村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公はジャーナリストから転落した男が銀行強盗をして人質に若い女の子を連れて、自分を窮地に追いやった義父へ対する話。
物語自体は古臭さがある。その古臭いストーリーを、現代的な意匠をまとって作り上げている。ただ、その現代的なイコンがどこまで有効になっているのかは怪しい。あまり鋭くは思えない。ただ、会話劇が中心なので、読みやすさはある。まわりくどい言い方もたくさんするが。
翻訳が村上春樹で、「本当に原語でこうなってるのか?」と思えるほど、村上春樹的な言い回しが出てくる。人質の若い女の子がぺらぺらと喋るあたり(そしてその喋りに中年男が圧倒されて振り回されるあたり)も、むかしの村上春樹のなにかの小説を思い出す。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ村上春樹さんの作品は、難しそうなイメージがあったけれど、短編集なこともあってか読みやすかった。
表現がとても知的で、堂々な印象を受けた。
「偶然の旅人」が中でも好みだった。
不可思議な話の中でも、こういう巡り合わせはあると、思っている。よく聞く言葉ではあるけど、縁ある人とは、離れてもまた繋がるのだと思う。
そして、「品川猿」に出てきた嫉妬に関する話は共感した。どれだけ客観的に見て恵まれていたとしても、周りを羨むばかりの人もいる。その一方で、周りから見て羨まれることは少なくても、十分に満たされている人もいる。隣の芝生は青いと思うばかりではなく、自分と向き合える人でありたいと感じる。
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「十年ぶりに再会して、姉と弟はそれぞれに、相手が十年ぶんの年齢を身につけていることを認めないわけにはいかなかった。年月はその取り分をきちんととっていくのだ。そして相手の姿は、自分自身の変化を映し出す鏡でもあった。」
「僕の中でどうしても納得のいかなかったいくつかの疑問が、それですっと腑に落ちた。なるほどそういうわけだったのかってね。それでずいぶんらくになれた。曇っていた眺めが、一瞬のうちに開けたみたいに。ピアニストになるのをあきらめて、ゲイであることのをカミングアウトしたことで、まわりの人は失望したかもしれない。でもわかってほしいんだけど、そうすることで僕はやっと本来の自分に戻ることができたんだ。自然なかたちの自分自身に」
「嫉妬の気持ちというのは、現実的な、客観的な条件みたいなものとはあまり関係ないんじゃないかという気がするんです。つまり恵まれているから誰かに嫉妬しないとか、恵まれていないから嫉妬するとか、そういうことでもないんです。それは肉体におけるし腫瘍みたいに、私たちの知らないところで勝手に生まれて、理屈なんかは抜きで、おかまいなくどんどん広がっていきます。わかっていても押し止めようがないんです。幸福な人に腫瘍が生まれないとか、不幸な人には腫瘍が生まれやすいとか、そういうととってありませんよね。それと同じです」
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Posted by ブクログ
残念だったのは著者自身が総括する最後の章「目じるしのない悪夢」も殆ど共感を感じなかった事。
オウム真理教、地下鉄サリン事件の被害者インタビューレポート。読んだことあったが、だいぶ前の話だし、不思議に読んでみようと思い手に取る(寝る前に読む本が欲しかったからかもしれない)
事件のレポートとしては大変貴重な情報で、よくまあこんなに多くの方にインタビューをして文字を起こしたなと思う。
作者にとっては、自身の興味、伝える使命、成長になった本だとは思う。
村上春樹を読みたいと思って読む本では無い。
私も当日のニュースをテレビで見て驚いた記憶もあり、今回2度目読書をしたが読み終わった後でも、他人事感は払拭できない。
それでも何か自分の中に残るものを探してみる。
・明日自分の身にも起こるかもしれない。毒ガステロの可能性を認識
・(何度か文章中に見たが)警察は動いてくれない
・最近は聞かなくなったが、宗教を盲信している人の存在