村上春樹のレビュー一覧

  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    デザインや絵本を作って暮らしている夏帆(かほ)が夢と現実の狭間のような世界で葛藤し戦う物語でした。意図せず起こってしまうことのある人と人の確執についてそれをどう取り扱っていくのか、そんなことを語った内容だつたのではないかと私は感じました。
    背景などの描写があまりなく、冒頭から現実かそうでないのかわからない展開を読み進めることになりました。私個人はもう少しファンタジー感が抑えられている方が良いのにとも感じて星3つまての評価といたしました。

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    2026年10月04日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    ドイツで会ったクロアチア人が一番のお気に入りという村上作品。著者にとって13作品目の長編小説。
    主人公の多崎つくるは、昔から自分のことを色彩や個性に欠けた空っぽの人間のようだと感じており、高校時代の親友4人から絶交されて常に死を意識していた期間がある。恋人に諭されて旧友を訪ねて真相を明らかにしようとする物語。

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    2026年08月07日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    ネタバレ

    珍しく小説の(フィクションとして)形式ではなく、実際に会った相手のお話を聞き、それを春樹が脚色をして物語に仕立てあげるといった方式をとっている作品である。
    それぞれ己の理想像があり、それを理想像として掲げ、そこに向かって走っていくというのが一種の人生であるのだが、そんな物にきっと意味はなく、それは永遠に回り続けるメリーゴーランドのようである。そんな他人の人生のお話を聞いてみようではないか、無意味で無気力な物語を通じて自分を批評し直そうではないかそういった意味が込められている作品のような気がする。
    お気に入りは『プールサイド』そして『ハンティング・ナイフ』である。
    人生を50m水泳に例えるのであれば、折り返し地点が存在する。では、その折り返し地点をどこにどのように定めていくかというお話である。
    二分割なら自分のためにという部分と他人のためにという部分、2つに分かれるのではないだろうか。その価値観は人それぞれであるが、折り返しを単純な半分というものではなく、自分でセッティングしてみるのも悪くはない。
    ハンティングナイフはこれといって同じの概要は難しいのであるが、春樹と出かけ先で会った車椅子少年との会話がなんとも不思議で記憶に残るものである。最後、車椅子少年の夢のお話になる。理解はできないが、ある部分の傷から自分が消えてなくなってしまうそんな儚さを感じた次第である。

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    2026年08月07日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    5つの不可思議な出来事が綴られている。
    最初の2つは少しうるっと来る感じになってるのに最後の作品は猿が喋る作品で落としてるから後味は軽めで終われた。

    流石村上春樹。文章がわかりやすくて丁寧だった。

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    2026年08月06日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    少なくともこの短編集にある作品の中で大きく心を動かしてくれる作品はなかった。もちろん村上春樹特有の心地良いテクスチャはあるのだが、それだけで終わってしまう印象。

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    2026年08月06日
  • TVピープル

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    この短編集は読んだことがなかったかもしれない。
    読んでみてこの作家のエッセンスが詰まっているなと感じた。詰まるところ、この短編集を読めば、この作家との親和性を確認できるのではないかと思った次第。
    そしてこの作家の本領はやっぱり長編にあるのではないかなと思う。奇妙と言える設定が読んでいくうちに馴染んでいく感覚が短編では味わい切れないと感じる次第。

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    2026年08月06日
  • 草の竪琴

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    語られる物語は歔欷でもなければ希望を持つとかそういった類いのものでもない。他の作品からも分かるように全部がそうとは違うけど、カポーティは隠鬱な書き手だった。ひとりで悩んでしまう様子や人間の愚かな部分を描かれていく。しかし彼のイノセンスと呼ばれる無垢な人物は際立って味がいい

    草の竪琴
    5人が打ち明ける秘密の数々がイノセンスで、それを共有することで絆という深みが生まれてきている、また一方で人の深さを打ち明けることは負担にもなりうると捕捉される。そこに更にカポーティによる美しい表現が加わり酔えた。終盤、ドリーがラジオでフットボールを聴くシーンがある判事がルールを教える、それを拒むのだ。知る楽しみも知らない愉しみも大切にするドリーらしい「選択」をするのがよかった

