村上春樹のレビュー一覧
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ネタバレあまり村上春樹さんの本を読んだことはないけど、どこかでおススメされていて気になって読んでみた。
ストイックという言葉でまとめてしまえばその一言に尽きるけど、小説と真っすぐ向き合うように、自分の体と向き合う姿はとても好感が持てた。
こういう真っすぐな人に憧れがある。
脇目もふらず、というほど堅くがむしゃらな感じではないけど、自分の目的のためにしっかり歩める人。
ちょっとかっこつけている?おしゃれな感じ?の言い回しが引っかかる部分はあったけど、全体通して楽しめた。
ランナーは楽しくて走っているんだと思っていたから、練習自体は「つらいな」「今日は走りたくないな」という日もあるということに驚いたし、村上さん同様、私も安心したような気持ちだった。
辛くてもやる、ということが1つくらいあっても良いのかもとつい思ってしまった。
小説を書くことも持久力がいることなんだなとも思った。
感想を書くだけでも必死な私からすると、雲の上の上の存在だけど、積み重ねて作られているんだと思うと、もっと大切に本を読んでいきたいとも感じた。
走るということをやってみたくもなる。
とんでもなく辛そうだし、フルマラソンやウルトラマラソン、トライアスロンなんてもっての他だけど、ずっと自分の足で歩きたいという思いはある。
始めるなら、常に一番若い”今”なんだろうな・・と思った。 -
Posted by ブクログ
下巻は
世界の終わり
冬を迎え《僕》の影の命も残り僅かなことを悟った門番はやっと影と会うことを許してくれた。《僕》は影に会いに行くと、何と弱りきったのは影の演技だった。だがもう数日も持たないと影はわかっており、すぐにここから逃げ出す、と《僕》に告げる。
ハードボイルド・ワンダーランド
博士の娘と共にやみくろが住む洞窟を抜けた《僕》は、やっと博士を見つけ出す。
そこで博士から《僕》の頭の中に秘密の回路が埋め込まれている、ということを知る。《僕》に残された時間は残り僅かであることも。
と、物語の真実が描かれる。
今回20年近くぶりに読んで、最後までノリきれない感じがあった。
昔読んだときはそれこそ現ウォシャウスキー姉妹の『マトリックス』やターセム・シンの『ザ・セル』『フォール 落下の王国』だったりアメナーバルの『オープン・ユア・アイズ』みたいな夢と現実みたいな話との関連もあってか、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』も面白く読めたのかも。
未だにこの手の夢と現実的な物語は多くあるんだけど、映画でもどこか興ざめしちゃうところがある。そのせいかも。
だが、そうは言っても村上春樹の比喩表現や文章の上手さは相変わらず舌を巻くけれども。
ただ個人的には同じ80年代に出ていた短編集がやっぱり好きだな。 -
Posted by ブクログ
1985年に出た村上春樹の長編4作目。
15年か20年ぶりくらいに読んだ気が。前回読んだ時はもっと面白かった気がしたのだが……。
とは言え、この時期の村上春樹作品が一番、世間が思い浮かべる村上春樹っぽいスタイルで書かれている気がして、村上春樹読んでるという感覚を受けた笑
物語はタイトル通りに世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドという2つの世界が交互に語られていく。
世界の終わりの《僕》は記憶を失っている。壁に囲まれた小さな町で、自分の影を切り離されて暮らすことになる。《僕》は夢読みの仕事をしながら、切り離された影に頼まれて逃げるために必要な町の地図を作ることになる。
ハードボイルド・ワンダーランドの《僕》は計算師として組織に所属している。
研究所の博士から依頼されて仕事を引き受ける。その仕事は計算師の中でも一握りの人だけが出来る暗号解読のシャフリングという技術が必要な仕事だった。
しかし、翌日博士が突然姿を消す。博士の娘が《僕》のもとを訪れ、博士はやみくろと呼ばれる存在に襲われており、隠れているのだと知らされる。そして世界が終わることを告げられ、博士を探しに向かう。
という2つの世界が交互に語られていく。
村上春樹の長編に出てくる悪役が結構好きなのだが、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に出てくるあのデコボコの2人も一見話が通じそうに見えるのにそうでもなくてとても良かった。
部屋をめちゃくちゃにするシーンは大事なものを始めに聞くのに、結局それも含めてめちゃくちゃにしちゃう感じが笑っちゃうのと同時にちゃんと怖い。
その後、諭されながらお腹も切られる。
個人的にはこのシーンが作品のハイライトだったかも。 -
Posted by ブクログ
30年ぶりの再読。
自分の生年が表題に入っているので、何となく特別感があったものの、あらすじはまったく覚えてなかった。実際、すじと言えるほどのすじはないのかもしれない。
「僕」の話と「鼠」の話が交互に続く。
読んでいる途中、「鼠」の彼女と、「僕」が学生時代に電話をよく取り継いだ2階の女性が同一人物なのか? 同時並行と見せつつ、実は鼠の話は数年ズレているのか? とミステリー読み的な穿った見方をしてしまったが、村上春樹さんはもちろんミステリー作家ではなく、伏線回収もしないので、ただの気のせいだった。僕と鼠は同じ「ジェイ」のバーに通っていて、お互い面識もあるようだし。
ピンボールが何かのメタファーなのかよく分からなかったが、考察サイトを覗いてみると、(ノルウェイの森にも登場する)直子のことを何度も何度も「僕」が思い出す行動の暗喩説があるよう。
学生時代、この本を読んだ後、一時期ピンボールに嵌っていたことを懐かしく思い出した。最高スコアは6桁ではないけれど。
双子の女の子とやった配電盤の葬式の祈りのことばがかっこよかった。
P103
「哲学の義務は」と僕はカントを引用した。「誤解によって生じた幻想を除去することにある。•••• 配電盤よ貯水池の底に安らかに眠れ」
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Posted by ブクログ
初めての村上春樹作品。
まずは一冊と思ってこの作品を選んだが、上を読み終えるのに結構時間がかかった。難しい。
2つの軸(世界の終り/ハードボイルド)が交互に章になっているのが、最初はよく分からず混乱した。第2章を読んだ時にいきなり世界線が変わって、これは短編小説だったのか…?いやでも1章の内容は流石に完結してないよな…と勘違いしてしまった。
大分読んでから、この2つの世界がどう交わっていくのかが気になって読み進めることができた。
正直に言うと、村上春樹の作品じゃなかったら頑張れなかったと思う。最後まで読んだら面白さが分かるかも、まずは1作読み切ろうという気持ちで読んだ。次回、下巻を読みます。
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読破!
