村上春樹のレビュー一覧

  • リトル・シスター

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    レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウもののひとつ。村上春樹の翻訳は、やっぱりすごいなと思う。なかなか思いつかない表現が随所にあって、それがマーロウのイメージにハマりまくっているというか、それ以外を想像できない。

    この作品、プロットがめちゃくちゃややこしい。結局途中で正直よくわからなくなってきた。誰だったっけこれ、状態で最後まで読み切った。それでも読み進めてしまったのは、マーロウの毒舌が冴え渡っていたせいだ。こんなへらず口ばかり叩く奴がいたら、むかついてしょうがないと思うが、小説で読むと会話のテンポが気持ちいい。ダイレクトパスを自在に操るように、場の流れを読み切っている。

    村上春樹さんがあとがきで書いていたが、チャンドラーはこれを書いていた時期、ハリウッドのシナリオを手がけたりしていて、調子を狂わせていたそうだ。どんな状況でも作品は残り、評価を受ける。誰も人生は平坦ではなく、困難の時期を迎える。そんな時でも形を残して次に進むこと自体に意味がある。マーロウ作品の最傑作「ロンググッドバイ」は、この作品の後に生まれている。

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    2026年09月03日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    うーん、ここまで読んでもさっぱり。
    進んでるんだかなんだか。
    登場人物に親近感も共感も愛着もなく。
    なのになぜか読み進めてしまう。
    これで伏線回収しなかったら怒るよ。

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    2026年08月31日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    二つの話が交互に描かれており
    少しずつ接点をもつ
    そして境界線が曖昧になっていく
    そんな感覚
    続きが気になります

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    2026年08月31日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    Starts off strong, I wish I could say the same for the rest

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    2026年08月31日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    不協和音が小さい音でずっと鳴っているような薄い不快感がある。ミステリアスな要素が落ちきらないところがある。ダークな音調、闇が深いのに対する光の照射が小さく、彩度が低い。全体を通して強い諦観がある。彼らは色を名前に持ちながら、36歳というおそらく人生においてもっとも豊かな、あるいは豊かに差し掛かる年齢にありながら、すっかりその色を失いほとんど枯れ切っていた。資本主義社会に疲弊し諦めていた。沙羅も私も少しうんざりしていた。面白そうな人たちは物語から早々にいなくなる。他作品に比べカタルシスが少ない。
    とモヤモヤしていたが、巡礼の年を聞いてすっきりと腹落ちした。なるほど、先にこの曲があるのなら、確かにこの物語は春樹にしか書けないな。すごいな。

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    2026年08月30日
  • 国境の南、太陽の西

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    安定した収入があって、家や車もあり、妻や子もいて、義実家との関係も良好で、全てが揃った人生を送っていると一般的には言えるが、本人としてはどこか物足りなさがあって、その穴を埋められるような存在が島本さんという過去の憧れ・夢。
    イズミとの一件はあんまりだったが、それは再会した島本さんとの関係然り、始という人間の一貫性を感じる。
    著者の具体的な人生と結構リンクしているようだが、飲食店の経営が読んでいて羨ましい笑


    彼女は僕の前から消えてしまった。彼女はそこにいたが、今では消えてしまった。そこには中間というものは存在しない。中間的なものが存在しないところには、中間というものもまた存在しない。国境の南にはたぶんは存在するかもしれない。でも大腸の西にはたぶんは存在しないのだ。p273

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    2026年08月29日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    「白いスバル・フォレスターの男」は何だったのだろう?(何のメタファーだったんだろう?」という疑問が残った。

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    2026年08月28日
  • 村上朝日堂(新潮文庫)

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    おばさんに村上春樹を読んだとか後輩にヤクルトファンがいることを話したら「村上春樹はヤクルトファンだったんだよ」と言うのがきっかけでこの本を読むことに。絵がなんとも言えない可愛さで2pで話が終わるので読みやすくあっという間に読み終わった。村上春樹の人生観や思い出話など色々印象的な話が多かった。エッセイって面白いですね。

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    2026年08月28日
  • スプートニクの恋人

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    ネタバレ

    ノルウェイの森でレズビアンセックスを見せられてもやっとしたものの、この本も最初にぱら読みするとまたあるじゃないの、フェルディナンド…。

    気を取り直してじっくり読み始めてみれば、確かに今作にとってあの性描写は必要なものであった。
    身を守るための精神分裂の比喩として、あちらの世界とこちらの世界。遊園地からの、自分だが自分ではない、おそらくレイプされている場面だが、俯瞰して見ている自分。
    すみれもあちら側にいったのかもしれない。




    「人々は荷車を引いて古戦場に行き、そこに散らばったり埋もれたりしている白骨を集められるだけ集めてきた。歴史のある国だから古戦場には不目由しない。そして町の入り口に、それらの骨を塗り込んだとても大きな門を作った。慰霊をすることによって、死んだ戦士たちが自分たちの町をまもってくれるように望んだからだ。でもね、それだけじゃ足りないんだ。門が出来上がると、彼らは生きている犬を何匹か連れてきて、その候を短剣で切った。
    そしてそのまだ温かい血を門にかけた。ひからびた骨と新しい血が混じりあい、そこではじめて古い魂は呪術的な力を身につけることになる。そう考えたんだ」すみれは黙って話のつづきを待っていた。
    「小説を書くのも、それに似ている。骨をいっぱい集めてきてどんな立派な門を作っても、それだけでは生きた小説にはならない。物語というのはある意味では、この世のものではないんだ。本当の物語にはこっち側とあっち側を結びつけるための、呪術的な洗礼が必要とされる」p26

