村上春樹のレビュー一覧

  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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     著者が日常で体験したことをまとめたエッセイ本。酒のつまみとして最適な柿ピーの柿とピーナッツのバランス具合が絶妙であること、イタリア本場のパスタがおいしい反面、イタリア国境のパスタはまずい、うなぎやすき焼きがおいしい、ちらし寿司が関東と関西では別物であるなど、食に関するエッセイは割と多い。また著者のデビュー作『風の歌を聴け』が群像新人賞をとった当時について言及している。授賞式のために用意したスーツは、青山のVANのショップに行き、バーゲンで買ったという。受賞が決まり、出版社に向かって担当の編集者と会うが、そのとき編集者から「君の小説にはかなり問題があるが、まあ、がんばりなさい」と直接言われた。

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    2024年08月16日
  • 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(新潮文庫)

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     村上朝日堂シリーズ。今回も著者が体験したこと、思ったことを書き連ねる。新聞の勧誘をされた際、直接いらないとは言えないから、漢字があまり読めないという嘘で、勧誘を断ることができた。ただし、日本共産党発刊の「赤旗」は例外であった。赤旗の場合、漢字があまり読めない人を考慮しているのか、漫画の欄も掲載されている。その為これまでの嘘が通用しなかったという。それ以降、読めないフリはやめた。
     著者村上春樹は昔から本名で執筆活動をしているが、デビューした当時は、村上龍と角川春樹由来のペンネームだと勘違いされ、また銀行や病院へ行った際、本名が原因で面倒なことに巻き込まれるなど、ペンネームを使わなかったことに

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    2024年08月14日
  • 大いなる眠り

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    チャンドラーの長編第一作。
    春樹さんのあとがきを読んで更に魅力が増した。
    自分の流儀を曲げないタフガイ。
    そしてウィットに富んだセリフ回し。
    格好良過ぎる。

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    2024年08月13日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    ネタバレ

    雑誌用に書かれたものだから、かなり短く空き時間に読むのがピッタリだった。昔は雑誌を読む人が今と比べてたくさんいたからこのようなちょっとした文章を見ることが多かったんだろうなと思った。今街中で雑誌を読んでいる人をほとんど見かけない。
    やっぱり村上春樹のエッセイは面白い。

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    2024年08月12日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    だいぶ昔に読んだ本。再読。

    その頃は、二回同じ本を読まない主義というか、他にも読みたい本が山ほどある中で、後戻りしていられないという、読書を味わい尽くす使命感のようなものがあった(今もあまり変わらない)。その頃の記憶が、当時の音楽や情景に宿っていて、それは小説にも閉じ込められていたと気付く。

    私にとって村上春樹はそうしたタイムカプセルの象徴であり、本書の「蛍」はストーリー自体も回想のようで、私自身の記憶と錯綜し、感情が紐解かれるようだ。そして、案外、話を覚えているものだ、というのが自分自身、意外だった。

    言葉の意味も深く分からず、夢中で読んだ。その余韻に浸りながら、感受性豊かだった学生時

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    2024年08月29日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    新潮文庫夏の100冊で手に取った1冊。叙情性豊かな短編集です。

    ■蛍
    ノルウェイの森の元素材となった本作。文庫本2冊分のエッセンスをギュッと纏めてくれてこちらで再読した気になります。
    ラストがノルウェイの森は旅に出るストーリーだったが、こちらは蛍を放つ、と言う叙情性豊かな造りになっています(ちょっとあざといかも)。

    ■納屋を焼く
    納屋を焼くと言う男と消え去る女性。burn the barnは分かるけど何が言いたいのかは最後までよくわからなかった(納屋を焼く=殺害のメタファーのようです)。

    ■踊る小人
    夏目漱石の夢十夜みたいな小説。踊りの上手い小人と像工場で働く僕。夢と現実。皇帝と革命。メ

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    2024年08月08日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    ネタバレ

    短い文章に決して上手ではない絵なのですが、戦争はすべてを奪ってしまうことが表されています。
    文化、芸術、普段に何気ない生活すべてが奪われても一つの花から、また愛や人々の豊かな感情が戻っていくのが印象的でした。

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    2024年08月06日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上先生の小説はとっつきにくいイメージが勝手にあったのでためらったが、そんなのは杞憂に終わるくらい読みやすかった。
    独特な見方、そしてそれを面白可笑しく言語化してしまうのが尊敬。
    ユーモアたっぷりで一つ一つのお話が短めなので隙間時間にぴったり。
    次作も読んでみたい。

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    2024年08月03日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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    ずっと気になっていた村上春樹と父との確執
    もちろん彼は直接的には語らない

    先日確執のあった父を亡くした
    なにも変わらない
    表向きは

    人には伝わらない
    自分の中でも理解できない
    複雑な気持ち

    少し代弁してくれたみたいで一人ふっと力が抜けた


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    2024年08月01日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    秋川まりえが行方不明になって、主人公は試練を受けた。
    病院から家の穴についた。
    免色に助けられ、秋川まりえも助かった。
    その後ゆずとも復縁し、広尾のマンションに戻って子供を育てた。

    なんかジブリみを感じたなあ。結局妻にフラれて別居していた8ヶ月間、というだけの話ではあるけど騎士団長殺しの絵を媒介にいろんなことが起こる、と言う感じだった。
    たまに示唆的なことを言うのが好き。

    面白かった。と思う。

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    2024年07月27日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    言葉と写真でウイスキーの産地を巡る。
    よりウイスキーが味わい深くなるんじゃないかな。それは人生にとっても良いことの様に思う。

