村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近は聴き放題サイトが便利なので、AppleMusicで紹介されている音楽を聴きながら読んだ。これがとてもおもしろい遊びでした。ポートレートインジャズではひとつひとつの紹介が短すぎてあまりその音楽を味わえなかったけど、これは読み応え&聴き応えありです。
まあ、昔からアメリカンポップス・ロック好きということもあり、ブライアン・ウィルソンとブルース・スプリングスティーンの章はなかなか感慨深いものがありました。これを読まなければビーチボーイズのサンフラワーなんて一生聴かなかったかもしれなし、ボーンインザUSAなんてこんな歌詞だなんて気にもしなかっただろう。改めてまだまだ知らない音楽とその歴史があると思い知った。 -
Posted by ブクログ
新たな地平の開拓という意味で最近jazzを聞き込み始めております(最近のrockはどうも、、、何というかキャッチーさが足りないんですな。やたらとギターとドラム音をがなり出してるだけみたいな、、、うーん、当方も年を取ってしまったのか。とは言いつつclassicとは結局折り合えなかったところ、中途半端でもあるのだが)。
そこで何か素人に取っ掛かりを与えてくれる本はないかと探していたところ本作に出会う。この本が入門本として良いのか否かは正直判断できないけれども、この本への賛否両方の反応に対応していけば、jazzの世界には浸れるということではないかな?
ともかく村上春樹のjazz愛は半端なものではないことだけは確かに理解できる。そしてその文才も。これほどまでに自分の言葉で語ることができるとは、、、jazzは間違いなく村上春樹の小説のバックボーンの一つです。何より音楽という美しい世界をひたすら愉しむ感性、趣味という観点から単純に羨ましいかぎりです。 -
Posted by ブクログ
最近は友人に誘われてライブに行くこともあるのですが、実はこれまでほとんどジャズは聞きませんでした。でも村上春樹は大好きなのでこの本を手には取りましたが、普通に読んでもピンと来ないのでそれぞれのミュージシャンのエッセイに合わせてその演奏を聴きながら読むことにしました。最近は月額固定の聴き放題サービスを使っているので、そちらで検索しながら少しづつ読んだのでめちゃくちゃ時間はかかった。
が、これが大正解。春樹氏の文章の意味するところがなんとなくわかるし、これまで敷居が高かったジャズという音楽が少し好きになりました。
何名かはお気に入りができました。今日車でソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」とホレス・シルヴァーの「ソング・フォー・マイ・ファザー」を大音量で聴きながら首都高走ったらすごい大人な気がした。これまで聴かないで損したなあ。 -
Posted by ブクログ
同時代に生きている作家か、自分が特別に好きな作家の本しか翻訳してこなかった村上春樹。
サリンジャーを訳すという考えは、当初なかったそうなのだ。
そうか。サリンジャーはすでに古典になりかかっているのか。(サリンジャーが亡くなったのは2010年)
何人かの人に「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を訳さないんですか?と言われ、長く残る作品については複数の翻訳テキストがあってしかるべきとの持論もあり、野崎訳をも出版し続けることを条件に「キャッチャー~」を訳すことにしたのだそうだ。
時代の空気を伝える訳は、翻訳としての賞味期限が短くなってしまう。
しかし、時代の空気を無視して「ライ麦~」を訳すことはできないだろう。
そのバランスのとり具合が訳者のセンスであり、味なのだと思うし、だからこそ異なる翻訳者での作品の読み比べが楽しいのである。
村上春樹が訳した文章に誤謬がないか、そしてよりよい訳文がないかと柴田元幸と二人、2日間に渡ってみっちり物語を読み込み、討論をしたのだそうで、それを踏まえたうえでの今回の対談となっている。
言葉を訳すことと世界観を伝えること、サリンジャーについて、アメリカ文学について。
二人の話題は深くて広い。
「ライ麦~」を読んだことがない今の若者に向けて、当時の時代背景やサリンジャーの生き様、作品の解説を巻末に村上春樹が書いている。
