村上春樹のレビュー一覧

  • 村上朝日堂(新潮文庫)

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    「これから日本は成長していくだろう」という希望的観測を若いうちに胸に抱きながら自分の人生を歩んできた世代をうらやましく感じた。
    成長を遂げてきている我が国に対して文句を言えなくなってきていることが原因で、最近の若者は閉塞感を覚えるのかなと考えた。

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    2025年02月05日
  • 辺境・近境

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    村上春樹は紀行文でもやはり村上春樹の文体で心を揺さぶる。
    阪神大震災の二年後に自分の住んでいた街の辺りを歩いていく。
    大震災の傷跡を自らの目で確かめる。小さい頃泳いだ海、空き地が変貌ぶりに違和感を覚えながら。
    ノモンハンも同じだ。ノモンハンが事件でなく本物の戦争であることを証明するかのように現地を訪ねる。現地に来て、「220キロを徒歩で行軍する」ことの凄まじさに唖然とする。1時間に6キロの速さで水不足の中の行軍。だんだんイメージ出来てくる。
    メキシコでは貧富の差、治安の悪さを実感し、ものを失う喪失感も味わう。
    そんな中、香川のディープなうどん巡りと無人島、からす島の秘密は楽しい!

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    2024年02月17日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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    重い小説、難解な小説の後は村上春樹さんの脱力エッセイがおすすめ。中でも、村上ラヂオ2.3はかなり面白い。
    ・オムレツを作ろう
    ・献欲手帳
    ・死ぬほど退屈な会話
    ・とんでもない距離、ひどい道
    ・いちばんおいしいトマト
    がお気に入り!

    特に、村上春樹さんが学生時代、北陸を徒歩旅行した時に、農家の方がトマトをくれた話が心に残る。
    能登半島の善意が沁みてくる。
    太田幸司さんが決勝戦で18回を一人で投げきり、それでも0対0で決着がつかなかったあの夏の出来事だ。

    春樹さんの話を読んでいると、走りたくなる。
    そして
    シューベルトの「アルペジオール・ソナタ」を聴きながらオムレツつくりたくなる。

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    2024年02月09日
  • 村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―(新潮文庫)

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    小説の村上春樹もいいけどエッセイの村上春樹はさらにいい。
    クスッと笑えるエッセイに、今週の村上というおまけ付き。
    今週の疲れがどどっと出て、テレビの画面を見て思い切り受け身で過ごそうと思ったけど、この本読んでたら疲れが抜けていった!
    あまりにも可笑しくて、ばかばかしくて、脱力感。
    本人曰く、ビール会社が作るウーロン茶。
    これがまた味わい深い。
    実際のオリンピック、ドイツとパキスタンのホッケーの試合を観て純粋にスポーツの醍醐味を味わったり、メジャーリーグの試合を観戦し、Aロッドの一挙手一投足を観察したり、毎度のことながら視点が面白い。ヒノマルの数とか結果とかに無縁な観戦姿勢が村上流。
    最後は真面目に決めてた。
    「小説も音楽も、心の痛みや悲しみを、深いところで誰かと担い合える。」
    まさにその通りだと思う。
    小説て音楽に救われている。

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    2024年02月03日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    河合隼雄と村上春樹がアメリカで行った対談の記録。河合隼雄はユング派だけあってホーリズム的な傾向が強いのだけれど、村上春樹は作家だけあって言語的に理解していこうとする。とはいえ村上春樹もすべて言語に依存して把握しようとする人でもなく言語や精神を支える身体感覚を大切にする人なので、河合隼雄とは波長があって会話が弾んでいる感じが伝わる。
    対談のタイミングが『ねじまき鳥クロニクル』の発表直後だけあって、ねじまき鳥の話が多い。また湾岸戦争やオウム事件との時代的な近さも感じる。ねじまき鳥で暴力や歴史というものが前面に出てきており、その理由を村上春樹は河合隼雄との対話の中で見い出そうとしているようにもみえる。
    短いけれど読み応えのある対談集だと思う。

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    2024年01月24日
  • 大いなる眠り

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    昔読んだはずだけど、ほとんど筋を覚えていない。
    マーロウ以外の登場人物も。
    今回あらためて読んで、それも無理はないと思った。
    謎らしい謎もなく、マーロウ以外の人物も魅力に乏しい。魅力的なのは探偵だけ。