    最後のドアを閉めろ
    ウィルターはいろいろあってアンナと巡り合う、彼は自分の愚かさを知った上での相談をするが物事は見かけ通りなんてことは何一つないのだと言われる
    経験は円環。周り回って自分に襲いかかる物語

    ミリアム
    夫人と不思議な少女ミリアムと会う。彼女は存在しない存在のように描かれ、夫人を付き纏うように幻覚を見ているかのように描かれていた

    夜の樹
    大学生ケイが電車で変な夫婦に会う。物語は孤独の中 不安を誘っていく

    好きなフレーズ引用
    妻は私の腕の中で死んだ。最後に私は尋ねた。君は幸福か アイリーン?僕は君を幸福にできただろうか?幸福 幸福 幸福というのが彼女の最後の言葉だった。何とでもとれる。彼女の答えが果たしてイエスだったのか それともただの質問の反復だったのか 私には知るべくもない。もし私に彼女という人間がわかっていたなら その答えは自ずと理解できるはずだ。
    しかし夢を見ない人間とは 汗もかかない人間のようなものだ。そういう人間はどんどん毒を内側に溜め込んでいくことになるのさ

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    2026年08月06日
  • 女のいない男たち

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    ドライブ・マイ・カー目当て。
    ドライブマイカーは比較的さらっとしていて読みやすかったけど、女性が軸な短編集なのもあってか、全体的に女性を神格化または異生物化しすぎている部分が合わなかった

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    2026年08月05日
  • 村上ラヂオ(新潮文庫)

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    文章の至る所に知性もユーモアも感じてワクワクしながら読んだ。5本に1本ぐらいビビッとくる話があった。読み終わった瞬間、「真っ赤な嘘」の語源を調べ、童話を借りたいと思い、家にパスタがあるかを確認した。

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    2026年08月03日
  • 1973年のピンボール

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    ピンボール なんてどうでもよくて意味もよくわからなくて、そんなことよりも 双子の姉妹との暮らしがなんか楽しそうでいい。同じ人間が2人いるなんて…。実際の生活でもいつも双子はまじまじと見てしまう。

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    2026年08月02日
  • レキシントンの幽霊

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    5年間のアメリカ生活を終えて執筆された『レキシントンの幽霊』。アメリカに因む村上春樹の作品は他にも色々ありますが、いつ読んでもいいなと思います。文体から伝わる時間や空気の流れ方、特に家で音楽や酒、読書に耽る描写は、天井が高く少し肌寒いアメリカンスタイルの部屋に読み手も引き込まれる気がしてとても好きです。僕も仕事の関係で少しの間、西海岸の街サンディエゴで過ごしていたのですが、読むたびに当時の生活を思い起こしてくれる存在です。僕自身、東海岸の街には行ったことがないので、村上春樹が過ごしたプリンストンやケンブリッジにも訪ねてみたいですね。

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    2026年08月02日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    初めての村上作品。
    勝手に構えて読んでしまってるからかも知れないがなかなか進まず。
    面白いのかはわからないが、続きが気にはなる。ここからどこに向かうのかしら。
    とりあえず先に進みます。

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    2026年08月02日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と繋がっている!と気づいたときにはちょっとした感動と興奮。
    あのお話もきちんと終わったようなそうでないような感じがしたからこの本で結末を知れるのかしら?とワクワク。
    「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」ではこちら側の世界に戻ってこなかったけど、この本の中では戻ってきた「僕」。
    どうなるのか楽しみ。

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    2026年08月02日
  • パン屋再襲撃

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    『パン屋再襲撃』を読んで、僕はしばらくパンのことを考えていた。

    もちろん、パンが特別好きだからではない。むしろ僕にとってパンは、朝食として食べるか、食べないか、その程度のものだった。けれどこの短編を読んでいると、パンというものが、単なる食べ物ではなく、人生のどこかに残された小さな借りのように思えてくる。

