村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私にとって初の村上春樹さん。
小説をいつか読みたいと思いつつもあまりにも評価が分かれすぎているためなかなか手が伸びず、まずはエッセイから入ってみようと思い読んでみました。
ものすごく身構えて読み始めたものの、小説の評価でよく言われている読みにくさや分かりにくさは全くなく、アメリカ滞在時のリアルな生活感、空気感が伝わってくる、とても親しみやすい文章。
マラソン大会や床屋さんの話からして、ちょっと気難しいというか神経質な方なのかなーという印象。
ひとつの物事を突き詰めて考える人とも言えるのかもしれないけれど。
ハルキストの方だと、このエッセイの時期はあの作品を執筆していた時期だろうなとかそういうのがわかってさらに楽しんだろうなと。
今回初めてこういう文章を書く人なのかとか、人となりなどを知れたので、小説にも挑戦してようと思うきっかけとなりました。 -
Posted by ブクログ
アフターダーク以来の村上春樹。
好き嫌い別れる所以がすごくわかる一方で数行読んだだけで「村上春樹の文章だ」とわかるアイデンティティの強さがある。総じてなんのジャンルでも賛否が激しく別れる物事はそれだけ人の感情を揺さぶれるということだと思っていて、彼の文章からもそういった凄さを感じた。
中国人に言及している一章が一番好きだった。良くも悪くも彼はすごく自分の感情とか書きたいものにまっすぐなんだなと思った。繊細さよりも強さを感じる文体と文章。クセが強すぎて時々はてなマークが頭に浮かぶときもあって、村上春樹の良さを完全に理解するにはまだ理解が足りてないのかもなと思った。本作は面白かったので村上春樹の本の中からはもう一冊ぐらい読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ◎レーダーホーゼン
なんかよくわかんないけどわかる気もした。経験したことはない気がする。なんでか、落ち着いちゃったら、自分の本当の気持ちがでかくなってしまうこと。
◎タクシーに乗った男
58
彼女の中の何が消えたんだろう?多少は、焼き払ったはずのニューヨーク生活に執着していて、その思いが消えたのかな?
ザッツ・オール、エア・コンディショナー、トレンチ・コート。インタヴュー
パーティーに向かう俳優。パーティー
◎プールサイド
はじめ: プールで何メートル何メートルって刻んで後少しだって思う感覚にやけに見覚えあり。
p65
70歳で死ぬとしても35歳が人生の半分だって、計算すれば当たり前にあってるんだけど、なんだか恐ろしくと思った。だって35年って相当な期間だから。それの倍生きても70?今は100年時代とか言ってるのに?こう考えるともう人生に飽きてるように思う。もしくは、もう少しいろんな楽しみがあるのなら、早めに味わってみたい気がする、そうじゃないと身持たない。長すぎる人生。
セックスの描写、「セックスをした」だけで終わるのが新鮮。おもろい。金原ひとみ作品のように、セックスしたい〜と思わせるくらい具体的な描写をしないんだ。してほしい気持ちと、これくらい身近にセックスはあるよね、だから無理に粒立てる必要もないよねという気持ちどちらもある。
P70
EDってインポテンツっていうんだ。まじで何のことかと思った。
読み終えて
わたしがはるき初心者だから?どの人の話がされてるのかよくわかんなかった。
◎今は亡き王女のための
89 最後の方
腕立てにしか興味がないといって→そんなことあるかよ(笑)おもろ
90
Arrested in a springtime という表現の良さ。そしてそれになぞらえられる彼女の姿。
読み終えて
なんでかはあんまりわからないけど、ここまで読んできた中ではこの話がいちばん好きな気がする。春樹の昔と今の混乱を理解できる気がする。スポイルされてきたって、英語がわからない人からするとなかなか異様な表現だと思うけど、私にはそれが伝わりやすかった。
◎嘔吐1979
110-111
短いセックスのおもしろさ。頼んだピザが頼むまでに終わらせたセックスを思い出す。
読み終えて
ふっしぎ〜〜。なんだったんだろうね。私が誰かわかりますか?