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    2026年08月27日
  • 風の歌を聴け

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    何も起きない。ただ、それでいい。
    起承転結もなく、ただただ村上春樹の文体に浸れる作品。
    親友とビールを飲み、行きずりの女と寝るだけという突飛な設定や展開がないため親近感を持って読むことができる。
    ノスタルジーなあの頃の夏を感じることができる。

    登場人物同士の会話はユーモアに富んでおり思わず鼻で笑ってしまうようなシーンが多々ある。

    「どんなに惨めなことからでも人は何かを学べるし、だからこそ少しずつでも生き続けることができる」というセリフにはどんな出来事も前向きに捉えられるようなメッセージが込められているように感じた。

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    2026年08月26日
  • 風の歌を聴け

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    切ないナツノオワリに副鼻腔炎に魘されながら読み切った。処女作だと聞いて興味を持った作品、他はあまり知らないが抽象的でパッとは意味がわからない。
    ただ咀嚼すればそういうことなのかなみたいなことはわかる。きっと絶妙にわかりにくいこの感覚が村上春樹のオシャレなんだろう。
    切ないけど、20代って夏みたいなもんだなって思う。アツくてエモい。そして敏感。まだ、敏感でいられるのかもしれない。記憶の一コマ一コマ、非日常を選んでしまう勇敢さ。そして自分を顧みることの繰り返し...大人になりきれなかった夏の物語。

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    2026年08月26日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    皆さんはウィスキーは好きですか?
    私のイメージはどこか通な人が飲むイメージがあります。 
    村上春樹氏が、ウィスキーで有名なスコットランドとアイルランドに行き、現地のウィスキーに触れていき、現地の環境の中でウィスキーを飲むという最高なエッセイです。
    ハイボールでしか飲めない私ですが、読み終えた瞬間からストレートで挑戦したいなと感じました。

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    2026年08月25日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    現在、主人公は雨田具彦の謎と真相を追っており、物語が進むにつれて、その謎が徐々に明らかになっていく。しかし一方で、主人公の元妻ユズが、結婚当時子どもを欲しがらなかったのにもかかわらず身ごもったこと、秋川まりえが突然行方をくらましてしまうというように、身の回りに想定外の出来事が次々と発生する。

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    2026年08月25日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    13歳の少女が失踪したというのに、それを探している最中に、自分が拘置所にいたことなどを話すだろうかという違和感。

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    2026年08月24日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    ◯また、ヤクルト観に行って小説家になる話してる。

    ◯この小説を書くテンションでよく「羊をめぐる冒険」とか「ピンボール」かけたよな。

    ◯村田由香の「PRIZE」読んだばっかりだからこのエッセイ読んでるとき本当かな?って素直に信じられない(笑)。複雑な気持ち。

    ◯そうなのかな? ウケるかどうか「遠い太鼓」では、不安でしょうがないって書いてあったけど。
      
    ◯そうか、「騎士団長〜」はまだなのか。

    ◯エッセイ自体も面白いけど、今まで読んだ小説の裏話を聞けるのは楽しい。

    ◯家族三世代で村上春樹読むって何読むんやろ??気になる。

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    2026年08月24日
  • 女のいない男たち

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    村上春樹らしい作品が詰まった短編集です。男と女の話なだけに性描写も多いです。
    めちゃめちゃ乱暴に、月並みな表現でこの一冊をまとめてしまうと、結果はどうあれ『恋愛は人生のスパイス』なんだと。自分はそう感じました。
    個人的に一番良かったのは「木野」かな。村上春樹の長編小説によくある不思議な展開が垣間見えて面白かった。
    最後の「女のいない男たち」は、うん、なんだかよく分からなかった(笑)

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    2026年08月23日
  • アフターダーク

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    村上春樹版、眠れる森の美女でした、、。
    村上春樹はなんだか、、メルヘンな世界観と憂鬱な暗い世界観を行き来する本が多いような気がした。
    本を読むというより、文章を味わった。

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    2026年08月22日
  • スプートニクの恋人

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    ハルキの中では好きなほう。全部読んでるわけじゃないけど。
    ハルキの小説ってまあある意味で世の中のあらゆる「僕」のリアルでありアクチュアルなんだろうけど、どこまで行っても「わたし」の物語にはなり得ない。だから全部ふーんて感じで意識がページを上滑りしてしまう。

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    2026年08月21日
  • 風の歌を聴け

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    読後感が爽やかで、サクッと読めた。オシャレで文学的な会話が印象的で、文もすごく読みやすかった。話がめっちゃおもろいっていうより、なにか起こりそうで起こらないけどなんか心地いいみたいな感じの本

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    2026年08月21日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    天吾が青豆を思いだす時、20年前のことなんて全然曖昧でしか覚えていないだろうが、その中で必死こいた先に「月」というワード・情景が出てくることに無理があると感じた。
    さすがに20年間少しは伏線として月というワードが天吾の中に生じてきていてほしい。あったのかな?私は気づかず。「あの違和感はなんだ?」と、これまで何回も手をつながれたシーンを思い出しているなら伏線くらい貼れたはずだろうに。
    でも、村上春樹の小説で出てくる価値観や表現、展開って、明らかに歪んでいたりありえないシーンが多いのだけれど、ページをめくる手は止まらないのです。

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    2026年08月21日