村上春樹のレビュー一覧
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村上春樹がプリンストン大学に身を置いていた時に書いたエッセイ。時期的には、1991年から1993年にかけてのこと。村上春樹は、けっこう真剣に書いているように思えたし、今からだと30年以上前の話ではあるけれども、それでも、相当に面白く読んだ。
1991年と言えば、日本のバブル経済が崩壊した年であるが、1991年が「崩壊した年」であったとは、後から定義されたことであって、その当時は、バブルの頃ほど、日本経済も調子は良くないけれども、まだまだ世界トップクラスだし、またそのうちに調子を取り戻すと日本人は楽観的に考えていた時期だと思う。それにまつわる話として、輸出攻勢をかける日本人というか、市場を席捲し -
Posted by ブクログ
中編にここまで時間をかけたのはいつぶりか
初めて本を手にしたそんな時のような読書の方法で読んだのは最近の生活が忙しかったからだ
パン屋再襲撃という短編集で,消えた双子の謎 という短編を読んだが,それはこの1973年のピンボールの続編だったのか
風の歌を聞けで別れた2人を平行して描く本作.
何かを求め続けたものと,何かを諦めたもの
二人の中にある哀愁と,二人の中に秘めた思い出のような煌めきはとても虚しい
時より語られる2人の話はまるで遠い過去のように聞こえる
とにかく比喩が多く,全ての表現に村上春樹の哲学が詰まっているように思えた
ピンボールとの会話.それはピンボールではなくてもいいの -
Posted by ブクログ
ネタバレ「僕」と「鼠」の話が交互に描かれるが、本作は鼠が逡巡し故郷をあとにする流れが深く残った。僕も含めて街から人がいなくなり、かつ彼自身は金持ちの家にうまれていることから生活上の切迫感もない中で、何かに突き動かされるように鼠は街を出ていく(結局、ジェイにはっきりと別れを告げることもなく)。
捉えどころのない焦り、無力感、不安等…二十代なりに抱える何かが描写されている
特に印象に残った箇所は以下
・多かれ少なかれ、誰もが自分のシステムに従って生き始めていた。それが僕のと違いすぎると腹が立つし、似すぎていると悲しくなる。それだけのことだ(p.63)
・卒論の指導教授がうまいことを言う。文章はいい、論旨 -
Posted by ブクログ
ジャズ黄金時代に活躍した伝説的なレコードジャケットデザイナー、デヴィッド・ストーン・マーティン(DSM)の手がけたレコードを、写真付きで解説している書籍です。その表紙に掲載されたジャケットが非常に洗練されていて、とてもお洒落で目を引いたため思わず購入しました。私がジャズに興味を持つ大きなキッカケとなった本でもあります。
本書をパラパラとめくりながら、お洒落なレコードジャケットを眺めるだけでも幸せな気持ちになれますし、自然とジャズを聴きたくなります。村上春樹が所有しているDSMデザインのレコードをすべて見ることができる点も、ファンにとっては嬉しいのではないでしょうか。
名盤セレクションではな -
Posted by ブクログ
ネタバレ地下鉄サリン事件において、大小さまざまなサリン被害を受けた62人もの人々へのインタビュー記録。
村上春樹はどうもノルウェイの森のイメージで(ほかに何冊か読んだ気もするんだけど)「元祖やれやれ系」というか、なぜか女にモテるし、なぜか女を抱いてるし、なんかすぐ勃起してるし、みたいなイメージがあったんだけど、このルポ本ではとても真摯にインタビューしている様子が垣間見えて、純粋にすごいなと思った。被害者を傷つけないように……と意識しながらも、結局は自分は「安全地帯」から来た人間で、そのことによって不用意に傷つけてしまったかもしれない、と思った。的なことをあとがきに書いており、そうだよね~~……と思った