村上春樹のレビュー一覧
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村上春樹は紀行文でもやはり村上春樹の文体で心を揺さぶる。
阪神大震災の二年後に自分の住んでいた街の辺りを歩いていく。
大震災の傷跡を自らの目で確かめる。小さい頃泳いだ海、空き地が変貌ぶりに違和感を覚えながら。
ノモンハンも同じだ。ノモンハンが事件でなく本物の戦争であることを証明するかのように現地を訪ねる。現地に来て、「220キロを徒歩で行軍する」ことの凄まじさに唖然とする。1時間に6キロの速さで水不足の中の行軍。だんだんイメージ出来てくる。
メキシコでは貧富の差、治安の悪さを実感し、ものを失う喪失感も味わう。
そんな中、香川のディープなうどん巡りと無人島、からす島の秘密は楽しい! -
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重い小説、難解な小説の後は村上春樹さんの脱力エッセイがおすすめ。中でも、村上ラヂオ2.3はかなり面白い。
・オムレツを作ろう
・献欲手帳
・死ぬほど退屈な会話
・とんでもない距離、ひどい道
・いちばんおいしいトマト
がお気に入り!
特に、村上春樹さんが学生時代、北陸を徒歩旅行した時に、農家の方がトマトをくれた話が心に残る。
能登半島の善意が沁みてくる。
太田幸司さんが決勝戦で18回を一人で投げきり、それでも0対0で決着がつかなかったあの夏の出来事だ。
春樹さんの話を読んでいると、走りたくなる。
そして
シューベルトの「アルペジオール・ソナタ」を聴きながらオムレツつくりたくなる。 -
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小説の村上春樹もいいけどエッセイの村上春樹はさらにいい。
クスッと笑えるエッセイに、今週の村上というおまけ付き。
今週の疲れがどどっと出て、テレビの画面を見て思い切り受け身で過ごそうと思ったけど、この本読んでたら疲れが抜けていった!
あまりにも可笑しくて、ばかばかしくて、脱力感。
本人曰く、ビール会社が作るウーロン茶。
これがまた味わい深い。
実際のオリンピック、ドイツとパキスタンのホッケーの試合を観て純粋にスポーツの醍醐味を味わったり、メジャーリーグの試合を観戦し、Aロッドの一挙手一投足を観察したり、毎度のことながら視点が面白い。ヒノマルの数とか結果とかに無縁な観戦姿勢が村上流。
最後は真面目に決めてた。
「小説も音楽も、心の痛みや悲しみを、深いところで誰かと担い合える。」
まさにその通りだと思う。
小説て音楽に救われている。 -
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河合隼雄と村上春樹がアメリカで行った対談の記録。河合隼雄はユング派だけあってホーリズム的な傾向が強いのだけれど、村上春樹は作家だけあって言語的に理解していこうとする。とはいえ村上春樹もすべて言語に依存して把握しようとする人でもなく言語や精神を支える身体感覚を大切にする人なので、河合隼雄とは波長があって会話が弾んでいる感じが伝わる。
対談のタイミングが『ねじまき鳥クロニクル』の発表直後だけあって、ねじまき鳥の話が多い。また湾岸戦争やオウム事件との時代的な近さも感じる。ねじまき鳥で暴力や歴史というものが前面に出てきており、その理由を村上春樹は河合隼雄との対話の中で見い出そうとしているようにもみえる。
短いけれど読み応えのある対談集だと思う。 -
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村上春樹さんの音楽の知識はすごいのだけれど、小澤征爾さんとの会話が本当に楽しい。それは日常が垣間見れるからではないかと思う。そう感じたのは、村上さんの家に小澤さんが遊びに来るシーンだ。村上さんが冷蔵庫から冷えたビールを何種類か出す。小澤さんはその中から懐かしいなあと言って一番安い外国製のビールを選ぶ。
「これこれ、これがうまいんだよ。貧乏をした時によく飲んだなあ」と言いながらグビグビと飲むその姿が目の前に見えてなんだかとても美味しそうに思えた。
音楽祭で若手の音楽家へのお二人の会話もクラシック音楽は素人に近い私でも音楽が聞こえてくるようで楽しかった。 -
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ネタバレ予想以上に川上未映子が突っ込んだインタビューをしていて、かなり読み応えがあった。
あの村上春樹が、作品や過去に受けたインタビューで答えた内容との矛盾?を川上から指摘され、ややたじろぐ様な場面もあり、読んでいる方がハラハラ。それでも飄々と村上節でかわしていく?様子はさすがだなと。だけど終始和やかな雰囲気で、2人の信頼関係がこちらまで伝わってきて、作家として人間としてリスペクトし合っているのがめちゃくちゃ伝わってくる。
さすがというか、とにかくインタビューの内容が濃い。かなり勉強になりました。
家に例えると、その人の普段の生活や考えてることを1階とすると、日本の近代文学は地下一階を扱っていて、村上春樹は地下二階を書こうとしているという話。
リアリズムをリアリズムの文体で書くことを試みたノルウェイの森、テーマやストーリーよりも文体が先であること、物語というフィクションは過去から現在、未来に至るまで一番強いポリティカルであり得るのではないか、ここに書き出したらキリがないくらいの興味深い話が繰り広げられて。
ほんまに?!何この人本気なん?!と川上未映子と一緒に村上春樹の井戸に入って何が見えたのか、私は入ってみて本当に良かったです。
さてさて、来年は村上春樹をしっかり読んでみようか!
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村上朝日堂が、『日刊アルバイトユース』から『週刊朝日』に移って続編。
ページ数も増しまし、文庫版で1篇5ページとなった。
以前は、ちょっと尖った若者が言いたいこと言ってる風だったのが、文章も洗練され、ちょっと寝っ転がっては読めない感じ。
でもまだ36歳の、若い頃の村上さんなのだが。
記憶力の悪い私でも印象に残る話多し。
村上さんは、肉はあまり食べないんだー?厚揚げが好きなんだー!猫派か、good!
早・遅のゲームは、みなさん身の回りのものでやってみると面白いと思う。
新しいものに疎い私なんかは、結果として「遅」「遅遅」のゲームになってしまいそうですが。
正月からつけ始めた日記というのはまず長くつづかない、とか。
「ジョークとしてみれば面白い」は、「日本のTV番組についてどう思う?」という、村上さんの質問に対しての、22歳アメリカ人青年の回答。
テレビはあまり観ないと書いているのにこういう質問をする村上さんはどうなんですか、と思うが・・・
やがてこの「ジョークとしてみれば面白い」は、テレビでなくてもあらゆる事件に当てはまってしまうのではないかと思うに至る。
自分も思い当たることはある。
政治家や芸能人の不祥事などがよく報道されるが、当事者たちは絶体絶命の大ピンチでも、観ている方からすればギャグでしかない、みたいに感じてしまうこともあるものだ。 -
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ネタバレ村上春樹の旅行記。普段の小説もおもしろいから、これも面白くないはずがないと踏んで読んでみた。
笑えるような話もあれば、考えさせられる話もあってとても読み応えがあった。
香川旅行編は面白かった。前々から香川のうどんを食べてみたいと思ったことがあり、この話を読んでさらに行きたくなった。水丸さんの挿絵が絶妙にシュールで、香川のローカルうどん屋の勝手さに驚く村上春樹が想像できた。
「神戸まで歩く」は想像していたよりもっと現実的で真面目な話だった。震災の後の神戸はどれだけ空虚で悲しみに溢れていたのだろうか。私は生まれていなかったし、関西出身でもないから震災の記憶はほぼないが災害が起こった後のやるせなさが神戸中に蔓延していたと考えると苦しくなった。