村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全部読み終わっての感想。
海辺のカフカに続き二作目の村上春樹。
登場人物たちが次第に寄り合い、ふたつの物語がひとつの物語になること、全部を説明しきらないことが村上春樹流なのだなぁと彼の作風理解がちょっぴり進んだ気がした。
世界が元に戻って、主役2人以外の登場人物の末路には全く触れずに物語が終わる。消化不良感もありつつ、2人がもう1Q84年に戻れないのであれば他の人々がどうなったのかなんてわかるはずもない、そう考えるととてもはっきりした終わり方であり、主役のはっきりした作品だと感じる。
そしてやっぱり手放しで面白かった!とはならないのも私にとっての村上春樹。なのにどういうわけか手に取ってし -
Posted by ブクログ
原題はAmerica Fantasticaで、アメリカ万歳とも訳せるようなタイトルだが、書かれた内容を読み進めると、何が何だかわけがわからなくなる。虚実(小説はそもそもフィクションだが)が混沌として、理解が追いつかない。SNSが醸成した世間が、トランプ大統領の登場とともに現実として世界に表出し、著者はそんな現実をシニカルに、いや本気で嘆くさまを本書『虚言の国』に結実したんだと思う。
また、訳書のタイトルにアメリカという固有名詞を出さずに、“ 国 ”と普遍性を持たせたところに訳者の強い思いがうかがえる。
銀行強盗を働いた主人公の男は、その時窓口にいた行員女性を誘拐し、そのまま逃走する。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ絵を完成させたことで動き始めた物語なだけあって、完成しない絵の方も大きな意味を持っていることがよく分かった。たぶん「白いスバル・フォレスターの男」は主人公のよからぬ感情の象徴で、「秋川まりえの肖像」はまりえを手に入れたいと望む免色の怖さを表している。前者の未完成は主人公が真っ当な人生を歩むことに繋がり、後者の未完成によってまりえの安全が保たれた。「騎士団長殺し」は焼失することで役目を終えた。最後に主人公によって「白いスバル・フォレスターの男」が未来の「騎士団長殺し」のようになることを危惧しながらもその完成を最終的には望んでいることが示唆されるが、再婚することによって独りで無くなった(=他人と共