村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
村上春樹の新訳によるトルーマン・カポーティのデビュー作。カポーティについては学生時代に主要な作品を読んだ気がしていたのだが、本書は未読だったために、新鮮な気持ちで読むことができた。
本書は親に見捨てられて親戚に育てられた少年が、父親からの連絡によってその元へと戻るシーンからスタートする。このように、複雑な背景を持つ少年の姿というのは、あまり幸福な少年時代を送れなかったカポーティ自身の一種の投影にも近しい側面があるのだと思う。それもあってか、カポーティの作品における少年や子供が主人公の作品での、あまりの心理描写のリアルさには本当に驚愕させられる。
本書でいえば、自分自身が過去に忘れてしまった -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりの圧倒的な読書体験。アメリカ文学に浸れる至福の時間。独特の比喩を用いた言い回し、個性豊かな奇妙な登場人物たち。古きアメリカのディープサウスの描写が素晴らしい。翻訳者を忘れて村上春樹の新作〜それも中期の頃の特別に面白い長編〜を読んでいるようだった。
すらすら読めないので何度も読み返したり、戻ったり、以前の河野一郎訳はどうだったかと比較したり。読書の真髄を思い出させてくれる究極の一冊。じっくりと向き合って味わいたい小説です。
新訳は春樹節が出過ぎてる箇所もある。言葉も前訳の方が分かりやすい部分もあるし、もちろん新訳の方が馴染みやすい単語になっている所もある。前訳で再読してみるのもいい -
購入済み
それぞれの
お話しに、現長編作品のワードが出てきて
影だったり、突然のダンスだったり、
箱の闇への入り口だったり、
相変わらずの性の描写もあり
消化不良の未回収放置もあり、
発刊当時に読んでいたら
また違う感じ方をしていたかも知れなかったかな?
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Posted by ブクログ
今だからこそ読みたい、読んでおくべき作品だと感じました!そして、読んでよかったと思いました。作はジェームズ・サーバーさん作、訳を村上春樹さんが手がけられています。
ストーリーは、第十二次正解大戦後の何もない世界からはじまります。何もない世界では、生きている人間も何も感じない無の世界…。そんな中、1人の女性が世界に残った最後の花を見つけ、その花を1人の男性と一緒に育てることになるのだが…。
過ちを繰り返すのが人間…でも、繰り返さないようにできるのも人間なのではないでしょうか…。先の大戦も、今まさに起きているウクライナ侵攻も、何のためなんでしょう?そこにあるのは大きな犠牲だけ…みんなわか -
Posted by ブクログ
手にしたのは1990年版のぶあっつい単行本。時間のある時、ペラペラ頁を捲り易かった。
1980年代どん詰まりの時間、ハルキ氏は翻訳、エッセー、そして創作と7面六臂の多面的活躍を実行していた時間。
日本を離れて、ギリシア・ローマ滞在の四方山話がでるわでるわ。
ちらちら、フィンランド、オーストリア、英国、一時帰国の日本も入ってくる。
食べ物、宿泊先とそこの親父と妻、たまに猫も、車、風景。。まさにこれもてんこ盛り。
いつもながら比喩の宝庫の扉が開けっ放し。
よくも、まぁ、こんな表現を持ってくるもんだと苦笑したり、仰天したり、くすっときたり。
イタリア人とギリシャ人の人類学的比較~生物学的に・芸術 -
購入済み
現在の
長編お伽噺とは違う現実的でちょっとだけ
お伽噺も含まれる小説でした。
そんな中でも、素敵でエッチな春樹節が
随所に散りばめられて相変わらずの雰囲気。
残り香程度のモヤモヤ感と、きちんと伏線回収
されて読みやすかったです。
ホントの禿げたかと禿げわしの違いを検索して
スッキリしました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ物語は、第12次世界大戦後の荒廃した文明、そして原始的な生活に回帰した人間たちの姿に始まる。 残されたただ1つの花を愛で、平和に暮らし始めた男女が家族を作り、さらに人口が増えて文明化した途端、また戦争を始める人間が現れ…
絵は全体的にとぼけたタッチのラフな線描だが、兵隊が列を成して現れる場面は5ページにも渡り、破滅を予感させる不気味さが際立っている。
「なぜ人間は戦争を繰り返すのか?」をテーマにしたこの絵本は、ナチスドイツがポーランドに侵攻した1939年に刊行されたという。
日本では1983年に『そして、一輪の花のほかは…』という邦題で出版され、その後絶版となっていたものが、最近 村上春樹