【感想・ネタバレ】虚言の国  アメリカ・ファンタスティカのレビュー

あらすじ

虚言症が蔓延するアメリカで、稀代の嘘つき男が
仕掛ける奇想天外なロードトリップ――

ピュリッツァー賞候補作家が放つ長編小説、待望の全訳!
オブライエン(著)×村上春樹(訳)

ある理由で一流ジャーナリストからフェイクニュースの王に転落した中年男ボイド。
カリフォルニアの田舎町でデパートの店長をしている彼は地元銀行の窓口係アンジーに
銃をつきつけ、奪った8万1千ドルと彼女を連れ逃避行に出る。
仕切り屋で喋り通しのアンジーに閉口しつつアメリカを縦断するボイドと、
彼をとりまく大富豪、悪徳警官、美人妻、殺人者――追う者追われる者が入り乱れ、
嘘と疫病に乗って全米を疾走するが……。
ティム・オブライエン、20年ぶりの長編小説。

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Posted by ブクログ

AMERICA FANTASTICA

アメリカに広まるミソメイニア(虚言症)という感染症、名前から経歴まですべて嘘の主人公ボイド・ハルヴァーソン、銀行、大企業と富豪。トランプとそれを生み出したアメリカ社会を風刺した小説。訳文は村上春樹っぽい文章。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

トランプとコロナでフェイクと陰謀論に覆われた国、アメリカ

裏切りと絶望で真実なき人生を歩むと決めた主人公が、利己的な人との交わりで現実に引き戻され、生きる意味を見つけていく

著者が「虚言(ミソメイニア)の国」と化したかつての「自由の国」の末路を憂いているようで、なんとも考えさせられる物語でした

村上春樹の翻訳は最高です

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

10代の頃、「外国の小説ってなんでそうなるの?みたいな展開が多くてよくわからん」と思って幾星霜。大人になって外国文学の面白さをようやく知ったのですが、この小説はあの10代の感覚を久しぶりに呼び覚ましました。なんでそうなるの?の連続。でもこれが現代アメリカなら、会話が出来ないんじゃ?と思わせられること然り。行動に脈絡がない。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

主人公はジャーナリストから転落した男が銀行強盗をして人質に若い女の子を連れて、自分を窮地に追いやった義父へ対する話。
物語自体は古臭さがある。その古臭いストーリーを、現代的な意匠をまとって作り上げている。ただ、その現代的なイコンがどこまで有効になっているのかは怪しい。あまり鋭くは思えない。ただ、会話劇が中心なので、読みやすさはある。まわりくどい言い方もたくさんするが。

翻訳が村上春樹で、「本当に原語でこうなってるのか?」と思えるほど、村上春樹的な言い回しが出てくる。人質の若い女の子がぺらぺらと喋るあたり(そしてその喋りに中年男が圧倒されて振り回されるあたり)も、むかしの村上春樹のなにかの小説を思い出す。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

 原題はAmerica Fantasticaで、アメリカ万歳とも訳せるようなタイトルだが、書かれた内容を読み進めると、何が何だかわけがわからなくなる。虚実(小説はそもそもフィクションだが)が混沌として、理解が追いつかない。SNSが醸成した世間が、トランプ大統領の登場とともに現実として世界に表出し、著者はそんな現実をシニカルに、いや本気で嘆くさまを本書『虚言の国』に結実したんだと思う。

 また、訳書のタイトルにアメリカという固有名詞を出さずに、“ 国 ”と普遍性を持たせたところに訳者の強い思いがうかがえる。

 銀行強盗を働いた主人公の男は、その時窓口にいた行員女性を誘拐し、そのまま逃走する。逃走というより、それは旅だ。主人公が銀行強盗を働くに至った背景と、関わる人物たちの物語が並行して語られるロードノベルになっていく。主人公の心にある真実と救いが、周囲の荒唐無稽ともとれる虚言に翻弄されているよう、僕には見えた。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

正直、ボイドとアンジーの逃走劇にフォーカスしすぎて読んでいたのか、このメインストーリーと、虚言症が蔓延する世界の噛み合い方がよくわからなかった。。。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

虚言壁のある男が銀行強盗をしてその窓口の女性と逃げることになる、それまでの禍根といろいろないまぜになって行く先々で起こるアウトローな世界。自国第一主義を掲げるアメリカの大統領や、空気のように浸透するフェイクが主題の様。何とか読んだけど印象に残る場面は少なかった。

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2025年06月21日

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