村上春樹のレビュー一覧

  • 辺境・近境

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    村上春樹の旅行記は面白いと思う。小説よりも面白いかも、とすら感じる。

    本書の最後の、あとがき的な部分で、村上春樹は、旅行記を書く意味や、それを含めた作家としての立ち位置みたいなことを話している。下記に引用する。
    【引用】
    でもいずれにせよ、旅行をするという行為がそもそもの成り立ちとして、大なり小なり旅行する人に意識の変革を迫るものであるなら、旅行を描く作業もやはりその動きを反映したものでなくてはならないと思います。その本質はいつの時代になっても変わりませんよね。それが旅行記というものの本来的な意味だから。「どこそこに行きました。こんなものがありました。こんなことをしました」という面白さ珍奇さ

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    2024年09月26日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    映画では有名だけど、まだ見たことはない。
    ただ主役のオードリーだけは頭にある。
    だからはじめは、顔がチラついて集中できなかった。でも読んでいくうちにそれもなくなり、自分なりのホリーが動きまわった。若く、可愛らしく、いきいきと、今を精一杯思うがままに!
    「何年かあとに、何年も何年もあとに、あの船のどれかが私をここに連れ戻してくれるはずよ。私と、九人のブラジル人の子供たちをね。
    どうしてかといえば、そう、子供達はこれを目にしなくてはならないからよ。この光と、この川を。私はニューヨークが大好きなの」
    今でもたぶんホリーは、どこかの街で、動きまわっている。それは、ブラジルかもしれないし、ニューヨークか

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    2024年09月18日
  • レキシントンの幽霊

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    粒揃いの短編集。
    不思議な体験は、現実に起こりそうな物もあり、ファンタジー色の強い物もある。
    恐怖を扱った作品は、「怖い」を楽しむ、いわば娯楽としての恐怖小説とは少し異なる気がする。
    「怖い」はどこから来るのか?なぜ「怖い」という感情が湧くのか?と、いろいろ考えさせられた。
    この作品集で描かれる恐怖は、心が受けた深い傷から滲み出るもの、怖いけれど楽しいもの?想像に過ぎないもの?、女の心の中の恐ろしさ、人間の心の奥に残った消えることのない恐れの記憶が絶望的な未来を予感させるものなどさまざまである。気が付いていないだけで、まだ他にも隠されているかもしれない。

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    2024年09月17日
  • ロング・グッドバイ

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    フィリップ・マーロウは、酔っぱっていたテリー・レノックスと仲良くなる。彼の妻は億万長者の娘。ある日、その彼の妻が殺され、容疑がテリーにかかる。テリーは罪を自白した遺書を遺して逃亡先のメキシコで自殺するが、テリーが犯人とは思えないマーロウは真相をつきとめようとする…。

    誰が良い人で誰が悪い人なのか見極めながら読んでいくドキドキ感が続きました。怪しい登場人物が多く、気が抜けません。
    お酒と中年男、美しくミステリアスな女…ハードボイルドです。
    主人公マーロウの人の依頼を断れない優しいところがありつつも冷静なところや、お金には断固クリーンなところに好感が持てました。

    登場人物が多く、594ページも

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    2024年09月13日
  • レキシントンの幽霊

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    少し寂しくて読んだ後不思議な気持ちになる短編集
    とても想像力を掻き立てられました、
    個人的に「七番目の男」が好き

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    2024年09月09日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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     村上春樹の家族関係、とりわけ父親(村上千秋)についていくか語る。父親は浄土宗の寺の次男として生まれた。1917年生まれで、戦時中は日中戦争に参戦した(のちに調べたところ、1年違いで南京戦に参戦しなかったが判明した)。中国人の捕虜が軍刀で斬首されたと父親は言っていたという。無抵抗状態の捕虜を処刑するのは、国際法に反する行為であったが、当時の日本軍はお構いなく実行した。本書で紹介された本によると、当時日本軍が捕虜を処刑する際、その多くは銃剣であったらしい。このように、父親は実際に戦地に行った人であったが、戦争映画を見ることにとくに抵抗はなく、村上は父親とよく一緒に映画館へ行き、アメリカの戦争映画