    それでも、その文体と独特なナラティブは驚嘆に値すると思う。チャンドラーは、本当にユニークな作家だとあらためて思った。

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    2024年01月20日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)―(新潮文庫)

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    免色さんが穴に入ってあっちとこっちの境界線のくだりとか、後半の雨田さんの戦争下で体験してきたであろうことが『ねじまき鳥クロニクル』を思い起こさせる。白いスバル・フォレスターの男(僕?)が女を絞め殺そうとする場面なんかは『ダンス・ダンス・ダンス』の五反田君を感じた。
    今までの作品が色々と現れているのかもしれない。
    免色さんの娘と思われる秋川まりえとどうなっていくのか、騎士団長殺しの意味などまだまだ分からないことだらけで続きが気になる内容でした。

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    2024年01月16日
  • 心は孤独な狩人(新潮文庫)

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    高校生以来、20年ぶりに読む!

    言葉で伝えられることはとても少ないのかもしれない。
    いや、そもそも伝えると言うこと自体、本当は無理があることなのかもしれない。

    閉塞感に満ちていて、読んだあと数日心が沈む。
    早く明るくなりたい。

    だけど、わずかな、わずかな希望を見つけられる気もする。

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    2024年01月16日
  • 心は孤独な狩人(新潮文庫)

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    自分の話をじっくり聴いてくれる相手が居る。それがどれほど救いになるか。
    それだけでも人の役に立てるのかもしれないと、優しい気持ちになった。

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    2024年01月15日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    大学帰りに買って、電車の中で読んだ。

    ランゲルハンス島の午後とニュースと時報が好き。

    Nice boxって性能の良い女性器って意味もあるのね、びっくり。

    小確幸の時間でした。

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    2024年01月12日
  • 小澤征爾さんと、音楽について話をする(新潮文庫)

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    村上春樹さんの音楽の知識はすごいのだけれど、小澤征爾さんとの会話が本当に楽しい。それは日常が垣間見れるからではないかと思う。そう感じたのは、村上さんの家に小澤さんが遊びに来るシーンだ。村上さんが冷蔵庫から冷えたビールを何種類か出す。小澤さんはその中から懐かしいなあと言って一番安い外国製のビールを選ぶ。
    「これこれ、これがうまいんだよ。貧乏をした時によく飲んだなあ」と言いながらグビグビと飲むその姿が目の前に見えてなんだかとても美味しそうに思えた。

    音楽祭で若手の音楽家へのお二人の会話もクラシック音楽は素人に近い私でも音楽が聞こえてくるようで楽しかった。

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    2024年01月09日
  • アンダーグラウンド

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    インタビューはもちろん、最後の「目じるしのない悪夢」まで読み応えのある作品だった。
    特に和田さんの話、明石さんの話から、「平和」、大事な人がいることの大切さを強く感じた。そして
    一番危険であるのは、誰かに己の思想を任せることだ。村上自身の言葉で言えば、自律的パワープロセスは自分自身のものか、確かめる必要がある。

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    2024年01月01日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    感想 世界の捉え方が独特。特にこの世界は誰もひとりぼっちになることはできないが印象的。
    物語が確実に前へ進行しているが、抽象的かつ不思議要素が多過ぎて話を飲み込めているようで飲み込めてない感がある。後半を読んだら全て繋がっていくことを期待する。

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    2026年01月12日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    予想以上に川上未映子が突っ込んだインタビューをしていて、かなり読み応えがあった。
    あの村上春樹が、作品や過去に受けたインタビューで答えた内容との矛盾?を川上から指摘され、ややたじろぐ様な場面もあり、読んでいる方がハラハラ。それでも飄々と村上節でかわしていく?様子はさすがだなと。だけど終始和やかな雰囲気で、2人の信頼関係がこちらまで伝わってきて、作家として人間としてリスペクトし合っているのがめちゃくちゃ伝わってくる。
    さすがというか、とにかくインタビューの内容が濃い。かなり勉強になりました。
    家に例えると、その人の普段の生活や考えてることを1階とすると、日本の近代文学は地下一階を扱っていて、村上春樹は地下二階を書こうとしているという話。
    リアリズムをリアリズムの文体で書くことを試みたノルウェイの森、テーマやストーリーよりも文体が先であること、物語というフィクションは過去から現在、未来に至るまで一番強いポリティカルであり得るのではないか、ここに書き出したらキリがないくらいの興味深い話が繰り広げられて。
    ほんまに?!何この人本気なん?!と川上未映子と一緒に村上春樹の井戸に入って何が見えたのか、私は入ってみて本当に良かったです。
    さてさて、来年は村上春樹をしっかり読んでみようか!

