村上春樹のレビュー一覧

  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    多分村上春樹のいいところでもあり、悪いところでもあるのではと思うけれど、壮大に何か始まりそう!と、最高潮まで期待高まったところで、放り出されたみたいな読後感でした。
    読んでる間、想像力はだいぶ掻き立てられたので、面白くなかったとはいえないけれど、もう少し、あともう少し、何かないんですか!?と、そういう感じが、あぁ村上春樹なんだなと個人的に得た結論です。

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    2026年09月26日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    村上春樹節が暴走しててよくわからない時はあった。(リンボの世界の登場など)
    ただそのわからない話の中でも共感できる境遇や考えがあって、そこには深く共感できた。

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    2026年09月25日
  • 村上朝日堂の逆襲(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読み返してみると、本当に内容を覚えていない。各エッセイのタイトルを読み返してみても、どのような内容であったかを思い出すことができない。それ程までに、意味づけのプロセスを経ていない著者の日々の考え事が、そのまま提示されている作品であるとも言える。ただその中でも、以下に幾つか引用しているように、印象に残る文章はある。それは何故かを振り返ると、著者の中で考え事の中にもその洗練度或いはかけた時間に濃淡があるからであり(例えば、仕事への取組み方や仕事の境界に対する意見は、現時点の著者に通じる部分がある)、特に考えが濃く出ている部分に惹きつけられるためではなかろうかと思う。その濃淡も含めて人間らしい。若いうちは幾つもの薄い関心事が頭の中を駆け巡るが、それが次第にこぼれ落ちていき、限定された但し洗練された考え事に仕上がっていく時、それがその人のスタイルと呼ぶものになるのかもしれない。

    特に印象に残った箇所は以下
    ・しかし長期にわたって努力や集中力を維持するにはどうしても体力が必要だし、努力や集中力を維持することによって才能を増殖させていくことは不可能事ではない。だから「一に健康、二に才能」なのである(p.81)
    ・要するに何から何までうまくやってのけることなんて自分にはとてもできないし、何かをなしとげるにはべつの何かを捨てるしかないのだと認識することである(p.213)
    ・でもひとつだけ例をあげる。それは「作家は批評を批評してはならない」ということである。少なくとも個別の批評なり批評家なりを批評してはならない。そんなことをしても無意味だし、無益なトラブルに巻きこまれるだけだし、自らが卑しくなるだけである。僕はずっとそんな風に考えて生きてきたし、そのおかげで自らをすり減らせる機会をずいぶんうまくパスしてくることができた(中略)作家は小説を書くーこれは仕事だ。批評家はそれについて批評を書くーこれも仕事だ。そして一日が終わる。それぞれの立場の人間がそれぞれの仕事を終えて家に帰り、家族と食事をし(あるいは一人で食事をし)、そして眠る。それが世界というものである(p.216)

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    2026年09月24日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    ネタバレ

    一度短編を読み、「難しいかも」と思いながら、これなら読めるかもと思い手に取ったもの。
    やはり難しい。特に最後の数ページ。
    物語はミステリー小説のように謎を含んでいる。
    なぜ、つくるは突然に切られなければならなかったのか。シロは誰に犯され、殺されたのか。しかし、後段の謎は明かされないままでした。
    沙羅とつくるはどうなるのか(をなぜ仄めかしもしないのか)?
    灰田の登場した意味は?
    わかないっす…。
    ちなみに、YOUTUBEで「ル・マル・デュ・ペイ」を聞いてみましたが、コメントを見ると皆この方を読んだ人でした。
    考えることは同じですねw。

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    2026年09月23日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    世界観がかなり独特かつ、回収されない事実も多いので初めて村上春樹を読む方におすすめかと言われれば否定的です。ある程度文学的小説を読んだことがある方であれば、読後の考察含めて楽しめると思います。

    答えは小説が明かしてくれない、小説の随所に出てくる違和感を楽しめるかたにはおすすめです。

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    2026年09月23日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    戦中の40年代ニューヨーク、純粋で既成概念に縛られない自由奔放な女性を描いた物語。心の奥には孤独感が潜むという、今となってはあるあるな展開ではあるが、当時はオシャレで、多くの女性が憧れたらしい。

