村上春樹のレビュー一覧
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河合隼雄と村上春樹がアメリカで行った対談の記録。河合隼雄はユング派だけあってホーリズム的な傾向が強いのだけれど、村上春樹は作家だけあって言語的に理解していこうとする。とはいえ村上春樹もすべて言語に依存して把握しようとする人でもなく言語や精神を支える身体感覚を大切にする人なので、河合隼雄とは波長があって会話が弾んでいる感じが伝わる。
対談のタイミングが『ねじまき鳥クロニクル』の発表直後だけあって、ねじまき鳥の話が多い。また湾岸戦争やオウム事件との時代的な近さも感じる。ねじまき鳥で暴力や歴史というものが前面に出てきており、その理由を村上春樹は河合隼雄との対話の中で見い出そうとしているようにもみえる -
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村上春樹さんの音楽の知識はすごいのだけれど、小澤征爾さんとの会話が本当に楽しい。それは日常が垣間見れるからではないかと思う。そう感じたのは、村上さんの家に小澤さんが遊びに来るシーンだ。村上さんが冷蔵庫から冷えたビールを何種類か出す。小澤さんはその中から懐かしいなあと言って一番安い外国製のビールを選ぶ。
「これこれ、これがうまいんだよ。貧乏をした時によく飲んだなあ」と言いながらグビグビと飲むその姿が目の前に見えてなんだかとても美味しそうに思えた。
音楽祭で若手の音楽家へのお二人の会話もクラシック音楽は素人に近い私でも音楽が聞こえてくるようで楽しかった。 -
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ネタバレ予想以上に川上未映子が突っ込んだインタビューをしていて、かなり読み応えがあった。
あの村上春樹が、作品や過去に受けたインタビューで答えた内容との矛盾?を川上から指摘され、ややたじろぐ様な場面もあり、読んでいる方がハラハラ。それでも飄々と村上節でかわしていく?様子はさすがだなと。だけど終始和やかな雰囲気で、2人の信頼関係がこちらまで伝わってきて、作家として人間としてリスペクトし合っているのがめちゃくちゃ伝わってくる。
さすがというか、とにかくインタビューの内容が濃い。かなり勉強になりました。
家に例えると、その人の普段の生活や考えてることを1階とすると、日本の近代文学は地下一階を扱っていて、村上 -
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村上朝日堂が、『日刊アルバイトユース』から『週刊朝日』に移って続編。
ページ数も増しまし、文庫版で1篇5ページとなった。
以前は、ちょっと尖った若者が言いたいこと言ってる風だったのが、文章も洗練され、ちょっと寝っ転がっては読めない感じ。
でもまだ36歳の、若い頃の村上さんなのだが。
記憶力の悪い私でも印象に残る話多し。
村上さんは、肉はあまり食べないんだー?厚揚げが好きなんだー!猫派か、good!
早・遅のゲームは、みなさん身の回りのものでやってみると面白いと思う。
新しいものに疎い私なんかは、結果として「遅」「遅遅」のゲームになってしまいそうですが。
正月からつけ始めた日記というのはまず長 -
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ネタバレ村上春樹の旅行記。普段の小説もおもしろいから、これも面白くないはずがないと踏んで読んでみた。
笑えるような話もあれば、考えさせられる話もあってとても読み応えがあった。
香川旅行編は面白かった。前々から香川のうどんを食べてみたいと思ったことがあり、この話を読んでさらに行きたくなった。水丸さんの挿絵が絶妙にシュールで、香川のローカルうどん屋の勝手さに驚く村上春樹が想像できた。
「神戸まで歩く」は想像していたよりもっと現実的で真面目な話だった。震災の後の神戸はどれだけ空虚で悲しみに溢れていたのだろうか。私は生まれていなかったし、関西出身でもないから震災の記憶はほぼないが災害が起こった後のやるせなさが