でもまた健康な姿に戻れて変な電話に悩まされなくやってよかったね。いつまた始まるかわからないけど。
◎雨やどり
読み終えて
これもなんだかすごく好きだった。終わりが好き。二万と彼女が言い、その額が春樹の所持金とピッタリなところ。春樹がセックスが山火事のように無料だったことを思い出すところ。
◎ハンティング・ナイフ
207
健康的な人と不健康な人
→この数年で私はどうにもこうにも不健康な人であることがわかり、健康な人に養ってもらいたいと思ってしまう。書かれている通りそれは効率がいいから。けど、私の不健康さは目に見えないせいで、どうしてもそれをお願いするのは難しいと思う。けどまじでこのまま1人でお金を稼いで生きていこうとするのはちょっと無謀と思ってしまう、金銭的にも精神的にも。どうしたらいい?
❓ナイフで何切りたい?: 1番最初に浮かんだのはナス。
すごい、前衛的な絵みたいな夢だな。
よく見る夢っていうのがある人のことずっと不思議だと思ってる。私は毎回違うし、同じ時もあるのかもだけどそう記憶できるほどインパクトない夢しか見てない。
皆さまへ -
Posted by ブクログ
◼️ 村上春樹
「雨天炎天 ギリシャ・トルコ辺境紀行」
ギリシャ正教の修道院、トルコの外周を回る旅。なんとなく行きたく、はならない笑
狙ったわけではなく入手したのがたまたま。この時期にハルキを読むのもオツかも。ノーベル文学賞発表間近、また同志社大学で講演会があるというので一般席のキャパ少ないけど応募はしてみた、らやはりハズレ。でも落選者にも丁寧にメールを送ってくれる主催者には好感だった。
ギリシャ、大陸からエーゲ海へ3本指のように突き出ているうち最も東側のアトス半島。この先側半分はギリシャ正教の聖地で修道院が点在している。船でしかアプローチできないこのエリアは俗っぽいものは何もなく、見学者は3泊4日しかいてはいけない。ここで修道院に立ち寄り泊めてもらったりしながら山岳地帯を歩いて巡る旅。
どこの修道院も接遇係を置いており、ゼリー菓子のルクミや砂糖たっぷりのギリシャ・コーヒー、ウゾーという焼酎ようなものの水割りを出してくれる。ルクミもコーヒーも甘さの極みだが、過酷な移動もあり、しまいには慣れてくる。泊まり客には食事出してくれるが粗食の極み。修道院によりもてなしも違う。極端に無愛想でカビのはえたパンを出すとこもある。腹が減ってるから食わねばならない。でも、当地には恰幅のよい信者もいるし猫も住み着いているというおかしな事実。
後半はトルコで、ちょうどクルド人問題で緊張の極みにある時期だったこともあり、兵隊と警官だらけ。イスタンブールから黒海沿岸、ソ連、イラン、イラク、シリアの国境沿い、聳えるアララット山は5165mとか。まさに外周、何もないところを4WDで回る。内陸のヴァン湖で泳ぎ、泳ぎがうまくオッドアイであるというヴァン猫を探し、どうも治安の良くない地方を回る。宿もひどいものだ。海沿いは魚が食べられるが、内陸は羊の肉ばかりで閉口したとか。
羊が多く、やたら子供にまつわりつかれ、野犬に怯え・・。中にはほう、という風景もあるらしい。生のトルコの人々の生活や雰囲気を実感し、荒涼とした中道なき道を行き、かと思えば大量の石油タンクローリーが朝晩構わず走る産業道路にうんざりし・・なんかこう、雑で^_^スケールが大きく、ヨーロッパのトルコ、アジア側のトルコ、内陸深部のトルコは秘境めいてて異国情緒もありそうで、ロマンを感じないこともないが、やっぱり行きたくはないかな笑。
村上春樹の小説は読書の一ジャンル。全集も出るのかな。スタンスはあんま変わんないです。紀行文は例えが思い切ってて面白く、気楽に読める。
特に巻頭の地図が良かった。アトスとトルコの地図裏表。行ったところはほぼ全部書いてあるし章が変わると折り返すだけで見やすい。紀行ものにシンプルで良い気遣い嬉しかった。 -