    そもそも5番街のティファニーにカフェは無かったと思うが、調べてみたら2017年に映画の影響でブランド初となるダイニングスペース「ブルーボックスカフェ」がオープンしたらしい。銀座にも2025年にオープンしている。

    村上春樹さんの訳はとても読みやすいし、解説も素晴らしかった。原作の著者カポーティの「冷血」も読んでみたくなった。

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    2026年09月23日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    そろそろダレてきたなぁ、って思ってたら牛河のゾーンが入ってきた。二者視点から三者視点になり、また村上春樹に1一本とられた。

    三者交わりそうで交わらないこの距離が、読む側に緊張感を持たせてくれるからサクサク読めた。

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    2026年09月23日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    初めての村上春樹!職場の方におすすめしていただき手に取りました。
    15歳の少年が主人公のため、ストーリーの展開やいろんな感情、描写がコロコロと変わっていく感じがしました。上巻は少し読むのに時間がかかったけれど、下巻はすらすら読めました。上巻から下巻にかけてじわじわ二本の線が一本になっていくような感覚が好きでした!
    でもやっぱり全体的に抽象的で難しいなと感じてしまった。もっとたくさんの本を読んで、またいつか読み返したいな。

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    2026年09月22日
  • 夏帆―The Tale of KAHO―

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    読後、表紙の「夏帆」という字がどうしてもアリクイに見える
    コーヒーを飲む、それだけの場面にも妙に惹かれてしまう
    情けないほど私はもうこの世界が好きらしい

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    2026年09月27日
  • スプートニクの恋人

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    初めての村上春樹。

    ずっとこの話はどこに向かってるんだろうと思いながら読んでいた。

    ミュウの話、すみれの話、ボクの話を経て、人はどんな辛い経験をしてもぬけの殻になっても、外の皮は周りからは変わらず同じように見えるし、変わらず生きていると見られているんだということ言いたいのかなと思った。

    どんな事があっても肉体が機能してる限り変わらず生きていく。視点の違い、人格(精神?)の分裂の話のように自分と他人の視点から物事を見た時に得られる情報の違いなんかを示唆していたのかなと思う。本当の自分とはなんだろうか?読み終えて考えても「本当の」自分というのを知るのは難しいなと感じた。

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    2026年09月21日
  • 風の歌を聴け

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    2020年代とは異なる時代。
    携帯やパソコンがない。だからこそ人と会って話すことがなによりだった頃。
    今と変わらないことは、人と会って、別れて、失敗して、挫折しながらも前に進む。
    そしてなにもなかったかのようにしているが、どの時代にも、どんな人にも、影の部分や成長前の時はあるんだと思い返す一冊でした。

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    2026年09月21日
  • 風の歌を聴け

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    村上春樹のデビュー作らしい、そして僕の村上春樹のデビュー作
    海外かぶれで時間軸、誰が話してるのかも理解するのが難しかったけど、そこを理解することに重きをおかず書いてる内容を楽しんで読んだ(楽しかったかは別)
    村上春樹が僕には合わないとは思ったけど(太宰治の後だったからかも)村上春樹を読むのをやめるのは勿体ないと思わせる何かがあった

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    2026年09月20日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    何とか読み切りました。
    煮え切らない表現と、性的な要素が絡んでくるところ、そして非現実的な展開、とで好みではなかったな。
    読み始めたから読破したけど、興味を失いかけてかなり時間を要した。
    私はハルキストにはなれませんでした。
    何を描きたかったんだろう。

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    2026年09月18日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    世界のねじは巻かれつづけていて、私たちは自由意志なんてなくてただ自動人形みたいに時間的に前に進まされているだけなのかもしれない。

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    2026年09月18日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    村上春樹風味弱めの村上春樹。
    しかしもう本当に文章が読みやすいね〜〜。色んな本を巡って村上春樹に帰ってくると他の本の倍のスピードで読み進められてびっくりする。

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    2026年09月21日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    村上春樹はやや苦手で数十年ぶりに読んだけど、やはり少し口に合わなかった。分かりやすいイベントが起きない小説は自分には高尚すぎるかな。