    昔、空腹の勢いでパン屋を襲った男が、もう一度パン屋を襲う。
    普通に考えれば、かなり馬鹿げた話だ。

    でも人生には、そういう馬鹿げたことがある。

    昔の自分がやり残したことを、何年も経ってから別の形でやり直す。自分ではもう忘れたつもりでも、なぜかそれだけが妙に心に引っかかっている。そして、その引っかかりを解消するために、僕たちはときどき奇妙な行動をとる。

    この話で面白いのは、そんな重大そうなことが、ものすごく軽い調子で進んでいくところだ。

    世界は別に何も変わらない。
    パン屋を襲ったところで人生の意味が見つかるわけでもない。
    それでも、パンを手に入れることで何かが少しだけ元に戻る。

    僕はそこに、村上春樹の小説らしい「人生の穴」のようなものを感じた。

    人間は、ときどき自分でも説明できない空白を抱えて生きている。その空白を、恋愛だったり、仕事だったり、お金だったり、あるいは夜中のハンバーガーだったりで埋めようとする。でも、本当に必要なのはもっと単純なものなのかもしれない。

    腹が減っているなら、まず何かを食べればいい。

    そして、それでもまだ何かが足りないなら、そのときはまた考えればいい。

    『パン屋再襲撃』は、そんなことを冗談みたいに教えてくれる話だった。

    読み終わったあと、僕は少しだけパンが食べたくなった。

    たぶん、それで十分なのだと思う。

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    2026年08月01日
  • スプートニクの恋人

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    主人公が抱える、相手を思う気持ちにとても切なさを感じた。そばにいて何でも話せる関係でありながら、その思いが相手に受け入れられることはない。そのもどかしさや苦しさを読みながら、「恋をしている男性は、みな、このような気持ちなのだろうか」と想像した。

    また、この作品では主人公だけでなく、登場人物全員の孤独が描かれていることが印象的だった。人生や置かれている環境はそれぞれ異なるが、どんな人も悩みや孤独を抱えながら生きている。人は誰かとつながりを求めながらも、最後まで完全には分かり合えない孤独な存在なのだということを改めて考えさせられた。恋愛小説であると同時に、人間の本質的な孤独を描いた作品だと感じた。

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    2026年08月01日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    村上春樹を一冊も読んだことがない。
    名前を聞いたことがあるが読んだことない小説家、くらいの認識だが、さすがに読んでおきたいと有名どころをチョイス。

    まずは、一言。
    描写がことごとく丁寧。一つ一つの動作を省くことなく大事に文字に起こしている。時間の経過や所作、その時の感情を漏らさない。
    時に冗長に感じる時もあるが、自分は、今スマホをタップして文字を打っていることを、それ以上の文字数で表現することができない。でも、ここで村上春樹なら思考の部分とか、情景の部分とかを切り取って書くんだろうな〜と、どんな表現をするのかとすごく気になってしまう。

    全6冊のうちの1冊目。あらすじまで8分目くらいのところまでかかった。まだまだ謎が多いのだが、伏線を張りまくっている状態だろう1冊目をそういうものだと割り切って、2冊目を読もうと思う。

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    2026年07月31日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    何回読んだことか。また読み直した。
    これが初めて読んだ村上春樹作品だった。

    最初は読みづらさ感じるけれど、天吾の章からは読みやすいと思う。

    これからの展開を早く思い出したい。

    2026.7.31再読。

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    2026年07月31日
  • 一人称単数

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    短編集だと知らずに読み始めた。村上春樹自身の目線や、別の主人公の物語の話もあったが、それぞれの話はなんだか読んでいて不思議な体験だった。
    「石のまくらに」と「ウィズ・ザ・ビートルズ」が良かったです。

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    2026年07月30日
  • 1973年のピンボール

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    断片的な過去の記録みたいだった。
    一作目、三作目に比べて印象は薄かった。
    お酒飲みながら読みたかったな

    遠くから見れば 大抵のものは綺麗に見える

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    2026年07月25日
  • レキシントンの幽霊

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    ◯『なおざりにされた。』って「おざなり」
    の言い換えか誤植かと思って調べたら、ちゃんと意味のある言葉だった。


    「ずっと昔に聞いた雨の音のように、彼のどことなくぎこちない一挙一動が僕の心になじんだ」

    ◯読みやすくて、サクッと読めた。

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    2026年07月24日