村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての村上春樹。
ずっとこの話はどこに向かってるんだろうと思いながら読んでいた。
ミュウの話、すみれの話、ボクの話を経て、人はどんな辛い経験をしてもぬけの殻になっても、外の皮は周りからは変わらず同じように見えるし、変わらず生きていると見られているんだということ言いたいのかなと思った。
どんな事があっても肉体が機能してる限り変わらず生きていく。視点の違い、人格(精神?)の分裂の話のように自分と他人の視点から物事を見た時に得られる情報の違いなんかを示唆していたのかなと思う。本当の自分とはなんだろうか?読み終えて考えても「本当の」自分というのを知るのは難しいなと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ村上春樹が三十代半ばに書いたエッセイ集。所々出てくる固有名詞が分からない(知らない)こともあった。著者の作品を数多く読んできたが、年齢がそうさせるのか、断定口調が際立つというか、言い換えれば尖ったようなものの考え方/書き方が随所に垣間見え、面白がりながら読み進めた。例えば、「ビーフ・ステーキ、ビーフ・ステーキ」は、短い文章でよくここまで肉を目の前にした条件を細かく読者に伝えられるものだと関心させられる。他にも色々と興味深いエッセイが収録されているが、個人的な好みは「わり食う山羊座」。自分が山羊座だから過度に共感(している気になっている)だけなのかもしれないが、書いてあることがよくわかる。コツコツ地道に物事に取り組む山羊座(その中でも特にA型)は、細かいことが気になり、その細かいことに注意を向けている間に、他の星座の人は軽やかに別の場所に向かっていたりする。それをチラッと一瞥した後、山羊座はまた同じ細かいことを考え始める・・・というように、とにかく地味な存在なのだと思う。でもだからといって何か対策ができるわけではない。地味なりにコツコツ何かを積み上げるしかないのだろう。
特に印象に残った箇所は以下の通り
・しかしこれだけ相性の悪い山羊座・天秤座の組み合わせなのだが、それで結婚生活が破綻をきたすかというと、そうでもない。いつまでたっても事態はちっとも改善されないのだが、ぶつぶつと文句を言いながらもなんとかうまくやっている。これは山羊座が生来わりを食うことに慣れているからかもしれない。あるいは天秤座がいざというところでうまくバランスをとっているからかもしれない (p.19-20)
・たとえ一行も書けないにしても、とにかくそのデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。とにかくそのデスクの前で、二時間じっとしていなさい、と (p.44)
・我々は自分以外の人間になることはできない。これは根本的な原則である。でもそれにあわせて自分にあったスタイルを身につけていくことは可能である (p.156)
・それは金とは関係のないことなのだ。それはいわば想像力の問題なのだ。想像力というものがあれば、我々は大抵のものは乗り切っていけるのだ。たとえ金持ちであろうが貧乏であろうが (p.201) -
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ネタバレまあ、なんというかこれはもはや村上作品、といってもよいでしょうか。
以前『ロング・グッドバイ』の村上氏訳でも感じましたが、やはり雰囲気が村上氏なのですよ。
『ティファニーで…』はあらすじのとおり、何とも天真爛漫な破天荒な「あばずれ」(あえてこう表現しますが)に皆が魅了されてゆくさまを描きます。
小説家として世間からやや距離をおいた主人公が、女性に振りまわされつつ物語が紡がれるのは村上氏の長編での典型ですが、そういう所もやはり村上氏のお気に入りなのでしょうか。
なお本作は解説も村上氏ということで贅沢この上ないのですが、村上氏はかつて高校の時に原書でカポーティを読んでこんなの絶対に書けないとその洗練さにたじろいだとか。
残念ながら翻訳では原書の流麗さは分からないのですが、村上風『ティファニーで朝食を』を十分堪能することができました。
その他、掌編の「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」が収録されていますが、どれも味わい深い翻訳でした。
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ということで、カポーティの作品でした。再読でしたが楽しめました。
村上氏の作品・作風が好きな方はお気に召すのではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
珍しくまえがきがあり、今作に関しては必要だと思い書いたと著者。
ドライブ・マイ・カーは数年前に映画化し、カンヌ国際映画祭などで話題になった。
映画は未視聴だが、読んでみると確かに映像化しやすそうなわかりやすい話だった。
個人的にはやはりイエスタデイが面白かった。
元々関西に住んでいた等ではないのに、阪神タイガースが好きすぎて関西弁を勉強し、ホームステイまでして、完璧な関西弁を習得した東京人。
大学受験に失敗したのがきっかけで幼馴染と疎遠気味で、友人に対しいい女ではあるからお前デートしてみろとすすめてきて、彼女も承諾して一緒に映画を観に行くなど、なんだかノリが面白い。
関西弁は親しみやすさやユーモアもあって、憧れる気持ちもわかる。 -
Posted by ブクログ
風の歌を聴けに続き今作でも派手な出来事は起こらなかった。
それでも読みながら感じる心地良さは村上春樹独特の文体があってこそだろう。
1つの何気ない出来事に対する比喩が多く、物語の進むスピードが遅いため時間の進みがゆっくりに感じる。現実離れした壮大な世界観であったり、細かな比喩表現によってその作品の世界観に入り込むことがほとんどがだが、本作を呼んでいる時は現実世界とは違う時間の進み方といった点で世界観に入り込むことができた。
内容的には"僕"のパートがお気に入りだった。突如現れた双子やピンボール倉庫など少し現実離れした要素が多く楽しめた。
"鼠"パートは一見地味に感じたが、街を出る決心をした鼠が今後どうして行くのかが気になる。
ゴルフ場のシーンや霊園のシーンなど霧がかった情景を思い浮かべるシーンが多く、鼠がしていたように濃霧の霊園の中で車でヘッドレストに頭を預けて1人静かに読んでみたくなった。