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    2024年09月08日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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     今回も著者が体験したことや思ったことを書いていく。日本のみでなく、いくつかの国々で生活したこともあってか、日本国内外の話についていくつか言及している。ワシントンDCに住んでいたころ、ホテルのシャワーを利用しようと並んでとき、右派ロビイストから横から割り込んで色々と言われたが、自分の後ろにいた白人男性が抗議するという経験をした。著者はアメリカ人について考えるとき、常にその二人を思い出し、力と金がすべて、あるいは公正を信じる人という図式は、どこの国にも当てはまるのだろうという。この経験から、日本にいる外国人がもしなにか困っているときは、助けるようにしている。本書はほかにも、複数の国で過ごした著者

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    2024年09月07日
  • 村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―(新潮文庫)

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     村上ラヂオシリーズの第2弾。前回と同様、著者が体験したこと、思ったことを書き綴る。オリンピックの開催地は、発祥の地アテネにするべきといい、その理由として広告代理店、土木工事など費用が無駄にかかるからだという。また日本のメディアは、選手がメダルをとれるかとれないかということに関心を持ちすぎだと批判する。このような理由からオリンピックはあまり好きではないらしい。
    著者は健康的な生活を送っていることで有名であるが、この習慣をつけるようになったのは、作家としてデビューした30歳ごろで、それ以前はたばこを吸う、夜更かしを
    するなど、現在とは真逆の生活習慣を送っていた。
     ほかにもアイスランドの旅行で見

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    2024年09月07日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    久しぶりの村上春樹。アル中だった人が、何かの間違いで酒を一口飲むとたちまちアル中に戻ると言う話を聞いたことがあるけど、お酒と同じように中毒性のある村上さんの文章を堪能……というにはあまりにも短いエッセイなので、星ひとつ減じました。これは内容というよりもっと読ませてよ〜という長さに対する抗議です(笑)。

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    2024年09月03日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    「ライ麦畑でつかまえて」や「グレート・ギャツビー」に似てるなって思った。

    ‘彼女な本物のまやかしだからね。彼女は自分の信じている紛い物を、心底信じているんだよ。あの子をそこから引きはがすことは、誰にもできやしない。’

    あったかい毛布のような、純真無垢なイノセンスの世界があったら良いけれど、きっと世界のどこにもないんだろうな。表題含め、どの話も切なかった。

    大人とは、裏切られた青年の姿である、まさしく。

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    2024年08月26日
  • さよなら、愛しい人

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    お酒を飲まずにマーロウを読むのは難しい。飲むと話に靄がかかってしまうから、悩ましい。

    自ら謎解きをしながら読むタイプではなくさらさら読むのだけど、記憶に残る「ああ、あれか」で、ほほう、となって読み終わりが爽やか。レッド好きだ。好感の持てるヤツは読者にとってもそうなんだな。なぜかは分からない。やはり瞳の色か。

    はー。。。いいスコッチか、マーテル飲みたい(飲んでみたい)。

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    2024年08月19日
  • やがて哀しき外国語

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    執筆した時の感情や風景が
    ありありと浮かぶエッセイだった

    初めて外国に行く前に
    この本を読みたかったな

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    2024年08月19日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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     著者が日常で体験したことをまとめたエッセイ本。酒のつまみとして最適な柿ピーの柿とピーナッツのバランス具合が絶妙であること、イタリア本場のパスタがおいしい反面、イタリア国境のパスタはまずい、うなぎやすき焼きがおいしい、ちらし寿司が関東と関西では別物であるなど、食に関するエッセイは割と多い。また著者のデビュー作『風の歌を聴け』が群像新人賞をとった当時について言及している。授賞式のために用意したスーツは、青山のVANのショップに行き、バーゲンで買ったという。受賞が決まり、出版社に向かって担当の編集者と会うが、そのとき編集者から「君の小説にはかなり問題があるが、まあ、がんばりなさい」と直接言われた。

