村上春樹のレビュー一覧

  • 高い窓

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    古い金貨をめぐる事件が発生し、私立探偵のマーロウが引き受ける。物語が進むに連れ殺人事件も発生する。運がいいのか悪いのか、マーロウは他の人に先駆けて死体を発見する。最後は見事に事件解決と相成るわけだが、その解決するシーンが格好いい。犯人を目の前にして、静かに真相を語るのだが、そこが人情味溢れる語りなのだ。また、犯人ではない、過去に利用された女の扱いもハードボイルドらしく男の優しさが滲み出てくる。なお、本書はそれほど長い作品ではないが、読むのに時間がかかった。チャンドラーの他の作品(訳者は村上春樹さんではない)を読んだ時にも時間がかかったので、もともと読み進めるのに時間がかかる作家なのだろう。

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    2018年01月05日
  • 日出る国の工場(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これは井上ひさしを彷彿とさせる哲学書である。
    セックスを覚えた少年の様に清く正しく美しいのである。
    中でも、小岩井農場の巻は泣けた。私が丑年であるのが原因かも?知れない。この村上春樹が今や万年、ノーベル賞文学賞の候補者である。今年、それはカズオ・イシグロ氏が受賞した。

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    2017年10月18日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    ひさしぶりに、村上春樹さんの小説を読みました。
    文章も発想も、攻めてるな、という印象が強かった。
    まだデビューから数年しかたっていないころの短編集です。

    「螢」は『ノルウェイの森』の原型にもなっている短編で、
    読んでみると、なんとなく懐かしさを感じました。
    そしておもしろかったし、
    その攻めた具合についてばかりが気になって読んでしまいましたが、
    それも小説を書くための勉強というか、
    「こういう方法論もあるんだね」ということを知るというか、
    もうこういった作品はあるから同じものはつくらないようにするだとか、
    つまりは、自分の創作を、
    より自由にするための読書体験になったかなあ、と思います。

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    2025年07月11日
  • 意味がなければスイングはない

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    この本は音楽について書かれたエッセイを集めた一冊だ。
    その冒頭の一遍はビーチ・ボーイズ、特にバンドのリーダーであった
    ブライアン・ウィルソンについて書いてある文章だ。

    ブライアン・ウィルソンという人は矛盾とミスマッチを抱えている。
    彼自身が作り上げたビーチ・ボーイズは
    アメリカのイノセンスを象徴するようなバンドだった。
    「太陽の光、海、元気な男の子と可愛い女の子の笑顔、サーフィン、オープンカー」
    彼ら自身がアルバムジャケットでサーフィンを抱えてニコニコしている。

    ところがブライアンは海に行くことはなかった。
    泳げなかったそうだ。
    だけれどもファンに求められるまま
    太陽の光に照らされる海を唄

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    2017年09月07日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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    音楽、小説などの知識。
    海外での豊富な体験。
    まねしたいけど、とても追いつけないなぁ。

    大橋歩さんの版画も素晴らしくて素敵。

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    2017年09月05日
  • 村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―(新潮文庫)

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    面と向かうと饒舌ではないのだろうけど、内面はすごく奥深く、話題豊富で楽しい人。
    そんな魅力がいっぱい詰まったエッセイ。
    いつまでも読んでいたい気がする。

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    2017年09月05日
  • 大いなる眠り

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    村上春樹氏の翻訳が出版されるようになって、チャンドラーを改めて読み直したりしている。昔読んだ時とかなりイメージが違う部分があって、翻訳が異なるせいか、自分の年齢のせいか、はかりかねている。

    といっても、この作品は初めて読む。チャンドラーの長編第1作である。

    マーロウが若いな、というのが第一印象。30代前半だから当然なのだけど、もっと老成していた印象をずっと持っていた。作者の描き方なのか、翻訳の雰囲気なのか、僕の年齢なのか。これも判断に迷うところだ。

    話がするすると発展していく上に、マーロウ自身が何を考えているのかさっぱり語ってくれないので、映画のシーンを観ているように、マーロウの心に映る

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    2017年08月20日
  • ポートレイト・イン・ジャズ(新潮文庫)

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    わたしはジャズとか全然詳しくありませんで、??というところも多々ありました。

    でも何かしら気になる曲は聞いてみて、

    ジャズって素敵だな、と思ったりもしてみました。

    ほんとね、和田誠さんと聞くと、奥さんの顔が即座に思い浮かび、ジャズも何もあったもんじゃないような気分にもなるんですが、あんな奥さんがいてくれたら、ずっと笑って過ごせそうだって思えてくるので、なんか、分かるよ、って、言いたくなってしまいます。

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    2017年08月13日
  • さよなら、愛しい人

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    時間おいてまた読みたい。
    好きな登場人物順
    マーロウ/アン・リオーダン>
    ムース・マロイ/グレイル夫人>
    ランドール警部補>他

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    2017年08月10日
  • 翻訳夜話

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    翻訳にそれほど興味はないが、翻訳者の柴田元幸さんには以前から興味があった。相手が村上春樹さんとあれば、なおさらだ。
    翻訳の裏話がたくさん出てくる。
    個人的に好きな部分は挙げきれないので、ここでは割愛。
    1つだけ挙げるなら、村上さんの、翻訳者に必要なのは、偏見のある愛情という話。
    内容に直接関係はないけれど、カーヴァーやフィッツジェラルドを読みたくなった。

