村上春樹のレビュー一覧
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知の巨人二人の対談であるので、
正直言って分かったような分からぬような部分も多々ある。
が、そのように「なんとなく分かるような気がする」という感覚も時には重要だろう。
30年近く前の本であり、
内容的には阪神大震災やオウム事件を多くクローズアップしているが、
現代日本の諸問題の多くはすでにこの頃に始まっていた。
曖昧さを良しとする情緒的な日本文化と、論理的なアメリカ文化。
夫婦関係、箱庭療法に対する姿勢、言語の持つ力など、
お二人はさかんに2つの文化の違いを強調するのだけれど、
私は実は似ているのではないか、という気もしている。
ただし、空気に支配される日本がより問題なのは明らかだ。 -
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この手の本を読んだことがなかったのですがとても興味深く読めた。英語も日本語も関係なく、とにかく文章が大好きなお二人と学生さんたちの講義の様子は想像するのも楽しかったし、翻訳は面白いんだ!やらずにはいられないんだ!という村上春樹の翻訳愛に触れられたのも新鮮。キャッチャーインザライは野崎訳も村上訳ももっているけど、この講義をしていた頃にはまだ訳していなかったんだなと思うと感慨深かった。
そして、お二人があまりにも熱烈に英語をどう日本語に直すのか、というお話をするので私も翻訳という作業に興味がわいてしまって、フラニーとズーイの英文庫を取り寄せています。英語は得意じゃないけれど、こういうところから勉強 -
Posted by ブクログ
これ、ずっと知っていたのにすっかり「読んだもの」と思ってスルーしていた。読んだことがあるのは多分象工場の方 (それも曖昧)。
村上春樹と安西水丸が工場見学に行くという話なんだけど、既視感あるなと思ったら片桐仁の「教えてなぜなら知りたがりだから」ですね…もちろんこっちの方が全然先なんだけど。「教えて〜」の方も大好きだったけど、やっぱりこういう専門的な話というのは面白い。特に人体模型工場なんて、ぜひ行ってみたいけどまだあるのか?1986年の本なので今とは全然状況が違うんだろうなと思いつつ、アデランスの「うちの強みはカスタマーサービスの部分なので技術のことが他社にバレても負けない」と言い切る強さがい -
Posted by ブクログ
ポッドキャスト「ペーパードライブ」を聴いて読んでみた。表題作と眠りについては別の短編集「象の消滅」で読んだことがあった。他の短編については正直なところあまり印象に残らなかった。
TVピープルは、何に対しても情熱を持つことが無い空疎な主人公に、さらに空っぽそうなよくわからないもの(オレンジの皮むき器のような飛行機?)が流し込まれる話と感じた。いろいろなものに白けた態度をとり続けた空の箱のような人には、少しのきっかけで何でも流し込める恐ろしさ。
この当時、ソニーのTVはきっと最新の製品と思うけど、2025年に読み返すとノスタルジックなものに見える。また、その時代設定のせいか、TVピープルが登場 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夫々小説家/心理学者の著者による対談集。明確に語られていたわけではないが、ぼんやりと感じたのは「物語が論理的(分解的?)/静的なアプローチを補完する場合もある」ということ。分析とは分けることである、と言われるように、所謂科学的アプローチが日常の仕事にまで染み込んでいる現代について、少なくとも自分は癖として物事を切り分ける/個別事象を理解する/最後に各事象を結びつけるという思考を踏んでいる。これはこれで間違いではなく、むしろ特定の人々からは推奨されるものであるとも思うが、どうしても細部を捨象したり、全てが意図性を持ってしまうきらいがあるとも感じる。一方物語は、明確なメッセージを持たない場合(意図