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    2023年12月24日
  • 村上朝日堂の逆襲(新潮文庫)

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    村上朝日堂が、『日刊アルバイトユース』から『週刊朝日』に移って続編。
    ページ数も増しまし、文庫版で1篇5ページとなった。
    以前は、ちょっと尖った若者が言いたいこと言ってる風だったのが、文章も洗練され、ちょっと寝っ転がっては読めない感じ。
    でもまだ36歳の、若い頃の村上さんなのだが。

    記憶力の悪い私でも印象に残る話多し。
    村上さんは、肉はあまり食べないんだー?厚揚げが好きなんだー!猫派か、good!
    早・遅のゲームは、みなさん身の回りのものでやってみると面白いと思う。
    新しいものに疎い私なんかは、結果として「遅」「遅遅」のゲームになってしまいそうですが。
    正月からつけ始めた日記というのはまず長くつづかない、とか。

    「ジョークとしてみれば面白い」は、「日本のTV番組についてどう思う?」という、村上さんの質問に対しての、22歳アメリカ人青年の回答。
    テレビはあまり観ないと書いているのにこういう質問をする村上さんはどうなんですか、と思うが・・・
    やがてこの「ジョークとしてみれば面白い」は、テレビでなくてもあらゆる事件に当てはまってしまうのではないかと思うに至る。
    自分も思い当たることはある。
    政治家や芸能人の不祥事などがよく報道されるが、当事者たちは絶体絶命の大ピンチでも、観ている方からすればギャグでしかない、みたいに感じてしまうこともあるものだ。

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    2023年12月23日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    読み始めて1時間少しで読み切ってしまった。すごく心地いい気持になれた。冬の早朝から音楽を聴きながら文章と絵を楽しむことも小確幸!

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    2023年12月07日
  • 辺境・近境

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    ネタバレ

    村上春樹の旅行記。普段の小説もおもしろいから、これも面白くないはずがないと踏んで読んでみた。
    笑えるような話もあれば、考えさせられる話もあってとても読み応えがあった。
    香川旅行編は面白かった。前々から香川のうどんを食べてみたいと思ったことがあり、この話を読んでさらに行きたくなった。水丸さんの挿絵が絶妙にシュールで、香川のローカルうどん屋の勝手さに驚く村上春樹が想像できた。
    「神戸まで歩く」は想像していたよりもっと現実的で真面目な話だった。震災の後の神戸はどれだけ空虚で悲しみに溢れていたのだろうか。私は生まれていなかったし、関西出身でもないから震災の記憶はほぼないが災害が起こった後のやるせなさが神戸中に蔓延していたと考えると苦しくなった。

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    2023年12月06日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    大作家による小エッセー集。
    村上春樹の個性ともいえるシニカルな視点で、彼の日常の些細なことを綴っている。ただそれだけ。ただそれだけど、それはそれで面白い。

    その中で心に残った言葉。

    というわけで、貴重な燃料をため込むためにも、若いうちにせっせと恋をしておいた方がいいと思う。お金も大事だし、仕事も大事だけど、本気でじっと星を眺めたり、ギターの調べに狂おしく引き込まれたりする時期って、人生にはほんの少ししかないし、それはなかなかいいものだ。放心してガスを消し忘れたり、階段から転げおちたりというようなことも、そりゃたまにはあるけどね。

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    2023年11月30日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    大橋歩の絵が好き。村上春樹の文章に良い感じにアクセントを加えてくれている。エッセイって、書き手を好きなら心地よく読めるけど、そうじゃないとちょっと息苦しいので。村上春樹初心者の私にはちょうどいい一冊でした。

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    2023年11月28日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    村上春樹らしい言い回しが随所に見られつつ、ユーモアも楽しめる。やや尖っているかも。
    寝る前に少し本を読みたい時、お風呂に浸かって10-15分本を読みたい時にオススメです。

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    2023年11月11日