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    2017年08月03日
  • 高い窓

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    非常に入り組んだ複雑な話だった。
    マーロウは家出した若妻と
    彼女が持ち出した金貨の行方を
    追っていたはずだが、
    次々と死体が彼の前に現れる。
    誰が、何の意図を持って
    事件を起こしているのか。
    それら混沌とした幾つもの筋が
    まるで本格推理の様に
    最後は一つの解が明らかになる。
    やはり独特の語り口は味があり、
    それだけでもよむ価値がある。
    マーロウの立ち居振る舞いは
    格好良くて痺れた。

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    2017年06月17日
  • 村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―(新潮文庫)

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    さくさく読めて面白かった。
    何てことないものごとへの記憶の引き出しがものすごく豊富かつ鮮明なのだなあと思いました。
    シーザーズ・サラダが美味しそうだ。

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    2017年05月02日
  • 女のいない男たち

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    しんみりさせられた。俺をしんみりさせられる作家ってそうそういない、村上春樹はなんだかんだ言われるけど好き。『女のいない男たち』を読んでピンとこないって人はたぶん・・・人生に深みが足らない(個人的な感想でした)

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    2025年08月23日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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    結局最新刊まで怒涛の勢いで読んでしまった村上春樹エッセイ。
    自由で軽やかで、大袈裟でなく本当に心が楽になりますわ。
    ”今週の村上”とかいうエッセイの最後に添えられてる一文、しょうもなくてすっとぼけで愛おしすぎる…。
    ほんのわずか恐妻家?と思わせる文があったりするのもくすっと笑わせてくれます。

    そしてなんといっても「私が死んだときには」がもうめちゃめちゃ良かった。
    私も外国の墓石に刻んである墓碑銘を読んでまわりたい。
    墓碑銘って、美して潔くてきっと不思議な魅力がある。
    「何ひとつ思うな。ただ風を思え」って私も刻みたい。
    カポーティ読もう。

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    2017年04月28日
  • 大いなる眠り

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    老いた富豪の元に届いた借用書。
    この強請りを解決するよう依頼された
    フィリップ・マーロウが
    複雑に絡み合った事件に挑む。


    噂には聞いていたが、
    ミステリとして特別インパクトが
    ある訳ではなかった。
    むしろ粗が目立つ程。
    だがとにかく文章が魅力的。
    マーロウの台詞、スタイルが
    格好良くて痺れる。
    情景描写、比喩の表現が多彩で
    これを村上春樹が訳す事で
    翻訳のロスを最小限に止め、
    本来の魅力を最大限に引き出して
    いるように感じられた。

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    2017年03月25日
  • 村上ラヂオ3―サラダ好きのライオン―(新潮文庫)

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    大きい版と中身は変わらんです。
    レビューみたい方はそちらを。


    文庫本専用あとがきもありません。

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    2017年03月09日
  • 翻訳夜話

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    ネタバレ

     海外文学を読み始めてまだ日が浅いけれど、このお二人がとてつもない量の仕事をしていることは嫌でもわかる(各々5人くらいいるんではないかと疑ってる)。それほどまでに英米文学の棚には彼らの名が連なっている。柴田氏の訳文は海外文学初心者の私でもスーッと脳に染み込むようで心地よく、みんなにオススメしたい。

     しかし、100%自由に書ける小説と違い、翻訳というのは原作の上に成り立つ。そこにストレスはないのだろうか?翻訳者でもあり、世界中さまざまな言語に翻訳される著書を多数持つ村上春樹氏の翻訳に対する見解は意外なものだったー“多少誤訳があっても、多少事実関係が違ってても、べつにいいじゃない、とまでは言わ

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    2017年10月01日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    2016.12 本棚整理のため再読。☆3.5くらい

    収録作の中では◎蜂蜜パイ、○UFOが釧路に降りる。いずれも村上春樹得意のモチーフ。

    2025.12 MUFGパーク内まちライブラリーで◎のみ再読

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    2025年12月18日
  • リトル・シスター

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     マーロウのもとを訪れた娘は、行方不明の兄を探してほしいと依頼した。

     チャンドラーの「可愛い女」の村上春樹訳です。
     最後の解説に「結局何があったか人に説明しろといわれると上手くいえない」ってあったけど、まさにその通り。
     一応兄の行方不明から始まって、殺人事件がいくつも起こるのだけど、じゃ犯人は動機は、ってなるとよくわからない。つか、印象にのこらない。
     マーロウが、妹や女優やそのとりまき(?)らの周りをぐるぐるしてるって感じ。

     ま、その辺がクールを気取っていても、そうなりきれないマーロウの可愛さなんだろう。

     …当時の風俗を愛で、よくわからんままに振り回されるのがこの

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    2016年10月17日
  • 村上春樹 雑文集(新潮文庫)

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    感銘を受ける文章がいくつもありますが、もし今、ひとつ選ぶとしたら『自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)』です。

    「自分自身について原稿用紙四枚以内で説明しなさい」
    面接などで問われがちだけれど、満足に答えられたことがない。
    村上春樹ならどんな素敵な回答をするのだろうと期待するのだけれど、いきなり「牡蠣フライについて語ろう」と話をすり替えられてしまう。
    好きなものを語ると、それとの距離感や捉え方などから、自然と自分が表現されるということらしい。
    言われてみると「なるほど」と納得してしまう。

    問いに対してまっすぐに太刀打ちできない場合に、これほど大きくアプローチを変え、まっすぐよ

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    2016年08月25日