Posted by ブクログ
村上春樹作品は、大学の授業で触れた(そのときは読み切れなくて、後で読んだ)『ノルウェイの森』くらいしか読んだことがなく、気になってはいた。
古本屋でデビュー作である本作を見つけて、えいやっと買ってしまった。
『ノルウェイの森』と共通して、つかみどころのない、と言ってしまえばそう感じるのだけど、終わりの方は、過ぎ去っていく青春の苦さと、鬱屈とした清涼感(矛盾した表現かもしれないが)があってよかった。
もう少し読んでみたい。
--
あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
僕たちはそんな風にして生きている。
「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」 -
Posted by ブクログ
文章は当たり前だけどいつもの村上春樹節ですごく読みやすい。
アリクイが武蔵境に引っ越せと言うとは、これは一体どんな話なんだ?と始まりましたが、読み終えてもそのまま不思議な感覚、ファンタジー?もしかして、私が挫折した百年の孤独と同じマジックリアリズム系?村上春樹だからスラスラ読めたのですが。
でもシュール路線の笑いが多かったような…。
アリクイ夫婦との会話が人間じみてて可笑しい。アリクイなんだよね君たち笑
好物シロアリをオイル漬けにして瓶詰めにしたものを裏ルートで輸入してるって…思わず声出して笑ってしまった。この話、なんなん??笑
猫の名前がスカーレットヨハンソン笑 何故に!
シロアリの女王は正欲が強い設定笑 まじかよ!
守護天使!?!?!?
しかもBMWの大型二気筒モーターサイクルに乗ってる守護天使!?!?!?
特別な武器アイスピックの持ち手がまるで腎臓だというアピールもやたらにするけど、とくに意味はなかった!笑
でもねぇ、私が一番好きなのは新小岩の叔父さん。
寅さんを気取ってるこのおじさんの発言が結構好き。足立ナンバーのロールスロイスをそんなのお笑いかよ!って馬鹿にして。武蔵境を文明の果つるところと馬鹿にして。地域偏見すごいのです。それなのに、
「善き物語とは必ず何かしらの有用性を含んでいる」なんて本質を語り出す。
村上春樹作品は、好きとか嫌いとか抜きに、本好きにとってイベントですからね、次作も楽しみにしております!
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2026/09/23 - 2026/09/26
再読、なはずなのでぼんやり鼠とビールを飲むところは覚えていたが、具体的にどんな話だったか忘れていたので、今回読み直してみてよかった。
序盤の文章を引用する。
p13-l2
もしもあなたが芸術や文学を求めているならギリシャ人の書いたものを読めばいい。真の芸術が生み出されるためには奴隷制度が必要不可欠だからだ。古代ギリシャ人がそうであったように、奴隷が畑を耕し、食事を作り、船を漕ぎ、そしてその間に市民は地中海の太陽の下で詩作に耽り、数学に取り組む。芸術とはそういうものだ。
ここは前回読んだ時にも非常に印象に残っていた。10年以上前に読んだが、この文章を読んで、「ふーん、じゃあAIが台頭すれば私たち人間は芸術や文学に時間を割けるようになるのか」と思った。
実際にAIが普及した今、「AIを使えているのか、AIに使わされているのか」という疑問は尽きないが、なんとなく当時は希望的にこの文章を捉えたことを覚えている。
今回読んでいて、時代背景がいまいち読めない、というのがあった。今読むとあり得ないのだが、村上春樹のバックボーンから田舎の学生の私は「アメリカの話なんだな」と思っていた。どこをどう読んだんだ、という感じだが、全然日本の東京と地元が舞台だった。(と解釈しているがあってる?)
