村上春樹のレビュー一覧
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村上春樹が、ボストン近郊のケンブリッジという場所に住み、タフツ大学というが医学に所属している時にかかれたエッセイ。94年春から95年秋にかけて、「SINRA」という雑誌に連載されていたものに、加筆・修正を加えて1冊の本としたもの。
非常に軽い感じのテンポの良さを感じるエッセイ。
このエッセイが書かれている期間中、村上春樹は長編小説を執筆中だったらしくて、ご本人も書かれているが、ご本人にとっては、ある種の気分転換にもなっていたようだ。
私は、全体的に言えば、村上春樹は小説よりも、このようなエッセイや旅行記的なものが好きなので、本書も楽しく読んだ。 -
Posted by ブクログ
村上さんと柴田先生の対話で暴かれていく作家サリンジャーのひととなり、非常に興味深く読めました。物語への考察=サリンジャーの生涯に密に関わっていたんだという発見があり、サリンジャーの生き方をホールデンになぞらせたのではなく、サリンジャーがホールデンの生き方をなぞっていったというのは一種の狂気を感じた。大昔に野崎訳を読んだ後に村上訳を読んで比較したことはあったけど、当時の印象として前者のホールデンはとんがり少年で、後者は引きこもりがちな天邪鬼。この印象の違いは翻訳に取り掛かった時代の背景を訳者がうまく反映させていたからだというから感心しきりだったし、ひとつの文章がこんなに変わるものなのかと文学の多面性のようなものにやっぱり面白いと思わずにはいられなかった。海辺のカフカが読みたくなる。
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Posted by ブクログ
ネタバレすごいサクサク読める。
そして裏切らない。
よく、登場人物の伝聞がストーリーになっている気がするけれど、
ほんとうに、自分もその人の話を一緒に聞いているようで、
その親近感か何かがとても落ち着く、というか、
普段のテンションで、読める、というか、
ちょっと奇妙な、そんなこともあるんだ、みたいな、
いつのまにか不思議な世界に引き込まれている感じ。
本当に正直に伝えるところが、
やっぱファン・ボルムさんの本にもあったように、
登場人物は、現実の人間だと隠しているようなことも読者に分かるように伝えられることが特徴的だ。
なかなか聞けない話、知れない事実、見れない情景、などなど。
そして村上春樹さんのショートストーリーは、
シーン、セッティングが多岐に振れて、
次はどんな人たちと出会えるんだろう、
と思いながら、
なにかと普遍的な、共通するような、
人間の不思議みたいなものがあるような、
そしてそれがたんたんと、
語られることで、
ああ、こういう体験も、あるのか、
こういうひとも、いるのか、
こういう考えも、持ったりするか、
と、
想像を膨らます。
と分かったようなことを書きながら、
おりのようなもの、って何だろう… -
Posted by ブクログ
知の巨人二人の対談であるので、
正直言って分かったような分からぬような部分も多々ある。
が、そのように「なんとなく分かるような気がする」という感覚も時には重要だろう。
30年近く前の本であり、
内容的には阪神大震災やオウム事件を多くクローズアップしているが、
現代日本の諸問題の多くはすでにこの頃に始まっていた。
曖昧さを良しとする情緒的な日本文化と、論理的なアメリカ文化。
夫婦関係、箱庭療法に対する姿勢、言語の持つ力など、
お二人はさかんに2つの文化の違いを強調するのだけれど、
私は実は似ているのではないか、という気もしている。
ただし、空気に支配される日本がより問題なのは明らかだ。