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    2026年09月16日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹が三十代半ばに書いたエッセイ集。所々出てくる固有名詞が分からない(知らない)こともあった。著者の作品を数多く読んできたが、年齢がそうさせるのか、断定口調が際立つというか、言い換えれば尖ったようなものの考え方/書き方が随所に垣間見え、面白がりながら読み進めた。例えば、「ビーフ・ステーキ、ビーフ・ステーキ」は、短い文章でよくここまで肉を目の前にした条件を細かく読者に伝えられるものだと関心させられる。他にも色々と興味深いエッセイが収録されているが、個人的な好みは「わり食う山羊座」。自分が山羊座だから過度に共感(している気になっている)だけなのかもしれないが、書いてあることがよくわかる。コツコツ地道に物事に取り組む山羊座(その中でも特にA型)は、細かいことが気になり、その細かいことに注意を向けている間に、他の星座の人は軽やかに別の場所に向かっていたりする。それをチラッと一瞥した後、山羊座はまた同じ細かいことを考え始める・・・というように、とにかく地味な存在なのだと思う。でもだからといって何か対策ができるわけではない。地味なりにコツコツ何かを積み上げるしかないのだろう。

    特に印象に残った箇所は以下の通り
    ・しかしこれだけ相性の悪い山羊座・天秤座の組み合わせなのだが、それで結婚生活が破綻をきたすかというと、そうでもない。いつまでたっても事態はちっとも改善されないのだが、ぶつぶつと文句を言いながらもなんとかうまくやっている。これは山羊座が生来わりを食うことに慣れているからかもしれない。あるいは天秤座がいざというところでうまくバランスをとっているからかもしれない (p.19-20)
    ・たとえ一行も書けないにしても、とにかくそのデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。とにかくそのデスクの前で、二時間じっとしていなさい、と (p.44)
    ・我々は自分以外の人間になることはできない。これは根本的な原則である。でもそれにあわせて自分にあったスタイルを身につけていくことは可能である (p.156)
    ・それは金とは関係のないことなのだ。それはいわば想像力の問題なのだ。想像力というものがあれば、我々は大抵のものは乗り切っていけるのだ。たとえ金持ちであろうが貧乏であろうが (p.201)

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    2026年09月16日
  • 風の歌を聴け

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    ノルウェーの森読んだので次の村上春樹本として。
    最後まで不思議な本だった。掴みどころがないような話の中で、ときどきハッとさせられるようなセリフが混じっていたりする。
    自分の人生っていうのは、この地球の歴史の中ではそっと吹いた風みたいなもんなのかな、みたいな気持ちになった

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    2026年09月15日
  • 若い読者のための短編小説案内

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    村上春樹周りは大体網羅してたつもりでしたが、もしかして抜けてた?と思って読みました。はるか昔に読んだ気もするし、読んでない気もします。いずれにせよ、やはり80年代から90年代にかけての春樹節は圧倒的です。「優れた作家はいちばん大事なことは書かないものです。優れたパーカッショニストがいちばん大事な音は叩かないのと同じように。」と、おっしゃってました。確かに。

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    2026年09月15日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ネタバレ

    まあ、なんというかこれはもはや村上作品、といってもよいでしょうか。

    以前『ロング・グッドバイ』の村上氏訳でも感じましたが、やはり雰囲気が村上氏なのですよ。

    『ティファニーで…』はあらすじのとおり、何とも天真爛漫な破天荒な「あばずれ」(あえてこう表現しますが)に皆が魅了されてゆくさまを描きます。

    小説家として世間からやや距離をおいた主人公が、女性に振りまわされつつ物語が紡がれるのは村上氏の長編での典型ですが、そういう所もやはり村上氏のお気に入りなのでしょうか。

    なお本作は解説も村上氏ということで贅沢この上ないのですが、村上氏はかつて高校の時に原書でカポーティを読んでこんなの絶対に書けないとその洗練さにたじろいだとか。

    残念ながら翻訳では原書の流麗さは分からないのですが、村上風『ティファニーで朝食を』を十分堪能することができました。

    その他、掌編の「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」が収録されていますが、どれも味わい深い翻訳でした。

    ・・・
    ということで、カポーティの作品でした。再読でしたが楽しめました。

    村上氏の作品・作風が好きな方はお気に召すのではないかと思います。

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    2026年09月15日