なんとなく、自分が東京に住んでみた経験や、大人になったことでこの小説への理解度がぐんと上がった気がする。と、同時にこんな淡くて曖昧な関係性や、ゆらゆらと足元が揺らぎ続ける柳のような感覚、時の流れ方を感じたことがないため、作品に入りきれない自分もいた。
人と人とが溶けて消える切なさや、言葉にするには野暮な部分、というのを「死」以外で感じて生きてきたことがないため、こういうふうに世界を見ている人もいるんだ、という追体験のような感覚で読み進めることになった。
それは経験の違いだけでなく、私自身が「言葉にしても伝わらなかったとしても、それでも言葉を尽くすことが人間関係の基本」だと思っているからかもしれない。
この本はまた、もう少し大人になったら読みたいな、と考えている。
p157-l13
彼の墓碑には遺言に従って、ニーチェの次のような言葉が引用されている。
「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」
多分、まだ昼寄りなのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み返してみると、本当に内容を覚えていない。各エッセイのタイトルを読み返してみても、どのような内容であったかを思い出すことができない。それ程までに、意味づけのプロセスを経ていない著者の日々の考え事が、そのまま提示されている作品であるとも言える。ただその中でも、以下に幾つか引用しているように、印象に残る文章はある。それは何故かを振り返ると、著者の中で考え事の中にもその洗練度或いはかけた時間に濃淡があるからであり(例えば、仕事への取組み方や仕事の境界に対する意見は、現時点の著者に通じる部分がある)、特に考えが濃く出ている部分に惹きつけられるためではなかろうかと思う。その濃淡も含めて人間らしい。若いうちは幾つもの薄い関心事が頭の中を駆け巡るが、それが次第にこぼれ落ちていき、限定された但し洗練された考え事に仕上がっていく時、それがその人のスタイルと呼ぶものになるのかもしれない。
特に印象に残った箇所は以下
・しかし長期にわたって努力や集中力を維持するにはどうしても体力が必要だし、努力や集中力を維持することによって才能を増殖させていくことは不可能事ではない。だから「一に健康、二に才能」なのである(p.81)
・要するに何から何までうまくやってのけることなんて自分にはとてもできないし、何かをなしとげるにはべつの何かを捨てるしかないのだと認識することである(p.213)
・でもひとつだけ例をあげる。それは「作家は批評を批評してはならない」ということである。少なくとも個別の批評なり批評家なりを批評してはならない。そんなことをしても無意味だし、無益なトラブルに巻きこまれるだけだし、自らが卑しくなるだけである。僕はずっとそんな風に考えて生きてきたし、そのおかげで自らをすり減らせる機会をずいぶんうまくパスしてくることができた(中略)作家は小説を書くーこれは仕事だ。批評家はそれについて批評を書くーこれも仕事だ。そして一日が終わる。それぞれの立場の人間がそれぞれの仕事を終えて家に帰り、家族と食事をし(あるいは一人で食事をし)、そして眠る。それが世界というものである(p.216) -
Posted by ブクログ
ネタバレ一度短編を読み、「難しいかも」と思いながら、これなら読めるかもと思い手に取ったもの。
やはり難しい。特に最後の数ページ。
物語はミステリー小説のように謎を含んでいる。
なぜ、つくるは突然に切られなければならなかったのか。シロは誰に犯され、殺されたのか。しかし、後段の謎は明かされないままでした。
沙羅とつくるはどうなるのか(をなぜ仄めかしもしないのか)?
灰田の登場した意味は?
わかないっす…。
ちなみに、YOUTUBEで「ル・マル・デュ・ペイ」を聞いてみましたが、コメントを見ると皆この方を読んだ人でした。
考えることは同じですねw。