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    2024年07月22日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    全体としてぼちぼちでしたね。
    とにかく、なかなか引き込まれませんでした。
    盛り上がりそうになりながら、なかなか突き抜ける事が出来ず、最後の読後感だけはよかったですが、
    なんだか不思議なまま終わってしまった話でした。
    村上さんでなかったら、星3つだったかも。

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    2024年07月19日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    読みだすと止まらなくさせる文章の天才。 私は花盛りの家とクリスマスの思い出も好きでした。どれもハッピーエンド、すっきりとした終わりではないものの、ため息を吐いて浸りたくなるようなラストでした。 ティファニーで~のホリーはとっても魅力的なキャラクターでした。当時の時代背景ももっと勉強したい。 訳者のあとがきを読むと原文で読んでみたくなる作品です。

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    2024年07月16日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    物語は複雑で怪奇だが、少しずつ前に進んでいる。
    青豆はリーダーに直接会い、天ゴはふかえりを一つになろうとしている。
    牛河は何もかも知っていて、それでいて天ゴを勧誘している。
    前に読んでいるはずだが、何も覚えておないことが不思議なくらい面白い。なんで全く覚えていないんだろう?
    人間の記憶は本当に当てにならないよな。同じように毎年何冊も本を読んでけど、ほとんど失われているんだろう。別に覚えているために読んでるわけではないからいいんだけど。
    青豆はリーダーを殺さないのか?殺せないか…。

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    2024年07月14日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

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    大学生の時には全く良さが分からなかったフィツジェラルドにあらためて出合うことにしました。
    村上春樹が選ぶ10の短編と、エッセイが3編収録されています。

    基本的にどの話もお金持ちの坊ちゃん、嬢ちゃんのやり取りで、感情の振り幅も行動の振り幅も「えっ?」て言うようなもので、あまり感情移入しきれない。
    しかし、「冬の夢」でも「バビロンに帰る」でも出てくる喪失には共感して「あー…」ってなる。

    そうして読み終わった後に、少し重い気だるさと諦念が残る。
    フィツジェラルドはどこかで「人生は失っていく過程だ」みたいなことを書いているらしいけれど、そうだったら、この一編一編は一つ失って、人生を一つ進む、成熟の

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    2024年07月14日
  • 村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた(新潮文庫)

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     著者がアメリカの生活について綴ったエッセイ本。猫好きということあって、猫の話題が多く、猫の写真もいくつか収録されている。ちなみに本人によると、外国で小説を書いたからといって、作品が変わるわけではないという。実際『ダンス・ダンス・ダンス』や『ノルウェイの森』で、どの部分をどこで書いたかを本人は覚えていないらしい。一日のスケジュールとして、午前は仕事をして、その後大学のプールで泳ぐか一時間ほど走るなどして、その後昼ごはんを食べる。午後は小説以外の仕事を進めたり、町で散歩したり、買い物をしたり、日常的な用事を片付ける。夕食後にだいたい本を読みながら音楽を聴く。こんな感じで健康的な生活を送っている。

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    2024年07月13日
  • 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(新潮文庫)

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    中盤がよかった。
    - 一日ですっかり変わってしまうもの
    - 果たされなかったもの
    - 全国のラブホテルの名前選手権

    苦情の手紙を出すことの難しさもわかった。一流作家でも。一般人の私などは出さないほうが懸命だ。だけど、モヤモヤした気持ちを手紙に書いて投函しないというのはいいアイディアだと思った。

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    2024年07月04日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    注文を受けて肖像画を描くからには
    発注者…つまりモデルの満足する肖像を描かなければ
    話にならないのである
    人間の心には光と闇の両面があって
    いずれも個人を形成する重要な部分であるが
    できれば闇の部分は見たくない・見せたくないと
    誰しもが考えている
    闇の部分を率直に描かれては
    大抵の人がイヤな気持ちになってしまうし
    かといって光の部分ばかり強調されたのでは
    なんだか嘘っぽくなるだろう
    光と闇のバランスをうまく調整することが肝要である
    この話の主人公は、そこの匙加減が絶妙だった
    モデルが持っているセルフイメージの
    バイアスをとらえるのが、天才的に上手かったのだと思う
    しかし彼は妻と別れたことで

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    2024年07月04日
  • デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界

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    ジャケデザインの素晴らしさから、ジャズの話をするという観点を捻った作品。自ら、「DSMのデザインしたレコードジャケットを手に取って眺めているだけでなんだか人生で少しばかり得をしたような気がしてくるのだ」と。好きなジャケットを眺めて、心を映す鏡のように見ている。そんな瞬間はレコード好きにはあるんだと思う。実際、自分も好きなジャケット、キースジャレットとかビルエバンスのジャケを見えるようにして置いているから。
    エッセーのようで、でもレコード評のようで、村上さんはきっとクラッシックな、トラディショナルな演奏が好きなんだろうと思う。随所に見られるコメントが、そういうふうに感じさせてくれる。まるで、対話

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    2024年07月01日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

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    多作であったフィッツジェラルドの短編とエッセイを10つ集めた一冊です。

    分かっていたことではありますが、どの作品も薄暗い現実を描いています。もちろん、ハッピーエンドなんでありません。基本的に、かつての幸せや豊かさがもうそこにない人々の話です。かつての若さや美しさが失われてしまった人々の話です。

    中には、それでよかったんだよね、と声をかけたくなるような主人公もいます。「氷の宮殿」や「風の中の家族」などがそうでしょう。

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    2024年06月29日