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    2024年08月16日
  • 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(新潮文庫)

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     村上朝日堂シリーズ。今回も著者が体験したこと、思ったことを書き連ねる。新聞の勧誘をされた際、直接いらないとは言えないから、漢字があまり読めないという嘘で、勧誘を断ることができた。ただし、日本共産党発刊の「赤旗」は例外であった。赤旗の場合、漢字があまり読めない人を考慮しているのか、漫画の欄も掲載されている。その為これまでの嘘が通用しなかったという。それ以降、読めないフリはやめた。
     著者村上春樹は昔から本名で執筆活動をしているが、デビューした当時は、村上龍と角川春樹由来のペンネームだと勘違いされ、また銀行や病院へ行った際、本名が原因で面倒なことに巻き込まれるなど、ペンネームを使わなかったことに

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    2024年08月14日
  • 大いなる眠り

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    チャンドラーの長編第一作。
    春樹さんのあとがきを読んで更に魅力が増した。
    自分の流儀を曲げないタフガイ。
    そしてウィットに富んだセリフ回し。
    格好良過ぎる。

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    2024年08月13日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    ネタバレ

    雑誌用に書かれたものだから、かなり短く空き時間に読むのがピッタリだった。昔は雑誌を読む人が今と比べてたくさんいたからこのようなちょっとした文章を見ることが多かったんだろうなと思った。今街中で雑誌を読んでいる人をほとんど見かけない。
    やっぱり村上春樹のエッセイは面白い。

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    2024年08月12日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    だいぶ昔に読んだ本。再読。

    その頃は、二回同じ本を読まない主義というか、他にも読みたい本が山ほどある中で、後戻りしていられないという、読書を味わい尽くす使命感のようなものがあった(今もあまり変わらない)。その頃の記憶が、当時の音楽や情景に宿っていて、それは小説にも閉じ込められていたと気付く。

    私にとって村上春樹はそうしたタイムカプセルの象徴であり、本書の「蛍」はストーリー自体も回想のようで、私自身の記憶と錯綜し、感情が紐解かれるようだ。そして、案外、話を覚えているものだ、というのが自分自身、意外だった。

    言葉の意味も深く分からず、夢中で読んだ。その余韻に浸りながら、感受性豊かだった学生時

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    2024年08月29日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    新潮文庫夏の100冊で手に取った1冊。叙情性豊かな短編集です。

    ■蛍
    ノルウェイの森の元素材となった本作。文庫本2冊分のエッセンスをギュッと纏めてくれてこちらで再読した気になります。
    ラストがノルウェイの森は旅に出るストーリーだったが、こちらは蛍を放つ、と言う叙情性豊かな造りになっています(ちょっとあざといかも)。

    ■納屋を焼く
    納屋を焼くと言う男と消え去る女性。burn the barnは分かるけど何が言いたいのかは最後までよくわからなかった(納屋を焼く=殺害のメタファーのようです)。

    ■踊る小人
    夏目漱石の夢十夜みたいな小説。踊りの上手い小人と像工場で働く僕。夢と現実。皇帝と革命。メ

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    2024年08月08日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    ネタバレ

    短い文章に決して上手ではない絵なのですが、戦争はすべてを奪ってしまうことが表されています。
    文化、芸術、普段に何気ない生活すべてが奪われても一つの花から、また愛や人々の豊かな感情が戻っていくのが印象的でした。

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    2024年08月06日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上先生の小説はとっつきにくいイメージが勝手にあったのでためらったが、そんなのは杞憂に終わるくらい読みやすかった。
    独特な見方、そしてそれを面白可笑しく言語化してしまうのが尊敬。
    ユーモアたっぷりで一つ一つのお話が短めなので隙間時間にぴったり。
    次作も読んでみたい。

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    2024年08月03日