村上春樹のレビュー一覧
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ネタバレ絵を完成させたことで動き始めた物語なだけあって、完成しない絵の方も大きな意味を持っていることがよく分かった。たぶん「白いスバル・フォレスターの男」は主人公のよからぬ感情の象徴で、「秋川まりえの肖像」はまりえを手に入れたいと望む免色の怖さを表している。前者の未完成は主人公が真っ当な人生を歩むことに繋がり、後者の未完成によってまりえの安全が保たれた。「騎士団長殺し」は焼失することで役目を終えた。最後に主人公によって「白いスバル・フォレスターの男」が未来の「騎士団長殺し」のようになることを危惧しながらもその完成を最終的には望んでいることが示唆されるが、再婚することによって独りで無くなった(=他人と共
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初めての村上春樹作品。
帯に人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。8作からなる短編小説集、とあるけど、実際に村上春樹として文章にも出てくる場面もあるので、小説と言うよりエッセイ?私小説のようにも感じた。
私は音楽にあまり詳しくないから、音楽の説明や音に対する描写がつぶさに見える文章に少し困惑した作品も多かった。
ヤクルト・スワローズ詩集と品川猿の告白、最後の一人称単数はあーなるほどそうなんだー、と納得しながらクスッとして読んだ。
まあでも文章は独特の雰囲気だと全体を通して感じた。コレが村上春樹作品?まだ全貌はわからないので、他作品も読んでみますか。 -
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ネタバレ特に印象に残った箇所は以下の通り
・僕は高校時代にこのモームの文章を読んで「うーむ、人生とはそういうものか」となり素直に関心してしまった。それで大人になってバーのカウンターで働いていたあいだも、「どんなオン・ザ・ロックにも哲学はあるのだ」と思いながら八年間毎日オン・ザ・ロックを作っていた(p.67)
・「ウォークマン」は果たしてそこまで進歩する必要があったのだろうかという疑問を僕は抱いてしまう。そりゃひとつの機械が安くて小さくて便利になること自体にまったく異論はないけれど、引退した初代ウォークマンをじっと見ていると、「べつにこのまま進歩なんかしなくったってとりたてて不便はなかったんじゃないか」 -
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(感想を書くのはこの本で丁度1000冊目)
1995年の阪神淡路大震災をモチーフとした地震にまつわる短篇集。連載は1999年7の月(ノストラダムスの大予言でお馴染みの恐怖の大王が降ってくる月)の翌月から12月まで、プラス書き下ろし一篇。
村上春樹らしいといえばらしいような。
ラストの「蜂蜜パイ」と「アイロンのある風景」がよかった。沙羅(友人の子)と淳平の間で語られる、熊のくまきちととんきち(淳平本人も途中で間違えるが「とんちき」ではない)の話がとてもよい。
表題作になっている「神の子どもたちはみな踊る」が小説的には一番凝っているのだと思うけれど、「蜂蜜パイ」中の言葉を借りれば、「小説的展 -
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ネタバレ青豆と天吾の章が交互に繰り返される。今後二人に接点はあるのか?
青豆
女性虐待する男の暗殺者。老婦人の元に仕えている。山梨の武闘グループの警察襲撃とそれに伴う警察の銃、制服刷新など1984年の一部記憶がない。ハゲが好き
天吾
予備校講師で小説を書く。編集者小松の提案で『空気さなぎ』の作者ふかえりの文章を書き換える。
ふかえりこと深田絵里は家族でコミューン「さきがけ」に暮らし、家族で一人だけ抜け戎野先生のところへ来た。さきがけは父がリーダーで、武闘派の「あけぼの」(山梨の襲撃事件を起こす)が独立、ふかえりが出た後は宗教法人になった。両親は見つかっていない。