村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ珍しく小説の(フィクションとして)形式ではなく、実際に会った相手のお話を聞き、それを春樹が脚色をして物語に仕立てあげるといった方式をとっている作品である。
それぞれ己の理想像があり、それを理想像として掲げ、そこに向かって走っていくというのが一種の人生であるのだが、そんな物にきっと意味はなく、それは永遠に回り続けるメリーゴーランドのようである。そんな他人の人生のお話を聞いてみようではないか、無意味で無気力な物語を通じて自分を批評し直そうではないかそういった意味が込められている作品のような気がする。
お気に入りは『プールサイド』そして『ハンティング・ナイフ』である。
人生を50m水泳に例えるのであ -
Posted by ブクログ
語られる物語は歔欷でもなければ希望を持つとかそういった類いのものでもない。他の作品からも分かるように全部がそうとは違うけど、カポーティは隠鬱な書き手だった。ひとりで悩んでしまう様子や人間の愚かな部分を描かれていく。しかし彼のイノセンスと呼ばれる無垢な人物は際立って味がいい
草の竪琴
5人が打ち明ける秘密の数々がイノセンスで、それを共有することで絆という深みが生まれてきている、また一方で人の深さを打ち明けることは負担にもなりうると捕捉される。そこに更にカポーティによる美しい表現が加わり酔えた。終盤、ドリーがラジオでフットボールを聴くシーンがある判事がルールを教える、それを拒むのだ。知る楽しみも -
Posted by ブクログ
『パン屋再襲撃』を読んで、僕はしばらくパンのことを考えていた。
もちろん、パンが特別好きだからではない。むしろ僕にとってパンは、朝食として食べるか、食べないか、その程度のものだった。けれどこの短編を読んでいると、パンというものが、単なる食べ物ではなく、人生のどこかに残された小さな借りのように思えてくる。
昔、空腹の勢いでパン屋を襲った男が、もう一度パン屋を襲う。
普通に考えれば、かなり馬鹿げた話だ。
でも人生には、そういう馬鹿げたことがある。
昔の自分がやり残したことを、何年も経ってから別の形でやり直す。自分ではもう忘れたつもりでも、なぜかそれだけが妙に心に引っかかっている。そして、そ -
Posted by ブクログ
主人公が抱える、相手を思う気持ちにとても切なさを感じた。そばにいて何でも話せる関係でありながら、その思いが相手に受け入れられることはない。そのもどかしさや苦しさを読みながら、「恋をしている男性は、みな、このような気持ちなのだろうか」と想像した。
また、この作品では主人公だけでなく、登場人物全員の孤独が描かれていることが印象的だった。人生や置かれている環境はそれぞれ異なるが、どんな人も悩みや孤独を抱えながら生きている。人は誰かとつながりを求めながらも、最後まで完全には分かり合えない孤独な存在なのだということを改めて考えさせられた。恋愛小説であると同時に、人間の本質的な孤独を描いた作品だと感じた -
Posted by ブクログ
村上春樹を一冊も読んだことがない。
名前を聞いたことがあるが読んだことない小説家、くらいの認識だが、さすがに読んでおきたいと有名どころをチョイス。
まずは、一言。
描写がことごとく丁寧。一つ一つの動作を省くことなく大事に文字に起こしている。時間の経過や所作、その時の感情を漏らさない。
時に冗長に感じる時もあるが、自分は、今スマホをタップして文字を打っていることを、それ以上の文字数で表現することができない。でも、ここで村上春樹なら思考の部分とか、情景の部分とかを切り取って書くんだろうな〜と、どんな表現をするのかとすごく気になってしまう。
全6冊のうちの1冊目。あらすじまで8分目くらいのところ