この本のテーマは生きる意味だと感じた。
色々あって主人公の世界は翌日の正午に終わることになる。そう悟った後の過ごし方がとても良かった。
世界が終わるって分かったら、逆にやる事がなくなる。人間は今日の時間を明日のために使う事が多いからだ。でも、明日が無いなら今日のための事だけに今日の時間を費やせる。純粋に今のためだけに今の時間を使える。普段明日のために今日の時間を使う事が多い。明日のために今日のリソースの節約もする。
純粋に今日だけのために今日を生きる日がたまにはあってもいいと思った。1年で1回くらいはそんな日を持ちたい。
主人公は牡蠣を食べてビールを飲んでたけど自分はカレーを食べてコーヒーを飲みたい。 -
Posted by ブクログ
Page Turnesで三宅香帆さんが紹介していた本書。村上春樹としては数少ない「女性が主人公」の小説で、今再読するとフェミニズム小説であったことに気づくと。
今の時代に初めて読む私にとっては、村上春樹のフェミニズムとしてすんなり入ってくるけど、これを1993年に書いたと思うと、その視点の鋭さに驚かされる。
特にラストの「眠り」。歯科医の夫にかわいい子ども、幸せを絵に描いたような家庭の妻が心の闇に堕ちていく。イメージ的には、フワフワしはじめてグニャグニャになって最後飲み込まれるみたいな。村上春樹調の美しい文体が故に、ホラーのような恐ろしさを感じる。
全体的にどう理解すれば良いかわからないのだけど、この内容はずっと忘れないだろうなと思うほど印象に強く残る作品。 -
Posted by ブクログ
村上春樹の旅行記。色んなとこに行く。
①イースト・ハンプトン(アメリカ)
②からす島(無人島・山口県)
③メキシコ
④香川県
⑤ノモンハン村(モンゴル)
⑥アメリカ横断
⑦兵庫県神戸市
戦争や震災、麻薬カルテルなどシリアスな面もあったがどこに行っても冷たいビールは美味しそうだった。あとうどん。
旅先では、目でしっかり色んなものを見て、頭の中に情景や雰囲気や匂いや音なんかを、ありありと刻み込むことに意識を集中し、とにかくそこにある現実に自分を没入させることがいちばん大事。
いちいち写真を見なきゃ姿かたちが思い出せないようなことって、そもそも面白い生きた文章にはならない、良い考え方。 -
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【2026年9冊目】
クロニクルは終わりに向かって走り始めた。これはぼくの、あるいは声を失った少年の、はたまた一人の獣医師の、もしくはやり遂げられなかった中尉、または手紙を書き続ける少女の記録だ。妻を取り戻すため、痣を抱えたぼくが目指す終着点とは――ねじまき鳥クロニクル第三部完結編。
また、ナチュラルに井戸に入り込むやんって思ったんですけど、井戸って、イド、つまり「無意識の領域で本能的な欲求や衝動を司る部分」とかけてるんでしょうね、これは気づかない私が鈍かったです。とはいえ、あまりにもナチュラルに井戸の底で座り込むものだから、この先の人生で井戸の底で過ごすのが趣味の人に巡り合っても、「村上春樹の作品みたいですね」と驚かずに済んでしまいそうです。
第三部は、視点がぼく以外の多岐に渡り、結構混沌とはしてましたが、最後まで読み切るとなんとなく、繋がってたんだな感があって不思議でした。ちょっとずつ伏線を回収しているというか。もちろん、村上春樹の作品の特徴として全部が全部はっきりと書かれているわけではないんですけど。それが味のひとつと言えるのかもしれない。
今作は他の作品に比べて、登場人物にちゃんと名前が割り当てられていていいですね。一番好きなのは「サワラ」ですけど。可愛すぎる、私もネコを飼ったら名付けたい。
村上春樹を味わうにはとても良い作品だとも思いますし、同時に「これ、村上春樹の作品だっけ?」と混乱させる要素もあるので良いなと思いました。ちょびっと玄人向けな気がしないでもないですが、私は好きな作品でした。