それは本来、作品の後ろにつけるはずだったのだが、出版社とサリンジャーとの契約事項に「作品解説はつけない」というものがあったため、付けることができなかったのだ。
そういった諸々のことを含めて、副題が「サリンジャー戦記」となったのだな。きっと。 -
Posted by ブクログ
一部は東大の学生の前で、二部は翻訳の専門学校生の前で、そして三部は中堅の翻訳家・研究者の前で二人が翻訳に着いて語ったことが収録されている。
言葉を訳す。文章を訳す。雰囲気、世界観を訳す。
どう訳すかの選択から翻訳がはじまるのだと思った。
村上春樹と柴田元幸がそれぞれに、カーヴァーとオースターの短編小説を訳し、そのちがいを読み比べる第三部が面白かった。
本来村上春樹が訳しているはずのカーヴァーの作品でさえ、私には柴田訳の方が読みやすかった。
もともと村上春樹は英文で書かれた小説を読んで自分の文体を作ってきたのだそうだ。
だから彼の小説は、脳内では英文で構成されているものを、書くことによって日本語として自然なものに翻訳されているようなものなのだろう。
思考の枠組みが英語的で、文章が極めて日本的。
これが村上春樹の文章なのだということが、ここにきて理解できた。
計算して計算して、頭で書かれた文章なのである。
対して柴田元幸は、この時主人公はどのように思ったのか?など、登場人物や作者に思いを寄せることによって、心の中から湧いて出てくる文体らしいのだ。
もしかして、北島マヤ?
じゃあ、村上春樹が亜弓さん?
村上春樹は文体とはリズムだと言っているが、そのリズムとは音ではなく、文章を読んだときの、目のリズムなのだそうで、訳した文章のリズムを確認するために音読することはないらしい。
柴田元幸は、口を動かし手を動かしながら、文章のリズムを作っていくというのだから、翻訳の仕方などは人それぞれなのだ。
正しい翻訳の仕方なんてない。誤訳はあるが。
いくら美しい日本語だといっても、普段使っていない身についていない日本語なら使わない方がいいと二人は言う。
確かに読んでいても、言葉が浮いているな~と思うことがある。
そういうことだったのか。
翻訳の賞味期限について。
同時代性を表現するのに流行りの言葉を使うと、すぐに言葉が色あせていくことになる。
逆に当時は一般的ではなかったので敢えて訳語を使用したところ、今では直訳の方が伝わることもある。
フランス旅行団→ツール・ド・フランス
新しいバランスのスニーカー→ニューバランスのスニーカー
読む方はあっさりと読み流してしまうようなことを、実にいろいろ考えながら訳してくれていることがわかり、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、よい作品をたくさん日本語に訳してください。 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
戦後日本の代表的な作家六人の短編小説を、村上春樹さんがまったく新しい視点から読み解く画期的な試みです。
「吉行淳之介の不器用さの魅力」「安岡章太郎の作為について」「丸谷才一と変身術」…。
自らの創作の秘訣も明かしながら論じる刺激いっぱいの読書案内。
[ 目次 ]
吉行淳之介「水の畔り」
小島信夫「馬」
安岡章太郎「ガラスの靴」
庄野潤三「静物」
丸谷才一「樹影譚」
長谷川四郎「阿久正の話」
[ POP ]
村上春樹が小説の読み方についてレクチャーというだけで読みたい、それだけの価値あり。
彼がこの本を書いたきっかけ、小説家としての意見が書かれている「僕にとっての短編小説」と「まずはじめに」。
まずここで、エッセイや対談では知ることのできない彼の創作への思いや考え方が分かりやすく書かれていて、すっと惹きつけられる。
そして、真摯に戦後日本の作家6名の短編を解説が始まる。
ホッとしたのは、こんな有名な作家であっても、読書は誰と違っていてもいい、とその分析を進めていること。
読み上手ではないので、この自由さが嬉しい。そして、6名の作家の「自我」にこだわって分析を進めていること。
自我、そして生き方についても語られているのだ。
「評論も、自分を通してしか書けない創作だ」とは私の好きな作家の言葉だけど、まさに6作の読書案内を通して、「村上春樹」が強く表現されている。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]