。

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    2025年12月23日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    物語にどんどん引き込まれてしまいました。さきがけとは、一体何をしているのか?天吾と青豆は再会できるのか?ふかえりは?

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    2025年12月22日
  • カンガルー日和

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    春樹再読の為、短編集を!
    どれも良かったな〜〜〜。
    高校生の時にハマってたけど、今読むとまた感じ方が違う。「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」、「バート・パカラックはお好き?」、「スパゲティーの年に」が特に好き!

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    2025年12月21日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    読み応えがありました。小説家という職業の、苦しみと喜びがよく伝わってきました。フィジカル的にも精神的にもタフさが求められる仕事なのだと思いました。また、日々の生活の中で素材となるものを観察しストックしておく、様々な技法にチャレンジするなど。熱心な読者の存在に感謝していることと同時に、業界の自分自身に対する批判、批評にはかなり卑屈さを感じられているところも窺えて、面白かったです。村上春樹さんの作品が海外でも愛されている理由も分かり、もっと彼の作品を読んでみたいと思いました。

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    2025年12月21日